2009年03月02日(月)  わたしの頭の中に住んでいる人

ぽけっと道を歩いていて、ふと、おばあちゃんのことを思い出した。父のお母さんで、わたしが生まれてから幼稚園の一年目まで、すぐ近所におじいちゃんと住んでいた。わたしの一家が引っ越して、少し遠くなってしまったけれど、わたしの高校がおばあちゃんちからバスで5分程の距離にあり、高校生になってからはちょくちょく遊びに行っていた。

高校2年の夏から留学することが決まり、おばあちゃんに告げた日のこと。一年間会えなくなるのを淋しがるのではないか、アメリカなんて危ないと心配するのではないか、そんな思いから、切り出すときには少し勇気が要った。「おばあちゃん、わたし、アメリカの高校行ってくる」と言うと、「それはええことやな」とおばあちゃんは心から喜び、応援してくれた。それから一年間、おばあちゃんはわたしに、わたしはおばあちゃんに何通も手紙を書いた。おしとやかであまり自分の意見を言わない印象があったおばあちゃんが、手紙ではよくしゃべった。

そして、わたしが大学4年の冬、おばあちゃんは肺炎をこじらせて、あっけなく亡くなった。お葬式で、わたしは自分でも驚くほど泣いた。それから間もなく温泉旅行へ行き、大浴場の湯船に一人で浸かりながら、おばあちゃんはもういないんだなとしみじみと思った。

おじいちゃんに会えば、おばあちゃんを思い出したし、家族と昔のことを話せばおばあちゃんが登場したけれど、おじいちゃんが亡くなり、家族とも離れて暮らすようになり、おばあちゃんにつながる手がかりがまわりから消えていき、おばあちゃんのことを思い出さない日がふえていった。気がつけば、今年は、おばあちゃんが亡くなった12月にも、おばあちゃんの誕生日の2月にも、おばあちゃんのことが頭をよぎらなかった。その分を取り戻すように、今日、おばあちゃんの記憶が顔をのぞかせたのかもしれない。

亡くなった人のことを心にとどめておくことが何よりの供養であり感謝だと思うけれど、時間が経つと、思い出の玉は記憶の底に沈んでいき、きらめきは錆びついていく。それが淋しく、悲しい。年に何度か、そのことに思い当たって立ち止まり、きゅうんと宗を締めつけられる。その息苦しさには、いつか自分が誰かの心の中に引っ越し、やがて忘れ去られることへの恐怖が加担している。

そのとき、古い記憶を引っ掻き回した勢いで、ずっと前に新聞で読んで目に留めた詩のようなものが蘇った。「私が死んでしまったら、私の中にいるお父様はどこへ行ってしまうのだろう」。うろ覚えだけれど、そのような内容で、わたしが漠然と抱えている不安や怖れを言い当てていた。わたしは山頭火の言葉だと記憶していたのだけれど、山頭火の遺した句などを調べてみても、それらしきものが見当たらない。どなたの言葉で、正確には何と発したのだろう。

(後日談)
日記を読んだ妹より「『おじいちゃんに会えば、おばあちゃんを思い出したし』となっているけど、おじいちゃんはおばあちゃんより先に亡くなってるよ。たしか2年くらい早い。おじいちゃんが亡くなってから、おばあちゃんはカラオケやって生き生きしてたよ」と指摘があった。おばあちゃん亡き後のおじいちゃんがどうもうまく想像できないと思ったら、おじいちゃんのほうが先だったのだ。ほんと、記憶って頼りないとあらためて思った。

2008年03月02日(日)  マタニティオレンジ244 二回目のひな祭り
2007年03月02日(金)  マタニティオレンジ85 孫をかわいがるのは人間だけ
2006年03月02日(木)  シナトレ5 プロデューサーと二人三脚
2005年03月02日(水)  昭和十六年の教科書
2002年03月02日(土)  手づくり


2009年03月01日(日)  乾電池でガスが点く

思い返せば去年からガスコンロの火が点きにくくなっていた。着火までの時間が日に日に延び、ガスがずいぶん出てからボッと点くので、危うく髪を焦がしそうになったことも二度三度。掃除怠慢による目詰まりが原因だとばかり思っていたのだけど、昨日の朝、3つあるコンロがすべて何度やっても点かないという事態になり、故障を疑った。

困ったときは、まずネット検索。「ガスは出ているのに火が点かない」で調べてみると、ずばり同じ悩みを抱えた人が質問掲示板に書き込んでいて、「乾電池が切れているのでは」という回答がある。電池が切れてガスが出なくなるということがあるのか。そこで、東京ガスのサービスステーション、エネスタに電話で問い合わせてみる。「すみません。ガスが出ているのに、火が点かないんですが」。応対に出た女性に、「ガスが出てる? ガス漏れですか?」とあわてられ、「いえ、ガスが出てるではなく、ガスは出るのに火が点かない、です」とこちらもあわてて修正。「この時期ですと結露なども原因に考えられますが、最後に乾電池を取り替えられたのはいつでしょうか」との答えを得た。

