2008年02月22日(金)  アンチエイジングディナーで合同誕生会

今日は、母の誕生日であり、娘のたまの1歳半の誕生日であり、映画『風の絨毯』プロデューサーの魔女田さんこと益田祐美子さんの誕生日前日。数週間前に「22日に田邊さんのお店で合同誕生会やるから空けといて」の電話をもらって、ばっちり空けていたのだが、前日になっても時間の連絡が来ないところが魔女田さん。電話をすると、「何時がいい?」と逆に聞かれて、6時半でお願いした。

益田さんとの合同誕生会は2回目、3年ぶり。1回目(>>>2005年02月23日(水) 飛騨牛パワー合同誕生会)のときにはじめて足を踏み入れた会員制レストラン『シーボニアメンズクラブ』へ。お店の経営者である株式会社ピッドコーポレーションの田邊勉社長ともその会で知り合い、以来、「すてきなすてきな田邊のおじさま」とお慕いしている。お店を訪れるのも田邊さんに会うのも、一昨年の田邊さんの還暦の誕生パーティー(>>>2006年10月28日(土) 田邊のおじさまの還暦音楽祭)以来。

今宵のメンバーは、6人。益田さん、はじめてお会いする神戸の女社長・マダム高田、わたしの「2月生まれ女3人(年代ばらばら)」と、昨夜誕生日ディナーで来店されていた田邊さんの旧友で作曲家の真島俊夫さんと夫人の匡子さん、そして田邊さん。6人中4人が「お誕生日」、主役率66.6%。

まずはシャンパンで乾杯。「今日のメニューはアンチエイジングディナーですよ」と田邊のおじさま。年齢を重ねることを祝う誕生会に、年齢に抗うアンチエイジングディナー。一見矛盾しているような気もしたけれど、「いつまでも若々しく元気で長生きしよう」という誓いを新たにするという意味では、誕生会にふさわしいメニューともいえる。

岩から丁寧にはがした磯牡蠣(天然ものゆえ小粒で身が締まっている)をポン酢のジュレと山芋のすりおろしとともにフルートグラスに詰めた上にウニとイクラをあしらった前菜にはじまり、ふた皿目は「空豆のパンナコッタ」。ひと皿ごとに驚きと楽しみが運ばれてくる。「フルコースを食べ終えてももたれないメニューを作りたかったんですよ」と田邊さん。たしかに、体のサイズに似つかわしくないほど胃袋の収納力抜群のわたしでも、コースの途中で幸せが苦しみに変わるフルコースはある。今宵のメニューは、最後のひと皿までおいしく味わう、いや、最後のひと皿に向けて、舌も胃袋もどんどん調子が良くなるよう。実際、魚料理は、アルコールのために胃袋のスペースを確保しておきたい真島氏を手伝って、ふた皿平らげた。

パンは小麦のふすまで作った「健康パン」。小麦粉はグルテンで固まるので、グルテンのない部分であるふすまでパンを作るのは至難の業。それを実現させたお医者さんがいて、田邊さんがそのパンの販売を手掛けられている。田邊さんいわく、「炭水化物の取りすぎが万病のもと」。エネルギーとして消化されない分が糖質となって体に取り込まれ、自己免疫力を弱めるのだという。いま食べている炭水化物を健康パンに置き換えるだけで、体は見違えると力説。「うちの兄の癌が消えたんですよ」の話にはびっくり。炭水化物依存症のわたしから炭水化物を取り上げたら、生きる楽しみが半減してしまうのだが、健康パンはふわっと口に溶ける不思議な食感で、おいしくて8切れ食べてしまった。



磯牡蠣のポン酢ジュレ添え

空豆のパンナコッタと帆立貝のタルタルディル風味
岩手県産ホロホロ鶏のグルエ ランド産フォアグラのポアレと共に

フカヒレとポアローのコンソメスープ

長崎五島列島産平スズキ 春菊ソース 湯葉添え

ジャスミン茶とスウィートワン

特選黒毛和牛のグリエ 八丁味噌とナッツ風味

デザートの盛り合わせ
(そば粉のガレット アイスクリーム いちご)

食事が進み、お酒が進み、おしゃべりがはずむと、「何才まで現役でいたいか」と下ネタも元気。途中から加わったおじさま(大和ナントカの偉い人。益田さんの珍紹介で、正体はつかめないまま)から「不倫(フーリン)火山」なんてオヤジギャグも飛び出す。「やっぱり男の人って、タツとうれしいものなの?」と益田さんはあいかわらず無邪気で、「欲はないけど、性欲はある」なんて発言も。

