2008年01月28日(月)  マタニティオレンジ229 子守話3「道」

昨夜の子守話は「花」と「道」のどっちがいいかと選ばせると、「道」を選んだ。題の二択も話も行き当たりばったり。たまが聞いているのかどうかを確かめたくて、話の途中にも二択を取り入れることにした。指をVサインの形にして、右か左を選ばせる。「道」は、こんな話。

子守話3 道

たまちゃんが散歩に出かけると、道が二つに分かれていました。
右と左、どっちに行く?
(たまが左を選んで)はい、左ね。
しばらく歩いて行くと、また道が二つに分かれていました。
右と左、どっちに行く?
(たまが左を選んで)はい、左ね。
そうしてしばらく歩いて行くと、また道が二つに分かれていました。
右と左、どっちに行く?
(たまが左を選んで)はい、左ね。
またまた歩いて行くと、またまた二つに分かれていました。
右と左、どっちに行く?
(たまが左を選んで)はい、左ね。
あれれ? 最初に出発したところに戻ったよ。

もう一度同じ道を歩いて行くと、さっきと同じところで道が二つに分かれていました。
今度はどっちに行く?
(たまが左を選んで)はい、左ね。
しばらく歩いて行くと、またさっきと同じところで道が二つに分かれていました。
今度はどっちに行く?
(たまが右を選んで)お、今度は右に行くのね。
右に行くと、どこまでも続く一本道です。
道はどんどん広くなって、やがて大きな原っぱになりました。
もう分かれ道はありません。曲がり角もありません。
右へ行っても左へ行っても、どこまでもつづく原っぱです。
原っぱには花がたくさんさいていました。
たまちゃんはおみやげに 花をつんで 家にかえりました。

「道」の話にしたけれど、最後には「花」が出てくる話になった。ずっと「左」を選び続けていたたまは何も考えていないのかと思いきや、途中で「右」を選んだので、ちゃんとストーリーを聞いて対応を変えているのかもしれない。人生初RPGということになるのかな。

2007年01月28日(日)  マタニティオレンジ66 贅沢なお産
2006年01月28日(土)  映画関係者の『女正月』に初参加
2005年01月28日(金)  G-upプロデュース公演『ブレインズ』
2004年01月28日(水)  舞台『クレオパトラの鼻』(作・演出:上杉祥三)
2002年01月28日(月)  心意気


2008年01月27日(日)  マタニティオレンジ228 クリスマス・クッキーハウス解体


クリスマスが終わって間もなく一か月。わが家でいちばん寒い玄関に置いてあるクッキーハウスが目に入るたび、そろそろ解体しなくてはと思っていた。ようやくわたしの仕事が一段落し、今日決行することに。ダンナの両親に声をかけ、大人四人が見守る中、紙を敷いた上にクッキーハウスを置いた前に娘のたまを座らせ、「さあ、たま、好きに壊していいよ」とビデオとカメラを構えるが、たまは身じろぎもせず固まってしまう。壊して困るものには手を出すくせに、壊していいよと言われるとどうしていいかわからない様子。わたしが壊し方の手本を示すが、真似る気配はなく、「もったいないじゃない」と言いたげな視線を向けてくる。仕方がなく、大人たちが寄ってたかって壊すのをたまが茫然と見守るということになった。屋根を壊した家に瓦礫を入れる作業には、たまも参加。パズル感覚で楽しんでいるように見えた。

クッキーハウスを建設して贈ってくれたミキさんからは、「ごめんなさい。あの家に入るにはスモールライトが必要なんです。でも、なかなか手に入らないので、ご自分が家の中に入るには、家をご自分の中に納める方法をおすすめします。自前の袋(=胃袋)をお使いください」というチャーミングな追伸メールがあった。ひと月経っているので大丈夫かなあとおそるおそる口にすると、少々湿気てはいるけれど、いいお味。でも、さすがに子どもの口に入れるのはやめておこうとなり、大人たちが頬張るのをたまは指をくわえて見物となった。

「しかし、これを作るのは大変だねえ。気持ちがないとできないことだよ」とダンナ父はしきりと感心。ほんと、その通り。仕事一色だった去年のクリスマスにクリスマス気分をもたらしてくれ、年を越しても楽しい時間をプレゼントしてくれたクッキーハウスとその作者のミキさん夫妻に感謝。もともとはわたしの本の読者という出会いなのだが、ミキさんから贈られたお菓子の家(たま11/12才ケーキバージョン)が、わたしの新たな作品を生み出すことに。その作品については、近日お知らせします。

