2008年02月26日(火)  マタニティオレンジ241 英語の歌を日本語で

一月以来、母娘ではまり、毎日のように観ているビデオ『Barney's Big Surprise Live on Stage』。『Barney and Friends』というアメリカの長寿子ども向け番組のショーを収録したもので、テレビでおなじみのキャラクターが目の前で繰り広げられるショーに観客の子どもたちは釘づけ、熱狂、興奮なのだが、スクリーンを通しても神通力は衰えず、娘のたまは吸い寄せられるように画面に食い入っている。

よく飽きないなあと感心するやら呆れるやらだけど、「ッカイ(もう一回)」とせがまれても、うんざりせずに大人も何度でも楽しめるのが、このビデオのすごいところ。子ども向けに作られているのだけれど、大人を締め出さないどころか引き込む魅力がある。子どもに合わせて目線は下げるけれどクオリティは下げない。ストーリーも音楽もしっかり作られていて、演じ手たちも力を抜いていない。

飽きない理由のもうひとつは、わたしにとっては格好の英語教材になっていること。よちよち歩きの子どもたちでも反応している簡単な英語が、最初は半分ほどしか聞き取れなかったのだけど、何度も聴くうちに聞き取れる台詞がふえて、今ではほぼ全部わかるようになった。休日にしかビデオを観る機会のないダンナは「何言ってんだかさっぱりわからない」と言うが、日本語もおぼつかない1歳半児のたまが、どうやら英語を聞き取っているらしいことが最近わかった。マザーグースの歌のHampty Damptyが出てくる場面が大好きなのだが、「ハンプティダンプティやってみて」と言うと、両手を上げて後ろにひっくり返る真似をする。「Hampty Dampty sat on the wall. Hampty Dampty had a great fall」という英語の歌詞と、塀に腰かけているハンプティダンプティが後ろにひっくり返る場面をちゃんと結びつけているわけで、これには驚いた。

でも、歌はやっぱり日本語で歌ったほうが楽しいと思い、たまがいちばん気に入っている『If all the raindorops』に日本語訳をつけてみることにした。「もしも雨が飴だったら」と日本語でもよくやる言葉遊びが歌になっている。「飴(雨)」を受け止めるために口を大きく開けて「Ah, ah, ah, ah……」と歌うサビの部分がたまは大好きで、ビデオに合わせて、首を大きく後ろにそらせて「ア、ア、ア、ア」とやるし、「ア、ア、ア、ア(のところかけて)」とビデオ再生をリクエストすることもある。

一番の「If all the raindrops were lemondrops and gumdrops」
は「もしも雨粒がアメ玉だったら」、二番の「If all the snowflakes were candy bars and milkshakes」は「もしも白雪が白玉だったら」と訳し、なんとなく韻も踏めて、いい感じになった。バーニーのビデオでは二番までなのだけど、インターネットで調べてみると、「If all the sunbeams were bubblegum and ice cream」という三番があるではないか。これが厄介で、「太陽がたい焼き」「お日さまがおはぎ」「日光がアンコ」「光がゼリー」「光がかりん糖」などなど考えてみたものの、「が」の前後のイメージがきれいにつながらない。原詞の「太陽光線が風船ガムとアイスクリームだったら」も相当苦しいけれど、降り注ぐ光を食べ物にたとえるところにそもそも無理がある。結局、オレンジ色のイメージでつなげて「お日さまがおみかん」に落ち着いた。太陽光線と果汁も近いものがあるし、今のところこれよりいい訳を思いつかない。

If all the raindrops

作詞:不詳
訳詞:いまいまさこ

If all the raindrops
Were lemondrops and gumdrops
Oh, what a rain that would be!
Standing outside, with my mouth open wide
Ah, ah, ah, ah, ah, ah, ah, ah, ah, ah
If all the raindrops
Were lemondrops and gumdrops
Oh, what a rain that would be!

If all the snowflakes
Were candy bars and milkshakes
Oh, what a snow that would be!
Standing outside, with my mouth open wide
Ah, ah, ah, ah, ah, ah, ah, ah, ah, ah
If all the snowflakes
Were candy bars and milkshakes
Oh, what a snow that would be!

もしも雨粒がアメ玉だったら
どんなにいいでしょう
お口をあけて見上げましょう
ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア
もしも雨粒がアメ玉だったら
どんなにいいでしょう

もしも白雪が白玉だったら
どんなにいいでしょう
お口をあけて見上げましょう
ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア
もしも白雪が白玉だったら
どんなにいいでしょう

もしもお日さまがおみかんだったら
どんなにいいでしょう
お口をあけて見上げましょう
ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア
もしもお日さまがおみかんだったら
どんなにいいでしょう

われながらうまく訳せたと自分で自分をほめながら歌っていると、「誰が訳してもそうなるんじゃないの? きっと同じのがすでにあるよ」とダンナ。それぐらい、しっくりきているってこと? メロディとの相性もばっちりで、保育園の送り迎えなどに大声で歌っている。はた目には、ベビーカーで大口開けてそっくり返っている娘に気づかず陽気に歌うノーテンキな母親に映っているかもしれない。

この『If all the raindorops』、番組の公式サイトにあるジュークボックスのページで聴くことができる。他にも番組で使われているナンバーが数十曲聴けて、親子で楽しめる名曲ぞろい。サイトにはビデオのページもあり、こちらも子守に威力を発揮。ショーのビデオで観客の子どもたちが最も熱狂している『Mr.Knickerbocker』は一見の価値あり。これが流れると、わが娘は狂ったように夢中でほっぺたをたたく。国境を越えて子どもの血を騒がせる何かがあるらしい。

2007年02月26日(月)  500円の価値
2005年02月26日(土)  ブラジル物産展
2002年02月26日(火)  数珠つなぎOB訪問

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