消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1909年01月31日(日)

私はあなたのようにオタクにはなれない
一途に何かに没頭して
脇目も振らずに他の事を突き放すことはできないから
寄り道もわき道も道草も大好きだから
何処へでも入り込んでゆくから
元の道を忘れるから
そして迷子になっても泣くことはない
けろりと新しい道をスキップしている


1909年01月30日(土)

完全に離れた
そう感じる
手から何かを取り落とした瞬間の
掌中の空白のカンカクを
こころに感じる
grayなカンカク
決してblueではなく

あなたに対して


1909年01月29日(金)

海に 夢を見ますか 現実を見ますか
空はどうですか

自然はどこまでも
自然として繋がりあっていると思います
区切りはなく一体であると思います
そして人もその一部であると思います

空と海は別ものでなく
つながるものと思います
自然の一部だけを
好き嫌い言えるものではないと思います

あなたはどうですか


1909年01月28日(木)

あなたは後悔しているのかもしれませんね
そして 私もです
もう便りすることはないでしょう
お互いに たぶん
そういう言葉だと思うのです


1909年01月27日(水)

風はまだ冷たいけれど
きらめいている
睫毛の先がまぶしくて
嬉しい気持ちになってくる
自転車がいい
走るとだんだん忘れてしまう
何が厭だったのか
もうどうでもよくなって
こだわらずに進んでみようと思う
春まで あと少し


1909年01月26日(火)

偉くなった と自分で思うと
勿体ぶるようになるんですね
あなた自身は何も変わっていないのに


1909年01月25日(月)

夕方 菫のような藍色の空
まだほの赤い西の空低く
細く金色のうすい皿のような月と
その左上方に明るい大きな星
それは金星

昨日 新月だったはずなのに
今日はもうこんなに存在感
はっきり此処が輪郭とわかるラインな月

どこかの国旗のような星と月
美しく目映い


1909年01月24日(日)

厭なことを前に
空を睨んでいても仕方なく
ぶつかるしかない
早口になっても一気にすませるしかない

ぶつかればどこかが欠けて崩れる
少し何かがほぐれる
向こうにのぞく穴が小さくあいて
明るさが射しこんできた
軽い空気が流れ込んできた

流れが速まって すっかり入れ替われば
春の気持ちになれる


当たって砕けろ ではなくて
案ずるより産むが易し ってことなんだろうと思う


1909年01月23日(土)

哀しい思いが
積み重ねられて
高くなってゆく
重さで口を開けない
白い紙に
文字を並べるだけ


1909年01月22日(金)

たぶんそろそろあのひとの
出番かも と予感する
そんな花色


1909年01月21日(木)

あなたがたに疲れて
伝える言葉が思い浮かばず
無口になる

ゆっくり確実に
重みだけを感じて
そのまま動かず沈んでゆく
口を結んだまま

言葉が
心を解き放つのに


1909年01月20日(水)

ほんとうに
表で目立つことだけ好きな人たちだ
裏方や下で支えることをしないで
いかにも自分が力を出したと残すことだけ好きな人たちだ
かってにやってください

リクエストは通らなかったので
自分で用意しました


1909年01月19日(火)

最後の一つ だったらしい
残りものに福 あるかな


1909年01月18日(月)

十二単 素敵です
豪華なんだろうけれど
浮ついた甘さがない
重々しく厳かで
気持ちが引き締まる
白無垢もほんとうに清らか

どうぞ 末永くお幸せに
そして震災の街を
いつまでも忘れないで


1909年01月17日(日)

奥の奥の見えない場所
そのままにしても関係ない場所
でも気になって
終わったとは思えない
残したままで完了とは言えない

やっぱりそこをやり直す
時間と手間と持ち出しになるけれど
でも終われば気分よくすぱっと忘れられる

いつまでもそんなことに
うじうじしていられないから


1909年01月16日(土)

部屋を静かに感じる工夫ができると気づいた
工事の音や 車の音や
小さいひとたちの通る甲高い声や
絶え間なく耳障りな物音の続く日

細かなもののほとんどない部屋に入った
大きな家具はあっても
こまごまと物を置いたり壁に飾ったり
雑然と紙類が積まれたりしていない部屋を
とても静かに感じた
外の音は同じように窓から入ってくるのに
部屋に音が無いかのように感じた