2007年12月16日(日) 以心伝心クリスマスギフト
2007年7月31日(火) マタニティオレンジ153 クッキーハウス解体イベント
2007年7月22日(日) マタニティオレンジ148 ダブルケーキに仰天!たま11/12才

2007年01月27日(土)  マタニティオレンジ65 赤ちゃんの集客力
2005年01月27日(木)  石井万寿美さんとお茶
2004年01月27日(火)  映画『問題のない私たち』(脚本・監督:森岡利行)
2002年01月27日(日)  詩人


2008年01月26日(土)  マタニティオレンジ227 スプーンをお洗いします

新年始まって四度目の土曜日。このところずっと週末は仕事だったので、家族とゆっくり過ごすのはひさしぶり。休日を休日らしく過ごすっていいなあとしみじみ思う。

近所を散歩がてら外で昼を食べることにした。二年ぶりぐらいに入ったイタリアンレストランは、当然子連れで行くのは初めて。ここの二号店には何度かベビーカーで行っていて、いつも感じのいい対応をされるのだが、今日もまたにこやかに迎えられた。どの店員さんに会っても例外なく感じがいい店というのは、教育が行き届いているということなのだろう。

前菜のブルスケッタのパンのみ、きのこのキッシュ、ミネストローネスープに浮かべたスープをたっぷり吸ったパンなどをたまは喜んで食べた。パスタのウニソースも「何これ〜」とばかりに身を乗り出し、初めて出会うおいしさに夢中になっていた。お皿をさげながら、「ウニ、食べましたか!」と店員さんもびっくり。持参したスプーンを使って食べさせていたのだが、「スプーン、お洗いしてきます」と手を出されて、こちらが驚いた。いつもやっていますというようなさりげなさだったのだけど、そんなことを言われたのは初めて。遠慮しつつも結局は洗っていただいた。昼どきを過ぎても客が引きもきらない地元で愛されているお店は、やっぱり違うと感心。

2007年01月26日(金)  ひと月遅れのクリスマスプレゼント
2006年01月26日(木)  李秀賢君を偲ぶ会と映画『あなたを忘れない』
2002年01月26日(土)  オヨヨ城


2008年01月25日(金)  マタニティオレンジ226 子守話2「へんてこ」

昨夜の寝かしつけ作戦成功に気をよくして、今夜も娘のたまに子守話を聞かせることにする。「おでかけする話とへんてこの話、どっちがいい?」と指を二本立てて選ばせたら「へんてこ」を選んだ。おでかけにしてくれたら楽だったんだけどと思いながら、「えーっと、へんてこねえ」と考えながら話しだした。それは、こんな話。

子守話2 へんてこ

たまちゃんが歩いていると 道に へんてこなものがおちていました。
「あれ? なんだろ。へんてこだなあ」と言いながら たまちゃんは近づきました。
白くて平べったくて 落っことしたおもちが だらしなく伸びているような
形をしています。
たまちゃんはそーっと手をのばして、つん、と指でつついてみました。
「ひょひょひょひょひょー」
へんてこなものは びっくりした声を上げて にょろにょろぐにゃりと動きました。
どうやら ずいぶん くすぐったがりのようです。

面白くなって たまちゃんは もう一度指でつついてみました。
今度は さっきより強くおしてみると 
「ひょひょひょひょ ひゃひゃひゃ」
へんてこなものは さっきよりも くすぐったがって たくさん動きました。
ぴょんとはねるように地面から浮き上がり、どすんとしりもちをつきました。

そのとき へんてこなもののうらがわが 赤い色をしていることに たまちゃんは気づきました。
おもてが白で うらが赤。
たまちゃんは 赤いうらがわをもっと見てみたいと思いました。
そこで、わきをこちょこちょするように 右と左から指でつんつんとつついてみました。
すると どうでしょう。
「ひゃらひゃら ひょひょひょ うぎょぎょぎょぎょ」
へんてこなものは 体を左右にねじって くすぐったがるではありませんか。
ぐるりと体がねじれると おもての白とうらの赤がまじって しましまもようになりました。