最後にどころか、結婚するときに越してきて8年あまり、コンロの電池を替えたことは一度もなかった。早速取り替えてみると、あら早い。ひねると同時に火が点いて、あっさり問題解決。それにしても、なぜ電池で火が点くのだろう。ガスのくせに最後は電気頼みというのが腑に落ちない。火を点けるたびに電池を使う割に8年も持つということは、電池の貢献度は極めて低いのかもしれない。会社勤めしていた頃は家で料理するのも週末ぐらいで、ガスコンロの出番が少なかったことも電池の延命につながったのだろうか。「8年もよく持ったね」とダンナに言うと、「我々だって8年持った」。結婚生活も消耗品で、お取り替えがあるのでしょうか?

2008年03月01日(土)  マタニティオレンジ243 お気に入り絵本『わたしのワンピース』
2007年03月01日(木)  マタニティオレンジ84 「おなかの皮で風呂水」伝説
2005年03月01日(火)  ビューラー巻き巻きに挟み撃ちされる
2002年03月01日(金)  『たまねぎや』と『サムラート』


2009年02月28日(土)  およめさん、チューしてたね。

会社時代の同期の結婚パーティに出ようと、玄関でブーツを履いていると、奥の部屋で遊んでいた娘のたまが、飛び出して来て、抱きつき、泣きつき、出られなくなってしまった。仕事だとわかっているときは、泣いても無駄だとわかって引き下がるのだけど、2歳児の察しの良さで「今日は泣けばなんとかなる」と思ったらしく、しつこく泣きすがる。「この状態で置いて行かれては困る」という子守役のダンナの視線も感じ、連れて行くことにした。

子連れで大丈夫だろうか、でも行けば何とかなるか、と向かった先は広尾のWALNUTというお店。入口を入ると、元同僚が次々と現れ、年賀状で顔を見ているたまのことも歓迎してくれた。奥へ進むと同期集団が立ち飲みしているコーナーがあり、壁際のチェストの上にたまを座らせた。パンやサラダやパスタなど、たまはせっせと食べ、お店のトイレでもしっかり用を足し、いろんな人にかわるがわるだっこされ、ずいぶんくつろいでいた。

新郎ナカジ君は、同じく同期のシモゾノ君とともに、わたしの結婚パーティの司会を務めてくれた。シモゾノ君の発案で、秋田の保存協会から借り受けたナマハゲ姿というインパクトのある司会だった。わたしの本『ブレーン・ストーミング・ティーン』の広報部長を自認して、知り合った女の子たちに本を渡して広めてくれた。合コンの名手で、あまりに回数を重ねたために、ついに以前合コンで会った女の子と別な合コンで再会し、「東京は一巡した」と思ったという。そのせいかどうか大阪支社に転勤し、そのまま会社をやめて、大阪の企業に転職した。

そんなナカジ君と新婦のなれそめが合コンだったのか聞きそびれてしまったけれど、元レースクイーンという彼女は心身ともに健康そうなハツラツとした美人さん。新婦をキャンペーンガールに仕立てたビールのポスターを同期のアートディレクターのトオヤマ君とヒダイ君が作り、壁に張り巡らせていたのけれど、あまりの自然さに「え、これ、お店のポスターじゃないの?」という反応が見られた。

去年の秋に初めて披露宴に出て以来、たまは「およめさん」に興味津々で、お店に向かう前から「およめさんどこ?」。新婦のドレスに目が釘づけになり、新郎新婦のなれそめとバリ島での結婚式の模様を納めたビデオを食い入るように見つめ、とくに結婚式での誓いのキスに、まばたきもしないで見入っていた。

最近ダンナのチュー攻撃が激しくなり、たまはこのしつこいキス魔をパパとは別な「チュウマン」というキャラクターとして位置づけ、「チュウマンこないで」と拒絶したり、機嫌がいいときは「チュウマンとあそぶ」と歩み寄りを見せたりしている。そんなたまにとっては、「ここにもチュウマンがいる!」という驚きの瞬間だったのかもしれない。結婚パーティにつきもの(?)の「だっこチュー」コールを浴びての新郎新婦のキスにも身を乗り出していた。

よっぽど印象に残ったのか,家に帰ってからも、「およめさん、チュウしてたね。いっぱいチュウしてたね」とたま。おみやげのハートの缶入りチョコレートをうっとりと眺めながら、「またけっこんしきいこうね。およめさんみようね。ハートもらおうね」。ハートのおすそわけ、たくさんごちそうさま。ナカジ君、お幸せに。

2008年02月28日(木)  魔法にかかって初TOCCA
2007年02月28日(水)  推定年齢
2006年02月28日(火)  絵本『子ぎつねヘレンの10のおくりもの』打ち上げ
2005年02月28日(月)  フリーの人の確定申告
2004年02月28日(土)  「ブレーン・ストーミング・ティーン」著者贈呈本
2003年02月28日(金)  2003年2月のカフェ日記
2002年02月28日(木)  ヘンな弟よっくん


