雲間の朝日に想うこと


< 麻痺した味覚は甘いでしょうか >


必ず、
明確な意志を持って。

香辛料は、
作品の内に隠され、
或いは、
放り込まれる物で。


其の香辛料の、
投げ手と、
受け手は。

飽く迄、
入れ替わる事は無いけれど。






想いの香辛料は。


逆に、
贈り主に向けて。

受け手が、
放つ事も出来るのだ。





贈り主の意志を。

其処に、
介在させずに。














恐らくは。

平然と構える俺に、
何らかの動揺を与えようと、
必死なのだろう。


けれども。

策に溺れ、
仕掛けに夢中の姫は、
気付かない。




其の必死さが、
想いの香辛料に掏り替わり。

栄養分として、
俺に吸われて居る事に。
















 「小坊主より小振りなんだよ?」

 「大人の玩具の事?」

 「私の息子とも比べる?」

 「よしなさいって・・・」





帰宅直後の、
姫の、
得意そうな笑顔と瞳に。

吹き出しそうに成り、
必死に堪えた。












聖夜の、
本当の贈り物は。

何かな?





----------
References
 Dec.25 2004, 「魅せぬ秘密は何処に在りますか」






>> postscript

本年も「雲間の朝日に想うこと」をご愛顧いただきまして、
ありがとうございました。
今年の更新はこれを最後にさせていただきます。
また来年のお楽しみに。
みなさま、良いお年をお迎え下さい。


小坊主


2004年12月29日(水)


----------
History
2003年12月29日(月) 感謝をしても良いでしょうか
2001年12月29日(土) 貴女を見ていてもいいですか



< 決して忘れぬ雄ですか >


何れ程強く、
何れ程深く。

想いを、
刻み込んで在ろうとも。



其れは飽く迄、
判断や、
或いは計算等で。


自身を、
より良い方向へ導く行為の域を、
出る事は無いのだろうか。




其れ故に。




強い想いが、
事切れたとしても。

本能が、
相手の存在を、
上手に消去するのだ。



自身の記憶から。











惚れた雄の存在を、
忘れようとも。

決して忘れぬ存在が、
其処に居る事を。



其れは、
明示する言葉に、
他ならない。





 「このケーキ買って帰る!」

 「食べられるの?」

 「半分にする!」

 「じゃあ一個ね。」

 「もう一つは?」

 「もう一つ?」














酩酊下、
俺へ放った罵声を、
忘れようとも。

酩酊下、
傍に居る存在を、
完全に消し去ろうとも。

酩酊下、
通常の判断力を、
無くした状態でも。




其の脳裏から。

決して、
姫の息子は消えないのだ。















 「小坊主、ごめんね。」
 「また酔って一杯言っちゃったね。」


姫の指す、
俺を詰る行為よりも。








離れたいと、
口にし続ける姫の。

言葉とは裏腹な、
其の想いが。



鮮明に、
俺に灼き付いて居る。





----------
References
 Dec.14 2004, 「少しだけ猶予期間を創りますか」
 Nov.29 2004, 「春は来ないのでしょうか」


2004年12月27日(月)


----------
History
2002年12月27日(金) もう一度笑っても良いですか
2001年12月27日(木) 去年と同じ想いでしたか



< 魅せぬ秘密は何処に在りますか >


お互いを、
想い逢う故の秘密には。

恐らく、
二種類在るだろうけれど。


笑顔や、
歓喜の、
増幅を目的とするならば。


秘密は、
秘密で良いから。




何の素振りも、
魅せず。

秘密裏に、
事を、
運ぶのだけれど。





其れは、
日々の振る舞いを魅せない事と、
同義だから。


一時的に、
不安要素を拡大する効果も、
内包するのだ。












自分の想像を。

直ぐに、
言葉に出来る人だから。


今にも目に浮かぶ、
互いの笑顔や、
互いの期待を。

きっと、
黙って居られないのだろう。









 「買った?」
 「買ったの?」
 「私はもう買ったんだよ!」
 「聞きたい?」



聖夜の、
想いを込めた贈呈品へ。

盛んに、
探りを入れて来る姫へ。


もう少しだけ、
我慢は、
出来ない物だろうかと。

笑いを堪えながら。











油断ならぬ人なのだと、
再認識する。















此の人は。



二種類の内の、
もう一種類の秘密は。

決して、
表情にも洩らさない人なのだ。





----------
References
 Nov.20 2003, 「逆転の為の贈り物でしょうか」


2004年12月25日(土)


