消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1905年08月31日(木)

模様替えをしようと思った
思い立つと次々に何かを変えたくなった
そして 変えることに抵抗が無くなった
この秋も この冬も
どんどん殻を壊して捨てて
自分の何かも変わってゆく


1905年08月30日(水)

葡萄を皮ごと口に入れてみた
初めての体験

葡萄産地の人は皮ごと数粒口に入れて
まとめて出すと聞いたことあったけれど
試したことはなかった
マスカットの箱に書いてあるのに気付かずに
普通に食べてしまった

大粒の巨砲で試してみた
ぷつんと皮がわれて とても甘かった
種なしではなかったけれど 難なく出せました
でも皮は少し口に渋くなって出しました

普通に実だけを口に入れるより
甘い気がした
皮の内側が甘い気がする
はまりそうです

農薬を心配されたけれど
大丈夫でしょ きっと


1905年08月29日(火)

うまく動き出したようですね
うまく人を呼び込めているのですね
それともお出かけしたのでしょうか
通じ合うものを持つもの同士は
一枚の色写真にぴんとくるのでしょうね
やっぱり誉めコトバを待っているのでしょうか
返事を書くの疲れませんか


1905年08月28日(月)

他愛なく頼まれそうで
嫌な気持ちでいる
そんなこと図々しくありませんんか と
心で思っている
はっきり断わろうと構えている

でもそんなことに心の隅を固くしていることが
自分にとって馬鹿馬鹿しいから
忘れていたいから
その時にはあっさりOKする方がいいのかとも考えるけれど
それも 何で私が という気持ちがもたげて来て

やっぱり自分を誤魔化さずに
きっぱり断わることにしようと思う

図々しいひとに負けるのは 大嫌いだ


1905年08月27日(日)

アメジストセージの
長い花穂がたくさん揺れて
子猫たちの尻尾のように賑やか

立ててみたりふわりとさせたり
すまして歩いたり 
ぴょんと駆け出したり
楽しそうにはしゃぐ


1905年08月26日(土)

やっと模様替えに取り掛かる
ひとつ始めれば あとは転がるように進むだけなのに
ずい分時間がかかってしまったものだ
秋は外へ出かけたいのに
野の風、山の色、水辺の音を
少し楽しんでみたいのに
時間あるだろうか
冬の訪れを感じるまでに


1905年08月25日(金)

秋になって空も風も光も澄みはじめると
手仕事が恋しくなる
何かを作りたくなる
自分の手で作り出したものしか身に付けない
というルールを課したいほど


1905年08月24日(木)

今日は清らかな空気
空が澄みきっている
ピュアな光
自転車で
今どこを走ってますか


1905年08月23日(水)

ひとのいう原罪とは違う意味での原罪が
わたしにはあるのです
償いをすべきこと
あのときのこと
   〃
   〃
あなたに

だからずっと償うことを思っています
それはずっと続くでしょう
いつか償い終えたと思えるまで


1905年08月22日(火)

わたしは自分の力で生きているのだろうか
ひとに生かしてもらっているのではないだろうか
自分では生きてゆけないのではないだろうか
わたしは 誰に生かされているのだろう
誰が生かしてくれているのだろう
自分で生きてゆけないのなら
誰かにすがって生きているのなら
野良の子より力がないね
誰かに頼って生きているのなら
身の程をわきまえた生き方をせねばね
ひとに何かを返さねばね
感謝の気持ちをもたねばね
不服や不満を抱えぬようにね


1905年08月21日(月)

返事を返さないで平気で居られる人が不思議だ
自分のことばかり頼んでくる人が不思議だ

今年の彼岸花
たくさん咲いたけれど
どこか色がぱっとしなかった
毒気のあるようで慈母のようで
あでやかなようで童のようで
狂気のようで天真爛漫なようで
熱くも見え涼しげにも見える
あのさえざえとピュアな赤ではなかった
何か達しない赤
燃えている感じがなかった
だから蕊も美しく見えなかった
燃え残りの黒いようなくすんだ感じだった

なんでかなあ!
嫌いになったと言ったからかなあ


1905年08月20日(日)

何とはなしに気になってふと見上げると
玄関脇の金木犀がひとつぶ開いていた
なんて目立つ明るさなんだろう
眩しい星のように

そろそろ星が
幾百と降り始めるのだろう


1905年08月19日(土)

