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「魔女の館の殺人(三日市 零)」読了。 ハーパーBOOKSが日本人作家の作品を出すために作ったハーパーBOOKS+というレーベルから出た少しライトな本格ミステリだ。 館×クローズドサークル×リアル脱出ゲーム×青春ミステリとの触れ込みで色々とてんこ盛りに盛った割にはすっきりとスマートな出来上がり。 主人公の大学生二人、文系哲学科のホームズと理系数学科のワトソンがバディを組んでと言いたいが、 助手役の理系の子が映像記憶という特殊な能力の持ち主でそこそこ活躍するのでワトソン役の添え物感がないのがいい。 やはりバディなら対等でないと。 作中でも言っているようにホームズ役が一人で解決できるならワトソン役は必要じゃないだろう。 それをストレートにぶつけるところなんて青春だなあと思ったのだ。 特殊能力を持つが故の苦悩とかね、そんなことも書いてあるのがいい。 どちらも言葉が足りなくて不器用で頭がいいのに鈍い。 ぶつかり合うことでお互いを理解していくところが大学生らしくていいんだ。 この二人ならシリーズ化しても次も読むよ。 リアル脱出ゲームというのはよく知らなかったけど時間制限の中でパズルを解いてその場から脱出するというゲームらしい。 私は苦手なのでパズル自体は全部スルーして解だけを読みながら進んだんだけど好きな人は全部解きながら読んだんだろうなあ。 ミステリ部分はそもそも館といえば復讐だろうとか、身元不明の死体となれば入れ替わりとか、すれっからしのミステリファンは思うわけで。 嫌な読み手ですまん。 難点を言えばやはり緊迫感がないところか。 人が死んでもどこかゲームの中の出来事のようだし、途中から後は誰も死ぬことがないと判明するしで弛緩した雰囲気が出てしまった。 アッと驚くような展開もなくすんなり終わってしまったのは勿体ない。 もう一捻り欲しかったところ。 全体がすっきりしているのはいいんだけど反面ひっかかりがないのがライトな印象になっていると思う。 とはいえ好きなテイストだったのでシリーズ化してくれたら嬉しい限り。
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