----------
History
2003年12月25日(木) 雰囲気すら味わえぬ聖夜ですか
2002年12月25日(水) 不思議な御縁と言えるでしょうか
2001年12月25日(火) 俺の匂いは残っていますか



< 負荷が強過ぎたのでしょうか >


其の身に宿す、
調整力と、
反発力を、
上手に利用して。

人は、
成長を遂げるから。


揺さ振らねば。

其処に、
成長は生じない。





刺激の、
消失した世界は。

能力を奪い、
或いは退化させ。


一方、
適度な刺激で。

適応力や、
耐力や、
判断力が育てられるのだ。






其れ故に。


不足する能力を、
補う為。

其処に、
動揺が必要だったけれど。




もしかしたら。


其れは、
過度な刺激で。

想いを破壊し、
破滅へ導いたかも知れない。















振り切れる寸前の、
想いの針を。

駄目押しして、
飛ばして終う事は。


本意では無いから。


 「少しは落ち着いてますか?」


聖夜の文に隠す、
密偵へ。

心配の想いを含めたけれど。





 「心配してくれてありがとう。」
 「クリスマスは最悪のまま終わりそうです。」


花見の彼女は、
余り状況の変化せぬ事を、
あっさり書き記す。



















 「心配?」
 「まるっきり策略と下心だろ。」


そう、
吐き捨てた。





----------
References
 Sep.20 2004, 「中身も備えた誘いでしょうか」


2004年12月24日(金)


----------
History
2003年12月24日(水) 本当に間に合うのでしょうか
2002年12月24日(火) 劇薬でしたか
2001年12月24日(月) 素敵なドキドキを忘れていませんか



< 雄々しい姿の内側を視て居ますか >


百度、
耳に入れる情報より。

僅か一度、
眼に入れた情報を、
重視するから。


視覚で認識した情報は。

他の如何なる情報も、
打ち消し、
或いは上回るから。




時として。

其の外見に、
惑わされ勝ちだけれど。




愛しき対象を護る、
其の為の。

逃避行動と、
危険回避が、
本来の役割で。


其の攻撃性は。

飽く迄、
緊急時の備えなのだ。







其れ故に。


雄は、
想いの奥底に。

繊細さや、
弱さを、
多分に含むのかも知れない。


雄々しく、
逞しい、
其の姿と対照的に。

















繊細なのだ。
弱いのだ。

優しく扱わねば、
案外、
簡単に傷付くのだ。



其の姿が、
幾ら雄々しくとも。



けれども。













 「今日も寝息立てたままで。」
 「うんうん唸ってたよ♪」


起き抜けに、
俺の上で踊り戯れる、
姫の。

楽しそうに振り翳す、
其の笑顔へ。









苦悶の表情と、
呻きの、
其の理由が。

乱暴に扱われ、
痛かったからなのだと。




如何しても言えない。





----------
References
 Jul.24 2004, 「今朝も一人で悦んだのでしょうか」


2004年12月23日(木)


----------
History
2003年12月23日(火) 未来では無く目の前が見えますか
2002年12月23日(月) 少しは力が付きましたか
2001年12月23日(日) まだ信じてもらえませんか



