雲間の朝日に想うこと


< たまには待たせても良くないか >


浮き足立っている貴女を感じると、
つい笑みが零れる。



 「本当に喫茶店で待ってるの?」
 「4時には改札で待っててよね!」



そう言う貴女の頭の中は、
きっと数日間、
俺の事だけで埋め尽くされるに違いない。









こんな時は俺の出番。

冷静に冷静に、
貴女を宥め賺して行くんだ。



仕事に集中出来ずに、
ミスを犯して本末転倒とならない様に。

遠足の前の日にはしゃぎ過ぎて、
当日熱を出さない様に。







こんな時は俺の出番。

冷静に冷静に、
貴女を宥め賺して行くんだ。



 「俺は寒い改札で待ち続けなきゃいけないの?」
 「仕事終わったら一本電話くれよ。」
 「4時じゃなくても、それから動けば良いでしょ?」



きっと今、
貴女の頭の中は飽和しているから。

きっと今、
俺が寒風に吹かれる姿や、
駅までの距離と貴女の歩く速さなど、
計算出来る状況に無いから。












まるで子供の様な貴女に、
つい笑みが零れる。



 「待ち合わせした事無いのか?」

 「いつも私の方が早く行くから・・・」


















そうだった。


貴女は想い込んだら一直線で猪突猛進で、
寒い中でも長時間でも、
平気で待ってられる人だった。

部屋で待ってろと言っても、
ずっと外で待ち続ける人だった。








わかったよ。


ちゃんと笑顔で迎えてやるから。
ちゃんと改札で待っててやるから。

目一杯仕事に集中して、
ちゃんと切り替えて、
俺の前に姿を見せてくれな。


2003年02月26日(水)


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