消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1902年08月31日(日)

愚かなことを山ほどもして
誰にも会いたくない夜は
何の明かりもない空を
首が痛くなるまで見上げている

闇夜の烏がわらっている


1902年08月30日(土)

今日は 淡い夕焼けでした
まだ明るい空に 秋のような白い雲が広がって
オレンジのような紫のような

燃えあがる夕焼けは胸が熱くなって涙が出ます
自分の弱さを思い知らされて

でも 淡い夕焼けは優しいね
少しだけ微笑みかけてくれる人 のようでした


1902年08月29日(金)

部屋の白い壁に
窓からの光を通してゆらめく小さな海の青
何かと思えば チェス駒のような押しピンの頭
留めていたフォトカードをはずしたまま
ピンだけ残っていた

海の青のゆらめき
意外なところに見つけて
短時間の グラン・ブルー


1902年08月28日(木)

どうにか一つ始めると次々に見つかリ出す
すべき事も したい事も いろいろ浮かんでくる
体のどこかを 頭も心も含めてどこか一つでも
動かし続けるのが安寧につながる
動かすことが生かすことになる
汗をかき続けるのがいい
自分のどこかを働かし続けるのが生きてる実感になる

後もう一汗 山ほどの片付けごと
昨日まで しなくても済ませられると思っていたこと
取り掛かれば せずに置けるわけが無いことが
山ほどあったとわかる


1902年08月27日(水)

ときに大泣きする自分がいる
あふれ落ちる涙がとまらない
ただ泣くしかない
天から降ってくるとしかいえない気持ち

それはふいに自分を愚かと知ったとき
自分が愚かで力のないものであると素直にわかったとき
ここからは登るしかない場所にいるのだと素直に気付いたとき

心の中に真っ白い柵が一すじ 出来たのを見ているような気持ち
この柵を大切にしようと思う気持ち


1902年08月26日(火)

朝、いつものように目覚めて
咳をしたら声が違っていた
痛みはないけれど かなり低い声になっている

声がいつもの自分の声でないと
自分の思考が出来ないように感じるのはなぜだろう
自分でないようで不思議なカンカク


1902年08月25日(月)

池に稚魚がふえトンボが行き交う
田んぼに蛙も鳴いている
子スズメは親にえさをねだってパタパタしている
蝶も蜂もせわしく庭を通過する
園庭の甲高い声
世界に元気が増す季節

あなたはいつ 元気を増すのだろう


1902年08月24日(日)

貴方が引きずり続けているもの
傷だらけではないですか
ひと時止まって手を離して 
手当てがいりませんか

貴方の手もきっと傷だらけではありませんか
痛みをこらえてばかりで
その掌でひとに触れるのを忘れてしまいましたか


1902年08月23日(土)

熱中しては覚めるから
三日坊主にならないように
疲れる前に二日で休もう
又始めればいいから
そうやって長く続けるのもいい


1902年08月22日(金)

かっと熱風が吹き抜けてゆき
急に室温が上がった気がする
体中が反応して体温も上がったような気がする
そしてまた爽やかな風になる
午後そんなことを繰り返している
家のあちこちの窓から風が入って出てゆく
自然の風は だから気持ちいい
緑陰を通って来る風はしっとり涼しい
北側の廊下を素足で歩くとひんやりしている

遮るもののない満開の紫陽花が外でうな垂れている
アボガド 胡瓜 生姜 梅干 この夏のハマリ


1902年08月21日(木)

滝を見に行きませんか
紫陽花も花菖蒲も風情でしょうけれど
風といっしょに舞い上がる細かなスコールを仰ぎに
アクアのフィルターで浄化されたエリアに佇みに

水量の増した滝は男性的
ただただ圧倒的に一方的だけれど
そういうものに浸りにいくのも
たまにはいいと思うのです


1902年08月20日(水)

不思議なこと
大人になってひまわりが好きではなかったのに
夏 しか思いつかない頑丈さが嫌いだったのに
小鳥やハムやモネやいろいろのひまわりがたくさん咲いて
そう 動かぬと思っていた花が
風にやわらかな花びらをそよがせているのを見ています

