NM Syndrome DiaryINDEX|past|will
思ってた以上に面白かった。 魔法使いたちのほんわかした日常話とか思っていたらとんでもない。 壮大で緻密な世界観に不穏な敵と残酷な現実と戦いが待っていた。 魔法は描く。 紙に魔方陣を描くことで魔法になる。 なんとなくお札の類を連想し、以前読んだ折り紙の魔法使いも思い出した。 こういうの好きだ。 生まれつき魔法の何たるかを知っている魔法使いたちと、魔法の在り方を知らされずに暮らしている「知らざる者」との断絶。 魔法使いは生まれつきのもの、と言われているがもしかしたら魔法は誰にでも使えるのかもしれないな。 描き方を知ってさえいれば。 だから描くところを見られないようにしているんだろうか。 主人公ココが暮らすようになるとんがり帽子を被っている魔法使いたちと敵対している禁忌魔法を使うつばあり帽の魔法使いたち。 善と悪という単純な図式ではなく、魔法を管理し規制をかけ続けるとんがり帽子たちにも普通の人々への傲慢さや見下すような視線がありすんなり感情移入はできない。 禁忌魔法の中には医療系もあってそれすら禁止になっていることはこれから問題になるんだろうな。 ココの謎とか先生であるキーフリーの秘密など色々と盛りだくさんのようでストーリーも先が楽しみだけどなんといっても圧倒的な画力でしょう。 所々で出てくる装飾性のあるイラストがそりゃもう美しい。 是非ともカラーで拝みたい。 カルンの街はドイツの街みたいでとても惹かれる。 いいなあ、魔材屋さん。 あと、ココの先輩弟子の女の子達や魔材屋さんの孫のタータなどの子供達とキーフリーやオルーギオなどの大人達との対比もなかなか。 子供達は子供達なりの世界があり、大人たちには大人たちの都合がある。 大人だって悩まないわけじゃないよねえ。うん。 私もココと同じに灯石道の魔法が好きだな。 一歩一歩歩くごとに光る敷石なんてわくわくするしずっと歩きたくなるじゃない? こういう魔法を大事にしているところがこの本の素敵なところだと思う。 続き読みたいんだけど友人はいつ貸してくれるのだろう(他力本願)
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