しましまもようになった へんてこなものを たまちゃんがもう一度つつくと 今度はにょろにょろと長くのびて ぼうのようになりました。
くすぐったいのには だいぶなれたのか もう大声は出さなくなりました。
「こんにちは しましまさん」とたまちゃんがあいさつすると
赤と白のしましまぼうは、「こんにちは」と頭を下げるように はしっこをくるんと折り曲げ、そのままかたまりました。
ちょうど かさの持ち手のような形になりました。
「あれ この形 どこかで見たことがある」
たまちゃんは クリスマスツリーにぶらさがっていた 赤と白のしましまキャンディを思い出しました。
「そうだ。今度のクリスマスにかざろう」
そう思って たまちゃんは家につれてかえることにしました。
家にかえるまでの間 へんてこなものは おとなしく しましまのぼうのままでいました。

「あら、たまちゃん。いいふとんたたきを見つけてきたね」
しましまぼうを見たママがうれしそうに言いました。
「いやいや、これは かたたたきにぴったりだ」
とパパが言いました。
「クリスマスのかざりになるまで ぶじ しましまでいられるかしら」
とたまちゃんは心配です。
ふとんをたたいたり かたをたたいたりした いきおいで 
へんてこなものが またちがう形に へんしんしてしまうかもしれません。

今夜のたまは最後まで不思議そうな顔をして聞き、話が終わると、すとんと寝てくれた。へんてこなものがくすぐったがる場面をいちばん喜んでいた。

2007年01月25日(木)  ラジオドラマを作りましょう
2004年01月25日(日)  サンタさん17年ぶりの入浴
2002年01月25日(金)  絨毯に宿る伝統


2008年01月24日(木)  マタニティオレンジ225 子守話1「なんでも屋さん」

娘のたまは宵っぱり。9時過ぎにお風呂から上がると、「夜はこれから!」とばかりに元気になる。敷いた布団にダイブしたり、ビデオを見せろとせがんだり、水でお絵かきするシートを引っ張ってきて「何か書いて」とペンを差し出したり。10時を過ぎると、電気を消し、抱き抱えたまま無理やり横になるのだが、目はらんらん。子守唄を歌っても寝そうにないので、子守話を聞かせることにした。ちょうど『星新一 一○○一話を作った人』(最相葉月)を読み終え、お話を作りたい気分でもあった。「たま、なんかお話してあげよっか」と聞くと「ん」と小さくうなずく。「じゃあねえ、えーと」と考えて、「なんでも屋さんの話にしよう」と決めて話しはじめた。子どもの頃、わたしは、お店には必ず「〜屋さん」をつけるものだと思っていて、レストランは「食べ屋さん」と呼んでいた。飲み屋があるのだから、食べ屋があってもおかしくはない。なんでも売っているお店は、「なんでも屋さん」。それは、こんなお話。

子守話1 なんでもやさん

たまちゃんが 一人で かいものに でかけました。
世界中のものが なんでも買える なんでも屋さん。
あんまりたくさん商品があって 並べきれないので
ほしいものの名前を言うと お店のおじさんが おくのたなから とってくれます。