< 滞る想い故に増幅するでしょうか >


抱いた想いを、
適度に、
適切に、
相手に伝える事が。

如何程、
肝要な事なのか。


今なら。

お互い其れを、
良く理解して居るけれど。



其の域に、
辿り着く前の想いは。

自身の内に、
滞り、
蓄積され、
自身の知らぬ間に、
増幅されるから。





過去に、
伝えられなかった想いは。

過去の、
過ぎ去った筈の想いは。


突発的に、
時を遡る能力を、
内に秘めるのだろうか。









抱いた想いが、
何時迄、
保たれ続けるのか。


きっと其れは、
想いの強さだけで、
定義される事では無く。


環境や時機が、
其処に、
深く介在するのだ。
















 「彼氏はいないんですよ?」


笑顔を向けて来る、
此の後輩の。

丁寧な、
疑問系の付録と、
其の意味に。




嫌に成る程、
あっさり。

気付いて終う。
















 「今から来ますか?」
 「無理・・・ですよね?」













俺が嘗て、
彼女に抱いて居た、
伝えぬ想いを。

彼女は、
勘付いて居たのか。





彼女が嘗て、
俺に抱いて居た筈の、
伝えぬ想いに。

俺が、
勘付いて居た様に。


2004年12月22日(水)


----------
History
2003年12月22日(月) 一つ一つを大切に出来ていますか



< 此れが補強に成るのでしょうか >


自身に巣喰う、
不安や、
不安定な箇所を。


時として。

寄り添う相手は、
上手に、
補強してくれるけれど。



抑も。



信の置けぬ、
不安の発生源が。

寄り添う相手、
其の者であっても。



相手の言葉は、
自身の補強に値するのだろうか。







二人の歩みが、
二年半と言う期間に至った事を、
自身で信じられず。


相手の想いが自身に向くのか、
其れのみならず、
自身の想いが相手に向かうか、
其れすらも信じられず。



其の上に。

相手の応えは、
根拠の存在しない虚言に他ならないのに。













俺は、
傍に寄り添う自信を、
此の身に、
秘め続けて居るけれど。





姫は、
何の様な雄と居られなかったのか。

其の話を、
姫は、
敢えて封印しているから。



不足する姫の自信を、
補強する為に、
其の問いに応える術は。

生憎、
持ち合わせないのだ。













 「ずっと一緒にいられると思う?」

 「居られるよ。」








口先だけの言葉を。

俺は、
今日も吐いた。


2004年12月21日(火)


----------
History
2003年12月21日(日) 見えるから見えぬ物でしょうか
2002年12月21日(土) 仕事の邪魔になりませんか
2001年12月21日(金) 望みを持っていても良いですか



< 記念日は他者でも育つのですか >


想いの変曲点へ、
一つ、
一つ、
穿った刻印。

其れらの日付に、
何れ程、
重みを付けるのか。



飽く迄、
個々人に委ねられた範疇で。


傍に寄り添う相手ですら、
其れは、
手の出せぬ領域かも知れないから。



印された日への、
想いが。

他者の介在によって、
表裏が入れ替わるほど変動するとは、
想えなかったのだ。








其れ故に。




関心の無さ気な、
素っ気ない振る舞いと。

悪戯や嘘の前触れに、
必ず輝く瞳の、
其の静けさとを。


何度も確認した上で。




 「忘年会に行くね。」


俺の大切な記念日に、
やむなく、
予定を滑り込ませた筈なのに。
















 「どうして記念日なのに予定入れたの?」
 「どうせ私より大事なんでしょう!」


姫は、
姫の記念日に傍に居ない俺を、
酷評する。
















姫自身の、
二年半の記念日を。

何時の間に、
姫は、
大きく育てたのだろうか。







姫の、
非難を浴びながら。


俺自身が育てたに違いない、
其の、
姫の記念日に。

してやったりと、
乾杯した。





----------
References
 Jul.27 2003, 「逆転の為の贈り物でしょうか」


2004年12月20日(月)


----------
History



< 中身には何の意味も無いのでしょうか >


魅力として。

自身が感知し、
或いは感知される、
其の特性は。


数え切れぬ程、
多岐に渡るけれど。




飽く迄。

其れは、
人に属する特性では無いのだろうか。








外見も、
姿形も。

確かに、
人の好みを決定付ける因子の、
一つかも知れないけれど。



飽く迄。

其れは、
人の外見では無いのだろうか。













丁寧で、
詳細な説明が。

想いの奥底を、
余計に、
抉って行く。



















 「スパイダーマンが大好きなんだよ。」
 「でも、現実にスパイダーマンはいないでしょ?」


 「そうだね。」


 「だから。」


 「だから?」


 「スパイダーマンに体型が似てる小坊主に。」
 「着包み着せて抱き付くんだよ♪」












姫は。

俺の何処を、
必要として居るんだろうか。


2004年12月19日(日)


