雲間の朝日に想うこと


< 二度目は何を想って居ますか >


正しく無い、
推測で成り立った情報を元に、
破局を組み立てて。

其の形を前提に、
貴女が言葉を進めて行くのは。


此れが二度目。





あの時俺は、
貴女に伝えた筈なのに。


俺は未だ何も言ってないと。











 「いままで私を支えてくれてありがとう。」
 「もう苦しまなくて良いよ。」


年明けを待たずに、
届いた文は。

貴女の想像で創られた、
直ぐに雪融けする世界だと、
想いたいけれど。












 「本当にありがとう。」
 「さようなら。」








俺は。
振られたのかな。





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References
 Jun.12 2003, 「想いの乖離を感じ取れますか」


2003年12月31日(水)


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History



< 其の俺は俺では無いのでしょうか >


既に一言一句、
頭の中に仕舞って在るけれど。



凝り固まった思考を解し、
新たな風を、
想いの中に取り込める様に。

日を改めて、
再び同じ文を読み込む。




其れでも。

同じ場所で、
此の場所で、
眼が留まれと訴えて来る。










確かに個人には、
複数の顔が在るけれど。



確かに俺には。

幾つもの俺が、
棲んで居るのだけれど。




貴女には。

たった一人の俺しか、
俺として認識されて居ないのだろうか。











 「小坊主が起きたら。」
 「ちゃんと話そうと思ってたんだよ。」

 「でも、昨日怒ってた小坊主が。」
 「いつもの小坊主みたい・・・。」



貴女の言う何時もの俺は。


貴女にとって、
一番馴染み深い俺なのかな?

貴女にとって、
唯一安心出来る俺なのかな?







其の姿は。

俺で在って、
俺では無いのだ。



貴女に見せる幾つもの俺が、
全部俺の姿なんだよ。





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References
 Dec.23 2003, 「未来では無く目の前が見えますか」


2003年12月30日(火)


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History
2002年12月30日(月) 想像妊娠ですか



< 感謝をしても良いでしょうか >


例え相手に響かなくとも。

届け届けと願いながら、
相手に想いを伝え続けるのが、
想いだとすれば。


其の想いを、
正確に感じ獲る事も。


想い。





例え無意識下でも。

届いた想いは、
主観的な修飾を付け加えて後にのみ、
理解へと辿り着くのだけれど。


相手の想いを、
正確に飾り付ける事も。


想い。






断りの文に。

来るなと言う、
拒絶の文に。







 「考えて文字にするより。」
 「想っている事を言葉にする方が良いのでは?」

 「そう思ったから提案しました。」


決して自身の為では無く。

相手の為に、
俺の為に動こうとしたのだと、
貴女は伝えてくれた。









 「じゃ、静かに待ちます。」


貴女を待たせる、
其れ以前に。


 「ありがとう。」


一言だけ返信を先行させよう。










自身の事しか見えて居ないのは、
俺の方だね。





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References
 Dec.26 2003, 「再び流れを興こせるでしょうか」


2003年12月29日(月)


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History
2001年12月29日(土) 貴女を見ていてもいいですか



< 説得出来るでしょうか >


自身の有する情報が、
全ての情報であるかの様に勘違いし。

其の情報の、
自分の想像と一致した部位だけを、
修飾し強調する。




確かに。


自身の支配下で動きが起こり、
自身の視界内で事が完結すれば。


想い描いた世界で泳ぐ人間から。

幸福感や、
安心感を、
安定供給されるかも知れないけれど。










確度の高い情報が一つ、
妹の口から届く。



母親が決して息子に漏らさぬ、
不安感や期待感が。

ふんだんに鏤められた、
会話。



 「小坊主はまた。」
 「君と燃えちゃうのかな・・・」







君の母親から、
俺の母親へ。

半年を経て伝わった、
一つの別離。



俺の母親は。

其の電話一つで、
息子の想い人迄決めてしまう、
生き物ならば。



此の生き物以上の化け物にならねば、
先へは進めないのか。












君は既に、
別の雄を苦悩の対象にして居る事を。

俺の相手は、
母親の想像も付かぬ過去を保有する、
貴女で在る事を。




此の生き物に理解させねば、
先へは進めないのか。






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References
 Dec.10 2003, 「虫が良過ぎる言葉でしょうか」
 May.09 2003, 「仲間の輪はもう縒れませんか」


