2007年02月26日(月)  500円の価値

信販会社より「お客様情報流出のお詫び」が届く。ニュースでは何度も見聞きし、よくあることだと思っていたが、ついにわたしにも巻き込まれる番が回ってきた。クレジットカード会員を対象にしたダイレクトメール作成を印刷会社に預託した際に個人情報の一部が流出、その内容は「カード番号、有効期限、氏名、性別、生年月日、郵便番号、住所、電話番号でございます」とある。発覚の経緯や今後の対応、手元に心当たりのない請求書や不審なダイレクトメールが届いたときの対処法が丁寧に記されている。

「お客様に多大なご迷惑とご心配をお掛け致しますこととなり、謹んでお詫び申し上げます」とひれ伏さんばかりの文面だが、「お詫びの気持ちの一端として」同封されたクオカードの額面は500円。事が重大なのかどうか、よくわからなくなる。1000円だったら2倍の誠意が感じられるわけでもないし、10000円だったら「こんなに包まれるほどやばいのか」と不安をあおってしまうかもしれない。お詫びの気持ちを示しましたという事実が大事なのだろう。封筒には「親展」とあるので、ダイレクトメールだと思って開封せずに捨ててしまう人も多いと思われる。ゴミ箱に消えるクオカードの総額はいくらになるだろう。ネタ探しと紙リサイクルのためにダイレクトメールは一通り開封する習慣のおかげで、500円を捨てずに済んだ。いつかこの手のお詫び文書が自分の作品に登場するときのための資料も入手できた。

500円といえば、最近近所のお肉屋さんで買い物したとき、「これ、500円玉じゃないみたいだけど」と出したばかりの硬貨を差し戻された。えっと思ってよく見ると、「500円」と刻印されてはいるが、顔つきが違う。「南極地域観測50年」「平成19年」とあり、最近発行された記念硬貨のよう。「これ、本物ですよね。わざわざ、ニセモノでこんなもの作らないですよね」。いつの間にわたしの財布に紛れ込んだのか、なんだか手品みたい。「記念になるから取っとこっかな」と言うと、「それがいいよ。ね、ね」と店のおじさんが熱心に後押しする。またおつりを返すときに問答になるのが面倒なのかもしれない。押し付けられる形になると、あんまりうれしくないものに思えてしまう。人がありがたがるものをありがたいと思う気持ちが値打ちを底上げするんだなあと実感。

持ち帰った記念硬貨の500円玉は、まだそんなに人の手を経てないようで、ぴかぴかしている。絵柄の二頭の犬は観測犬のタロウとジロウだろうか。昨年リメイク版が作られた映画『南極物語』のオリジナル版は、わたしが人生で最初に観た映画十本の中に入るひとつ。まだ小学生だったと思うが、買ったパンフレットをすみずみまで読んだのを覚えている。いくつかの場面は今でもくっきりと思い出せる。大人になると、映画を観ている途中にふと他のことを考えてしまったり、ある場面を見て別な作品を連想したりしてしまうけれど、子どもの頃は目を見開き、耳を澄まし、全神経を集中させて映画の世界に入り込んでいたのだろう。

2005年02月26日(土)  ブラジル物産展
2002年02月26日(火)  数珠つなぎOB訪問

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