----------
History
2003年12月19日(金) 想いを遮るのが想いでしょうか
2002年12月19日(木) 何時か天罰が下りますか



< 優劣の問題ですか >


其の濃淡や、
大小、
或いは強弱は。

絶えず変動し、
揺らぐ物かも知れないけれど。



本質は。

決して、
互いの相対的な関係の中には、
存在しないのだ。






何方が深いか、
何方が強いのか。

優劣と言う、
相対的な価値観に囚われると。


時として、
想いの本質を見誤るのだ。








絶対的な想いの在処を、
見失って。















俺の行動を、
正確に予測して。


 「言うと思った。」


得意気に、
優位を強調して魅せたけれど。








其の瞬間に。

一つの想いを、
失い兼ねなかったのだと。




此の笑顔は、
理解して居るのだろうか。
















姫の言葉から。

未だ、
本質を見誤っていない証拠を、
捕捉して。



胸を撫で下ろす。














 「産まれて初めて。」
 「消灯式を見に行くんだ♪」


親友へ、
得意気に話す、
姫の声が。

居間の方から、
確かに、
聞こえて来た。





----------
References
 Dec.16 2004, 「物足りない呼び掛けでしたか」


2004年12月18日(土)


----------
History
2003年12月18日(木) 掘らずに想いで包めますか
2001年12月18日(火) どこまでが本音ですか



< 切らぬ切札にこそ魅せられるのですか >


自身の想いが、
何れ程深く、
何れ程強かろうとも。



時として。

想いとは別次元の、
利得を追い。



自身に備えぬ能力や、
自身の足りぬ実力を。

相手に求める事が在るから。





自身は、
相手より大きく強い存在だと、
認識させる事が。



同時に。

想いの強化に、
直結するのだろう。











其れ故に。




本来の、
想いを満たす為には。

飽く迄、
切る必要の無い術を。




威圧の為に。

予想の範囲を逸脱し、
多少意識を混乱させる為に。


用いたのであって。






其れは。

最近此の手に仕入れた術では、
決して無いのだ。


















手指の遊びで。


 「どうして?」
 「どこで覚えてきたの?」


何度か意識を失い掛けた、
姫の問いへ。


平然と、
無言で、
事を繰り返す。













最後の最後でも、
決して切らぬ切札を。

此の手に、
未だ秘めて居るのだと。



更に誇示する為に。





----------
References
 Dec.16 2004, 「物足りない呼び掛けでしたか」


2004年12月17日(金)


----------
History
2002年12月17日(火) お詫びになりますか



< 物足りない呼び掛けでしたか >


新規性が、
豊かに詰まった出来事程。

注意や、
興奮や、
集中や、
警戒を、
人へ強いるから。



真新しい言葉や、
真新しい行動程。

其処に、
深い想いが含まれると。



身体は、
勘違いする。






其れ故に。




互いの理解が、
進めば、
進んだ分だけ。


其の相手を、
分かり易い人と称し。

其の振る舞いを、
其の人らしいと称し。



そして、
其の相手の想いが、
薄まり行く様に。


屡々、
感じ取られて了うのだ。
















此の地の、
夜の闇を彩る、
光の祭は。

大晦日に、
其の役を終えるから。






 「せっかく一緒に年越すんだから。」
 「消灯式見に行かない?」


初めて、
寄り添い過ごす年越しに。

華を添えようと、
提案してみたけれど。












行くとも、
行かないとも、
姫は、
答えずに。


 「言うと思った。」


其れが、
自身の読み通りなのだと。

盛んに、
得意げな顔をする。











退屈か?