2003年12月28日(日)


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History



< 再び流れを興こせるでしょうか >


大きな流れが、
自身を後押しする事無く、
押し戻す方向へ流れて居ると感じた時。

吹く風が、
自身に力を与える事無く、
推進力を削り取る様に向かい来る時。


流れを掴めぬ時。



場の流れが傾く迄、
必死に耐えて凌ぐ術と。

場の流れを、
半ば強引に掻き回す術と。


強い信念を保持しつつ、
何れの手段を選択するのか、
検討する前に。





貴女は動く。





貴女が、
初めてこの地に来た時も。

土曜日も、
既に半日が過ぎると言うのに。


 「これから。」
 「行っても良い?」


日帰りを強行して、
強引に、
俺とアイツの間に割り込んで来た。









俺と貴女の妙な擦れ違い感を、
否定出来ないから。

貴女はあの時と同様に、
強引に流れに割り込もうとするのか。


無理矢理創った流れが、
今もこうして、
脈々と受け継がれて居るから。


貴女は再び、
流れを創ろうとして居るのか。





文の返事を贈る事すら、
ままならない俺に。

投げられた賽。


 「明日。」
 「最終便で向かおうと思う。」








逢う時間が取れるなら、
既に返事は、
貴女の元に届くんだよ。




悔しいけれど。

俺に許された自由な時間は、
あの時程多くない。





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References
 Oct.13 2001, 「貴女の心はどこにありますか」
 Sep.06 2003, 「此れが罪滅ぼしの代わりでしょうか」


2003年12月26日(金)


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History



< 雰囲気すら味わえぬ聖夜ですか >


二人で呑みたい、
そんな日は。

電話の前で、
お酒を用意して。


 「乾杯!」
 「乾杯♪」


雰囲気だけでも味わおうと、
一緒に呑んだ。







二人の記念日には。

貴女と俺の、
節目の日には。


 「いただきます!」
 「いただきます♪」


ケーキを買って帰って。

電話をしながら、
口一杯に、
頬張って咽せた。











今夜位は、
一緒に食べたかったけれど。

其の時間帯に、
缶詰を強いられるんだ。






だから今、
声だけでも伝えようと。

電話をしたのだから。









 「小坊主ぅ・・・」



そんなに切ない声で、
俺の名前を呼ばないで。


2003年12月25日(木)


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History
2002年12月25日(水) 不思議な御縁と言えるでしょうか
2001年12月25日(火) 俺の匂いは残っていますか



< 本当に間に合うのでしょうか >


想いとはきっと、
片割れの心のみでは成立しない物。


例えば何かを示した相手と、
受け取る自分と。

或いは何かを発した自分と、
受け止める相手と。


両者が想いと認識してこそ、
想いは想いたる地位を獲得する。




けれども。



例え想いに溢れていると認識した行為は、
同じでも。

互いが得た想いが、
一致した同じ物とは限らない。


同じ事を経験しても、
育った想いは、
同じ物とは限らないから。







 「其れ故に語り合うんだよね。」


奴は俺の問いに、
何の関係も無さそうな話を持ち出した。










 「もし。」

 「あなたが私を迎えられる様になって。」
 「私がちゃんと離婚して。」


 「でもその時には。」
 「私が子供を産めなくなっていたら。」

 「どうする?」
 「別れる?」


奴の彼女が、
奴に投げ付けた想い。



 「親戚は泣いて駄目だと言うよ?」

 「あなたは優しいし、」
 「お母さん思いだから。」


 「きっと無理だよ?」


奴の彼女が、
奴を想って投げ付けた想い。









俺と貴女に、
此処迄の信頼関係は無い。

俺と貴女に、
此の応酬を受け止める力は、
きっと無い。










 「俺、幸せだ、きっと。」
 「お前は未だ其の域に達していないだろう?」


惚気る奴の姿に。


 「其れでも時間は迫って来るだろう?」


俺は負け惜しみを突き付けた。





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References
 Sep.18 2003, 「時の進みが早過ぎませんか」
 Dec.19 2003, 「想いを遮るのが想いでしょうか」


