消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1926年11月30日(火)

夕方落日を見そこねた
すでに向こうへ落ちていた

きっと桜に夕日があたって
すごくきれいだったと思う
残照だけ見た

明日はどうかな
桜が少しオレンジがかると
羽衣見たいになるんだろうか


1926年11月29日(月)

なんか話がめちゃめちゃで
笑ってばっかり
楽しいね


1926年11月28日(日)

明日ちゃんと届くかな

喜んでくれるかな

わくわくする


1926年11月27日(土)

暖かくて
公園の桜がどんどん咲いてゆく
もうすぐ枝々がいっぱいになる
おそかったのに急に

庭の端っこで
イカリソウに気づいた
枯れ葉の陰から
しっかり花をあげていた
愛らしい薄紫なのに強い
枯れてると思ってた
今日まで知らずにごめん

駅からのコブシの街路樹
いっぱい咲いていた
そちら側通っていなかったので
気づかずにいた
空が明るく見える
久しぶりに通って
気持ちが弾む

今日は楽しい日だった
花たちは元気
花から元気をもらった


1926年11月26日(金)

この前ふと思い立って
後の祭りという言葉を
自分の中に受け容れたばかり

今日
しまった失敗だと思わずに 
後の祭りだと思ってみた

そのあと
何のことだったのか思い出せない

もし失敗したと思ったなら
理由とかいろいろと
考え悩んだと思うけれど 
きれいに消えてしまった

いつまでも引きずらず
新しく前に進むための
後の祭り効果 となった


1926年11月25日(木)

権力を抱いて生きている人
自分の力を感じたいなら
最前線で武器を持って歩けばいい


1926年11月24日(水)

公園がにぎやか
少年たちが元気に遊んでいる
3年生ぐらいかな
自分たちで行動できる
でもちょっと幼げな集団

1、2年生と一緒だと
思い切りできないし

力もついてきている4年生は
大きい子に混ざって遊ぶし

結局3年生ぐらいだけで
思いっきり駆け回って遊んでる

半袖の子もいる
みんな元気だ
がんばれーっと思う

彼らが大人になって
どんな日本を作ってゆくのだろう
元気な日本であってほしい


1926年11月23日(火)

ついこの前
季節の始まりを感じたのに

一気に寒気に封じ込められて
縮こまって暗いニュースばかり聞く

明るい季節はまだまだ
折れることのな戦いは
終わりが見えない

即行動を起こしている立派な人たち
私はぼうっとしている


1926年11月22日(月)

今この街に爆撃が続けられたら
きっと私は死ぬ
逃げるも戦うも生き抜く意欲がない
きっとそこらで死ぬと思う
このまま死ぬのだろうと思いながら
吹き飛ばされ瓦礫の下で死ぬのだろう
動けないまま長い時間痛みながら
記憶がなくなっていくのだろう
生きる意志 助ける意思
その強さがない
諦めを重ねて死を思う
今そういう生き方しかしていない気がする


1926年11月21日(日)

今地球上に2人
消えればいいと
本気で思う人物

自分を神と思っているらしいから

神の怒りを受ければいい


1926年11月20日(土)

騙される と
そそのかされる は違うよね

騙されるは相手を信じた
そそのかされるは自分を信じた


1926年11月19日(金)

後の祭りという言葉
そうなるのが嫌で
その言葉を使いたくなくて
きゅうきゅうと生きる
準備して対応して
それでも不安な気持ち

もう捨てませんか

あーあ あとの祭りだ と
ちょっと肩を落として
あっさり言えばいい

あとは笑顔になればいい


1926年11月18日(木)

カクカクの

過去はどんどん遠ざかる

過去へ過去へと薄らいで

影はそのまま陽炎に


1926年11月17日(水)

あざといチラリズムが好き
それを目指しているの と言って

にんまりして見せたひとを

ふと思い出した


モダンな着物を着こなす

洒落たきれいなひとだった


1926年11月16日(火)