ひょっとすると
音は部屋のあらゆるものに飛び交って
木霊し続けているのかもしれない

何もなければ 静かに床に落ちてゆく
そういうものかもしれない

部屋を広く整然とするのは
見た目だけでなく
本当に音を抑えるのではないかと思った


1909年01月15日(金)

キミタチののんきさには 
ほとほと ついてゆけない
主体は誰なのか
誰が推進することなのか
よーーーく考えてくださいね
船に乗っかってるだけじゃダメなんだよ
舵取りしなくては 進まないんだよ


1909年01月14日(木)

朝 東窓の明るさが強くなってきた
カーテン越しにみなぎる燃えるような光
元気が射しこんでくる
春だ
したい仕事が山とある


1909年01月13日(水)

初老の夫婦が営む静かな八百屋さんがあって
そこに時折かわいい赤ちゃんがいる
お孫さんと思う
そして娘さんらしき母親がくる
色白のほのぼのとした感じのひと
歩き始めた赤ちゃんが白菜をなでていた
その店の前を通るのが好きです


1909年01月12日(火)

スイートピーはよい香りがすると聞くけれど
経験がありませんでした
スイートピーを見かけると顔を寄せてみるけれど
感じたことがありません
スーパーの花売り場じゃダメかな
でも前に育ててみても感じなかったし

今バレンタインで花屋さんははなやか
スイートピーの白数本にピンクをセットした
小さな花束がありました
バケツにいくつもさしてある
近寄ってみると何ともいえないスッキリしたいい香りでした
何に似て と思いつかない初めての香りでした
甘いというより きりっと感じた

買いたかったけれど ショッピングの途中で買えなかった
うちの近くの花屋にはカラフルなのしかありませんでした


1909年01月11日(月)

送信ではなく発信なのです
着信ではなく受信なのです
それはそういうカンジでした
そこだけの世界でした
誰も関与できないのです


1909年01月10日(日)

ケッキョク
だらしないのは注意力の無さからと思う
注意深く行動する経験の積み重ねで
注意力が養われるのだ
だらしない人は注意力がなくて
最後の詰めが甘いのだ


1909年01月09日(土)

もう終わるような
なんだか そんな気がする

人の縁は広がったり閉じたりして
それで自然だと思う
少なくとも濃くなったり薄くなったりする
重くなったり軽くなったりがある

だからそういうことかも知れない
とりたてて何も思わない
自然にそう感じる
お茶の味が薄くなるようなそんな感じ
無理はしない


1909年01月08日(金)

葉のないアーチに白薔薇が数輪咲いている家
淡いピンクが一輪咲いている鉢のある庭
冬なのに というか早春
歩けばどこかしらで薔薇を見る
冬咲く薔薇もあるんだね


1909年01月07日(木)

パン職人は太陽の手
チョコレート職人は月の手 だって


1909年01月06日(水)

貴方は新しいことにアンテナを張ると言う
私は足元を固めようと思う
清しい暮らしをしようと思う


1909年01月05日(火)

雨のあと
しっとり重い空気
喉が楽だ
まだたっぷり降るのだろう


1909年01月04日(月)

カップめんをたべる
便利だしおいしいと思う
ホントは体によくない食べ物 と思いつつたべる
その後ろめたさがちょっとスリルで
なお美味しい。 かも。
でも眠くなります


1909年01月03日(日)

もあんと暖まって降る雨でなく
少し冷えて雨になった
夢見る雨でなく現実に立ち返る雨
そうだよ それが大切だ
それでも確実に春を呼び覚ます
晴れればまた
いくつもの蕾が一斉に膨らむのだ


1909年01月02日(土)

真っ直ぐに落ちてゆくもの
風に運ばれるもの
それぞれに定められたこと

悪いことも哀しいことも
定められたこと
何かを気づくために


1909年01月01日(金)

花便り つぎつぎに届く
水仙 菜の花 梅 蘭 チューリップ
そして桜まで

どこに行きたいか迷うほど
なのに雪を運び入れて遊ぶイベントもあります




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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