2003年12月24日(水)


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History
2002年12月24日(火) 劇薬でしたか
2001年12月24日(月) 素敵なドキドキを忘れていませんか



< 未来では無く目の前が見えますか >


再度届いた言葉は、
何故の催促なのだろうか。


 「もう一度ちゃんと話し合いたい。」


貴女の意図する話し合いは、
何を目的にしているのだろうか。


お互いの歯車が、
微妙に噛み合わない理由は。

きっと目的の違いだ。





俺はあの時、
貴女の意思の確認など、
求めては無かった。


現実に起こった事実と、
其の対応策を如何にすべきか。

独りで決めてはならぬ物だと想うから、
貴女に伝えたのだ。



貴女は女性だけれど、
同時に一家の大黒柱なのだから。









 「小坊主と一緒にって想いがあるから。」
 「半年は待てる。」


此の言葉は、
本当に有り難い物だけれど。
此の言葉は、
必ず必要な物だけれど。

俺は貴女の、
想いや決意を聞いて居るんじゃ無い。


 「小坊主となら《未来》を想像出来るの。」
 「《おじいちゃん、おばあちゃんになった未来》が。」


此の言葉は、
本当に有り難い物だけれど。
此の言葉は、
必ず必要な物だけれど。

俺は貴女の、
想像や夢を聞きたいんじゃ無い。






想いだけなら、
幾らでも想える。




半年の為に何が必要か、
其の先の為に何が足りないのか、
見えて来ないだろう?

そんな先の事を考える前に、
目先の一歩を、
如何したら踏み出す事が出来るか、
其の為の考えが在る?







確証。
確約。


 「貴女と一緒に歩みたい。」


貴女が不安に陥る度に、
俺に求める、
此の類の言葉。

其れを聞けば、
貴女は話し合いが済んだと、
安心するんだろう。






きっと、
後ろ向きの想いが出発点だから。

只の想いの確認が、
精一杯の行動なのだろう。








 「小坊主を失いたくない。」



こんな想いに囚われ、
こんな想いに駆られた行動では。


対等な立場で、
話し合える訳が無い。


2003年12月23日(火)


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History
2002年12月23日(月) 少しは力が付きましたか
2001年12月23日(日) まだ信じてもらえませんか



< 一つ一つを大切に出来ていますか >


携帯には一度に届けられぬ故、
外出先から発信された文。

想いの有りっ丈を包んで、
贈られた重い文。



新着を伝える表示が、
画面に映された瞬間に。

仕事の手を休め、
受信箱から手紙を開封した。







あの時貴女が、
何時もの様に混乱して、
想いを伝えられなかった事位は。

俺にも既に理解出来て居る。



其れでも許せぬ事だからこそ。

想いに刺さり、
想いに傷が付き、
必死に其れを覆い隠そうと、
試行錯誤するのだ。









きっと、
僅かな綻びなのだけれど。

ほんの僅かな擦れ違いだと、
想って居るけれど。


時々心が折れそうになる。


 「何故?」


画面を睨め付け、
此が本当に僅かな綻びなのか、
自信を失う。











貴女らしいなと想いつつ。












新着を伝える表示に、
映し出された発信者の名前は。

旦那の所有物であった頃の、
貴女の名前。






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References
 Dec.13 2003, 「杞憂と一言で片付けるのですか」
 Dec.18 2003, 「掘らずに想いで包めますか」


2003年12月22日(月)