「いらっしゃい。たまちゃん」
「こんにちは。おじさん」
「今日は 何を 買いにきたのかな」
そのとたん たまちゃんは さっきまで頭の中にあった名前を忘れてしまいました。
「えーと、えーと」
「どうしたの、たまちゃん。何を買いに来たか 忘れちゃった?」
店のおじさんがやさしい声でききました。
「白くて 丸くて」
「ボールのことかな?」
「ううん、ボールじゃないの。食べられるもの」
「白くて 丸くて 食べられるもの?」
おじさんは、そう聞き返しながら、おくのたなに手をのばしました。
おじさんの手は自由にのびちぢみするので、遠くのたなの 上のほうにあるものも あっという間に取り出せるのです。
「これかい?」
とおじさんが出してくれたのは、たまちゃんが見たこともない食べものでした。
「これはなあに?」
「これはカマンベールチーズだよ。白くて丸くて食べられるよ」
「だけど、これはかたいわ」
たまちゃんがほしいものは、やわらかいのでした。
「だったら、これかな」
とおじさんが手をのばして取り出したのは、丸いうつわに入ったとうふでした。
「とうふは、白くて丸くて食べられてやわらかいよ」
「でも、ふわふわしていない」
「ふわふわしているんだったら、これかな」
今度こそ、とおじさんが取り出したのは、「むしパン」と書いた袋に入ったパンでした。
「白くて丸くて食べられてやわらかくてふわふわしているよ」
「にているけど、ちょっとちがう。それに、むしさんをパンに入れるなんて かわいそう」とたまちゃん。
「ちがうよ。虫が入っているんじゃなくて、むしたパンだよ。ゆげでふわふわにすることを むすっていうんだよ」
おじさんは笑って言いました。
「わたしがさがしているものも、ゆげでふわふわになっているよ」
たまちゃんがそう言うと、おじさんは、「わかった!」と大声をあげました。
「ほら、たまちゃん。これでしょう」
「そう。これ! ぶたまん」
見たとたん、たまちゃんは名前を思い出しました。
でも、手をのばしてさわると、悲しそうな顔になりました。
「あれ、やっぱりちがった。これは、あったかくないもの」
「これを おうちに帰って むすんだよ」
「むす?」
「そう。ゆげでふわふわのほかほかにするんだ」
たまちゃんはにっこり笑って、
「じゃあ、これで買えるだけください」
と500円玉を出しました。
「ひとつ130円だから4つで520円。20円はおまけだよ」
そう言っておじさんは4つ包んでくれました。
「ぶたさんみたいにまるまるしているから ぶたまんって言うの?」とたまちゃん。
「ぶたのお肉が入ったおまんじゅうだから ぶたまんって言うんだよ」とおじさん。
「ぶたまんのまんは元気まんまんのまんだと思ってた」
「ぶたまんを食べて 元気まんまんになってね」
おじさんは笑って言いました。
「なんでも屋のおじさん。ありがとう。また来るね」
たまちゃんは元気な声で言いました。


たまはぶたまんが登場する前に寝息を立て始め、子守話で寝かしつけ作戦は成功。お話がつまらなくて……ではなく、母の声に安心して、であることを祈りたい。

2007年01月24日(水)  マタニティオレンジ64 離乳食教室
2004年01月24日(土)  映画『LAST SAMURAI』
2002年01月24日(木)  主婦モード


2008年01月23日(水)  図書館の本についた謎の汚れ

いま読んでいる図書館で借りた本は、まだ新刊本で本そのものはぴかぴかなのだが、何ページごとに謎の汚れが出現する。ページの合わせ目の谷間にたまっていたり、ページに張り付いていたりする黒いカス。その汚れが目に飛び込むたびに、本の世界から現実に強制的に引き戻され、げんなりし、うんざりする。本の内容にケチをつけられたようでもあり、無性に腹立たしくなる。何より、借りた本を平気で汚す神経の持ち主と自分が同じ本に手を伸ばしたことが悲しく思えてくる。

最初はティッシュで拭っていたが、おしり拭きティッシュで拭うときれいに取れることがわかった。どこかの心ない誰かがつけた心ない汚れは、ウンチより汚く感じられる。それにしても、この汚れの正体は何だろう。消しゴムの消しカスよりは粘度があり、あんこよりは黒味がある。拭いているうちに、もしやと思い当たったのが、「垢」だった。爪の間に挟まった垢を落とせばこのような形になる。それがこれだけ大量にあるということは、不潔な体をかきむしりながら読んでいるということだろうか。人から借りたものほど大切に扱うべきなのに、公共のものになった途端、おろそかになるのはなぜだろう。

最近読んだ新聞記事で、図書館の本の破損が目に余るため、貸出者リストを図書館側が過去にさかのぼって当たれるようにすることが検討されている、と書かれていた。個人情報保護の観点から問題にする声もあるが、そうも言ってられないほど、利用者のマナーが悪くなっているのだという。だが、いつの時点で本が破損されたかを特定するのは難しいし、「あなたが本を汚しましたか」と問われて素直に認める人は、そもそも本を汚したりしないのではとも思う。学校の図書館では、本を返却するときに図書委員がページをぱらぱらとめくって汚れがないかどうかを確かめ、「はい、よろしい」となったが、貸出数の多い公共図書館ではそうもいかない。利用者の破損により廃棄処分となる図書は増える一方だといい、このままだと図書館という仕組みの存続が危うくなってくる。何かいい手はないものか。