2009年02月27日(金)  魔法の粉ごっこ

明日マンションの配水管に水を通す作業があるので、水まわりをきれいにしておこうと思い立つ。娘のたまにボロ布を与え、「魔法の粉ごっこをしよう」と呼びかけると、その魅惑の響きに騙され、「まほうのこなごっこ、する!」と乗ってきた。京都のスーパー家事執行人メグさんが置いて行ってくれた魔法の粉=重層を洗面台にふりかけて、ゴシゴシ。心を込めて磨くと心の中も磨かれて精神状態にもよろしいらしい。面白くなってきて、ドアについた手垢もゴシゴシ。

掃除をしながら、いろんな話をする。もうこんなにしゃべれるのか、いつの間にこんなことを覚えたんだろ、と驚かされる。「アメリカ」と口にしてしまい、「アメリカ、知らないよね」と言うと、「アメリカ、しってるよ。アメリカ、とおいの」。いつ誰に聞いたのか、世の中を知る手がかりをどんどん仕入れて溜め込んでいる。

子どもの記憶力といえば、「断片を読む力」に感心する。タイヤの欠片だけでメーカー名を突き止める鑑識ばりの観察力と推理力で、たとえば、お菓子の袋の切れ端を見て、それを食べたことを察してしまう。わずか数センチの切れ端で、模様も何もないのに、「ひばばのクッキー」などと具体的なお菓子の名前に結びつける。文字情報をまだ持たず、写真を撮るように記憶しているゆえ、一部から全体を想像する力が優れているのだろうか。そういうわけで、ボロ布の出所もすぐに見破ってしまい、「たまちゃんのふく、きらないで」「パパのパンツ、イヤ」などと注文がつく。

後日談だが、土曜日、待てど暮らせど配水管作業の方は現れず、お知らせのチラシを確認したら、一週間ずれていた。子どもの記憶力はたのもしく、親の記憶力は心もとない。

2008年02月27日(水)  25年ぶりに再読『まぼろしのペンフレンド』 
2007年02月27日(火)  平成18年度確定申告
2005年02月27日(日)  1975年のアカデミー賞映画『カッコーの巣の上で』
2002年02月27日(水)  世の中は狭い。いや、世界が広くなったのだ。


2009年02月26日(木)  「小さい子どもには焼き肉」だったのか!

「文京区立保育園児の食生活状況報告書」なるものを娘のたまが通う保育園から持ち帰る。保育園に子どもを託している家庭の食生活調査の結果をまとめたもので、各設問の回答分布が円グラフになっている。アンケートに答える家庭はきっちりしている傾向があるともいえるが、子ども(幼児)が朝8時までに起床している家庭が95%、親に至っては朝8時までの起床が99%。朝食を8時までに済ませている家庭が87%。朝ドラに合わせて起床し、9時に朝食を終えるわが家の生活を見直さねばと反省する。興味深かったのは、「どのような場所で外食しますか」の設問。「ファミリーレストラン53%」は予想通りだったけど、2位の「焼肉屋21%」が僅差で「回転寿司20%」に勝っていて、「鉄板=火傷=危険」と思っていたわたしは、「小さい子どもには焼き肉だったのか!」と驚いた。

わが家では子連れで焼き肉屋に行ったこともなく、子どもが生まれてからは家で焼き肉をしたをしたこともなかった。去年の秋にマザー牧場へ旅行したときに鉄板で肉を焼いたのが、たまにとっては人生初焼き肉で、そのときの印象が強烈だったのか、マザー牧場を「おにくぼくじょう」と覚えている。うちにある加湿器のギザギザを指差し、「おにくぼくじょう」と言ったのは、ギザギザが肉焼き網に見えたせいらしい。先日越後湯沢へ行って焼き肉屋の前を通りがかったときにも、しきりと「やきにく!」と訴えて、つられてわたしも焼き肉気分が高まってしまったのだけど、調査報告書を読んで、クラスのお友だちから焼き肉屋に行った話を聞いたのかもしれないと想像した。

リクエストに応えてホームプレートで焼き肉をしてみると、アツアツのプレートに手を出すこともなく、おとなしく肉が焼けるのを待ってくれた。親にとっては並べて引き上げるだけなので、こりゃラクチン。子どもは高級肉よりウインナーを喜んでくれるのもありがたい。いいことを覚えてしまい、今日も今週2度目の焼き肉。

2008年02月26日(火)  マタニティオレンジ241 英語の歌を日本語で
2007年02月26日(月)  500円の価値
2005年02月26日(土)  ブラジル物産展
2002年02月26日(火)  数珠つなぎOB訪問


