雲間の朝日に想うこと


< 何時か俺も消えるのでしょうか >


配慮の一種だろうか。

其れとも、
本音の吐露だろうか。


其の解が。

何方でも、
何方で無くても、
然したる違いは無いのだけれど。




存在が消失する。


唯、
其の一個の現象を、
不思議に想ったのだ。













嘗て、
繋がれて居た時も、
そして、
放たれた今も。


変わらずに。

自身の内に、
要として居た存在が。




幾度と無く、
変遷を繰り返した想いの、
内に在って。

忘れ得ぬ要として、
堅く、
堅く、
在り続けた存在が。








何故に、
融け出すのだろう。



















 「今も好き。」
 「今も大切。」
 「そう想ってる筈なのに。」







坂の街の人は。

じっと、
俺から視線を離さずに。





漏れ出さぬ様に、
自身の殻へ閉じ込めて在った人が、
居なく成ったのだと。

俺に、
告げた。





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References
 Feb.26 2007, 「最初の本音でしょうか」







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2007年02月28日(水)


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History
2004年02月28日(土) 似合う想いに届くでしょうか
2003年02月28日(金) 今晩も凌げるだろうか



< 最初の本音でしょうか >


内から、
外へと、
放たれる想いの、
其の差配は。

飽く迄、
想いとは異なる機構で、
制御されて居るから。


漏れ出す想いの大小は。

決して、
秘める想いの多寡とは、
比例しない。






其れ故に。





相手の想いの表出を、
誘発可能な、
土俵へ。

自身を上げる事で。



初めて。

想いの有無を測る事が、
可能と成るのかも知れない。


















坂の街の人の、
其の、
表現に。

目を閉じた儘、
気付かぬ振りをした。




















 「一回しちゃったもんね。」
 「だって、小坊主くーくー寝てるんだもの。」

 「気付かなかった・・・」

 「キスしたときは眠り姫なんだもん。」
 「もっと激しく奪えば良かったかな。」











坂の街の人は。

自分から、
素直に、
想いを魅せてくれた。



やっと。





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References
 Feb.25 2007, 「響きを贈れて居ますか」







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2007年02月26日(月)


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History
2006年02月26日(日) 既に亡者なのでしょうか
2005年02月26日(土) 何気ない信実でしょうか
2004年02月26日(木) 溝の向こうを留めてくれませんか
2003年02月26日(水) たまには待たせても良くないか



< 響きを贈れて居ますか >


想いは。

単独の触覚のみで、
縒り合わさるのでは無い。




複数の感覚を、
絡め併せる事で。


本能に、
より多くの装飾を施し。


共鳴する様に。

想いは、
高まり行くのだ。









其れ故に。






僅か一個の、
手に出来ぬ修飾因子が。

極端に、
互いの想いの高度を、
落とさぬ様に。



必死に。
必死に。

代替の術を探らねば、
為らぬのだ。









例え。

見付かる保証など、
無いとしても。























布の擦れる音。

肌の当たる音。

吐息。

喘ぎ。

溢れる音。
















如何に、
伝えれば良いのだろう。

音の無い、
坂の街の人を相手に。





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References
 Feb.24 2007, 「成功なのでしょうか」







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2007年02月25日(日)


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History
2006年02月25日(土) 卑猥な手付きなのでしょうか
2004年02月25日(水) 飼い慣らしたと思うのですか
2002年02月25日(月) お前の中に何が起きてますか



< 成功なのでしょうか >


互いの希望を、
ひとまず封じ込めて。

互いの制約を、
浮き彫りにして論じれば。


確かに。

此の空間が、
最適なのかも知れないけれど。




一方で、
此の空間は。



手を伸ばせば、
意図も容易く届く程に。

互いを侵食する領域と、
近接して居るのだ。









其れ故に。





既に、
不文律は形成された後で。


何方に主導権が在り、
何方が受動態で在るのか。

唯、
其の責めの矢を何方に向けるのか、
定義するだけだったのだろう。

















日付の変わる、
少し前に。



 「時間大丈夫?」

 「今から帰れって言うの?」

 「コントロール出来るならね。」



窓辺の、
坂の街の人は。

巧みに、
先を取る。




















 「成功したって思ってる?」


俺に触れながら。

少し悪戯っぽい瞳で、
笑みを浮かべる、
坂の街の人は。





或いは。

成功したと、
想ってるのかも知れないな。





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References
 Feb.15 2007, 「贈り物が必要でしょうか」







