NM Syndrome

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2021年10月14日(木) エリンガム・アカデミー物語

一気に読み切った「寄宿学校の天才探偵3」(モーリーン・ジョンソン著)
原題がThe Hand on The Wallなんだからこれでいいと思うけど直截すぎるのか。
1巻のTruly Devious、2巻のThe Vanishing Starをそのまま使って副題としてエリンガムアカデミーとでもすれば良かったのにと思うんだけども。
今作についている副題も酷い。
「事件を解き明かすときがきた」って酷い.....。


と、つらつらタイトルについて文句を垂れたけど創元は往々にしてタイトルセンスがないので諦めるしかない。
今作で完結。面白かった。
時折主人公であるスティヴィに苛々しまどろっこしい文体に苛々しスティヴィとデヴィッドの関係に苛々し。
苛々しっぱなしだ(笑)
でもネイト(いい子だー)やジャネル(いい子だー)ハンター(いい子だー)など癖はあってもスティヴィの力になってくれる友人達との関係がとてもよくて
そういうYAとしての側面は読んでいてホッとした。
それだけにエリーがね......ほんとなんでエリーが、と思う。
途中に大統領選が挿入されるのはデヴィッドの素性からして仕方がないとは思うけど正直そこは興味が薄れた部分。
犯人は、ああやっぱりね、というところ。

私としてはやはり過去のエリンガム事件の方が好みだった。
80年前のエリンガム邸で起こった誘拐と殺人。
その背後にある代理出産とその相手。
小さいアリスの行方。
全てを見届ける画家。
驚くような真相ではないけれど時代性とも相まって何とも余韻の残る結末だった。
画家のネアが本当にいい。
身勝手で情けないジョージも困ったことに嫌いにはなれなかった。
奔放だと思っていたアイリスが思っていた以上に母親だったり
行動はエキセントリックで傍迷惑な金持ちアルバート・エリンガムもまた娘を溺愛する父親だったり。
計画通りに進む計画などあった試しはないのだ、ということか。
表紙のイラストは好き。
ざっくりしているけど味がある。


私はこういう話が好きなんだろうなあ。
ホロヴィッツのピュントシリーズもうそうだけどアッと驚くトリックがあるわけでもなくトリッキーでアクロバティックな真相でもない古い時代のミステリーが。
勿論メフィスト賞に見られがちな、なんじゃこりゃ!なミステリーも好きですけども(笑)

スティヴィの話はもう一つあるらしいけどいつか翻訳されるかしらん。
さて次は何を読もうかな。
とにかく今週も来週もテレビはないものと思っているのでガシガシと積読本を減らすよ。
まずはルメートルを読んでしまおう。





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伊波