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何とも不思議なお話を少しづつ読んでいる。 スペインのフリオ・ホセ・オルドバスという作家の「天使のいる廃墟」という本だ。 まず表紙の奇妙な絵に惹かれ、あらすじに惹かれた。 読み始めてみたら詩的で美しく、少し毒のある文章に惹かれた。 急いで読むのは勿体ない。 だから少しづつ、10ページとか20ページとか、そんなふうにして読んでいる。 時々ドキッとする言葉に出会う。 「救いなどないのだ。幸せでいなさい」 なんと辛辣で優しいことか。 先へ進むよりまた最初に戻って読み直したりしている。 何度か繰り返して今日は10ページ。 そんなふうに読んでいる。 今日はここでおしまい。 また明日、か明後日か、その次か。 パライソ・アルトに行きたくなったらまた読もう。 スペインの作家と相性がいいんだろうか。 カルロス・ルイス・サフォンの「風の影」も良かった。 随分昔に読んだのにあの世界に浸りたいといまだに思う(フランコ政権下だから少々時代的に暗いけど) そういえば続編を買って積読状態だったっけ。 そろそろ読むか。 4部作なのに4作目が翻訳されないのはなぜ。 どうなの集英社さん。 と、遠くに念を放ちつつ。 やっぱりスペインが好きなんだろう。 また行きたいなあ。 バルセロナで取った宿が旧市街のど真ん中だったから頭の上で教会の鐘がいつも鳴っているようだったっけ。 隣がバルでどうしても食べたかったパエリアを頼んだら2人以上じゃないとダメだったこととか、それでもちゃんと出してくれたこととか。 あれが2人前だったのか1人前にしてくれたのかは定かではないけれど食べきれなかったのは確かだ。 そして少ししょっぱかった(笑) 多分ワインと一緒に食べれば良かったんだろうな。 そのために塩味が強い。 ローマで食べたトリッパも味が濃かった。 初めての一人旅、初めての南ヨーロッパ。 全部が勝手が違って心が追いつかなかったっけ。 しかもこのホテル、立地はいいのに宛がわれた部屋には窓がなかった! これはきつかったなあ。 たった一つの窓がないことがメンタルにくるって初めてだった。 早くロンドンに帰りたくなったっけ。 旧市街好きだったけど1泊で懲りて宿を替えたのだった。 勿体なかったけど仕方がない。 ロンドンからニースに飛びシャガール美術館を尋ね、そこから列車で南下してバルセロナに入ってピカソ美術館とダリ美術館に行き、 また列車で南下してグラナダのアルハンブラ、セビーリャ(ジプシーのフラメンコを見たのはどっちだっけ)コルドバ、そこからマドリッドでプラド美術館。 マドリーを起点にセゴビアの水道橋とアルカサルを見に、或いはアランフェスに足を伸ばした。 マドリーの市街地、というか住宅街で道に迷い、夕暮れ時だったから泣きたくなりながらも不思議な郷愁と共に歩き回ったことも思い出した。 すごい昔のことなのに結構覚えているものだ(笑) ユーロはまだなくペセタが通貨だった。 フランスはフラン、イギリスはポンド、イタリアはリラと国境を越える度にexchangeして違う国に入ったことを実感したのも昔話か。 面白かったんだけどね。ふふふふ。 もうあんな旅はできないんだなあ............。
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