2009年02月25日(水)  もういくつ寝ると朝ドラ「つばさ」スタート


脚本協力で参加している朝ドラ「つばさ」のスタッフジャンパーとTシャツが出来上がり、記念にひとつずついただく。片面に「TUBASA 09」、もう片面につばさが働くことになる「ラジオぽてと」の名前と周波数があしらわれていて、そのまま街でも着られそうなデザイン。オンエア開始はまだまだ先だと思っていたら、「だんだん」が始まり、「次だな」と思っていたら、あと数日で一か月前。打ち合わせのたびに「来ますねえ」「早いですねえ」とドキドキが高まっているところ。映画や単発ドラマの場合、公開あるいは放送のずいぶん前に本作りは終わっているので、世に出る頃にはスタッフは散ってしまっている。ところが連ドラの場合は、第1話が始まるときにはまだ後ろのほうの回の本を作っているので、打ち合わせをしながら「もうすぐですねえ」とカウントダウン気分を味わうことになる。連ドラは『快感職人』しか経験していないわたしには、これが新鮮。

3月30日に始まってからは、「始まりましたねえ」となり、聞こえてくる評判に一喜一憂しながら続きを作っていくことになる。それが半年続くのもまた朝ドラならでは。どんなにロングランの映画でも半年続くということは、なかなかない。そして、一ファンとしてではなく、一スタッフとして朝ドラを観るのも、初めての体験。「ひとみ」以来、娘のたまは8時15分になり、主題歌が流れてくると、朝ドラ始まるよーをアナウンスしてくれている。「だんだんはじまるよー」が「つばさはじまるよー」に変わり、一緒に観るのが楽しみだ。「つばさ」ってちゃんと言えるかな。

2008年02月25日(月)  マタニティオレンジ240 布おむつ歴半年
2007年02月25日(日)  マタニティオレンジ83 風邪の置き土産
2006年02月25日(土)  半年ぶりの美容院
2002年02月25日(月)  信濃デッサン館


2009年02月24日(火)  「ひつじが1匹」から「ひつじが100匹」までのお話

娘のたまを寝かしつけるのに毎晩苦労している。一日中保育園に預けられているので、6時にお迎えされて、晩ご飯を食べて、お風呂に入って、そこからが母親と遊べるゴールデンタイム。「良い子は寝る時間」の9時を過ぎた頃からエンジンがかかり、「ねんどする」「おうまさんする」「おうちおうちする」「えほんよむ」となる。

10時半を過ぎると、無理矢理布団に寝かしつけ、子守話を聞かせると、親のほうはうとうとしてくるのに、たまはますます目が冴えて起き上がり、また遊び始めてしまう。ようやく寝かしつけに成功したときには、疲れて一緒に寝入ってしまい、締切前なのに10時間睡眠を取り、翌朝になって、「しまった! 昨夜のうちに仕上げるはずが……」と青ざめる始末。

寝かしつけに効きそうなことは、いろいろ試してみた。熱めのお風呂に長めに入ったり(たまは子どものくせに熱い湯に強く、親が先にゆでだこになる)、人形を寝かしつける遊びをさせたり(布団に誘導するには効果的)。古典的な「ひつじが1匹、ひつじが2匹……」もやってみた。数えるだけだと芸がないと思い、「ひつじが1匹、ぽーんととんだ。ひつじが2匹、くるりととんだ。ひつじが3匹、ころんでとんだ……」と変化をつけ、途中で「そろそろ寝たかな」と中断して顔をのぞきこんだところ、「ひつじ、どうなったの?」と目をぱっちり見開いて聞かれた。どうやらいつもの子守話のひとつだと思っていたらしい。

百匹のひつじの百種類のジャンプを考えてみよう、という頭の片隅にあった計画が急浮上したのは昨日。目の前にやらなきゃいけないこと(昔は試験勉強、今は締切前の原稿書き)があるのに、すぐに取りかかる気分になれず、普段しないこと(昔はジグソーパズルの箱を引っ張り出してきた)をしたくなる。それで、魔が差したように、「ひつじが百匹」のことを思い出したのだった。

せっかくだから、数え歌っぽく、それぞれの数字にちなんだ理由や描写でジャンプさせようと考え、やりだしてみると、気分転換(あるいは現実逃避)のつもりが、一日がかりになってしまい、日をまたいで今日になっても「42匹目のひつじ、夜逃げだと、子どもに聞かせるにはまずいか」などと唸り続け、新聞に目を通すと、「二階建て」「三角屋根」「二重飛び」などの数字が入った単語が目に飛び込み、そうなると、辞書を引きたくなり、またしても一日費やしてしまった。

もっといいものがあれば差し替えたいものもあるものの何とか百種類のジャンプがそろい、完成披露することに。子守唄っぽいメロディもつけて、「いちばんめのひつじは いちばんぼ〜しみつけて と〜んだ〜」(詩では「ひつじ」で止めたけえど、歌うと「ひつじは」となった)と10匹目まで歌ってみると、「おもしろい」とつかみはいい感じ。うれしくなって、ひつじを飛ばし続けると、「13びきめのひつじは」のところで突如、「あなた!」とたま。以後、「14ひきめのひつじは」「あなた!」「15ひきめのひつじは」「あなた!」……。わたしが四苦八苦して考えた歌詞は、「あなた!」の一言で片付けられてしまった。絶妙なタイミングで「あなた!」が決まるのが快感なのか、たまは身をよじって大受けしながら、「ママ このうた おもしろいね。どこで おぼえたの?」。ガックリ。ママは寝込みます。

