NM Syndrome DiaryINDEX|past|will
今日はお天気が良かったので道路の雪は横道以外はなんとか融けてくれた。 道路脇は仕方がない。 ひとまずこれで明日のどんと祭に行くのは可能になった。 少々難所はあるものの何とかなる、筈。 あとはこのまま雪が降らないでいてくれることを願うばかり。 「火村英生に捧げる犯罪」を読了してしまった。 なんかあっという間。 10ページ程度の小品が2篇あるからか、とにかくサクサク進んだ。 有栖川はやはり短編に限る。 程よく捻りの効いた短編が火村の推理によってすとんと腹に落ちてくれる爽快感は短編ならでは。 鸚鵡の話や善意の話などは10ページ足らずの中にきゅっとアイディアが詰まっている。 ただ、タイトル作は頂けなかった。 ワタクシはオタクなのでこのタイトルを読んだらもっとオタク向けの(どんなだ?)頭脳対頭脳のような犯人からの挑戦を思い浮かべるじゃないですか。 或いは火村が抱える闇の一端が垣間見えるのでは? と期待したのにー。 なのにこの犯人が一番お粗末とは! ぶーぶーと憤慨していたらあとがきで作者本人が こういうタイトルにしたのは、他にもこの手のタイトルをつけた作品に共通するウィットや捻りを利かせた作品にしたつもりだったと言っていて、 作者と読者の溝は深いと思ったのだった。 そんなの求めてないわ! 有栖川のファンにはオタクも多いんだからそこを汲んでくれよ、と(笑) 一番面白かったのは「あるいは四風荘殺人事件」か。 作家が遺した未完の本格ミステリのトリックと犯人を半分しかない原稿を読んで火村が推理するもの。 非常に興奮する話で誰しも好きな作家の未完の原稿があったらその先を知りたいとは思うでしょう。 それに解を与えてくれる人がいるのはなんと幸せなことか。 その先を知りたいのにその先を書く人がいない。 どう結末をつけるつもりだったんだろうとあれこれ推察してはみてもそれは永遠にわからないのだ。 そんなことはなるべくなら回避したいのでどこかでちゃんと火村の闇と過去を書ききって欲しいと有栖川には言いたい。 ここまで引っ張ってあとは如何様にも想像して、というのはなしで。 頼むよ有栖川さん。
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