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History



< 見えるから見えぬ物でしょうか >


自身を前進させ、
自身を高みに押し上げれば。

物事を正確に捕らえられる様に、
成長出来ると、
想っていたけれど。


自身を高める事で。

少しだけ、
物が見えなく成る事も、
存在するんだ。





表と裏を、
如何にして見極めるか。

経験値しか、
判断材料が存在し得ないと言うのに。


逆に其の経験値が、
困惑や躊躇を産むから。








昔彼だった男が、
力強く答えた。


 「もう大丈夫です。」


其処に拘る理由も無く、
彼自身も器量も、
そんなに悪い物では無い。

振り回されずに、
早く前を向いて欲しいと、
そう願い続けて来た。





昔彼だった其の後輩が、
力強く答えた。


 「小坊主さん。」
 「もう大丈夫です。」


酒を酌み交わしながら、
昔彼の彼女だった人の事を、
話せば。

当時見えなかった雌の性格も、
予想される行動も、
良く見える様に成った。




けれども。


 「どうせな。」
 「お前に彼女が出来た頃に。」
 「ちょろちょろ戻って来るんだよ、御嬢は。」

 「ですよね!」
 「戻って来て欲しく無い時に・・・」
 「其れじゃいけないんですよ!」


俺と彼の読みは、
一致している様で違うんだ。








昔御嬢の彼だった、
俺の後輩が。


 「もう大丈夫ですから。」


力強く答えた、
其の時。



瞳に宿った切ない曇り。





期待感が消えてない事を、
俺は彼から感じた。

先が見えるからこそ、
期待感を消せないのか。






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References
 Nov.20 2003, 「爪の先に甘い毒を仕込むのですか」


2003年12月21日(日)


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History
2002年12月21日(土) 仕事の邪魔になりませんか
2001年12月21日(金) 望みを持っていても良いですか



< 想いを遮るのが想いでしょうか >


刹那に、
前触れも無く、
単純に、
其れが起こった故か。

其れを受け取り、
意味や、
意義や、
裏や、
選択肢を、
複雑に組み合わせた故か。




正に呆気にとられた表情で、
奴は問の音を発し。

正に呆気にとられた表情で、
俺は其の答えを返す。



 「こういう場合。」
 「やっぱり帰るよな?」

 「たぶん。」
 「帰った方が良いんだと想う。」









人一倍強がりの、
彼女だから。

自分の辛抱に負けまいと、
殊更強く辛抱し、
自身を駆り立てるのだ。








自分の言葉に泣き、
泣く自分を支えようと語気を強めて、
更に涙を溢れさせて。


 「絶対帰って来ちゃ駄目!」


浮かぶ言葉を、
只勢いの侭、
意味の繋がらぬ順序で口にする時は。



今直ぐ飛んで帰って、
良く頑張ったと、
頭を撫でてあげるべき時。














彼女の頑張りを、
全うさせてやる事には、
ならないけれど。

全うさせてやらなくても、
きっと良いんだよ。






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References
 Nov.29 2003, 「其の価値を忘れて居ませんか」


2003年12月19日(金)


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History
2002年12月19日(木) 何時か天罰が下りますか



< 掘らずに想いで包めますか >


人の想いが、
方向と大きさのみで構成されるならば。

或る二人の矢の先は、
長い時を経て、
寸分違わず一致する事も在るけれど。


時間変化と言う系が、
其処に介在する事で。


二人の矢の先は、
伸縮と屈曲を繰り返し、
重なり合う事は、
決して無いのかも知れない。







例え近傍で、
星の様に惹き逢う、
二つの矢だとしても。



星の様に弾き合い、
慣性に従って彼方へ跳ぶ時。

星の様に衝突し、
其の衝撃が矢の勢いを奪う時。



時の歪みが、
想いを超えて存在するからこそ。




出逢いと離別が、
転がって居るんじゃ無いのだろうか。

星の数だけ。













道に穿った穴を、
踏み固められる前に修復出来なければ。


後は只、
其処に足が嵌らぬ様、
注意して進むしか無いのだ。

掘り返さずに。






時機を失すれば。

其処に跡が残り、
其れを想いで包んで隠して、
進むしか無いのだ。



時機を見逃せば。

其処に傷が残り、
其の痛みに耐え兼ねた時には、
離れるしか無いのだ。









 「相談役を放棄するつもりはないよ。」
 「今度話し合いましょう。」


貴女の想いは嬉しいけれど。


既に俺の中には、
修復出来ぬ穴として顕在化した様に、
感じるんだよ。


2003年12月18日(木)


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History
2001年12月18日(火) どこまでが本音ですか