----------
References
 Nov.19 2004, 「理解の進んだ証拠でしょうか」
 Oct.03 2004, 「中毒の様な物なのでしょうか」


2004年12月16日(木)


----------
History
2001年12月16日(日) 想いの強さは同じですか



< 少しだけ猶予期間を創りますか >


長きに渡って。

其の日々の中で、
役目を、
請け負い続けて来たのだ。





自身の傍に、
寄り添う相手を。

恋焦がれ、
枕を濡らす刻も。


或いは。

自身の為だけに、
時間を、
使い続ける贅沢も。



暫く封印されて来たのだ。








休憩したい。
自由に羽ばたきたい。

制約から、
拘束から、
一度は、
其の身を解放したい。




其の希望も。

十二分に、
理解出来るのだ。











其れ故に。





姫の、
私腹の時間と。

姫へ、
募る想いとを。


懸命に、
天秤に掛けて。






 「考えては、居るんだ。」
 「少しの期間、姫独りの時間を創っても良いよ。」


戸惑い、
迷い、
話をしたのに。






俺の想いなど。

姫は、
お構い無しなのだ。















 「じゃぁ・・・」
 「小坊主以外の他の人と住む?」



如何して、
冗談にして終うのだろう。

小悪魔の様に輝く、
其の瞳で。





----------
References
 Dec.13 2004, 「強い意識の象徴ですか」
 Nov.29 2004, 「春は来ないのでしょうか」


2004年12月14日(火)


----------
History
2003年12月14日(日) 静かにしみ入る想いですか



< 強い意識の象徴ですか >


新たな船出は。

飽く迄、
個々人の船出で。



踏ん切りや、
覚悟を、
個々人が持ち合わせぬ限り。

新たな旅には、
成り得ない。








既に一度、
出港を経験した人間故に。




二人の船出が。

個々人の、
船出の覚悟の上にのみ、
成立する事を。





肌で、
知って居るのだ。














其れ故に。




半ば、
頑なな想いを。

決意の象徴として、
言葉で、
表現したに過ぎないのだろう。
















 「一人にして。」

 「どうして?」

 「一緒に住みたくない。」














ちゃんと、
踏ん切りと覚悟を持った、
区切りなのだ。


其処に、
俺が介在しないだけで。







きっと。

望む想いとは裏腹の、
言葉で。





----------
References
 Nov.29 2004, 「春は来ないのでしょうか」


2004年12月13日(月)


----------
History
2003年12月13日(土) 杞憂と一言で片付けるのですか
2002年12月13日(金) 接する距離は教われませんか
2001年12月13日(木) ぜいたくな疑問ですか



< 片側のみに延ばせぬ想いでしょうか >


想いの深部に触れて。

奥底から、
相手を理解しようと、
想うからか。



其れとも。


想いの深部を、
無制限に解放して。

相手の侵襲を、
許容するからだろうか。







相手が、
近しい関係程。


感情の幅が拡張され、
同時に、
大きく揺さ振られるのだ。




正の方向にも。

逆に、
負の方向にも。










其れ故に。






表面的に、
円滑に、
其れだけで良い相手は。


一見すると。

正の部分のみを取り出せる、
極上の位置に、
居続けられるのだ。



















正方向で在る筈の、
想いが。

負方向の激情へと、
早変わりして居た事に。




 「小坊主の周りの女は。」
 「おいしい所取りなんだもん!」


泣き喚く、
姫で、
初めて気付く。












想いの暴発を。

少しは、
上手に扱える様に成ったと、
想って居たのにな。





----------
References
 Dec.08 2004, 「暴発の前に気付けますか」
 Nov.12 2004, 「心の一部を捨てられますか」


2004年12月12日(日)


