2008年08月21日(木)  「まとめ食い危険」なROYCE’のナッティバー

チョコレートが有名な北海道のお菓子やさん、ROYCE’(ロイス)。通販で一度買い物して以来、お中元やお歳暮の季節になるとカタログが送られてくる。写真と商品コピーを眺めているだけで片っ端から食べたくなるのだけど、中でもNutty Bar(ナッティバー)という商品が気になっていた。ザクザクのナッツをチョコで固めたもので、クランチ系チョコ好きなわたしにはストライクの予感。北海道土産にリクエストして買って来てもらったところ予感的中で、そんなに急いじゃダメと思いつつ、あっという間にひと箱10本をたいらげてしまった。

通販で買うべきか、ひと箱のために送料を払うのはもったいない、かといってまとめ買いするとまとめ食いの危険……などと思いながら有楽町を歩いていたら、「北海道どさんこプラザ」が目に留まる。もしやここにと入ってみると、ナッティバーと目が合った。ひと箱買って、家の冷蔵庫へ。冷やすと歯ごたえカッシリで、これまた格別。

2007年08月21日(火)  マタニティオレンジ162 もしもし、たま電話。 


2008年08月20日(水)  映画『歩いても 歩いても』

有楽町シネカノンで是枝裕和監督の『歩いても 歩いても』を観る。「何も起こらない、だけど、ずっとドキドキする」という批評を見かけて、とても気になっていたのだけど、本当にそんな作品だった。大げさな事件も仕掛けもない。けれど、一瞬先がどうなるのか、目が離せない。家族といういちばん身近な存在の頭の中ほどわからないものはなくて、わかりあえるだろうという前提があるから余計にややこしい。家族だからわかってほしいこととか、家族だから言われたくないこととか、その食い違いに苛立ったり傷ついたりする。その瞬間は心がざわついても時間が経てば忘れてしまうような些細だけど芯のある実感を是枝監督の脚本は実にうまくすくいとっていて、台詞のひとつひとつに「あるある」とうなずいてしまった。

脚本も演技も嘘を上手につくには技術が必要だとよく言われる。作り物であることを忘れさせるほどの自然なたたずまいは、緻密な計算を重ねて実現したのだろう。帰省した息子夫婦と娘夫婦のために母親がこしらえる枝豆ごはんひとつ取っても、しゃもじでまぜる手つきから、映画の外の時間で何度も作ってきた歴史を想像させてしまう。使い込まれた家具同様、家族の会話の距離感からも、流れた時間を見て取れる。高等だなあとしみじみ感心した。

声高にメッセージを念押しして感情を押しつけるのでもなく、身につまされた観客に自分なりの何かを持ち帰らせる。映画らしい余韻が残る作品だった。

2007年08月20日(月)  マタニティオレンジ161 はじめての返品


2008年08月19日(火)  マタニティオレンジ323 おふろでおえかき 

先日アンパンマン目当てに初めて行ったフレーベル館は、海外の絵本やカラフルなおもちゃも充実していて、棚を眺めているだけでも楽しかった。そのなかに、お風呂でおえかきできるクレヨンを発見。ボーネルンドから出ているRub a Dub.Draw in the Tubという商品。「Rub」「Dub」「Tub」と韻を踏んでいるのがかわいい。Rubはキュッキュッ、Tubはバスタブ、ではDubはどういう意味だろ。日本語では「ダブ」ではなく「ラブアタブ」となっているので、お風呂の幼児語? 

早速「おふろでじじ」大会。湯船に立ってつかり、壁に落書き。黄色はオフホワイトの壁だとわかりづらい。プラスチックの持ち手にクレヨンの芯が入っているのだけど、かなりのスピードで芯が減る。あっという間になくなってしまいそう。書いたらすぐ消さないと、色がこびりついてしまう。消しゴム代わりに付属のスポンジがついているけれど、普通の布でも落ちる。クレヨンだけ買い足せるといいのだけど。ついでに芯ももう少し長いとありがたい。いろいろリクエストはあるけれど、お風呂をキャンバスにしようという発想は楽しい。

たまは一本の長い線を描いて、「へび」と得意げ。さらに、線を何本も描いたので、「たくさんのへびだね」と言うと、「あめ」という答え。お風呂の中で詩も生まれる。

2007年08月19日(日)  マタニティオレンジ160 ヨチヨチ記念日
2004年08月19日(木)  色数はあるけど色気がない
2002年08月19日(月)  大阪は外国!?


