2005年02月21日(月)  『逃亡者の掟』(人見安雄)

■会社のデスクを整理していたら、日記を綴った大学ノートが2冊出てきた。1998年99年と2年続けてカンヌ広告祭に参加したのだが、そのときの記録。読み返してみると面白くて懐かしい。記憶から抜け落ちていたエピソードもあり、やはり日記はつけておくものだと思う。気に入ったコピーも書き留めてあるのだが、その中に
YOU can TAKE a BOOK ANYWHERE and VICE-VERSA.
というのがあった。「本はどこにでも連れて行ける。その逆に、どこにでも連れて行ってくれる」。このコピーに出会ったとき、感激して、しばらくその場を動けないほど見入ってしまったことを覚えている。Waterstone book storeという本屋の「本を読もう」キャンペーンのポスターで、キャッチコピーをあしらった装丁の本がキービジュアルになっていた。シリーズ広告で他のコピーもよくできていたけど、これは秀逸。他にもぜひ紹介したいコピーに再会したので、「1998年カンヌ広告祭 コピーが面白かったもの」というタイトルで1998年7月1日の日記に書いた。
■自分の人生では体験できない世界を本は味わわせてくれるが、昔紀伊国屋でバイトしていた同僚デザイナーのゾエ君が「すごい本があんのよ。国際指名手配された窃盗犯なんだけど、奥さん連れて国外逃亡してさ、愛の逃避行なわけよ。その人元々絵を描くんだけど、ギリシャとかフランスとか行った先々で絵を売って、しまいには大金持ちになっちゃうわけ。あんな人生、なかなかないよ」と紹介してくれた一冊が、『逃亡者の掟―国際指名手配第一号犯の4600日』。著者は逃亡した本人、人見安雄氏。表紙をめくると、いきなりマツケンもびっくりなキラキラ衣装の人見氏が現れ、度肝を抜かれる。ゴージャス人見氏、これからわたしをどこへ連れて行ってくれるのか。

2002年02月21日(木)  映画祭

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