子守話48 ひつじが百匹

1ぴきめのひつじ いちばんぼしみつけて とんだ
2ひきめのひつじ にかいのまどから とんだ
3びきめのひつじ さんかくやねのうえから とんだ 
4ひきめのひつじ よんほんあしふんばって とんだ
5ひきめのひつじ ごひきごぼうぬきで とんだ
6ぴきめのひつじ ロケットみたいに とんだ
7ひきめのひつじ ななほしてんとうみつけて とんだ
8ぴきめのひつじ はちまきしめて とんだ
9ひきめのひつじ きゅうかんちょうおいかけて とんだ 
10ぴきめのひつじ じゅうじのほうがくに とんだ 

11ぴきめのひつじ じゅういさんこわくて とんだ
12ひきめのひつじ じゅうにがつのクリスマスに とんだ
13びきめのひつじ いちみとうがらしからくて とんだ
14ひきめのひつじ いしころですべって とんだ
15ひきめのひつじ じゅうごやおつきさんみて とんだ
16ぴきめのひつじ いろをぬられて とんだ
17ひきめのひつじ いないないばあして とんだ
18ぴきめのひつじ いちかばちかで とんだ
19ひきめのひつじ ジュークボックスでうたって とんだ
20ぴきめのひつじ にじゅうとびしながら とんだ

21ぴきめのひつじ にほんいちたかく とんだ
22ひきめのひつじ ニンニンにんぽうつかって とんだ
23びきめのひつじ ににんさんきゃくで とんだ
24ひきめのひつじ にしのそらまで とんだ
25ひきめのひつじ にごったかわこえて とんだ
26ぴきめのひつじ ふろがつめたくて とんだ
27ひきめのひつじ ふなつきばのうえ とんだ 
28ぴきめのひつじ にわとりおいかけて とんだ
29ひきめのひつじ にくやさんこわくて とんだ
30ぴきめのひつじ さんじゅうそうひきながら とんだ

31ぴきめのひつじ サイコロなげて とんだ
32ひきめのひつじ サニーレタスばたけを とんだ
33びきめのひつじ みみかじられて とんだ
34ひきめのひつじ さんじゅうしきどりで とんだ
35ひきめのひつじ サンゴしょうまで とんだ
36ぴきめのひつじ さむくてこごえて とんだ
37ひきめのひつじ みなみかぜにのって とんだ
38ぴきめのひつじ サンバをおどって とんだ
39ひきめのひつじ さくらさくはるに とんだ 
40ぴきめのひつじ しじゅうからおいかけて とんだ
  
41ぴきめのひつじ よいしょこらしょと とんだ
42ひきめのひつじ しにものぐるいで とんだ
43びきめのひつじ よみちがこわくて とんだ
44ひきめのひつじ ししまいかぶって とんだ
45ひきめのひつじ よこむきになって とんだ
46ぴきめのひつじ しろいおしろのうえ とんだ 
47ひきめのひつじ よなかにこっそり とんだ
48ぴきめのひつじ よわむしのくせに とんだ
49ひきめのひつじ しくはっくして とんだ 
50ぴきめのひつじ ごじゅうのとうまで とんだ

51ぴきめのひつじ こいのぼりにこいして とんだ 
52ひきめのひつじ ごじゆうにといわれて とんだ
53びきめのひつじ ごじゅうさんつぎまわって とんだ
54ひきめのひつじ ゴシゴシあらわれて とんだ
55ひきめのひつじ ごうごうあらしのなか とんだ
56ぴきめのひつじ ゴロゴロかみなりなって とんだ
57ひきめのひつじ こなゆきまうなか とんだ 
58ぴきめのひつじ ごはんのゆめみて とんだ
59ひきめのひつじ ごくごくふつうに とんだ
60ぴきめのひつじ むれからはなれて とんだ

61ぴきめのひつじ ろくちょうめのいちばまで とんだ 
62ひきめのひつじ ろくにみないで とんだ 
63びきめのひつじ ムササビみたいに とんだ
64ひきめのひつじ むしばがいたくて とんだ
65ひきめのひつじ ろっこつケガして とんだ
66ぴきめのひつじ ろくろっくびにびっくりして とんだ
67ひきめのひつじ むなさわぎがして とんだ
68ぴきめのひつじ ロバとかけっこして とんだ
69ひきめのひつじ ロックのリズムで とんだ
70ぴきめのひつじ なわばしごつかって とんだ