2008年08月18日(月)  『SEX AND THE CITY』とアラフォー

公開されたばかりの映画『SEX AND THE CITY』の話題が、わたしのまわりでもちきり。元は日本でも放送されたアメリカの人気テレビシリーズ(1998〜2004年)で、わたしは映画プロデューサーから「女同士の本音トークが面白いから勉強になるよ」とすすめられ、レンタルビデオでせっせと観ていた。恋、仕事、女友達とのおしゃべり、都会で働く30代女たちの悩みや痛みには自分に重なる部分も多くて、ずいぶん身につまされて観た。女同士の共感は、ガイジンであることも英語であることも飛び越えてしまう。

主人公のニューヨーカー四人組はドラマの中で年を重ねているらしく、放映開始時は三十路前半だった彼女たちは、今や日本でブームのaround forty。わたし自身もその世代にいて、友人知人先輩方もアラフォーだらけ。新潟で育児中のコピーライター時代の先輩は、先週末の先行上映にあわせて上京。登場人物を地でいくようなアラフォー四人組で観賞後はシャンパンを空けて、ドレスがどうだ二の腕がどうだと語り明かしたという。

出産後はじめての映画鑑賞と夜遊びではじけている先輩と、一週間の仕事の後で疲れている女友だちの温度差をメールの報告で読んで、アラフォーだなぁと思った。いつ誰と結婚する?ばっかりの20代の一直線時代と違って、30代半ばを過ぎると、別れる人、もう一度結婚する人、結婚しない生き方を選ぶ人、産む人、産まない人、そのことで悩んでいる人、向かう方向は実に様々。親の介護がはじまる人もいて、おむつ替えは子どもだけでは済まされなくもなる。わたしはSATCのシーズン1、2までしか観ていないのだけど、シーズン3以降は介護の問題もしっかり取り上げているのだとか……なんて話は、これまたアラフォーの元同僚とひさしぶりにランチしながら聞いた。

そんなわけで何気なく「すごい話題になってるんだよねー」と家で話をしたら、案の定ダンナは初耳。妻の口から軽々しくセックスなんて言葉が飛び出したことにたじろぎ、「セックスアンドザシティって何それ? どういう意味?」と聞いてきた。「文字通り、セックスと都会なんじゃないの? 都会で働くアラフォーの恋愛事情を描いてるんだけど、恋愛だけじゃなくてね……」と説明を始めたら、アラフォーも知らなかった。そういえば、「そろそろアラフォーですから」と時計に目をやった紳士がいたっけ。アラフォーとはアフターファイブの手前、4時あたりを指すと勘違いされていた模様。

2007年08月18日(土)  マタニティオレンジ159 三世代合同誕生会でたま1才
2004年08月18日(水)  スチームボーイと津嘉山正種さん
2002年08月18日(日)  24時間テレビ


2008年08月17日(日)  マタニティオレンジ322 イヤイヤしたり、モーモー鳴いたり。

夜中に「いらない!」と声がして目を覚ましたら、娘のたまの寝言だった。夢の中でもイヤイヤをしているらしい。起きている間は、おむつに、スプーンに、靴に、あらゆるものに「いらない」とダメ出ししている。わんわんのおむつでなきゃいらないと泣き、わんわんをはきかけて、にゃーんじゃなきゃいらないと言い出す。

最近は語尾に「よー」がついて、「いらないよー」「バイバイよー」などと言う。その「よー」がバカにしたような口調で、なんとも憎たらしい。そんな言い方、どこで覚えたのか。「ぎゅうにゅう くださいな!」と要求して、パパが入れてあげると、「ママに」と言われて、パパが入れた牛乳は宙に浮く。「パパの牛乳は?」とコップを差し出すと、「いらないよー」と突っ返す。いたいけな幼子相手に人はどこまで寛容になれるか試されているような気分になる。

イヤイヤ表現には閉口することもあるけれど、言葉がだいぶ通じるようになってきて、「牛乳欲しい人、モーモーと鳴いてください」と言うと、「モーモー」と鳴いてくれたり、やりとりが面白くなってきた。「モーモー」と鳴いて大人が受けるのを見て喜んでいて、ますます調子に乗る。

たま「マ〜マ〜、こっちおいでよ〜」
わたし「そっち行ったら何があるの?」
たま「あまがいるよ」

基本的にナルシストなんだと思う。

2007年08月17日(金)  年に一度だけ思い出されても
2004年08月17日(火)  サービスって?
2002年08月17日(土)  浴衣・花火・箏・まが玉