----------
History
2003年12月12日(金) 待ち草臥れて居ませんか
2001年12月12日(水) 恋人に戻れましたか



< 団子にも日記にも勝てぬ花ですか >


想いを、
強く、
育てる刺激。

想いを、
強く、
惑わせる刺激。


刺激が産み出す、
其の効力は。

両極に、
位置するけれど。





好奇でも。
嫉妬でも。
不安でも。
意地でも。

想いを増幅する刺激に、
他ならないから。








気が付けば。
我に返れば。

何故に執着したのか、
執着の理由は、
何処かに立ち消えて。



其の、
滑稽な執着のみが、
其処に、
残されるのだろうか。













希望が増幅された理由は、
不明瞭だけれど。


 「牛たん?」
 「小坊主だけずるい!!」


接待から帰宅した俺に。

増強された願望の飛礫が、
飛んで来た。




自身に見えぬ、
其の場に。

何れの想いを抱いても、
不思議では無いから。


 「私も行きたい!」

 「良いよ、今夜行こう。」


姫の希望に添える様、
俺は、
提案を飲んだのに。















 「着替えて待ってろって言っただろ!」

 「だって。」
 「私のブログが落ちてたんだもん。」


待ち侘びた筈の、
其の夜が。

どうして、
通信機器の不調に掏り替わるの?


2004年12月11日(土)


----------
History
2002年12月11日(水) 想いが重なる事は無いのでしょうか



< 敵故に理解が早いのでしょうか >


経験と、
想像を駆使して。



如何に、
相手と同様の立場に、
自身を置き。

或いは、
相手と同等の視線へ、
自身を動かし。


相手の想いに、
自身の想いを重ね逢わせる事こそが。






恐らくは。

相手の理解への、
第一歩だから。









相同の立場に。

簡単に、
此の身を置き換える事の出来る、
敵の想いの方が。




相手の想いよりも、
理解し易いのだろうか。













此の時だけは。

手に取る様に、
敵の想いが理解出来る事に。



其の、
結び目を解きながら。

気が付いた。
















 「やめて!」
 「何して遊んでるのよぉ・・・」


 「ちょっと!」
 「小坊主まで何してんのよ!」











飼い猫も、
俺も。

下着の紐が、
大好きなんだね。





----------
References
 Oct.21 2004, 「本能は動物に近いと言う事ですか」
 Sep.12 2004, 「お帰り代わりの平手打ちですか」


2004年12月10日(金)


----------
History
2003年12月10日(水) 虫が良過ぎる言葉でしょうか



< 狂気の証拠でしょうか >


愛しい、
其の存在を。

時として、
自身の目の前に固化したいと、
願うから。


狂気の想いが、
眼前に、
出現するのだろうか。







其処で、
其の命を断ったとしても。




其の対象を、
固化出来るなどと言う想いは、
幻想で。

其の対象に、
触れる事すら許されぬ世界に、
自身を、
貶めるだけなのに。











朝、
気が付けば。


 「苦しい・・・」
 「痛いよ・・・」


眼前の、
寄り添う対象は。

苦しみに喘いで居た。







我に返れば。


 「ごめん・・・」

 「何で首絞めたのよ・・・。」


両の手で頸部を包み、
強く力を込めた、
其の、
直後だった。















俺は、
少し狂い掛けて居るのだろうか。












首を押さえ、
息を荒げた儘の姫は。



刹那的な、
俺の狂気を。



例え夢で、
犬に襲われようと。

犬の首では無く、
姫の首を、
確実に絞めた俺を。





どう受け止めたの?


2004年12月09日(木)


----------
History
2003年12月09日(火) 嫌いになれと言っているのですか
2002年12月09日(月) まだ隣にいませんか



< 暴発の前に気付けますか >


其れは、
防衛装置の一種で。

自身を護る為に、
本能的に、
発動される仕組みなのだ。





自身の、
余裕の無さを捕らえて。

確実に、
自身の行動力を低下させ、
無理をさせぬ為に。


忙しさに応じて、
人は、
不機嫌や無感情に陥るのだ。







けれども。




其の、
本能的な反応は。

時として、
自身の認識可能な範囲を、
超えるから。




制御し切れぬ想いが、
暴発し。

想いとは裏腹の刃を、
大切な相手に、
突き付けるのだろう。











 「いつも優しかったら疲れるから。」
 「小坊主だって怒鳴ったり怒ったりで良いんだよ!」


矢面に立つ覚悟を、
贈ってくれては居るけれど。





其れよりも。


其の装置の発動を、
確実に、
感知する存在が。

自身の気付けぬ変化を、
捕捉する存在が。


崩壊の前兆を、
丁寧に、
教えてくれるから。




想いとは裏腹の、
悲しい刃を、
振り翳さずに済む事へ。

感謝する。














昼の定時便に。

姫が、
想いを乗せて来た。



 「何かあったの?」





未だ、
何が在ったか。

俺には、
良く分かって居ないんだ。





----------
References
 Nov.12 2004, 「心の一部を捨てられますか」


2004年12月08日(水)