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2007年02月24日(土)


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History
2006年02月24日(金) お怒りでしょうか
2005年02月24日(木) 付け焼き刃だからでしょうか
2003年02月24日(月) 何処までが我慢でしょうか



< 意味在る言葉と言うのでしょうか >


本来の、
成熟した応答とは異なり。

飽く迄、
音に、
意味が乗るのだ。



決して。

意味を元に、
音が発せられるのでは無い。






其れ故に。





奏でる音の、
羅列が。

時に、
意味在る配列の様に、
感じたとしても。


然程、
意識をする必要など無いのに。











事の初めは。

殊更、
意識過剰に、
人を貶めるのかも知れない。


















 「ぱぱ。」


娘は、
一番初めに俺を覚えた。

















 「ぱぱ。」


中居正広を見ても。
及川光博を見ても。

そして、
今日のわんこを見ても。



俺を、
呼ぶのだけれど。






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2007年02月18日(日)


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History
2005年02月18日(金) 嘗て元気付けられたからでしょうか
2003年02月18日(火) 貴女のペースですか



< 贈り物が必要でしょうか >


其の時季の、
記念の行事で在って。

時季を外せば、
価値は、
劣化するのかも知れないけれど。



其の日付から、
遠く外れた物の方が。

より、
上質の想いを、
内に秘めて居るのかも知れない。







一方で。




飽く迄。

其れは、
形に過ぎず。



想いを込めた、
対象より。

想い其の者の方が。



格段に強く、
重み付けされて居るのだ。














 「10日待ってね。」

 「貰えるの?」







僅か十日、
隔てただけの刻故に。

別段、
不思議な事では無いのに。


坂の街の人の、
宣言に。

想いが、
至らずに在ったのは。












其の、
十日の後に在る筈の、
眼前の、
想いの対象で。


総てが、
埋め尽くされて居るからに、
他ならない。





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References
 Jan.29 2007, 「相手の言葉を使いこなせますか」







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2007年02月15日(木)


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History
2006年02月15日(水) 緩衝剤を幾つ仕込むのですか
2004年02月15日(日) 既に像も消えて居たのでしょうか
2003年02月15日(土) 寒さのせいですか



< 値段の分からぬ雄でしょうか >


其の甘味は。


快楽を揺り動かす物質の、
偽薬として。

自身をも、
酔わせて終うから。




其の主眼が。

時に、
副次的な理由に入れ替わったとしても。


然程、
不思議では無いのだけれど。









例え、
一瞬でも。



想いを濃縮し、
僅か一片に宿る熱量に、
封じて贈る。

其の、
凝縮された想いが、
在るのなら。






甘美な香味は。


十二分に。

人を酔わせる事が、
出来るのだ。






















 「一日早いんだけれど。」
 「良い?」

 「ありがと。」
 「甘い物食べたくなったんでしょ?」

 「分かった?」


姫の、
食欲を満たす為の、
贈り物でも。





 「去年高かったのに喜ばなかったから。」
 「今年は安いやつだよ。」

 「はいはい。」
 「何れ食べるの?」


例え、
価値の劣る贈り物でも。
















其処に、
想い遣る言葉が在るだけで。





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References
 Feb.14 2006, 「味覚が狂っただけでしょうか」







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2007年02月13日(火)


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History
2006年02月13日(月) 勢力争いでしょうか
2005年02月13日(日) 鋭いからこその棘では無いのですか
2004年02月13日(金) 弁解の為の縛めでしょうか
2003年02月13日(木) 素直な肌で抱き合えますか