一晩で水は冷たくなった

水辺が妙に恋しい
あの池の水鳥たちは
どうしているだろうか
真白の羽を羽ばたかせて
餌に群がっているだろうか
大きく空を旋回しているだろうか
賑やかに鳴き声をたてているだろうか
岸辺のねぐらにも 冷たい露がおりただろう
子どもたちの声も遠ざかる季節
老人が小さな犬と佇むだろう
飛行機雲がまっすぐに
青空を突き抜けるだろう

あの池のほとりを巡りたいと想う
風の冷たさに
色付き始めたものを見つけたりしたい


1905年08月18日(金)

物陰の陽だまりをみつけて
仔猫は眠たげにじっとしている
毛がふわりと輝いている
親猫はいつまで関わるのだろう
ひとりで生きてゆく術を
あとどれだけで教わるのだろう
親は時おり邪険に払う


1905年08月17日(木)

お金がなくても
夢を語れることは幸せ
夢がある人は幸せ

お金があっても
使い途のないひとは不幸せ
夢のない人は不幸せ


1905年08月16日(水)

ほっとする間もなく
ぼんやりと残っている
レセプションの疲れ
じんわりどこかに
空白な気持ち


1905年08月15日(火)

お風呂の小窓を少し開けている
ぼんやりお湯につかっていると
冷ややかな夜気がおりてくる
しんとした夜半

このひとときで
何もかも幸せに転じる気がする
この国に生まれて幸せだと想う


1905年08月14日(月)

ふしぎなふしぎなふしぎな 再会
やっぱり WELCOME なのかな

あと数秒違えば
何も起こらなかったのだから
神のふしぎ


1905年08月13日(日)

忽然と消えた
わたしのせい?
自分の意思?
神の?
涙で再会できることを願って
祈ります
元気でいてくれればいい


1905年08月12日(土)

その WELCOME いいね
思い出させてくれてありがとう
WELCOME の気持ち
長い間 忘れてた
捨てていたのかもしれない

けちんぼは 私だったのかもしれない
しなければならないことを
きちんとすることばかり考えて
サービスの気持ちがなかった

してあげたい気持ちに溢れている方が
人の喜ぶ顔を楽しみにするほうが
喜ばせてあげたい気持ちに満ちている方が
自分も幸せだということ
何年も忘れてしまっていた気がする

思い出させてくれてありがとう
WELCOME わたしも


1905年08月11日(金)

ペールなクリームイエローと
ミルクがかった蜜柑色の
カーネーションも老いてきた
花束は少しずつ時を経て
竜胆と薔薇のようなトルコ桔梗の
秋ローズな深い色


1905年08月10日(木)

コミュニケーションは
自分のことを伝えることより
相手のことを気遣うことの方が大事
そこから始まるということ

互いに自分のことをわめいているだけでは
コミュニケーションは成り立たないこと

ハワユー だって
こんにちは だって

そういうことだったと
あらためて 納得した

昔のひと えらい

最近遠ざかっているコトバ


1905年08月09日(水)

愉しい時間を共有した
ただそれだけが記憶に残ればいい
あの時は愉しかったね と
ただそれだけでいい


1905年08月08日(火)

色の名前をうまくいえない
やわらかなクリームイエローとなるい肌色の
ガーベラがうなだれてしまった
白とほのかなピンクのラークスパーも
終わってしまった
黄色い小さな花をつけた黄緑の葉も
ちりちりしてきた
少しずつ終わってゆく
まだ喧騒を引いたまま


1905年08月07日(月)

散り始めた花びらの
落ちてもまだ色は冴えていて
それは桃の花の色
きれいな桃色のラークスパー


1905年08月06日(日)

忘れてゆくのがかなしい
気品ということば
口元に指先に背筋に
映るこころ


1905年08月05日(土)

吾亦紅
さびしいときしか
思い浮かばなかった
風にかすれる姿

今はとてもあたたかな
優しい花だと想う
この秋


1905年08月04日(金)

苛立つ気持ちばかり残る
良いことだけ覚えていようと思うのに

サガでせうか
哀しいね


1905年08月03日(木)

鳩よ天まで
舞いながら
白く空を透かして
花たちと
秋の小雨と


1905年08月02日(水)

ほのかな甘み
ベールとなって彩りをかえ
月夜の銀の桜いろは
君に

ビルの空に大きな明るい月が見える


1905年08月01日(火)

都心の夜の 
空高くは
音が無い
風だけが通る

古い建造物が
ライトをあびて
黙っている




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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