|
NM Syndrome DiaryINDEX|past|will
読み終わってちょっぴり切ない気持ちになってしまった「明智恭介の奔走(今村昌弘)」 時間軸が屍人荘を避けてくれればいいのに。 明智先輩を主人公にしたりしなかったりの短編集。 一番安心するのは冒頭の葉村君を相棒にした大学内での事件だけど好きなのは2つ目の「とある日常の謎について」と最後の「手紙ばら撒きハイツ事件」 とある日常〜は寂れかけていく商店街の人々を丁寧に追い、平凡で何の取柄もない人生だと思っていたのにいつの間にか主役になることがあるんだと、 人生の後半に思わせてくれるしみじみとしたいいお話し。 デビュー作がトリッキーな特殊設定ミステリだったのでまさかこんな話も書けるとは思わなかった。 どこか有栖川有栖みたいで良かったな。 「手紙〜」は田沼探偵事務所のアルバイトを始めたばかりの大学1回生明智先輩の話。 事件そのものは意外に複雑で叙述ミステリーという技巧も織り交ぜつつよく出来ていたがそれ以上に明智の根底にあるものが見えて良かった。 ようやく彼の行動の原理が理解できた気がする。 田沼所長に「どうしてそこまで謎を解きたがる?」と問われた明智の答え。 「謎はこちらに呼び掛けている気がするんです。」 ーーー教えてくれ、私の正体を 「人間の意図とは関わりなく、その謎は見つけてもらいたがっている。俺はその声を聞かなかったことにできない」 謎がそこにあるかぎり明智は見過ごすことはできない。 だから屍人荘に行くのは必然だったのだ。 (・・・・・・うまくいかないもんだな) 田沼探偵事務所の人達がいい人達で良かった。 確かに明智には助手が必要だね。 葉村君が助手になるのも必然だったか。 また短編集で会いたいですよ明智先輩。
|