< 略奪品は匂いますか >


産まれた嫉妬心が、
自身にとって、
決して負の想いでは無いとしても。

更に露わな怒りが、
極々自然に発生し得る想いだとしても。


 「良いなぁ!」
 「ずるい!」


執拗に喰い下がる想いを、
静かに、
緩やかに、
沈めて行く為に。

例え其れが、
有効な選択肢だとしても。



想いが手元から奪われて行く事に、
違いは無い。







其れでも。


周囲の感覚が、
通常の嗅覚刺激と異なる情報を放つ事に、
いち早く気付き。

其の情報を、
嗅ぎ回り、
嗅ぎ回り、
目一杯仕入れる様にして、
眠りに付くのなら。


其れが最小限の償いで、
其れは最大限の土産と成る可能性を、
秘めて居るかも知れないんだ。










僅か二日。

もし時間単位に基準を遷せば、
一日分にも満たない期間が。


二人に与えられた時間だとしても。


濃密な時間を過ごし。

そして染み付いた匂いが、
強く、
鮮明に、
残される物だとすれば。



半年近くの時間を共に過ごした物に、
宿る匂いへ。

更に強く、
更に鮮明に、
残り香を振りまく宿命を、
背負わせても構わないよね。










もし貴女から、
俺の匂いが消えてしまっても。






 「お母さん・・・」
 「小坊主の匂いがする・・・」


俺の匂いを胸に、
眠りについた小さな彼へ。


 「お母さん。」
 「これ小坊主の匂いがする。」


小さな彼が、
貴女の手から奪った其の熊の人形が。


きっと、
御休みを伝えてくれる。





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References
 Jun.18 2003, 「必要な秘密でしょうか」


2003年12月15日(月)


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History
2002年12月15日(日) 失っても構わないですか



< 静かにしみ入る想いですか >


久方振りの人肌は、
後ろ向き。

半年待ち望んだ日が、
そんな夜じゃ悲し過ぎるから。



言葉の真意など
今直ぐ伝わらなくても良い。

言葉の意図など、
徐々に噛んで含んで伝えて行ければ、
其れで良い。



寝覚めの人肌が、
直ぐ隣に在るのなら。


只純粋に身体を通わせて、
少しだけ、
互いの気を抜いても。


きっと咎められずに済む。







徐々に逞しさを失う象徴を、
埋め込んだ侭。


 「もっと。」
 「いや、無理。」

 「もっと。」
 「もう出ないって。」


態とせがむ貴女に、
笑いながら答えた其の時。


遠かった隣の人肌が、
直ぐ傍に来た様に想えたのに。










一緒に居る貴女は。

楽しくて、
面白くて、
可愛いくて、
素敵な人だけれど。


其の想いは、
唯一の女性に想う想いなのか?









流れる風景の中から、
一際大きく眼に飛び込む岩壁。


俺の胸に侵入する、
此の疑問も。

蝉の声を包み込んだ様に、
吸い取ってくれ。


2003年12月14日(日)


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History



< 杞憂と一言で片付けるのですか >


其処迄、
物を考える人では無かった。

其処迄、
考えられる人では無かった。


自身の想いで混乱し、
勝手な判断を、
現実へ持ち込んで。


俺が独り善がって居ただけか。






確かに。

先の事など、
お互いの願望でしか無いけれど。


何を見据えて、
貴女は日々を送って居るの?











 「半年延びるんだ。」


其の言葉の意味を、
貴女はどう捉えたのだろうか。




確実に言える事は。

今の中途半端な状態が、
確実に半年続く事。


先を見据えた話を、
俺は貴女に伝えたかったのに。










 「本当に言いたかったのは。」
 「半年延びた事?」


貴女に貰った俺のストラップが、
切れた事に。

貴女は夢中だった。


未だ何か隠して居るのだと、
俺の言葉を勘ぐって。

想いを受け止めもしなかった。









俺は、
俺の道を、
勝手に決めて、
勝手に歩んで、
それで良い。


 「付いて行くよ?」


貴女は、
自身の希望も無く、
俺の相談役も放棄し、
只付いて行く。

そう宣言するのか。








貴女は付属品。




貴女は俺が心を込めれば、
見事に踊るとしても。


俺が息を吹きかけねば、
何もしない、
動きもしない、
只の操り人形だと言う。











そんな女に魅力は無ぇよ。





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References
 Dec.03 2003, 「鏡に映る想いは何処に行くのだろうか」
 Dec.05 2003, 「躊躇の理由を考えないのですか」
 Dec.06 2003, 「目を見て話しても良いでしょうか」


2003年12月13日(土)