知ったかぶりや
わかったふうな口をきかないこと
何度も自分をたしなめて
書いては消す

事実真実を知らず
何もわかっていないのだ
自分の感情だけで書いてはいけないと
何度も学んだ

判断は立場でかわるとしても
気持ちを記す自由はある
ただ馬鹿な言葉は慎まねばと思う


1926年11月15日(月)

お墓参りで
お寺にピンクに満開の大きな木があった
桜ではなく 梅の香りもなく
桃ならもう少し大きく
あんずならもう少しふっくらしてると思う・・?
わからなかった


1926年11月14日(日)

買ったときのラベルが消えて
名前のわからない小さな花の球根
白や青で咲き出した
似たものばかりになっている
ベルというより星たち


1926年11月13日(土)

その色の その濃さに
ちくりとトゲを感じた

もっと静かな色もあるだろうに

その色を選んだ人に
なぜか苛立ちを覚えた


1926年11月12日(金)

やっぱり好き
ハンドメイドサイト
いろいろ巡っても
いつまでも飽きない

宣伝にお金をかけない
ちいさな物たち
利益なんて無さげな
あたたかなもの

素人が趣味で制作しています
不完全な部分はお許しください
と断りがあっても

そうなんだけど
私には作れないから
単純にすごいなと思う


1926年11月11日(木)

狩猟の習いは
追い求め追い続け
身を潜めて狙い
仕留める性となる

はぐくみ育てる習いは
守り続ける性となる

その土地に暮らす
脈々と続く性


1926年11月10日(水)

力強く止めながら

一本をえらんでのばす感覚は

快感


1926年11月09日(火)

失礼してしまったと
後悔する

結局
人間ができてないんだ

えらそうに云っても


1926年11月08日(月)

昨日の夕方せっせと草引き
今日は鋏でちょきちょき

下から出てきているから
もう上は切った
ノラさん避けに残してた分

一気に動き出した
もうすぐお墓参り
なんか暑そう


1926年11月07日(日)

それは感じるものだ
ベランダで沈丁花を感じた

風向きは庭から
他所からではない

昨日はつぼみばかりだったけれど
きっと開いた

見に行くと
薄黄色のつぼみの塊の中に

真っ白の花が開いていた
高貴な香り


1926年11月06日(土)

風の中に気配
湿度が十分高まって
きっと降ると感じる

庭を一巡りして確かめる
青の花が咲き始めてる
黄色の小さいスイセンも
白の高い水仙も
クリスマスローズの
大好きなピンクのフリルのも
赤も白もスポットのも咲いていて
樹々の芽が動き始めていて

雑草が花をつけ始めていて
その気はなかったのに
草引きをせっせとして

しみじみと無心の夕暮れ前だった


1926年11月05日(金)

ずいぶん前に
お里がアメリカの人は国に帰って
お里が中国の人は引っ越して
今は話せる異国の人は身近にいない

ウクライナという国は
遠い国と感じていたけれど
日本にたくさんの人が住んでいた
日本語のうまい人たちを
ニュースでたくさん見た
パスポートを焼いて
母国を捨てるといったロシア人も見た

こんなキッカケで知るなんて


1926年11月04日(木)

啓蟄に感化されるわけではないけれど

やっぱり何かもそもそ始めだす

君もそうだね

そういう生まれ

始まりの季節だものね


1926年11月03日(水)

烏の目をぬすんで

デコボコは陽にあててまるくしろ

カクカクは陽を浴びてとけろ

やわらかにゆらいで並ぶ隣に

少しは後悔して


1926年11月02日(火)

自分の好きな固さのプリン
頑固なプリン
ただそれだけのために
奮闘している

あくまでちゃちゃっと
おうちプリンの道を
毎日理科実験みたいなことしている

のんきな話で心苦しいけれど
この道は諦めない
ひたすら進む


1926年11月01日(月)

一晩であっという間に
雛系が消えた
どこもかしこも桜になってる

桜のモチーフいいね
春は美しい


そしていい知らせが入った
退院おめでとう
軽くすんでよかった
一安心




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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