2007年01月23日(火)  マタニティオレンジ63 晴れた日の小石川界隈散歩
2006年01月23日(月)  いまいまさこカフェブログOPEN
2005年01月23日(日)  中国禅密気功の師曰く
2004年01月23日(金)  今日はシナリオの日
2002年01月23日(水)  ラッキーピエロ


2008年01月22日(火)  マタニティオレンジ224 たま17/12才

母娘ともに風邪を治し、ひさしぶりに保育園に登園。元気に1歳5か月の月誕生日を迎えた。この一か月も娘のたまはおとろえない吸収力を見せ、毎日のように「こんなこともできるんだ!」と驚かせてくれた。とにかく、大人がやることをよく見ている。マンションの玄関のオートロックのドアを内側から開けるとき、ドアの下のほうについているつまみのカギを回すのだが、エレベーターから降りると、たまはドアに駆け寄り、つまみに手をかけるようになった。教えていなくても、親の動きを見て覚えたのだ。

見たままを真似するといえば、わたしは本を読み聞かせするとき、表紙をめくって題名を読み上げると、「ぱちぱちぱちぱち」と拍手を求めている。たまは最初は両手で拍手してくれていたのだが、最近、ページを片手でたたくようになった。絵本を持って左手がふさがっているわたしが、「ぱちぱち」と言いながら右手でページをたたいていたためで、絵本がはじまるときの拍手はページをたたくのだと覚えてしまったらしい。絵本は『うさこちゃんとどうぶつえん』『こねこのねる』『うたこさんのにわしごと』などディック ブルーナのシリーズがお気に入り。何度読んでも飽きないらしい。ぞうが出てくると、「ぞ ぞ」だけの歌詞に抑揚をつけて「ぞうさん」の歌を一曲歌う。

今まであまり反応しなかったビデオを見たがるようになったのも、この一か月の大きな変化。ビデオテープをケースから取り出し、ビデオ機に向かい、差し込む真似をする。これも大人の動きを見て覚えた。再生が終わると、指を立て、「もう一回」とせがむ。リピート率1位は『おしりかじり虫』。前原星良ちゃんにおさがりでもらったアニメ『ネコクン』(原由子原作・森絵都が脚本!)やアメリカの子ども向けショー『Barney's Big Surprise Live on Stage』なども喜んで見て、劇中にダンスシーンがあると一緒に踊っている。映画『クイール』は犬が出てくるたびに「わんわん」と画面を指差す。CMやニュースを見ていても、動物が出てくるとよく反応する。

ビデオだけでなく、自分のまわりだけに向けられていた興味が少しずつ広がっているように感じられる。わたしの帽子を自分でかぶってみた後に人にかぶせに行ったり、はんぺんやパンを小さくちぎってあげると、真似して自分から人に食べさせようとする。おんぶをされるのが大好きで、背中の後ろに立って「おぶ、おぶ」とせがむが、一方で人形をおんぶしたがる。人形のおなかをたたいて「ねんね」と寝かしつけようとするけれど、力任せでかなり乱暴。力加減というものをまだ知らないので、人をたたくときも力いっぱい。だけど、「痛いよ〜。いい子いい子してよ」と訴えると、やさしくなでてくれる。おもちゃを手荒に扱ったときも、同じやり方で手加減をさせている。

自己主張をはっきりするようになり、嫌なときは「イヤ」と言い張る。「お風呂入ろっか」と言っても、その気になるまでは動こうとしない。だが、時間が来ると、さっさと自分からお風呂へ向かい、服を脱ごうとする。今日は保育園で借りたシャツを着ていたのだが、ぶかぶかで脱ぎやすかったのか、はじめて一人で脱いだ。、まず首を抜き、続いて腕を抜き……「できたでしょ」とばかりに得意げだった。

おふろでは、以前は湯船に肩までつかるのを怖がっていたけれど、最近は床におしりをつけられるようになった。おふろの中で「ウー」と膝を曲げてためを作り、「ワー」で伸び上がるという芸を初めて披露したのがひと月ほど前。最近はお風呂の外でも「ウーワーやって」と言うと見せてくれ、持ち芸になった。どこで覚えたのかは不明。屈伸は得意で、「いーち、にーい、さーん……」とかけ声をかけると、神妙な顔つきでやってくれる。これは、肩車をしながら「タマーズブートキャンプ」と称してパパやママがスクワットしているのを真似るようになった模様。

