消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1906年11月30日(金)

薄紫の花が届いた
小さな苗なのに花が咲いて届いた
環境の異なる地の花だから
一年無事育つかさえわからなかったのに
花を見ずして枯らせてしまうかも知れなかったのに
来年咲くとも限らないのに
今花を眺めている不思議
この花を見たかったんだ


1906年11月29日(木)

ふと思い出した
子どもの頃 大縄跳びが嫌いだった
上から落ちてくる縄に入るのがこわかった
どうしても怖くてワンテンポずれる
だから引っ掛かって立ちすくむ
駈け抜けるのもダメだった
回す役のほうがよかった
今でもきっとできないと思う
立ちすくむ感覚をまだ憶えているから


1906年11月28日(水)

子どもの頃見たその犬の物語は
自立して孤独で勇敢だった
そういう言葉を知らないときなのに
心にしみ込んでいる彼のイキザマ


1906年11月27日(火)

人はその先に何があるのか知りたくて
野の果て山の向こう海原へと旅立ち続けた
感謝の祈りをささげ続ける人たちなら
小さな島でずっと平和に暮らせたのに
人が作り出した技術は
人の欲を大きくして平和を壊した


1906年11月26日(月)

そのコンディショナーは
さらさらともなめらかとも違って
髪がまろやか になった感じで
よいです


1906年11月25日(日)

いつもそうやって逃げ出すんだきっと
当り障り無くそ知らぬ振りして
いつの間にか姿を消す
始めは誰も気づかないんだ
いつもと何も変わらないから
そのうち誰かが首をかしげて
大騒ぎではない騒ぎが始まる
何となく話はまとまって
アイツ消えたね で終わるんだ
君の筋書き通り願望通りに

逃げ出したのではなく
捨て去っただけなんだ


1906年11月24日(土)

しあわせになるのに一番大切なものって何だろう
身体の健康かな と今は考える
いろんなことの元となる力だと思う
健康な身体に支えられて心も健やかでいられる
もし身体の健康が手に入らぬ時は
心だけでも健康に保つ
例え身体の能力的に不自由になっても
その上での健康を保つことが
そのひとの生き方でのケンコウだと思う
自分の使えるところをフルに健康にすればいい


1906年11月23日(金)

あの店はどうなったのでしょう
もう人が寄らなくなったあの店
新しいものが並ばなくなって
主の姿が見えなくなって
時おり誰かが当番のように
外からのぞいて通り過ぎる
閉店するんだろうか


1906年11月22日(木)

できないことが口惜しくて
ぽろぽろ泣いたおちびさんたち
涙をこぼして汗をかいて
歯を食いしばって頑張ってた
だからほっぺがぴかぴかだったよ
すごく頑張ってたよ
これからだってきっと
すごく頑張れるよ君たち
素敵なピンクのメダルだった
きらきらしてたよ
君たちがまぶしかった
かっこよかったよ

小さな人たちにとって
憧れるオトナが身近にあるって
幸せなことだ
信頼をもって一心に頑張れるから

オトナだって
一心に頑張っていなければ
信頼なんて取れるはずないよね

オトナ ガンバレヨ
小さな人たちの前で 輝けるよう


1906年11月21日(水)

雨あがり
しっとりとして 大気が甘く華やいだ
どこかでカラスがおだやかに笑っている


1906年11月20日(火)

サクラチル
サクラチル
君の桜も私の桜も
吹き上げられて花吹雪
舞い落ちて花筏
流れのままに生きてゆく


1906年11月19日(月)

追いかけても待ち続けても
所詮 幻影
無駄な時間を重ねて
自分の首を絞めてゆく


1906年11月18日(日)

こんなに激しい雨なのに
あなたの言葉は眠くて眠くて
雨音さえ忘れる気だるさ


1906年11月17日(土)

君の考えがわからない
単に好奇心だけなのか
目指すものをみつけているのか
向上心は人を支えるけれど
平常心の維持というのも
思いのほかエネルギーが要ると思うけど?
心のキソタイシャだと思う


1906年11月16日(金)

