消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1906年03月31日(土)

聞こえましたか
聞いてくれましたか

その小さなポストに
一片落ちる音

はるかな旅路を
辿り着いた音

目覚めてほしい
祈りの朝


1906年03月30日(金)

雪雲の厚さが重く
輝く側と陰の側
隔たりの大きさが
哀しみを増す

水面の氷は薄く
ひかりを集めてきらめいて
ただ嬉しくてみつめている
春などはるかに遠いことなど忘れて


1906年03月29日(木)

金縛りに合わなくなったと思う
うれしいような
つまらぬような

ほっとするけれど
見放されたようでもあり

とどのつまり
仏でも悪魔でも同じなのだ


1906年03月28日(水)

ポインセチアの激しい色が
花弁ではなく苞だと知って
しげしげと見た店先
本当の花はつまらなくて
なお一層 好きでなくなった
ずらりと並ぶ深紅は恐怖だ


1906年03月27日(火)

誓ったのなら
忘れないでほしい
そうでなければ解いてほしい

野ざらしの小さな紙切れは
反古になるだけ


1906年03月26日(月)

あのひともこのひとも
もう何年も会わぬまま
笑顔も声も止まったまま
それぞれ新しい世界に生きる

時の経つのは早いねと
黒いインクを見つめ
止まったままの時を手繰り寄せる


1906年03月25日(日)

そのメッセージの意味がわからなくて
誰も黙っている
寂しいクリスマスの残骸のような
肩を落として嘆く人のような
白々と明ける聖夜なのか
諦めの果てなのか
薄明かりのなだらかな丘に立つ
祈りのシルエット
夢も望みも膨らまぬまま
哀しいほどに研ぎ澄まされて


1906年03月24日(土)

毎日ひとつずつ新しい花が咲くなら
とても幸せだと思う
366日の誕生花があるのは素敵なのだけれど
選ばれなかった花たちは 戸惑うでしょうね
花はみな 祝福の中に咲いているのに


1906年03月23日(金)

潮の匂いより 土や草の匂いに
打ち寄せる波より 川の流れに
闘うひとより のどかな人に
大地に立つひとに 惹かれる


1906年03月22日(木)

窓からふと通りを見おろす
誰かが通り行く

ひとは時おり ふと窓を見上げる
何か気になって

どちらがどうというのではなく
窓の向こうに何かを感じて

窓は 向こうへ ぬけるもの


1906年03月21日(水)

もう逢えないかな
ときどき出逢えたひと
ときどき見かけたひと
言葉をかわしたことはない
声もかけずにいたから
ネットでは流れてしまう
それでいいのだけれど
いつかまた逢えるかも知れない と
思っています


1906年03月20日(火)

世の中は
不便なものが一杯なんだから
不都合なことで一杯なんだから

我慢するか解決していくしかないんだよ
仕方ないんだから

甘えていてもどうにもならない


1906年03月19日(月)

そういう使い方もあるんだね
丁寧な場面設定も
あなたの二役芝居なら
私は口を閉じています
誰を引っ張り出そうとしているの
誰に何を見せたいの


1906年03月18日(日)

何年か続くパターンがあり
力を入れたのか流れなのかわからない
散らばるものはあなたにとって
宝なのか無意味なものか


1906年03月17日(土)

あなたがたは
暖炉の中の三様の薪

火がつき赤く燃え始めたのと
悠然と赤々と燃えさかっているのと
端から白く灰を落とし始めたのと


1906年03月16日(金)

貴方のは何でもカタチだけ
せねばまずかろう ただそれだけ
喜ぶ顔が見たいという
純粋な贈り物の気持ちを
馬鹿にしてるよ


1906年03月15日(木)

人のいるところへ行かねば
人とは出会えないよ と
君に言いたいと思っていたけれど 
自分で集めればいいと
言う人がいた


1906年03月14日(水)

予期せぬ雪の朝
驚くばかりに降りてくるもの
心の用意を何もしていなかったので
ただ見惚れているだけだった

異なる道を歩いているのだから
当然のこと
同じ想いを抱いているわけではない

そんな時
伝えられないのは
不便だと思う


1906年03月13日(火)

小さな人たちに大人が嘘を教えるから
世の中が歪んでゆくのだ

世界は平和でもないし
幸せに満ちているわけでもないのに
世の中は哀しいこと辛いこと
苦しいことや腹立たしくて虚しいことが ごろごろしているのに
どうにもならないことだって たくさんあるのに
絶頂の幸せ感なんて ほんの少しなのに
なぜ薔薇色の話ばかり教えるのだろう

昔のお話は結構シビアで
可哀想でぽろぽろ泣いてしまうようなの多かった
子供心にもどうにもならない哀しい後味を
抱え続けねばならなかった
でもそれは 現実へのワクチンにもなったと思う