私にとって不思議な光景です
そよぐとその辺りの光が優しく見える
ひまわりの黄色って こんなに優しい色だったかな
花びらがこんなに長くて素直だったかな
すべてもっと剛直に思っていた
ひまわりのモチーフは嫌いだけれど
種が一面にデザインしてあるTシャツを面白いと思いました


1902年08月19日(火)

一人暮らしのあなたが 家事をできると言っても
それは家事とは言わない 
洗濯ができる 掃除ができる 料理ができる
そういうこと
自分一人のことをしているだけだもの
家事というのは 家族皆のことをするってこと
あなた できますか
いろんな生活のごちゃ混ぜをまとめるんだからね


1902年08月18日(月)

自分へのご褒美 
という宝石があるけれど
宝石はやっぱりひとから贈られるのがいいと思う


1902年08月17日(日)

梅雨だとは思えない大空から
からりと晴れた風が吹き込む
こんな午後は 食後のコーヒーはHOTはだめ
アイスでなきゃ元気が出ない
こんな午後は 自分のしたい事からではなくて
人に喜ばれる事からはじめようか と思う私がいる
全てが順調に片付いてゆきそうな午後


1902年08月16日(土)

バリバリとヘリの音が聞こえた
反射的に窓辺に寄ってしまう
身近な物音で 瞬時に現実的で でも自分にとって非日常的で
とにかく夢から覚める音
ワケはわからぬまま姿を確認するだけで終わりなのだが
ただ一機がそんなに急ぐ風でもなかったという安堵だけなのだが
寝ていたわけでもないのに目が覚めた気がする音
しっかり現実に引き戻された気のする音
さて次の仕事は と窓を離れながら考えてしまう音
なんかすごいイキモノといつも思ってしまう


1902年08月15日(金)

お茶の香りというものは 
優雅にたちあがらなくてはくつろげない

パウダーのクローブ 買ってきたけれどお茶にはバツでした
やっぱり蕾がいい
シナモンスティックとゆっくり少しことこと
部屋いっぱいに残る香りになるから

冬でもないのに濃いミルクティーが恋しい
ハイビスカスじゃなくて 
きっとどこか奥のほうが疲れている


1902年08月14日(木)

あのこは 子犬を胸に抱きあげたことがあるだろうか
子猫の背を撫でたことがあるだろうか
小鳥を掌にのせたことがあるだろうか

思いのほか しっかりしていたり
意外なほど か細かったり
ふわりとあたたかい空気のようだったり
眠っていたり 懸命にもがいたり

でも どくどく鼓動が直に伝わってくるのよ
それは自分の鼓動よりびっくりするほど大きくて熱い
じっと感じていると不思議な気持ちになる
小さいのに熱く重くなってくる
生きているってこういうこととわかる

ちいさなあたたかないのちにあわせてあげたい
そして自分もあたたかないのちと気付いて


1902年08月13日(水)

思案していた作業にやっと取り掛かった
もたもただらだら何とか終わった 
ふーっと長い息つぎをした 
その途端に 出来栄えの悪さがはっきり見えた

そうだよね 当たり前だ わかってた
気持ちが入らずにしていたもの
ただ動いていただけだもの

何だか胸がすっきりした
明日もう一度やり直す
部分手直しではなくて一からやり直す
そうするのが気持ちいい
不思議に張り切った気持ちになっている

息をつぐって大事だ
一息に仕上げるのがいいとも限らない
落ち着いて見えてくるものがある
自分を見直すゆとりがある


1902年08月12日(火)

何か不思議な香りがずっと離れない
知っているような知らないような
サラダに使ったのはいつもの野菜だし
スイカも違う 畳でもない

ふと思い出した
今日青い草を踏んで歩いたこと
少しちぎったこと


1902年08月11日(月)

こんばんは

本当はそう言ってそちらへ行きたい
でも行けなくてこの窓から呟いている


1902年08月10日(日)

友達になりたくてもなれなかったり
友達になろうとしたけれど だめだったり
友達だったのに こわれてしまったり

大人になればそんなこといくらでもあるのに
そのまま離れるということもたくさんあるのに
許す許さないは相手のことではなく自分のことと知っているのに

ナイフしか持っていなかった不幸な小さいひと

あなたに見せてあげたいものが いっぱいある

アノ フカイ イズミ ハ ヒトノ ナミダ デ デキテイル コト


1902年08月09日(土)

