消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1908年04月30日(木)

気が強いのと
心が強いのは 違う

心の強さは広さと深さによって
やわらかくしなやか

気の強さは棒のように硬くて
どうにも変われない
人を受け容れることができない
心は小さいのかもしれない


1908年04月29日(水)

あなたに似た天馬
荒地の丘に降り立ち
寂しく翼をたたむ
暮れゆく邑を見下ろして
静かに深く息をおとす
そしてまたゆったりと羽ばたいた
天を大きく翔ける
白銀の翼


1908年04月28日(火)

大人になっても
大人に成ってゆくのは長い

見えてないこと
気づかずにいることばかり と

その旋律は
悟らせてくれる


1908年04月27日(月)

そのひとの言葉に心打たれるのは
そのひとの輝きに打たれるからです

持ち続けた火のような怒りをおさめ
海ほどの涙を流し
そして今は
月下のねむの木のようにさやさやと
子守唄を歌い続けているそのひとに


1908年04月26日(日)

志をもつことが
人の気持ちを真っ直ぐにする
姿勢を正し 目線を正し
気持ちを正す

小さくともよい
大きさではない


1908年04月25日(土)

まっすぐに気持ちを立て直せると
小さなしあわせでよいと思える
いえ 幸せに大小など無いとわかる
やすらぎと満ち足りた思いこそしあわせ

胸元は軽やかに
大きなTRILOGYはいらない


1908年04月24日(金)

ほんとうに清々しいものは
人に晴れやかな喜びと誇りをくれる
まっすぐに生きることへの勇気をくれる


1908年04月23日(木)

貴女に会ったそのあと
見上げた空一面に
天女の羽衣のような
白く薄いすじ雲が
広がっていた
貴女の志のようだった

清々しくやわらかく
ひろやかにやさしく
自由に どこまでも

貴女に会えてよかった
もっと早く会えればよかった


1908年04月22日(水)

こころ打たれて
涙を流して
悔い改めて
人はつながって
時は大きく流れてゆく
大きなうねりのその唄に
こころの奥深くしみいる
あたたかな流れを見て


1908年04月21日(火)

ねばりがないよね
しなりがないよね
突然ぽきんと折れるよね
キミたちふたり


1908年04月20日(月)

そこに見たのは恐怖不安
唖然として
ただ背筋がぞっとした
黒の行列


1908年04月19日(日)

よかった
貴女が来る前に終われる

私ひとりのことだから
私にとって とても大切なことだから
貴女とは共有できない


1908年04月18日(土)

その調べは胸に響く
涙をあふれさせる
涙は心を目覚めさせる

国も時代も楽器も違うのに
話す言葉も違うのに
歌詞の意味すらとれぬのに

なぜか ふと 
もうその国の言葉を話せそうな気がしてくる


1908年04月17日(金)

影を見た そう思ったから
ずっと後をついて

でも時々聞こえる咳払いは
貴方とは違って

いったい 何処まで来たのだろう
何処までもついてゆく気はもうないのに
引き返す道を知らない

おなかを空かした子猫がいたら
抱き上げて連れにしようか
温かなミルクをあげるよ
でも母さんを待っているだけかもしれないね
私の腕で もがくかもしれないね

やっぱり帰り道はひとりきり


1908年04月16日(木)

賭けをしています
今日 あなたから連絡があるかどうか
自分で賭けています
というより 占いに近い
来れば・・
来なければ・・
それでどうということもないのだけれど
何かが変わるかもしれないという気がして
というより 予感に近い
というより きっと期待


1908年04月15日(水)

新しい一段を
新たな思いで織り出せばいい

過去の穴あきも目落としも
修復にこだわれば もう進めない
たとえ目数を失っても 
不規則な模様のままでいい

止まらずに いつも
新鮮な気持ちで織り続ければいい
夕日の色も 海の色も
私の綾


1908年04月14日(火)

断定ではなく 
問いかけがいい
しっくりと気持ちになじむ

断定は終止符だ

進むためには
止めてはいけない


1908年04月13日(月)

スペシャルサンド(ヤマザキ)という
サンドイッチじゃないパン 
やわらかなこっぺパンに
白いクリームとオレンジ色の杏ジャムと
チェリーのような赤い小さなゼリーが真ん中に

スーパーに並んでる
高級じゃないレトロな菓子パン
だけど 好き 
なぜか懐かしいしあわせな気持ちになる

おばあさんになっても
うれしくてにっこりしたいから
ずっと在ってほしい


1908年04月12日(日)

ありがとう という言葉
やっぱりうれしい

ひとに心からそう言ってもらえる
わたしでありたい 


1908年04月11日(土)

夢の中にいた
想い出を蘇らせるすべを求めて


1908年04月10日(金)

学校でいやな思いをしていて
生きてゆくのに疲れて
もうこのまま消えたいと思って

そのとき
家族に伝えることができれば
思いとどまれるとは 限らない

本当に包んでもらえなければ
はらはらと散るだけだ

散りそうなものを必死でつないでいる状態で
もしも叱咤されるだけなら
ひとりで幕を引こうと思うだろう

キミハ ホントウハ ドウダッタノデスカ


1908年04月09日(木)

洞窟の奥 
一滴(しずく)ずつ落ちる音
待つと長く それでもある規則性をもって
期待とともに聞けばやっと聞き取れるほど
不意に聞けばとても大きく
響きは 余韻を残し

天窓より
未明の流星を待つごとく

ひとの気配というものは
あたたかなもの


1908年04月08日(水)

ごめん
失礼だった
悪かった
それは猜疑心
色眼鏡でした

でも 
嘘つきの酔っ払いは最低
と思う気持ちに変わりはないよ


1908年04月07日(火)

届けものが届かない
貴方は尋ねもしない
失せても盗まれても
何も気にしない

気にしているというポーズをとらない
そのこと自体がメッセージ


1908年04月06日(月)

アフガンの子たちの
手指は太くてまるくておおらかだ
あたたかく信念のある手だ


1908年04月05日(日)

嫌いだったひとを見かけた
老いの始まる普通のひとになっていた
沈んだ顔をして うつむいて歩いていた
しわの目立つ表情だった

もう何も苛立ちを感じなかった

妙になまめかしい若作りを嫌いだっただけだから


1908年04月04日(土)

今日はみんな嫌いなのです
理由は言えない

わかっています
心でつながっていたいと思っても
難しいことだと
何かに打ち込んでいる時は
忘れているけれど


1908年04月03日(金)

庭に熊毛虫がたくさん出てきて
地面をあちこち動いていて
歩く気がしない

何を探してどこへ移動してるんだろう
ついてゆきたい気も少しするけれど

毛のふかふかした動物は好きなのだけれど
熊毛虫はダメ


1908年04月02日(木)

わくわくする気持ちが消えてしまった
ふいと神隠しのように

きっかけは小さなことかもしれなくて
誰にも責任などなくて
時間が流れただけ
分かっているのだけれど

思い出せずに困惑しているのは わたし
あなたの気持ちを見つけられないで


1908年04月01日(水)

百舌の声をよく知らない
聞いたことあるのかないのか

高く澄んだ秋空に 通る声なんだろうね
考えているとどうしても 鳶の声になってしまう




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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