----------
History
2001年12月08日(土) 気になり始めているのですか



< 二人切りの夢も離別の詩なのですか >


其の理由は、
不明瞭だけれど。

切っ掛けは、
分からないけれど。


一つの壁を、
超えたと想ったのだ。






想いに、
永遠に巣喰うであろう、
不安感が。

一段階、
緩和した事の、
証拠だと想ったのだ。
















姫の、
其の笑顔は。

何が産んだのだろう。




二人切りの夢が、
初めてだからだろうか。

或いは、
喜劇の様な其の場面を、
楽しんで居るからか。



其れとも。


自身で切り出す、
積極的な別れ話を出来た故に。


気が、
楽になって居るのだろうか。















 「今日も小坊主の夢見たの!」


連日の、
其の報告も。

初めてで。



 「二人でお茶飲んでる夢だったの!」


二人切りで営まれる、
其の場面も。


初めてだったのに。








 「私、別れ話して席立ったの♪」


其の、
最後の一言に。

如何して、
一番魅力的な笑顔が、
付随するの?





----------
References
 Dec.06 2004, 「助け舟でしょうか」


2004年12月07日(火)


----------
History
2003年12月07日(日) 用事は其れだけでしょうか
2002年12月07日(土) ちゃんと買えましたか



< 助け舟でしょうか >


きっと其れは、
想いの、
深層の具象化で。

自身が、
言葉や形で表現出来ぬ、
想いだから。





其の場面が。

果たして、
何を具象化した物なのか。



想いの狭間が指し示す、
意思表示を。

正確に、
読み取らねばならないのだ。




特に。

負に、
向かう夢は。









けれども。





出現した意思表示を。

つまりは、
不安の根源を。


俺は、
未だに読み取れぬから。







如何ほど、
姫を大切に想う想いが、
伝わっても。


 「小坊主、今日も他の女と居たの。」
 「その女の方が大事だから、俺と別れてって。」


姫は。

何度と無く、
無い現実を夢に見るのだろう。













信頼感の増加か。


其れとも、
痺れを切らしただけだろうか。











本音を。
怖れる対象を。


 「みんなの小坊主は嫌だよ。」


既に姫は。

夢だけで無く、
少しずつ、
話せる様に成って居る。















情けねぇ。

又、
助け舟だ。





----------
References
 Nov.07 2004, 「何度目の別れでしょうか」
 Jul.12 2004, 「手の届かぬ夢ですか」


2004年12月06日(月)


----------
History
2003年12月06日(土) 目を見て話しても良いでしょうか
2002年12月06日(金) ちゃんと備わるでしょうか



< 知らないのは俺だけでしょうか >


事実を伝える事が、
必ずしも正解では無くて。


必要の無い事実が、
胸の中に隠されたとて。

何ら、
問題は無いのだ。


隠匿行為こそが、
相手の、
想う心なのだから。





けれども。


其の秘密が、
融け出した時に、
相手が、
抱えるであろう不安感を。

残らず拭う責務も。


想いの内に、
必ず、
添えるべきでは無いのか。











偶然出会った、
姫と、
姫の友人が。

久方振りの会話を始めた。





 「旦那元気?」
 「うん、元気元気。」

 「身体の方は?」
 「ああ、大丈夫。」

 「彼、あんまり強い人じゃないからねぇ。」
 「そうね。」












元旦那と、
連絡を取る事は。

必要不可欠の行為だ。


けれども。


俺の存在を無視して。

姫の友人は、
姫へ、
旦那の話を放ったのだ。





現在形で。








其の友人は、
料亭の、
女将じゃないか。


雰囲気を察せぬ筈が無い人物の、
其の一言は。


一体、
何を意味するんだ?

