71ぴきめのひつじ なないろのにじのうえ とんだ
72ひきめのひつじ なにくわぬかおして とんだ
73びきめのひつじ なさけないかっこうで とんだ
74ひきめのひつじ ななしのかかしと とんだ 
75ひきめのひつじ しちごさんうれしくて とんだ
76ぴきめのひつじ なむあみだぶつとなえて とんだ
77ひきめのひつじ なぞなぞのこたえがわかって とんだ
78ぴきめのひつじ なっぱはっぱさがして とんだ  
79ひきめのひつじ ななくさたべながら とんだ  
80ぴきめのひつじ ハレーすいせいみたいに とんだ 

81ぴきめのひつじ はいしゃさんこわくて とんだ
82ひきめのひつじ ハチにさされて とんだ
83びきめのひつじ はみがきがイヤで とんだ 
84ひきめのひつじ はしのうえはしって とんだ 
85ひきめのひつじ やこうれっしゃおいかけて とんだ
86ぴきめのひつじ ハローとあいさつしながら とんだ 
87ひきめのひつじ バナナのかわですべって とんだ
88ぴきめのひつじ はちじゅうはちやに とんだ 
89ひきめのひつじ ハックションとくしゃみして とんだ
90ぴきめのひつじ くれないのそらを とんだ

91ぴきめのひつじ くいにくいついて とんだ
92ひきめのひつじ きゅうにあわてて とんだ
93びきめのひつじ くさいおならして とんだ
94ひきめのひつじ きゅうしょくおいしくて とんだ 
95ひきめのひつじ きゅうこうれっしゃおいぬいて とんだ 
96ぴきめのひつじ くろひつじにあこがれて とんだ 
97ひきめのひつじ きゅうなさかみちで とんだ
98ぴきめのひつじ くやしさバネにして とんだ
99ひきめのひつじ きゅうきゅうしゃおいかけて とんだ
100ぴきめのひつじ ひゃくめんそうしながら とんだ

2008年02月24日(日)  マタニティオレンジ239 通せんぼごっこで「くぐる」ことを発見
2007年02月24日(土)  マタニティオレンジ82 たま6/12才と応援団
2006年02月24日(金)  金曜日の夜の開放感
2005年02月24日(木)  だいたい・キラキラ・インドネシア語
2002年02月24日(日)  PPK


2009年02月23日(月)  第81回アカデミー賞わが家の反応

外国語映画賞『おくりびと』、短編アニメーション賞『つみきのいえ』、日本作品のダブル受賞に沸いた第81回アカデミー賞。『おくりびと』の撮影の浜田毅さんは、わたしの映画脚本デビュー作『子パコダテ人』、長編4本目の『子ぎつねヘレン』、2時間サスペンスドラマ『ドクターヨシカの犯罪カルテ〜診察室に犯人が来た』(坂上かつえさんと共同脚本)と3本でご一緒しているので、「浜田さん、良かった!」というのが最初の感想。浜田さんの撮影作品では『血と骨』も3年前、第78回の外国語映画賞の日本代表に選ばれている。『パコダテ人』の撮影現場で振っていた誘導灯に負けない輝きを放つおでこから「デコピカル」のあだ名が加わったタージンこと田嶋啓次さんも、制作進行で参加している。

本木雅弘さん演じる主人公の妻役の広末涼子さんは脚本協力した映画『子猫の涙』でも存在感を放っていたし、こちらも脚本協力で参加している次期朝ドラ「つばさ」でヒロインのお祖母ちゃん・玉木千代を演じる吉行和子さんの銭湯のおばちゃん役も良かった。少なからずご縁のある方々の関わった作品という親しみも手伝って、良かった良かったと繰り返し呟いた。『つみきのいえ』を制作したロボットは、成立にはいたらなかったけれど、いくつか企画開発に関わったことがあり、このところもちょくちょくお邪魔している。去年の秋、『つみきのいえ』の絵本が出たときにいただいて、同名の映画があることを知ったのだけど、作品は未見。今回の受賞で映画も絵本も一躍脚光を浴びることになりそうで、ロボットさんも良かった良かった。

その『つみきのいえ』の絵本、迫る水から逃れて上へ上へと建て増しした積み木のような家とそこに住むおじいさんを描き、家と記憶と家族の思い出を重ねたお話。静かだけれど、水がにじむように心にじんわりとしみ入る感動があり、年齢を重ね、何かを喪う経験を多く持っている人ほど、ぐっと来るものがあると思う。けれど、2歳児には大切な記憶が水に沈む切なさはまだよくわからないらしく、一度読んで聞かせたところ、積み木だけ、おうちだけで遊ぶほうが楽しいわとそっぽを向かれてしかった。ところが、アカデミー賞での受賞を伝えるニュースで自分の家にある絵本と同じ絵がテレビ画面に現れたのを見つけるなり、「つみきだ」「つみき どうなったの?」と身を乗り出し、絵本とかわるがわる指差して、はしゃいでいるではないか。センチメンタルを味わうにはまだ早くても、ミーハー精神はしっかり宿っているのだった。