2007年01月22日(月)  「気持ちはわかる」間違い集
2006年01月22日(日)  センター入試・英語に挑戦
2005年01月22日(土)  変わらない毎日。変わらない大統領。
2002年01月22日(火)  夢


2008年01月21日(月)  マタニティオレンジ223 3日ぶりの母娘再会

風邪と仕事の山(峠?)を同時に越し、熱が平熱に戻った夕方、ここ数か月かかりっきりだったシナリオのOKの電話が来る。風邪をうつさないためとわたしが仕事に集中するために金曜の夕方からダンナの実家に預けたきりになっていた娘のたまを迎えに行く。これまでにも体調不良やら仕事やらを理由に何日か疎開させたことはあったけれど、夜だけ添い寝したりして合間に顔は見に行っていたから、まるまる3日も離れ離れになったのは最長記録。再会の瞬間、たまは照れたようにばあばの背中に隠れ、それからうれしそうに出てきた。

「どうしてほったらかしにしてたのよ」となじるでもなく、「恋しかったわ」と泣くでもなく、無邪気な笑顔でまとわりついてくれ、安心する。ひとたびだっこすると、もう離れず、手をグーパーさせておっぱいのおねだり。今日はいくらでも甘えなさい、と言っているわたしも離したくなくて、食事する間も、だっこしたまま。わたしがいない間は、「ママはいないもの」だと子どもなりに理解して、じいじとばあばに目いっぱい甘えていたそうだけれど、わたしが現れた途端、じいじばあばには見向きもしない。申し訳ない気はしたけれど、やっぱりわたしがいちばんかあとうれしくもあった。

2007年01月21日(日)  マタニティオレンジ62 母の誕生日を祝う娘
2006年01月21日(土)  ご近所仲間新年会
2005年01月21日(金)  1人1ピッチャー!? 体育会飲み会
2002年01月21日(月)  祭り


2008年01月20日(日)  マタニティオレンジ222 孤悲するおっぱい

くしゃみ鼻水にはじまって発熱、頭痛と関節痛と吐き気が加わり、風邪の症状の百貨店状態。満身創痍とはまさにこのことだが、今回一番つらいのが、おっぱいの張り。治りかけの娘にわたしの風邪をうつさないためと、わたしの仕事があるために、金曜の夕方にダンナの実家に娘を預けたきり。作ったものの飲まれない母乳が貯水量(貯乳量?)を超え、タンクが飽和状態になり、「張る」という状態が起こる。内側から固いもので押し広げられているような痛みと重みがあり、熱も伴う。寝ていられないので、絞り出すしかないが、これもまた痛い。母乳の供給量はピーク時よりはずいぶん減り、今では一日二日あげなくても平気だったのだけど、熱のせいなのか、薬のせいなのか、ひさしぶりに張りの苦痛を味わうことになった。

子どもと離れる時間が長くなる働くお母さんは、保育園がはじまるのをきっかけに卒業する人が多い。わたしは張らずに持つので続けているのだけど、「やめれば」とダンナ母は最近顔を合わせるたびに言う。夜の打ち合わせが入ると娘を泊まらせるのだが、おっぱいで寝かしつけるのが癖になっているので、夜中におっぱいを欲しがってぐずって大変だという。手こずらせて申し訳ないとは思うけれど、「私には武器が使えないから」とぼやかれ、目の前で授乳していると、「いいわね、あなたは武器があって」と言われると、げんなりする。悪気はないのだろうけれど、武器なんて言い方をされると、姑息な手を使ってたぶらかしているみたいだ。

「母」という字は授乳する姿を象ったものという説がある。たしかに、おっぱいと腕を組み合わせたような形をしている。授乳は母親だけに許されたコミュニケーション手段。それがもういらなくなる時期は、母と娘で決めたい。ほしがっている限りはあげたいけれど、子どものほうからある日「いらない」と意思表示する例をよく聞く。娘の場合、栄養は食事で足りているから、おやつ感覚で甘えているわけで、卒業するのも時間も問題だろう。そうなると、余計に名残惜しい。