ね どうしますか
あなたの中に きっと胸騒ぎが起こる
小さいのが ふたつ


1902年08月08日(金)

風邪であばら骨が痛くて寝ていた
夢の中にいた
長い時間 控え室でずっと待たされている夢
椅子に座って誰かと話しながら待っていた
奥の部屋ではどこかの沢のツチノコ情報に騒いでいるらしかった
やっと解散されて 硬い椅子からぎこちなく立ち上がろうとすると
体中が木のように固まって 動けなかった

目が覚めた
木みたいに体が動かない
眠り姫はどうやってスムーズに起きたのか とふと思い
老化というものはきっと関節からくるのだ と理解し
毎日すべての関節を動かす体操をしておけばいいんだろうか
などと考え ゆっくりそろそろ やっと体を回す

関節は大事と思った
太極拳なんてまどろっこしそうと思っていたけれど
いいものかもしれないと思った


1902年08月07日(木)

ふさふさした大きな尻尾を一振りして
鮮やかに向きを変えた
薄れてゆく白い残像
青い闇が残る


1902年08月06日(水)

待ちくたびれて大馬鹿者になった私は
一日同じ言葉が頭の中を巡る
紫陽花の迷路からやっと抜け出す夕暮れ
ふいに白い花が浮かんで揺れた


1902年08月05日(火)

神秘 という言葉をもっと生かしてほしい
神を畏敬せよということではなく
世の出来事、人の心を すべて解明できると思わないでほしい

幻想とは違う
神秘は目の前にまさに在るもの
深く篤いものだから

国の旗印に曲線のあるものと直線ばかりのと
何を尊ぶか国民性があるように
私たちは曲線を好む

受け継いだ血の中に深く眠るものを見つめて大切に思えば
神秘 というものに出会うだろう

その時 人は自分が如何に小さいかを知り
また可能性の如何に大きいかも知る

どんな時代になろうと 科学万能ではないはず
心は 神秘そのものだから

世界の神秘、自分の中の神秘にもっと気付いてほしい
そして 大切に思ってほしい

四角い決め事では切り刻めない自分のあることを知った上で
その中で生活するルールを大切にしてほしい


1902年08月04日(月)

まだ大人でないひとよ
自分のことを世界一不幸だと思っていい
目を伏せてごまかし続けるより はっきりそう気付いていい
それは「だった」と過去形で区切って
心の奥から悲しんで泣いていい

未来は今から始まる 過去をしっかり見据えた今から
その辛い気持ちをバムセに思い切りぶっつけて
ぶつけ続けて もうぶつけるものがなくなった時
新しいきみがいる

ひとを憎い という気持ちから早く逃れて
それは人を一番不幸にする恐ろしい連鎖です
捕まらないように振り払って何としてでも逃げて
振り返らずに本気で逃げるなら
捕まりはしないから


1902年08月03日(日)

ロッタちゃんシリーズが大好き
世の中の子どもたちが皆あんなふうに生きてゆけるなら
いいのにと思う
全身で感じて考えて生きていける幸せ

だから
子どもたちにはバムセが必要だ
それがなんであれ
どの子にもその子のバムセが大切だ

なのに大人たちはバムセをとりあげ続けた
気持ちをぶつける相手がなくなってしまった子どもたちは
自分をもてあましている

天からバムセがたくさん降ってくることを祈ります


1902年08月02日(土)

たった一つの連絡を待ち続けている
決まれば連絡入れるから
その言葉だけ残っている

あなたも決まると信じていた
でも神の心は私たちにはわからない
決まってから教えて欲しかった


1902年08月01日(金)

丘一面に赤いポピーが咲き乱れていて
その写真には ひなげし とあって
小さなショックを受けた

ポピー という名を覚えた小さい頃
それは確かに赤かったことを思い出した
いつから私はひなげしをオレンジ色のポピーと思っていたのだろう
もうずいぶんになるような気がする

こんなふうに 
どこかで思い違いしたまま ずっと来てしまっていること
たくさんあるんだろうね

それが可笑しい時もあるけれど
今日は少し寂しい




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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