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History
2002年12月13日(金) 接する距離は教われませんか
2001年12月13日(木) ぜいたくな疑問ですか



< 待ち草臥れて居ませんか >


頓珍漢な答えが戻って来た時、
口を噤んだ訳は。

面と向かって話すべき内容だと、
考えたから。



只泣かれる結果に終わろうと、
平然と跳ね返されようと。

同じ結果を得ようと、
異なる結果になろうと。


声を結ぶのでは無く、
目を結んだ上で話すべきだと、
感じたから。




そうすれば、
俺の想いが正確に伝わる可能性を、
少しでも高める事が出来ると。


そう感じたから。










仕事の話をした事など、
一度も無い。

いや、
一度は存在したか。



 「私分からないから。」

話をした所で、
そう返されるのが関の山。

理解しようと言う想いなど、
抱かぬ人だった。





結果を出さねば首が無い。

ただ努力すれば、
望んだ答えが得られる世界でも無く、
ただ遂行すれば、
求める結果を出せる世界でも無い。

八方塞がりの状態に。


 「海外に行ってた分、シワ寄せがあるもんね。」


あの時の頓珍漢な励ましは。

貴女らしさに満ち溢れていて、
素敵な物だけれど。







一つ。

小さな罅が、
心の内に巣くった瞬間でも在った。











逢えぬ予定だけが
積み重なって行く日々。



肝心な核心を伝える為に、
貴女へ、
電話を掛けた時から。


既に半年も、
月日が経過した。










やっと伝えられる。





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References
 Aug.01 2003, 「信頼を失う時でしょうか」


2003年12月12日(金)


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History
2001年12月12日(水) 恋人に戻れましたか



< 虫が良過ぎる言葉でしょうか >


予備知識として収納された情報は、
恐らくは、
他の友人よりも多い故に。

傷心や、
疑心や、
焦燥や、
混乱が、
未だ収束に向かわぬ状況下で。

結婚と言う言葉がもたらす影響は、
決して正方向に向く矢印には成り得ないと言う、
確信は在ったから。



 「遠くに嫁に行くことになったら。」
 「みんなに会えなくなるんだな。」


嘗て無い程、
極端に後ろ向きの文面に。

殆ど反射の様に、
発作的に、
携帯から発信をした。









驚いた訳では無い。

事の成り行きは寧ろ、
推測通り。




只距離と言う一点のみで離別を選んだ二人が、
時を経て、
距離を乗り越える力を備えたと。

相手が判断した時点で事は起こる。


そして、
其の雄がきっと事を起こすと言う匂いは、
君との遣り取りを通じて、
十二分に俺へ漂って来ていたから。







ならば何故、
俺は発作的に発信をした?









 「何があった?」

 「プロポーズされちゃった。」
 「また遠くだよ。」

 「そっか。」


其れを止める術も、
其の権利も、
自身は有して居ない事を悟りつつ。

君の言葉へ意見を述べる土俵に、
自ら上がった事を後悔する。










 「みーんな私が好きだった人は近くにいてくれないんだね。」
 「小坊主だって戻って来ないでしょう?」


此の場に、
他人を介在させている君に対して、
幾ら焦るなと口にしても。

言葉の核は届かないだろう。





其れならば。











 「行くな。」


越権行為甚だしい、
しかし的確に君の胸へと届くであろう、
此の言葉を。

素直に贈れば良いのだろうか。








飽く迄、
友の立場で。






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References
 Dec.07 2003, 「用事は其れだけでしょうか」


2003年12月10日(水)