2008年08月16日(土)  谷中のうどん屋で雨宿り

アンパンマンの本やグッズがそろう「フレーベル館」へ初めて娘のたまを連れて行く。アンパンマンのビデオ上映にくぎづけ。外はうだる暑さで、巣鴨駅まで10分ほど歩いただけで溶けそうになる。駅前の上島珈琲店でソルベ状のドリンクを飲んで生き返り、浅草行きのバスに乗り込む。冷房が効いた車内から去りがたく、自宅最寄りの停留所を過ぎ、そのまま谷中へ。谷中商店街の突き当たりにあるペルシャ料理の「ザクロ」でお昼。あいかわらず日本離れした時間が流れる店内で摩訶不思議な食べものを味わう。

外に出て、暑さがやわらいだなと思ったら、突然雨が降り出し、あっという間に地面を打つ豪雨になった。「あめ〜」と喜ぶたまを抱きかかえて走り出すと、「バカヤロ! 風邪を引く!」と後ろでダンナが叫ぶ。すぐそばの店先で雨宿りをしていたら、ガラガラと背後の窓が開いて、「お入んなさい」と店主が手招きした。

そこは、うどん屋さん。ザクロへ向かう途中で「こんなところにうどん屋が」と気づき、「今度来よう」と話していた店だった。店内には食事中の家族とカップルが一組ずつ。家族連れには、たまと同じぐらいの男の子。テーブルに案内され、タオルを差し出される。一人で店を切り盛りする店主はカウンターの中と外を行き来しながら、江戸っ子の口ぶりでおしゃべりを続けている。雨が小止みになり、ふと店から消えた店主が戻って来たと思ったら、「はいよ」とたまと隣のテーブルの男の子にお菓子をくれた。近くの店で買ってきてくれたのだろうか。

雨がすっかり上がり、二組の客に続いて店を出た。食事は済ませてきたので注文するわけにもいかず、持ち帰り用うどんを買い求めようとすると、「いいよいいよ、今日はあんまり用意してなくて。明日の分も取っとかないと」と店主。よく考えたら二人前持ち帰ったからといって翌日の分がなくなるわけではない。こちらの気遣いを察して遠慮してくれたのかもしれない。

「谷中のうどん屋で雨宿り、なんだか池波正太郎の小説みたいだ」とダンナ。今度食べに行こうと話す。谷中の『かみや』のおじさん、ありがとうございました。

2007年08月16日(木)  円周率は音楽だった
2006年08月16日(水)  売れ行き好調『子ぎつねヘレン』DVD
2005年08月16日(火)  いいにおいのお芝居『おじいちゃんの夏』
2004年08月16日(月)  伊豆高原のアンダティバリゾート
2003年08月16日(土)  6人で400才
2002年08月16日(金)  持ち込み企画


2008年08月15日(金)  マタニティオレンジ321 ケェコ、またくる?

娘のたまは、ダンナ妹のケイコちんが小さかった頃に瓜二つらしく、「ほんと、そっくりだよ」とダンナは口癖のように言う。公開中の『崖の上のポニョ』のポニョって目が大きくて離れていて、たまに似てるねえと話していたら、ひさしぶりに会ったケイコちんが「会社で『ポニョ』って呼ばれてる」と言い出した。ポニョに似たもの同士の二人がポニョの携帯着信メロディに合わせて「ポーニョポニョポニョ」と歌う姿は微笑ましく、年の離れた姉妹みたいに見える。


顔が似ている親近感からか、たまも「ケェコ、ケェコ」となついている。今日はお盆休みのケイコちんに上野動物園へ連れて行ってもらい、ますます「ケェコ きー(好き)」になった様子。ケイコちんが家に帰ってからも、「ケェコ またくる?」と名残を惜しんでいる。会った人の名前を別れてからも覚えられるようになって、少しずつ昨日と今日と明日がつながってきた。

2007年08月15日(水)  人の名前が出てこない
2004年08月15日(日)  ハリケーン・チャーリーさん
2002年08月15日(木)  川喜多記念映画文化財団


2008年08月14日(木)  マタニティオレンジ320 ちぇらちゃん、みじゅ、ちぇらまま、きー!