< 不得手は理由じゃ無いのでしょうか >


時に。

其の領域の大小関係や、
或いは従属の序列を、
創り上げて。


量の多寡や
質の高低や、
或いは、
時間的な比率の分担に。

不平を、
唱えるけれど。





本質は、
其の大小には無く。


飽く迄。

互いの、
欠ける領域を補間し合う事が、
肝要には違いない。











其の一方で。





果たして、
此れが、
互いの補間で在るのかと。


時に、
疑念を差し挟む。








互いが、
互いの補間無しに、
在る事は。


即ち。

自身の存在意義を奪う事に、
他ならないから。


















 「いつまでも。」
 「手伝い気分はやめてくれない?」

 「手伝い以外の部分を。」
 「俺に預けた事が在るのか?」


 「だったら。」
 「私と小坊主の役割を替えてみる?」

 「言ったな。」
 「やれるんだな。」



深夜の、
些細な諍いは。

得手を手渡し不得手を受け取る、
損な取引へと、
秤を傾けながら。






 「どいてくれない?」
 「どうせ小坊主に離乳食作りなんて出来ないでしょ?」

 「やらせる前に邪魔すんのかよ。」
 「姫こそ夜中起きるの辛かったんだろ。」


翌朝。

一瞬にして、
其の取引は破棄された。

















唯、
自身の位置を失うのが、
怖いだけだ。


きっと。






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2007年02月07日(水)


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History
2006年02月07日(火) 既に闘って居るのでしょうか
2005年02月07日(月) 研鑽の足りぬ鍵でしょうか
2004年02月07日(土) 向きを入れ替えて見ませんか
2003年02月07日(金) 迷いの嵩は減らせないのか
2002年02月07日(木) 良い所はなかったですか



< 炎なら覚えて居るでしょうか >


此の、
刹那の瞬間が。

想いに、
残存する様にと、
希うけれど。



飽く迄、
成熟過程の半ばに在るから。

果たして、
如何なる範囲の能力迄を、
有して居るかなど、
不明瞭なのだ。








其れ故に。


其の、
炎の意味を、
論じる迄も無くて。










 「おめでとう。」

 「おめでとー。」


娘に贈る、
此の言葉は。



姫と、
俺と。

互いに、
向けた言葉なのかも知れない。

















一本の炎に、
魅入られる様に。

三本の視線が、
じっと、
注がれた。





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References
 Feb.02 2007, 「初めの一歩の白銀でしょうか」







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2007年02月03日(土)


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History
2006年02月03日(金) ほのかに春が薫りますか
2005年02月03日(木) 何故に其の手を切らぬのですか
2004年02月03日(火) 自覚に縛られ自壊するのでしょうか
2003年02月03日(月) 余裕に見えましたか



< 初めの一歩の白銀でしょうか >


暖かな春を希う、
其の名に委ねた想いとは、
裏腹に。

未だ遠い春を、
厳しい寒さを、
意識させる刻なのかも知れない。




或いは。



其の寒さを意識させる事で。

初めの其の刻を、
幾度と無く、
顧みさせて居るのかも知れない。












嘗て、
此の身に備わらなかった、
想いが。

少しは、
俺に、
育ち根付いただろうか。



此の一年で。
















大雪の、
翌朝。


破裂寸前の部屋を、
如何にか、
宥め賺して。

凍り付いた道を、
慎重に、
慎重に、
向かった朝。




大雪の、
翌朝。


其の、
傷一つ無い珠を、
腕に抱え。

凍り付いた道を、
慎重に、
慎重に、
帰った朝。








起き抜けの銀世界は。

一年前の、
幾度と無い大雪を、
呼び覚ました。





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References
 Feb.01 2006, 「初めましてと言えるでしょうか」
 Feb.02 2006, 「未だに呼ばれ慣れませんか」
 Feb.09 2006, 「初めの言葉は何だったでしょうか」







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2007年02月02日(金)


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History
2006年02月02日(木) 未だに呼ばれ慣れませんか
2003年02月02日(日) 啼けない携帯は恨めしいですか
2002年02月02日(土) 今日の涙は許されますか





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