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History



< 嫌いになれと言っているのですか >


羽を休める場として。

お互いを、
そして何より自身を、
見つめ直し。


再び羽ばたく。



育ち、
悩み、
惑い。

進んだ姿を、
又互いに魅せ逢う日迄。




自身の望む姿を、
何度と無く伝えて来たけれど。

相手の望む姿は、
きっと異なる物なのだろう。










其の報告の、
何処に歩みが在るのか。

其の報告は、
何処に繋がる言葉なのか。


其処に在るのは、
私は魅力の無い人間だと言う、
宣言だ。

私は退化して居ますと言う、
宣言だ。




 「其れでも大切だ。」


気休めの言葉でも一つ、
贈って遣れば。

さぞ満足だろうよ。










小さな彼の昔の担任の先生に、
久々に会った貴女が。


 「痩せましたね!」

 「先生・・・」
 「私、体重変わってないの・・・」


其の一通りの遣り取りを、
伝えて来た。






 「全部下に下がって来たんだと思う・・・」


身体が垂れたと、
言い切って終わった、
其の会話。


本当は、
何が言いたかったのかな。


不安感から出た言葉だとは、
如何しても想えないんだ。







また一つ。


貴女の無条件のぶら下がりが、
見え隠れして。

距離が遠退いた。





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References
 Nov.06 2003, 「何の為に依存をするのですか」


2003年12月09日(火)


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History
2002年12月09日(月) まだ隣にいませんか



< 用事は其れだけでしょうか >


交錯する想いを削ぎ落とせば。

辿り着く先は、
応援に対する状況報告。


けれども。

交錯する想いに創られた、
此の場の空気は。

客観的な視点を欲して居る訳では、
無いのかも知れない。









 「長崎の夜景送ってね!」


国内で三指に入ると言われる、
其の光の絵を。

撮って寄越せと言う言葉が、
本題か。



 「私は今から元カレと再会。」
 「ちょっとワクワク。」


自身の状況と高揚感と危機感と、
少々の願望を。

伝え知らしめる意図が、
本筋か。








糸の切れた凧の様に、
漂い、
流されて行く、
君の糸の切れ端を。

掴んで、
引いて、
大空にはためかせる。


俺は、
其の役を担えぬ立場だから。



飛ばされて行く君が、
何処に墜ちるか。

俺はこうして、
只眺める事しか出来ない立場だから。







けれども。


墜ちて、
雨に濡れて、
重たくなった其の身体を。

拾い上げる事も、
俺には出来ないんだと。


君が悟る時は。



既に自身で、
大空を活き活きと舞う凧として、
振る舞える時。









ならば。



俺が介在出来る唯一の道は、
墜落の道しか、
存在し得ないじゃないか。






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References
 Nov.24 2003, 「耐えて進める迄に回復出来ましたか」


2003年12月07日(日)


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History
2002年12月07日(土) ちゃんと買えましたか



< 目を見て話しても良いでしょうか >


自身の言葉に責任を持てないのなら、
口にすべきで無い。

其の想いは、
雄特有の物なのだろうか。




放った言葉の重み位、
理解したい。

放った言葉の重み位、
理解させたい。


放った言葉の重み位、
受け止めたい。

放った言葉の重み位、
受け止めさせたい。



其の願望を満たすには、
この場は、
適切で無いと想って居るから。









 「気になるんだけど。」


何度も何度も、
そう口にする貴女に。


 「逢ってからじゃ駄目なのか?」


電話を避け、
そう答えた理由は。








言葉に浮き出る貴女の表情を、
読み取る精神力に、
自信を持てなかったから。



言葉だけの遣り取りでは。
表情抜きの遣り取りに於いては。

其の理解力は、
受け手の精神力に依存し、
受け手の精神力に大きく左右される可能性の高い、
代物だから。








貴女が錯乱しても。

今の俺では、
支える言葉を贈れないから。


2003年12月06日(土)


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History
2002年12月06日(金) ちゃんと備わるでしょうか



< 躊躇の理由を考えないのですか >


遅々たる歩みを反映して。


目の前に聳え立つ山が、
一向に減る気配を見せない事。

時間の経過と比例し、
山は急勾配へと姿を変えつつ在る事。


迫る焦燥感を感じつつも。





数日文が滞って居る事も、
朝の着信に反応出来て居ない事も、
自覚しているから。


夜半過ぎ。

やっとの想いで、
文を放つ。

 「疲れた。帰る。」








呼応するかの様に、
瞬時に入る着信。

そして。


 「何か話したい事無いの?」

 「無いよ。」

 「そ・・・」


一方的に切断された、
通話。








確かに、
想いを話していない俺に、
非が在る。


貴女が憤りを感じる事は、
さほど不思議では無いけれど。




只でさえ話す事を躊躇う事柄を。

この疲労困憊の状況下で、
口にしろと言うのか。









貴女は、
本当に何も感じ取らない人なんだね。

貴女は、
俺の想いを想像しようとすらしていないね。



貴女は。

自分が満足出来れば、
其の手段も過程も状況も問題では無いんだ。






自分が安心出来れば、
俺がどうなろうと関係無いんだ。





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References
 Dec.03 2003, 「鏡に映る想いは何処に行くのだろうか」