『パコダテ人』で大泉洋さん演じる古田はるおの娘、まゆを演じた前原星良ちゃんちに母娘で遊びに行く。パコでは「ぴまわり保°育園 ぴよこ組」だった星良ちゃんも4月から中学に通っていて、今は夏休み。春にもお邪魔して星良ちゃんとせらママにはたっぷり遊んでもらっているので、いつもはお宅訪問で固くなるたまも終始リラックス。保育園でお昼を食べてきたばかりなのに、せらママの手料理もパクパク。


驚いたのは、春に来たときは「あっちいって」と怖がっていた大型犬のミズ(ミズナ)に自分から近づいて行ったこと。「ミジュ〜」と追いかけ、テーブルの下で一緒にゴロンとなったり、なでなでしたり、最後はプロレスの技みたいに上から乗っかったりして、もう若くはないミズは子ども相手にクタクタ。ほんの数か月で、犬から逃げていたのが、犬に逃げられる、に逆転。

ランチの後は、板橋区立の熱帯植物園へ。真夏に熱帯。真冬にアイスを食べるようなもの? 高山植物のエリアだったか、冷気がファーっとたちこめる一画があり、足を踏み入れると、冷蔵庫の中に入ったよう。たまは深呼吸するように両手を大きく回して、うっとり。「さあ、わたしを信じなさい。気持ちよくなるでしょう」と教祖サマ風の台詞を重ねて、みんなで大笑い。たまもつられて、ニタニタとうれしそう。

「ちぇらちゃん、きー。みじゅ、きー。ちぇらまま、きー」。とたま。みんな大好き、また遊んでもらおうね。

2007年08月14日(火)  マタニティオレンジ158 おおたま ちいたま
2004年08月14日(土)  シナリオ合宿は体育会ノリ


2008年08月13日(水)  言葉という窓

今日の読売新聞。芥川賞を受賞したばかりの楊逸さんと芥川小作歌の大先輩の辻原登さんの往復書簡第2回。今回は楊逸さんから。「私が持っている言語感覚というのは、窓のようなイメージで、新しい言語を習得することで、新たな窓が開かれ、見たことのない風景が目の前に広がるようなものです」。うまいこと言うなあと窓がひとつ開いたような感覚をこちらも味わいながら、記事を切り抜いた。

2007年08月13日(月)  『絶後の記録』映画化めざして来日
2005年08月13日(土)  西村由紀江さんの『ふんわりぴあの vol.7』


2008年08月12日(火)  鎌倉文学館「ゾロリ展」と宮沢賢治原画展

2泊3日の鎌倉旅行3日目。昨日訪ねたものの休館だった鎌倉文学館に惹かれるものがあり、石畳の長い坂を再び登る。トンネルを抜けると見える古めかしい洋館が美術館。開催中の「かいけつゾロリ展」のあやしたのしい雰囲気とよく合っている。入口で渡される「ゾロリしんぶん」にスタンプを押したり記念写真を貼ったりメモを書き込んだりして世界にひとつだけの新聞を作るという発想も楽しい。バラ園のある広い庭のあちこちにもゾロリと仲間たちが見え隠れしていて、子どもたちが大喜び。ゾロリと初対面の娘のたまは、世の中を面白がるゾロリ精神をたちまち理解した様子で、おかしなものを見つけると「ジョロリみたい」。


鎌倉滞在中の三日間、プールで泳ぎ、海で遊び、実によく遊んだ。昨日は花火が始まる前の夕方、お寺を散策(大きなはっぱに「はっぱのおうち!」とたまは大はしゃぎ)した後、CHACAというワッフルが自慢のお店でお茶をし、近くの肉屋さんでその場で揚げてくれるコロッケを買って帰った。飛行機に乗って遠くまで出かけなくても、知らない町を歩いているだけで旅行気分を味わえる。

東京に戻り、日本橋三越で今日から開催の「絵で読む宮沢賢治展 賢治と絵本原画の世界」へ。賢治さんの弟・清六さんのお孫さんにあたる宮沢和樹さんが花巻から見えられていて、展示を見せていただいた後に控え室でお目にかかる。宮沢賢治研究会に長年関わっているダンナ父と和樹さんが親しくしている縁で5年前の賢治祭に参加した折りにはずいぶんお世話になった。体も心も大きくて、お話ししていると、ほかほかした気持ちになれる人。展示は点数も多く、自分が読んだ絵本の原画もあり、見ている人たちの目も懐かしそうで、「これ知ってるわ」と語り合いながら鑑賞する微笑ましい姿があちこちで見られた。

2007年08月12日(日)  マタニティオレンジ157 0歳にしてジャズにスイング 
2006年08月12日(土)  土曜ミッドナイトドラマ『快感職人』
2005年08月12日(金)  宮崎あおいちゃんの『星の王子さま』
2002年08月12日(月)  お笑い犬トトの思い出

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