田邊さんの紹介で益田さんプロデュースのドキュメンタリー映画第二弾『蘇る玉虫厨子〜時空を超えた「技」の継承〜』の作曲を手がけられた真島さんは得意のダジャレを連発。「赤ワインと白ワインはまったく別物で、違いはタンニンにありまして、これがいわゆる赤のタンニン」「鬼が愛用している化粧品は、鬼にカネボウ」「北京ダックもふかひれスープもない中華料理屋の味は、カモなくフカもなく(可もなく不可もなく)」などなど、思わず携帯のメモ帳に書き留める。「おしりをこちら側に向けたゾウを通り過ぎて歩いて行くと、別なゾウがおしりをこちら側に向けていた。何しているのと聞いたら、『ブックエンドごっこ』」という小話がキュートで気に入る。

今日初対面のマダム岩田は、新幹線でちょくちょく神戸から遊びに上京しているという女社長さん。やんわりした関西弁で毒のあることを言うのが、わたしの笑いのツボを直撃。糖質の取りすぎがいかに体に悪いかを話しだしたら止まらなくなる田邊さんの大演説を、「わかった。何もかも糖質が悪いのね」と手短にまとめ、益田さんがお得意のボケや物忘れをかますたびに、「糖質が多すぎるのよ〜」と絶妙な突っ込みを入れていた。「なぜか女性は僕に語ってくれるんですよ」と田邊さんがうれしそうに言うと、「それは田邊さんの口をふさぎたいからよ」。

隣のテーブルでは、益田さんが準備中の次回作『築城せよ』(劇場公開用長編)の企画会議中。監督の古波津さんや撮影の辻さんと挨拶させていただく。同作品に関わっている読売新聞の方も大阪から駆けつけ、二つのテーブルを行ったり来たり。去年観たオリジナルの短編がぶっ飛ぶほど面白かったので、長編が楽しみな反面、乗り越えるのは大変だろうなと想像する。あの予算と時間で完結していた傑作を一度壊して作り直すのは、まっさらなところから新作を立ち上げるより大変かもしれない。うまく「化け」て、また驚かせてほしい。

宴もたけなわでデザートタイム。デザートの盛り合わせとバースデーケーキは、ふすま製ではなく砂糖も使っている。「食事である程度満腹になってからは、糖質が吸収されにくい」のだそうで、「メインで良質なたんぱく質を取った後に贅沢なデザートというフランス料理は理にかなっているんですよ」と田邊さん。そういえば、フランスに旅行したとき、日暮れからレストランに集まった客たちは、尽きないおしゃべりとともに夜通しテーブルを囲んでいた。食べることを生きることの真ん中に持ってきて楽しむ、そんな生き方は健康的だと思う。今宵の晩賛も気がつけば四時間。値段がつけられないほど、とびきりおいしくて楽しいひとときのお会計は、田邊さんの御馳走。すてきなすてきな田邊のおじさま、ごちそうさまでした。

そして、田邊のおじさまから、もうひとつプレゼント。「食(レストラン)と健康(パン)に加えて、『美』のビジネスを始めようとしているんです」と売り出し中の『ナノリッシュ』の試供品をくださる。韓国の泥パックの泥(クレイ)を世界特許の技術で超微粒子かつ超薄切り(これによって表面積が200倍になり、ただものでない吸着力と吸収性が実現)にして、100%天然でありながらすぐれた抗酸化作用や抗菌作用を発揮するティーツリーオイル(もちろんエッセンシャルオイルならではのヒーリング作用も)のみを加えた、洗い流すパック。肌の奥の汚れや老廃物を取り除きつつ、クレイのミネラルがうるおいとハリをもたらすという。製造者から売り込みを受けて使ってみた田邊さんが、自身の顔でしわ取り効果を実感。「薄くなっていた眉毛も黒くなってきた」そうで、販売を引き受けることにしたのだとか。田邊さんいわく、ひさしぶりに会ったわたしは、母乳育児の影響か、「以前は感じなかった女性らしさ」が出ているらしく、「(パックの効果で)これ以上ホルモンが出ちゃったらどうしましょう」と有頂天になったが、「フェロモン」という便利な言葉があったのを失念していた。やはりアンチエイジングが必要かも。

2007年02月22日(木)  マタニティオレンジ81 母になっても女心はある
2006年02月22日(水)  史実の63年後に観る映画『白バラの祈り』
2002年02月22日(金)  生みっぱなしじゃなくて

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