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NM Syndrome DiaryINDEX|past|will
ここ数日で立て続けに「ペルシャ猫の謎(有栖川有栖)」と「娘を呑んだ道(スティーナ・ジャクソン)」を読了した。 有栖川は少し毛色の変わった作品を集めた短編集でここ数作の中では一番印象深い。 特に初っ端の「切り裂きジャックを待ちながら」は忘れがたい。 舞台と現実の境界が曖昧になり向こう側へ踏み入れてしまった彼へ火村が最後に放った一言。 「メアリーと逝け。クリスマス・イブの慈悲を祈って」 血まみれの手を取り、彼の耳元でそう言った火村こそが聖母のようだと私には思えた。 火村は果たして誰の魂を彼岸へと送ったのだろう。 火村もアリスも出てこない「赤い帽子」も面白かった。 アルマーニを着こなす森下刑事が主役。 丹念に証人を当たり一つづつ証拠を集め考えられる推論を組み立て容疑者を追い詰める。 ただストレートに疑惑をぶつけるのではなく、それらを心に留めおきながら確実な証拠を掴むまで飽くまでも礼儀正しくというのが森下君の良さ。 そのまま健やかにまっすぐ育っていい刑事になりますように(母かワタシは) 賛否両論だったという表題作はワタシは有りだ。 そして最後の「猫と雨と助教授と」 今なら准教授なんだろうけどやっぱり火村は助教授だなあ。 猫好き火村が雨の日に子猫を拾って下宿の篠宮夫人に 「婆ちゃん。猫、もう一匹増えてもいいかな」と真剣な顔でお願いしたところに萌えずにどうする!と思わず力が入ってしまった。 愛すべき火村の話で締めくくられた短編集。良き。 ジャクソンの方は長らく借りていた本だったので少々急ぎ足に読んでしまったのは勿体なかった。 しかしもう一度読み返すには重すぎる。 ミステリーやサスペンスとしては弱いが欠けたものを抱えたまま足搔きながら生きるレレとメイヤの物語としては良かった。 レレもメイヤもお互いを家族と思えたらいいなあと思うけど甘いだろうか。 でも家族にも色んな形があるものね。 少しだけ希望のある終わり方でホッとした。
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