世界は薔薇色だと信じ保護されて育った子どもたちが
挫折や辛さに甘んじる力を持てない

もっともっと哀しいお話を こどもに聞かせて
夢冒険ファンタジーも素敵だけれど
どうにもならない哀しさも世の中にあること
お話の主人公のために 
幾晩も涙で枕をぬらす経験をさせて

心の底から湧く涙は 
人の心を浄化すると思う
子どもでも同じだと思う

自分の心の浄化のコツをつかんだ子どもは
大人になってもひどく反れたりしないと思う


1906年03月12日(月)

憧れは人を成長させる
憧れは目標を定めさせる

GRAND PRIX は
見る人に夢を残す


1906年03月11日(日)

だいじなお気に入りをなくした
どこでなくしたか思い出せない
何をするのもテンションさがる
生活リズムが変わる気がする
人生観が変わる気がする 

長電話になってごめんなさい


1906年03月10日(土)

私は貴方を先回りする
貴方は私を先回りしたつもり

出逢っても 感動ないよね


1906年03月09日(金)

一通りのことはやり終えて
後は隠居ということですか
時の流れに身をおけば
面倒な気持ちに苛まれぬということですか

当初の夢は大きかった
野望だったかも知れないけれど
手を伸ばせば掴めたかも知れないのに
別の何かを優先したから
次第に 夢はうすくなった
熱が冷めれば 夢はもう
二度と夢ではなくなるもの
褪せた色は戻らないと思います

褪せた夢はリボンで結ぶ
そういうことですか


1906年03月08日(木)

部屋を移る
それは始まり
自分の枠を外す賭け
違う自分を探す賭け

新たなことへ 
夢を育てる


1906年03月07日(水)

日常の会話で 作り話って
妙に何かひっかかるように感じるのと同じで

しいてこれは創作と言ってくれなくても
不自然さは感じてわかるものだから

いいんです
へんに無理して中途半端な説明してくれなくても

それを面白く見ている人もいるでしょうし
やっぱりね だと思った と離れる人もいるだけのこと

それでいいじゃないですか
それがあなたの想定範囲内 なら

あなたにとってはいつも仮想世界
そして私を混乱させる


1906年03月06日(火)

苦しいことを我慢する粘り強さは
楽しいことを追求する粘り強さで
培われるのだと思う

だから小さなひとたちには
楽しいことに没頭する時間が必要だと思う

幼少時に様々な体験をさせることが
いろんな芽吹きに繋がるというのはわかるけれど
そのために小刻みになる時間というのは 
子どもに益だろうか
習うという観点なら集中の持続時間内で ということになるが
自発的活動を敢えて切る必要があるのだろうか


1906年03月05日(月)

普段お笑い芸人さん系TVにあまり興味ない
見ても つまらないと思うほうが多い
たぶんひとの闇の部分を聞くのが好きじゃないし
大声でドタバタうるさいのも嫌いだから

でも たまたま別系のTVで 
面白いと思ったコンビがあります
学生のような二人で 大仰なセットもなく
学園祭のノリで楽しかった

自分が楽しいからやってる
自分が楽しいことを見せる そんな感じだった

いじけた感じや ひねくれた見方や
媚び諂いや ひとを上げ下げするイヤミがなかった
アホさを誇張して笑いにするわけでもなかった
だから見てて楽しかった

やりたいことをできる能力と環境をもって
普通に努力して 
普通に明るく素直に幸せに
生きてきたんだろうね
それって大事な要素だと思った
穏かな楽しさって 最近あまり出逢えないもの

レトロな四コマまんがちっくかもしれないけれど
普通の明るい面白さって 何か新鮮に感じる
ちょっとだけ応援したいです


1906年03月04日(日)

フローリングの部屋の隅に
新しい小さなラグ
上等ではないけれど
心地がよいので
そこに立ってばかりいる

平和な気持ち


1906年03月03日(土)

ささやかな夢 
というより 
小さな目標

その出窓をきれいに飾る

時間を少し止めて


1906年03月02日(金)

私の好きなゴーストは まっすぐに立つボトル
光なのか影なのか はっきりしない輪郭
その透明感と不透明感は ただゆらゆらとして
なだらかな曲線に私は見惚れる

誰もいない部屋で思い切りたっぷり
優しい香りが気持ちのカドをまるくしてくれる

尋ねたことはないけれど すれ違ったことがない
こんなにいい香りなのにと思う
きっと外へ出る時の香りでなく
部屋でくつろぐ香りなんでしょうね
やさしい月光を招き入れるように


1906年03月01日(木)

きれいな水引を束ねた大きめの細工もの
今まで気にしたことは無かったのに
今年は妙に目にとまる
和風ブームというのでもなく
けっこうモダン

でもミニツリーより素敵に見えるのはなぜ?
見ていると落ちつきます
流れる血に添う気がする




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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