2003年12月05日(金)


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History
2001年12月05日(水) 貴女を奪っても良いですか



< 祝宴に何を映したのでしょうか >


祝いの席。

其の場に自身が在る事を、
例え望んだとしても。


選択権は自身に無い故に。


 「来られるかなぁ?」

 「聞いてみたら良いじゃない。」


其の誘いの言葉が、
自分の彼女からではなく、
彼女の息子から発せられたと言う事に。

大きな意義が在るのだろう。




彼がどの様な意図を持って、
祝宴に奴を招いたか。

例え其れが判明しなくとも。







誕生日。


自分の祝宴が、
他人中心の宴会になろうと。




二人が、
美味しそうに食べて、
楽しんで、
呑んで、
酔っ払う。


其の事実が、
彼の目の前で起きる事。

其れが彼の望んだ事なのかも知れない。




奴と彼女が、
共に彼を祝う事よりも。










嬉しそうに話す奴の言葉を、
半分聞き流しながら。

小さな彼には、
未だ無理だろうかと、
想いを廻らす。



いや、
其の前に。










そもそも、
小さな彼の祝いの日が、
何時なのか。


俺は其れすら、
未だ記憶に無いのだ。





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References
 Aug.17 2003, 「時が奪って行きませんか」
 Aug.28 2003, 「離れていても共に学べますか」
 Nov.29 2003, 「其の価値を忘れて居ませんか」


2003年12月04日(木)


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History
2002年12月04日(水) 貴女の色まであと何日ですか
2001年12月04日(火) そろそろ言いたい事は言い合えませんか



< 鏡に映る想いは何処に行くのだろうか >


言葉の裏に隠された人柄。
言葉の裏に潜む性格。


其の存在に気付くか否かは。
其の解釈を如何にするのかは。

受け手の精神状態に、
依存した物には違いないけれど。



何らかの想いと言う鏡が、
受け手に存在する事が。

必要条件なのだろうか。





只の事実の報告でも。

想いの鏡に大きく左右され、
通した光は屈折されて、
自分の奥底迄到達するんだ。









貴女から届く、
只の報告。


 「牛タンて美味しいね。」
 「私、食わず嫌いでした。」


友人と焼肉を食べた、
其の報告。




俺に存在する鏡は。

あの時感じた想いを、
何故此の言葉から呼び出して来たのか。










未だ貴女に伝えられない、
一つの事実。



もしかしたら其れを、
貴女が喰らえないかも知れないと言う、
恐怖心は。


相当厚い鏡として、
未だ俺に巣食ってい居る。





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References
 Aug.01 2003, 「信頼を失う時でしょうか」
 Aug.07 2003, 「与えてはならぬ期待でしたか」


2003年12月03日(水)


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History
2002年12月03日(火) 義務は果たせたで良いですか
2001年12月03日(月) 俺しか知らない魅力もあるのですか



< 姿を隠したのでは無いのですか >


例え溺れかけ、
藻掻き続けて居る状態でも。

どれだけ、
切羽詰まった状況下で在っても。


特別な着信は、
最優先事項として存在する。





例え笑顔を向けられぬ、
そんな環境下で、
何かをして居ようと。


余程手の放せぬ状態で無ければ。

其の着信に、
喜びを隠して反応するのに。








妙な時間に届いた、
非通知着信。


一瞬振動に目を遣り。

そして、
直ぐに其の目線を切った。




貴女の電話だからこそ特別で在って。

只の着信は、
他人と何ら変わりない。

必要の無い着信に、
自身の手を止めて迄反応する必要など、
何処にも無いのだ。













残された貴女の声。



伝言として残された、
正真正銘の、
貴女の声。




後で巻き戻した貴女の声は。

何故か本当に貴女に、
聞こえてくれない。


2003年12月01日(月)


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History
2002年12月01日(日) 何も考えずに逢えませんか
2001年12月01日(土) 正直に言えないのは俺の方か





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