ところで、『おくりびと』で重要なモチーフとして登場する「石文(いしぶみ)」。以前、向田邦子さんのエッセイを読んで、いつかどこかで使ってみたいと思っていたので、映画に現れたとき、やられた、と思った。脚本の小山薫堂氏も向田邦子さんのエッセイで知り、いつかと温められていたのだという。昔の日記に書いていたはずだと掘り出してみると(2007年6月1日 「石文」という恋文)、石文をモチーフにした小さな話まで書いていた。書いた本人も読むまで忘れていたが、プロットのような文体なので、その頃声をかけられた『世にも奇妙な物語』に提案したのかもしれない。わたし好みの甘い話だけど、引っかからなかった理由もそこにある気がする。同じところに目をつけて生まれたエピソードが、方や世界の頂へ飛び立ち、方や過去の日記に埋もれていた。娘用の子守話に仕立て直してみようかしら。

2008年02月23日(土)  マタニティオレンジ238 たま1歳半 ママ1歳半
2007年02月23日(金)  シュークリーム・ランキング
2006年02月23日(木)  金メダ○
2005年02月23日(水)  飛騨牛パワー合同誕生会
2002年02月23日(土)  連想ゲーム


2009年02月22日(日)  なりきり芝居で女優開眼!?たま2歳6か月

娘のたまは、今日で2歳6か月。朝起きてトイレで用を足し、今日が誕生日のわたしの母に電話口で「ハッピーバースデー ディア おおさかばあば〜」と歌ったあと、子ども椅子をひっくり返した「電車」に乗り込んで車掌さんごっこを始めた。「つぎは〜せんごく〜せんごく〜」などと言いながら、リズミカルに左右に揺れ、一人で機嫌良く遊ぶ傍らで、わたしは、朝食の支度。この一か月でトイレと一人遊びがずいぶんうまくなって、だいぶラクさせてもらっている。おむつはまだ外れないけれど、トイレでの成功率が上がったので、保育園から持ち帰るおむつが減るにつれて、おむつを買いに行く回数も減った。

一人遊びがうまくなったのは、自分を遊び相手にできるようになったということ。一人で車掌と乗客を演じたり、ぬいぐるみたちのお世話ごっこをしたり(保育園に持って行くタオルを掛け布団と敷き布団にして、ぬいぐるみをねかしつけたりする)、想像力を働かせて遊べるようになった。アンパンマンばかりかトントン(おっぱい)まで友だちに加えてしまう頭の柔らかさは、さすが子どもだなあと思う。1月末に大阪に帰ったとき、わたしの実家に着いて、「トントンもおおさかきたんだね」と歓声を上げたのには、「来てないと困るがな」と突っ込んでしまった。おっぱいをねだられるたびにわたしが「いまでかけてます」「まだ保育園から帰ってません」などとはぐらかしてからかっていたのが膨らんで、たまの頭の中でトントンは自在に動き回れる生き物になったらしい。

「たまちゃんじゃないよ。あかりちゃんよ」と別な女の子になりすます遊びも始まった。あかりちゃんの出所はいまだに不明だけど、いつも洋服をくれる「みなみちゃん」になりすますこともある。たまちゃんでもあかりちゃんでもみなみちゃんでも、変わるのは名前だけで性格までは演じ分けられていないところがご愛嬌。「じゃああかりちゃん、たまちゃんのパパとおふろ入る?」と聞くと、「あかりちゃんのパパだよ」と親まで変身を求められる。

このところのお風呂遊びは「ほいくえんごっこ」。わたしの誘導にしたがって、登園してからの生活を演じる。「おはよう。みんないるよ、まず手を洗ってね」と言うと、手を洗い、タオルで手を拭く。朝のおやつを食べ終えて、ブロック遊び。隣で遊んでいるのは誰というのも、ちゃんとたまの頭にある。「○○ちゃんはブロックあそびしないよ」とお友だちの性格もよくわかっている様子。「じゃあ散歩にいきますよ」と声をかけると、お友だちや先生の分の帽子や上着を出してきて、着せて回る。帽子のゴムをかけたり、上着の前を留めたりと芸が細かい。出かける前に胸を張ってトイレへ行進。わたしをトイレに見立てて腰掛け、用を足すふりをする。この表現力は『ガラスの仮面』北島マヤばり顔負け、コメディエンヌの才能もあるぞと親バカぶりも成長(増長)中。


朝食の後、わたしが仕事する間、たまはパパと公園に行き、帰りにケーキを買ってきた。誕生日の記念にお皿に字を描こうと思い、冷蔵庫を開けてペンになるものを探す。いつのものかわからないチョコレートは古すぎたのかうまく溶けず、黒みつでは色が薄すぎ、チューブのバジルペーストで「たま2.5」と描いた。2歳5か月にも見えるが、まあ誤差だ。子育ては小さなことにこだわらないことが大事。たまは割り箸を筆にして黒みつお絵描きを楽しんだ。

