消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1903年01月31日(土)

いつから花火より星を待つようになったのだろう
電飾のパレードにどこの花火も似てしまったから
涼しさがなくなってしまった

花火って闇の中に静かさがあったのにね
それが涼しさだったのにね
どこの花火も静かでなくなった気がする

星の炎は闇の中に涼しい色です
ずっと待つ
大きな火球と長い尾に 今年はいくつ会えるだろうか


1903年01月30日(金)

小窓から廊下におりてくる白い香り
たまらなくなって庭に出る
夕顔がいくつも大きく浮かんでいる
夜の庭は妖しい
アラビアンジャスミンを三つ四つ
摘んできてグラスに入れた
部屋に満ちる夜の香り風の匂い
異国にいるこころ


1903年01月29日(木)

秋立つ日
夜の風に
ジャスミン


1903年01月28日(水)

わたしも明るい部屋にしよう
誰が訪れても
いつ戻ってきても
楽しさのあるところ

過ぎたものは もう置かない
軽めになってもかまわない
底がぬけたと思うほどの明度に
浅い水底に光が揺らめくように


1903年01月27日(火)

川を渡る
西へ向かう真直ぐな橋
はるかな先に懐かしい稜線
夕日の落ちる処
右へ折れれば土手沿いに
山なみ目指して北上する
丈高い夏草は風とうねり
きっと小さな生き物を
その足元に守っている
このルートが好きだ


1903年01月26日(月)

はるかな
アダムとイヴの
アネモネに
コスモスを
重ねた


1903年01月25日(日)

相手の命を奪い
己の命を捨てにいくこと
それが戦場に行くということ

何の為でも誰の為でも
戦場で戦闘行為を行うのに
違いなど無い

戦争をキカクウンエイする国家元首たちは
己の命を捨てる気などないのに
民は戦闘行為に駆り出される

Do you kill me?


1903年01月24日(土)

ほとばしる雨が洗い去る
大地の火照りが鎮まり
ほとぼりがさめたら
また はじめよう


1903年01月23日(金)

動物にも智恵はあるでしょう
感情もあるでしょう

でも
魂の奥深くを揺さぶられる感覚をもつのは
人だけだと思う
心の震える感覚 しみじみとする気持ち

人を破滅から救うのは そういう感覚だと思う
踏みとどまる という気持ち


1903年01月22日(木)

斜めにするのも曲げるのも 人の智恵
真正面からは無理なものも すっと入ったりする
そうやって 壊れるのをしのぐ

真っ向からぶつかっては 折れてばかりいるキミ
時には斜に構えたり
ヘソを曲げていいんだよ


1903年01月21日(水)

意図せぬまま 
貴女は引き継ぐ者になる
去る者残る者受け継ぐ者
時の流れは神の意思

感謝


1903年01月20日(火)

苔緑の蔭から愛らしい色がのぞく
かさをかしげて 森のちいさなもの

外界をうかがう子猫のように
明るい陽を浴びて


1903年01月19日(月)

ナイフやフォークやスプーンや
小さなトレイや蓋もの
銀の食器をいろいろ整理した
たいしたのではないけれど少し重い
ずっと使わないうちにくすんでいて
少し磨いてみました

めったに使わなくなって久しい気がする
普段に使えばいいのにと思う


1903年01月18日(日)

尊敬するはるかな偉い人と組になるとき
どきどきして私なら小さくなってしまう

あなたのハナシは 
何時の間にか同等になってしまって
肩を組んでるみたいです
それ以上かもしれない

ただ隣席になったというだけで
あなた自身はまだひよっこだよ
先のことはわからない
でも第一印象ってずっと残るものだから
どう思われるか考えてみて


1903年01月17日(土)

金線の花更紗 散る

千の透明な石英質

唐草の夜の躊躇い


1903年01月16日(金)

山ほど飲んでみたいもの
椰子の実のジュースと
白樺の樹液のドリンク
ほのかな甘さ大好きです 
一日中飲んでみたい
マンゴーはそんなに好きではありません
メロンより 椰子の実 ください


1903年01月15日(木)

ピンクという色は 
涼しいというイメージからは少し離れていて
というよりピンクにそれは求めない

でもササユリのほのかなピンクは
涼しげだと思う

涼しげなピンクってすごいと思う
なかなか無いよ
日本的でチャーミング
淑やかな色だと思う


1903年01月14日(水)

貴方は私に何を期待したのでしょうか
私は何を待っていたのでしょうか
人と人の交叉は時に分からなくなる

私は貴方の期待を裏切ったのでしょう
いくら待っても何も変わらなかった
人と人は時に平行 時に螺旋
誰が勝ちなど決まらない


1903年01月13日(火)

ヒビのことに疲れたら
優しい森に行こう

時おりの木漏れ日も
さっと通る風も
遠くのさえずりも
頭上の羽ばたきも
ふと流れる香りも
かすかな水音も
やわらかな深い苔も
落ち葉の下の木の実も
芽吹いた小さな葉も
ゆれる小さな花も
赤い実も白い霧も

みな優しい

こころの深くに
ひっそりとある森
ひとりで彷徨うわたしの森

森には優しい力が満ちている


1903年01月12日(月)

とてもやわらかなよい香りを貰いました
何かに似てるのだけれどそれほど強くない
今の服と陽射には似合わないけれど
涼しい風が吹き始めて
ふとやさしい気持になれて
そんな服を着れるようになったら
ふわりと纏いたい香りです
やすらぐ気持ち


1903年01月11日(日)

自分のことグレートって 言いたかっただけなんだね
すごいと思います 本当に 
おめでとう
これから華々しい活躍をしてください
多くの心を掴んでいってください

ただ私の心はもう離れているのです
あの分かれ道から


1903年01月10日(土)

裏や表 内や外
そんな二面なカタチではなくって
こころの在りようはしゃぼんだま

こころを映して回り続ける
どこがホントなんて決められない


1903年01月09日(金)

タイムリミットが早まって
途中で消えたろうそくの黒い芯のように
残ってしまった


1903年01月08日(木)

岩肌をなめらかに
細く細く窪地へ窪地へと
流れのままに
岩陰をぬけ苔を食み
次第に深く冷たく澄んでゆく
いつかは清流となって


1903年01月07日(水)

いつも涼しげに笑って抜けた風が 凪ぐ
もう訪れないだろう
澄んだ色の風鈴は しずかに首吊りのまま


1903年01月06日(火)

ペルセウスの星たちと会いたくて
いつも一晩待ち続ける
何時までも夜更けを知らぬ街
白み始める頃風を感じる
いつか黒々とした夜のおりる場所へ
行きたい


1903年01月05日(月)

小さな星のように
時々きらりとする言葉だった
いつのまにか薄い雲の向こう
いくら待っても光は届かない
どうしているのだろうか
見えないだけで
光っているのだろうか
またすっと流れるだろうか


1903年01月04日(日)

皆が予期していたこと
うっすらと感じとっていたこと
望んでいるのかもしれないこと
口には出せないこと
言えばまた繰り返しになる
主人公が消えてしまって
登場人物も消えてゆく
そういう終わり方のお話


1903年01月03日(土)

あなたが置き去りにしたもの
青空に飛び立った後の抜け殻ならいいんです
太陽に向かって山越えしようとしたとしても
羽化途中で固まったのでなければ


1903年01月02日(金)

それでいいのだと 
やっと決まった
何だか気抜けして
動じなくなった私がいます
あなたに対して


1903年01月01日(木)

消えてゆく小さなことを書き続ける
とんでもない日付になったけれど
記念日は作らないことにしたから
しばらくこのままでいい
ここは書きやすい




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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