帰り道の、
俺の視線に。

姫が、
気付かない筈は無いのに。






何も言わないんだね。





----------
References
 Aug.31 2004, 「跳べない鳥だと言うのでしょうか」


2004年12月05日(日)


----------
History
2003年12月05日(金) 躊躇の理由を考えないのですか
2001年12月05日(水) 貴女を奪っても良いですか



< 疾い方が良かったのでしょうか >


確かに、
相当の割合を占める要因には、
違いないけれど。


確かに、
極端過ぎる差は。

お互いを、
遠ざける要件だけれど。






其処に内包される、
互いの、
想いや信頼を介在して。


精神的な接触感が。

物理的な接触感を上回る事が、
在るのだから。







時間や、
体積や、
其の形状で。

一意的に定められる物では、
無い筈だ。















けれども。



満足の前に、
一度暴発して了えば。

其れで、
俺は事切れて終うのだから。



必死に、
粘り強く、
振る舞う事が。

何処に、
非が在ると言うのだ。



想い其の物なのに。

















姫は、
怒りを露わにして。


 「何で早くいかないの!」


無念そうに、
恨めしそうに。

俺を見ながら動きを止める。












例え、
姫を不安に陥れても。

決して、
負ける訳には行かない、
譲れぬ闘いなんだ。





----------
References
 Nov.27 2004, 「贈る心算で奪ったのでしょうか」


2004年12月03日(金)


----------
History
2003年12月03日(水) 鏡に映る想いは何処に行くのだろうか
2002年12月03日(火) 義務は果たせたで良いですか
2001年12月03日(月) 俺しか知らない魅力もあるのですか



< 何を意味する一文字でしょうか >


無意識下で産まれる、
振る舞いならば。


少なくとも、
其の身に習慣付けられた行動で。

或る程度、
形式化された振る舞いだから。




其の振る舞いには。

普段と比して、
変化が観察される筈は、
無いのだ。










其処に、
差違が在るならば。




間違い無く、
其れは、
意識的に生じた差違で。

間違い無く、
相手の、
意思表示なのだ。












其れ故に。




注視する相手の挙動が。

規定の線を外れた、
此の時は。




恐らくは、
重要な刻なのだろう。

例え、
些細な差違で在っても。


















 「この頃、少しずつなんだけど。」
 「小坊主に想われているんだなと実感する。」


別段、
取り上げる必要も無さそうな、
姫の言葉に。

違和感を感じる。



















思うの字が。

初めて、
想うに替わった。


2004年12月02日(木)


----------
History



< 月明かりだったのでしょうか >


時として。


自身の暗闇を、
優しく照らしてくれる、
其の月光に。

吸い寄せられ、
惹かれて行くけれど。





自身に、
距離が近い故に。


其の月の引力は、
強く、
感知出来るのであって。




飽く迄。


真に、
強き光を注ぎ続ける太陽の、
想いの隙間で。


其の存在を、
気付かせてくれるだけなのだ。











けれども。


遠くで自身を照らす、
強き太陽は。

自分の傍で、
輝き続けてはくれないから。


皆に光を注げる、
其の太陽は。

自分の為だけに、
輝き続けてはくれないから。




自分の傍で、
優しく輝く月光に。

揺れて了うのだろうか。













真に、
自身を照らす光は。

何れなのか。


空を見上げ、
時に想う。














事在る毎に、
月に揺れ、
月の魔力に墜ちたのは。

俺自身に、
間違いないけれど。



一方で。

想いの距離が近いのは、
寧ろ、
月の方かも知れないけれど。








何れが月か、
判別可能な方法すら。

抑も、
無いのだけれど。





----------
References
 Feb.17 2004, 「何故撥ね返せなかったのでしょうか」
 Sep.06 2003, 「此れが罪滅ぼしの代わりでしょうか」
 Oct.13 2001, 「貴女の心はどこにありますか」


2004年12月01日(水)


----------
History
2003年12月01日(月) 姿を隠したのでは無いのですか
2002年12月01日(日) 何も考えずに逢えませんか
2001年12月01日(土) 正直に言えないのは俺の方か





Add MyEnpitu

小坊主
MAIL