雨が多いなら
雨の実りを収穫しよう
花粉は来ないし
音は静かだし
何にせよ
外の仕事は無いのだから


1906年11月15日(木)

会えるだろうかワクワクする
すれ違いもあるけれど
待ちぼうけもあるけれど
後ろ姿を見つめるだけの想い
スケジュール通りにはいかない


1906年11月14日(水)

人の気持ちは瞬く間に変わる
湧き起るもの 萎えてゆくもの
あなたの気持ちが湧き起り
私の気持ちは萎えてゆく
あなたが諦めた事
私はしがみつこうと思う
捨てたものを拾いにはいかない
知らない単語はまだ無限に在る


1906年11月13日(火)

雨の日は 
午後がゆっくり過ぎる
仕方なく手が空くからかもしれない
活字にゆっくり目を通し
お茶もゆっくり飲める
頭の中もゆっくりしてしまう
ふっかけようとした喧嘩は色褪せた
電話で受けた新しいニュースは
少し気持ちを弾ませる
春は確実に進化する


1906年11月12日(月)

喉がずっとひりひりしていた
タバスコかけ過ぎたかな
ハバネロがいけなかったか
そうか黄砂かもね
そう思ってた
鼻水がとまらない
あぁ花粉症なんだ
そう思った

結局 今日になって
気づいて風邪薬を飲んだ


1906年11月11日(日)

小さくまとまって密になって
こじんまり固まってるのはつまらないのです
流れがあってゆるゆるのスケスケが好きだ
どこかに隙間があるのは
風が通って光が通ってイキグルシサがない

花の話なのだけれど
書いていると 人とも思えてきた


1906年11月10日(土)

ぶたねこでなく ねこぶたがいる
やわらかくて いとしい
こねこのような ねこぶたがいる


1906年11月09日(金)

惑わす人とはサヨウナラ
惑わす言葉にサヨウナラ
もう近づかない


1906年11月08日(木)

突然に部屋中の明るさ軽さ広さ
やっと春だ
これが陽光だ
体が軽くなって充ちている
冬には捨てる模様替えを思い立つけれど
春にはただ広くしようと思う
テーブルもローチェストも
上にいろいろ置いたり飾ったりしないで
ひろくひろく明るくして
ああ春だと思いたい


1906年11月07日(水)

いつ捨ててもよい生活 を夢見たけれど
それは哀しいことだね
目指してはいけない
美しく暮らそう
春はそう思う


1906年11月06日(火)

宇宙に自分が存在する巡り合わせ
さずかった命は健全な精神でありたいと思う
美しい魔女より陽灼けた農婦がよいと思う


1906年11月05日(月)

ふっと 今わかった気がする
あなたが苦しそうに言葉を吐いたのは
苦しかったからではなく
そう思われてると思ったから
本当は苦しくも何ともなかった
フリだったんだね
レイギだったのかもしれない
オツキアイというのかも
どうして今までわからなかったんだろ
皆と同じに信じてました


1906年11月04日(日)

言葉をさがすのは
自分の気持ちを探るため
自分の気持ちを見つけるため
自分の気持ちを見つめるため
自分の気持ちを整理するため
誰かを殴り倒すためではなく


1906年11月03日(土)

激しい雨で白いモクレンは花を落とした
一片ずつ 音立てるように
この春 柔らかな雨がない
嵐のような雨ばかり
慈雨にならずけんかのように花を叩いてゆく
春の嬉しさから遠のいている


1906年11月02日(金)

今は君の事だけを気にかけようと思う
わたしのことは後回しでかまわない
全然平気 たいしたことない
流れを変える気持ちは 今は湧かない
心配事があるときはそういうもの
解決するまで次の一歩は踏み出せない
足元に不安があって足踏みする気持ちは自然だと思う
無理に背を押されても足がもつれて倒れるだけ
ゆっくりしてから踏み出そうと思ってる
流れるままに生きてゆくから
だから君は 気にせずユアペースでやっていいよ


1906年11月01日(木)

春の匂いのする宵になりました
桜はまだ固いけれど
どこかに甘い香りがする
沈丁花かな
夜閉じない花は妖艶です
きっとひとり遊びのできるおとな




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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