おっぱいが張ると、離れた場所にいる娘が引っ張っているような気がする。小さな手をグーパーさせる仕草でおっぱいをねだる姿もくっきりと目に浮かんで、会いたい、だっこしたいと思いが募るのだけど、それはかなわず、ますます胸は痛むばかり(二重の意味で)。万葉集の孤悲(こひ)の境地ってこんな感じなのかなと思う。

2007年01月20日(土)  マタニティオレンジ61 たま5/12才
2002年01月20日(日)  浮き沈み


2008年01月19日(土)  2〜4週間で効く薬

昨日になっても娘のたまの熱は下がらず、家で見ていたら、ついにわたしも風邪をひいた。どうなっているのだ加湿器ベンタ君。過失器と呼びますぞと恨みごとも言いたくなる。夕方から打ち合わせが入ったので、たまをダンナの実家に預けて打ち合わせ先へ。

ぐずぐずがずるずるになった時点でプロデューサー氏が「お使いください」とテーブルにティッシュの箱を置いた。テーブルの上に丸めたティッシュが積まれていき、見苦しいのでかばんの中に放り込んだりつつ、鼻水はどんどんひどくなり、ティッシュの箱が空になった頃、「ハックショーイ」とくしゃみが出始めた。一緒にいる人たちも落ち着かないし、うつされてはかなわないという警戒もこちらに伝わる。そもそも大事なときに健康管理ができていないのは情けない。「脚本家でいちばん大事なことは倒れないこと」と言われているぐらいなのに。帰りのタクシーではくしゃみと鼻水の一人演奏会となった。

今朝起きると、鼻はますます激流化。昨日はなかった熱も出てきてしまった。昨夜の打ち合わせを受けた直しをこの週末にやることになっていて、寝込んでいる場合ではない。医者に駆け込み、「とにかく鼻を何とかして! でも眠くならないやつ!」と訴えると、漢方の葛根蕩と、それでも治まらなかったときのために抗アレルギー剤を少なめにして、で迎え撃つことになった。薬一覧の辞書みたいなものがあり、それを引きながら「これ、やってみましょうか」などと相談して決める。商談みたいだ。

薬局で薬と一緒に出されるデータを読んだら、抗アレルギー剤の説明に「即効性がある薬ではなく、2〜4週間で効果が現れてくる」とある。そんなにかかるんだったら飲むのやめようかなと一瞬踏みとどまったが、いくらなんでもそんなにかかるのはおかしい、「2〜4時間」の間違いではないかと思い、切羽詰まっているこtもあって飲んでみたら、2時間もしないうちに効いた。葛根蕩との合わせ技ではあったけれど。

以前「築五分 徒歩三年」と時間の単位が大胆に入れ替わっている不動産広告に「陸の孤島のテントかよ!」と突っ込んで大笑いしたことがあったけれど、命に関わる薬で24×7倍も間違って大丈夫なんだろうか。鼻水が治まってから、老婆心ながら薬局に引き返し、「これ、2〜4時間の間違いではないでしょうか」と聞いてみた。「あらまあ」と驚かれるかと思いきや、「これは薬会社からデータをコンピュータで引っ張っているもの」であり(だから正しい)、この薬は花粉症などにも使われるので、効果がすぐに出なくても続けてくださいねという意味で「2〜4週間かかります」という表示になっている。実際「花粉症が出る1、2か月前から始める方も多い」のだが、「風邪で服用される方もいるし、すべての患者さんにあてはまるとは限らない」のだと理路整然と説明された。「よろしかったでしょうか」と聞かれれば、そうでしたかと引き下がるしかない。立ち去る背中に、「お続けください」と落ちをつけるかのように声がかかった。

でも、やっぱり釈然としない。「2〜4週間で効果が現れてくる」と書かれたら、せっかく処方されたけど、今効かないんじゃ意味無いからやめとこうとなる人は多いのではなかろうか。「2〜4週間で効果が現れてくる場合もあります」だったら、場合によっては効かないかもいう解釈の幅は生まれるのだけど。

2007年01月19日(金)  夕刊フジ「ギョーカイ有名高校人脈」
2006年01月19日(木)  ミヒャエル・ゾーヴァ(Michael Sowa)の世界

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