わたしがパソコンに向かっていると一人で遊んでくれる物わかりの良さに甘えて、ずいぶん仕事をさせてもらっている。でも、我慢をさせていることもわかっている。原稿をひとつ片付けられたので、夜は一緒に布団に入り、好きなだけ子守話を聞かせることに。「カンガルーする」と言って、おなかの上にぺたっとのっかってきたので、最初は「カンガルーさん ぴょん」のお話。「カンガルーちゃん、ママの袋から飛び出さないように、しっかりつかまりなさいよ」。ぴょんぴょんはねながら動物園を探険。お友だちの動物たちを訪ね歩いた。続いて、「ぞうさん パオーンのおはなして」のリクエスト。お誕生日にちなんだお話にしてみた。

このところ定番の「きりんさん とべないの」のお話や「ちょうちょさん とべないの」のお話が続き、最後はいまいちばんのお気に入りの「パパひとりぼっち」のお話。パパが家に帰ったらママもたまちゃんもいなくて、パパが一人でお留守番しながらカレーを作る。いいにおいがしてきたところでピンポーンと鳴り、ママとたまちゃんが帰ってきて、みんなでカレーを食べるというお話。話すたびにピンポーンでやってくる人が増えて、じいじやばあばや保育園のお友だちもやってくる。たまちゃんが帰ってくる前に郵便屋さんがパパあてのラブレター手紙を届けて、パパがはりきるあまりにカレーが辛くなったところにバナナや豆腐を届けてくれるお客さんが現れたり、おばけが来たり、ピンポンダッシュで逃げて行く人も。「あ、ぎゅうにゅうがないよ。かいにいこう。コンビニちかくにあるよ」。カレーを食べる前、日付が変わる頃に寝ついた。

子守話47 ゾウさんパオーン

あるひ パパゾウとママゾウとタマゾウが もりへあそびにでかけました。
「パパはおしごと ママはおせんたくをしてくるから
 タマはここであそんでいてね。
 なにかあったら、あいことばはパオーンよ
 パオーンとないたら あつまりましょう」
ママがそういって パパゾウとママゾウは
もりのあっちとこっちへいってしまいました。
タマゾウはしばらく ひとりであそんでいました。
おともだちのこどもゾウたちは パパやママといっしょで
おおきなプレゼントまでもらっているのに
タマゾウだけひとりぼっちでした。
「パパもママも いそがしいんだ。タマゾウのこと すきじゃないんだ。
 きょうが タマゾウのたんじょうびだってこと わすれているんだ」
タマゾウは かなしくて さびしくて パオーンとなきました。
すると、パオーン、パオーン。
パパとママのこえが もりのおくのほうからきこえました。
タマゾウがこえのするほうへ むかってみると
そこは いちめんのおはなばたけでした。
おはなのかおりにまじって ごちそうのいいにおいがしました。
「パパとママだけ こんなたのしいところにいて ずるい」
タマゾウが はなをまるめて すねていると
あたまのうえから はなびらがふってきました。
ながいはなで はなびらのシャワーをふらせているのは
パパゾウとママゾウです。
「おたんじょうび おめでとう」とパパゾウ。
「タマゾウにないしょで パーティのじゅんびをしていたのよ」とママゾウ。
みると タマゾウのおともだちのゾウたちが
パパやママといっしょに ぞろぞろとあつまってきました。
みんながもっていたおおきなプレゼントは 
タマゾウにあげるたんじょうびのおいわいだったのです。
タマゾウは びっくりして うれしくて なみだがでてきました。
はなびらのシャワーが なみだをかくしてくれて よかったとおもいました。

2008年02月22日(金)  アンチエイジングディナーで合同誕生会
2007年02月22日(木)  マタニティオレンジ81 母になっても女心はある
2006年02月22日(水)  史実の63年後に観る映画『白バラの祈り』
2002年02月22日(金)  生みっぱなしじゃなくて


2009年02月21日(土)  電話でタイムスリップ

電話でタイムスリップ。先日放送したラジオドラマみたいだけど、過去を分かち合った人からのひさしぶり電話は、ほんとうに時間をポーンと飛び越えさせてくれる。大阪の高校の体操部で一緒だったミホから「今みんなで飲んでるねん」と電話があり、そこに集まっている5人の同期とかわるがわる話した。高校を卒業して以来に声を聞く子もいたのだけど、「ひさしぶりー。わかる?」と言われる間に記憶再生装置が起動し、彼女の顔を映し出してくれた。映像は高校生当時のもので、彼女と話しているわたしも高校生に戻っていた。

あの頃の年齢の2倍以上の歳月を生きてきたのに、中身は何にも変わってない気がする。だけど、外側はずいぶん変化を遂げた。それでも、顔を合わせれば、「変わってへんなあ」と言い合うのだろう。声を聞くと、無性に懐かしくなって、顔を見たくなった。

2008年02月21日(木)  バレンタイン月間&確定申告週間
2007年02月21日(水)  三島由紀夫レター教室
2006年02月21日(火)  何かとツボにはまった映画『燃ゆるとき』
2005年02月21日(月)  『逃亡者の掟』(人見安雄)
2002年02月21日(木)  映画祭

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