2009年10月10日(土)  踊らず走らずはにかみ運動会

保育園に入って三度目の運動会。毎年運動会のたびにわが子の成長を確かめ……とはいかないのが、うちのたま。連絡帳に「たまちゃんは恥ずかしいようでもじもじしていました」と書かれていたものの家ではノリノリで踊っているし、本番には強いかもと思ったら、はずかしがり屋さんは本番になお弱いのだった。

準備体操では固まったまま呆然となり、かけっこでは折り返し地点にあるおせんべいに向かってお友だちが駆け出すなか、スタートラインで棒立ちし、先生に背中を押されておせんべいのとこまで来ると、手にしたおせんべいをじっと見つめて動かなくなった。親子ダンスでは指をくわえて完全に傍観者。見事なまでに最後まで温度の上がらないままで、これには驚いた。最近はかけっこもうまくなり、末はリレー選手かダンサーかと親は勝手に盛り上がっていたのであるが。

「たまちゃん、どうしてじっとしてたの?」と聞くと、「はずかしかったから」としっかり自己分析できていて、運動会を見られなかったじいじばあばにも「たまちゃん うごかなかったの」と報告。でも、みんなはちゃんとできてたのにという引け目は感じているようで、「わかっているけど、できないのよ」という心境なのかもしれない。

大阪の母に電話でその話をしたら、「あんたが幼稚園のときもみんなが一生懸命やってるのを見物してたよ」。中学校時代には、さめているクラスメートにけしかけるようになったわたしも、昔は棒立ち傍観者だったらしい。親子だなあ。

2008年10月10日(金)  おなかの中にいたときから友だち
2007年10月10日(水)  マタニティオレンジ190 3人娘1歳合同誕生会
2004年10月10日(日)  爆笑!『イラン・ジョーク集〜笑いは世界をつなぐ』


2009年10月08日(木)  夫婦別姓に賛成ですか?

民主党政権になり、夫婦別姓の法制化が前向きに検討されているらしい。それを受けて、新聞の投書欄でも議論が活発で、待望派、慎重派、反対派、様々な意見があるのを興味深く見ている。子どもと親の姓が異なる事態を認めてしまうのは家庭の崩壊につながるから断固反対という意見に対し、名前が同じであれば円満という保証もないという反論が寄せられたりしている。たしかに、同じ苗字を名乗り、同じ家に暮らしていても、気持ちが同じほうを向いているとは限らないなと考えさせられる。

「反対ならば別姓を選択しなければいいのだ」という声もごもっともなのだけど、そもそも「旧姓を名乗り続けるか、結婚後の姓に乗り換えるかの二者択一」が前提となっているのが、わたしはとても気になる。

結婚後も旧姓のまま仕事を続ける女性がふえ、戸籍上の姓との違いから起こる不都合を解消するために、夫婦別姓を求める声が大きくなってきたのだと察する。けれど、結婚後の姓を名乗る必要がある場面も多々あり、「どちらか一つを選ぶ」となると、それはそれで不便や摩擦が生じる。子どもと母親の姓が異なることが家庭崩壊につながるかどうかは疑問だけれど、まわりを混乱させてしまうことは想像できる。保育園や小児科で「子どもの苗字は○○ですが、わたしは今井です」と説明するよりは、そろえたほうが話は早い。

戸籍の名前まで分ける必要はなくて、戸籍上の本名と旧姓との併用が認められるだけで、ずいぶん助かる。必要に応じて旧姓と結婚後の姓を使い分けられたらありがたいというのが、旧姓で仕事を続けるわたしの希望だ。「ひとつの家庭に二つの苗字を存在させる」夫婦別姓より、「個人の中に二つの苗字を存在させる」個人両姓(?)の発想のほうが柔軟な運用ができるように思う。家族としては夫や子どもと同姓、個人としては別姓を名乗るという風に。

わたしの場合、旧姓を筆名にしているため、所属している文芸美術国民健康保険組合の保険証には「本名」と「筆名 今井雅子」が併記されている。公的身分証に入っているおかげで、旧姓が通用する場面も多い。以前日記(>>>2007年05月01日(火) 今井雅子という人物は存在しない!?)にも書いたけれど、銀行で旧姓名義のカードの住所変更を申請したところ、「今井雅子という人物は戸籍上存在しない」と断られたことがあった。姓が変わったことで結婚前の自分が抹消されたような言い方にショックを受けたが、「筆名 今井雅子」の保険証を出すと、相手の態度が一変し、「今井雅子は存在する」ことになった。保険証やパスポートに結婚後の姓と旧姓を併記できるだけでも、ずいぶん自由度が上がるのになあと感じている。カード名義書き換えの手続きが面倒でブルーになる事態も避けられる。

ところで、母親の姓が二つあることについて、子どもはどう感じるのだろう。三歳の娘のたまに「ママのお仕事の名前は今井雅子っていってね、ママが結婚する前の名前なの。知ってる?」と聞いたところ、
「うん。たまちゃんも おしごとの おなまえ あるの。たまっていうの」と答えが返ってきた。たまにとっては、仕事の名前も旧姓もあだ名という理解らしい。それぐらいのおおらかさ、しなやかさで夫婦別姓を語るのも、いいんじゃないかと思う。

わたし「え? たま、タレント活動してるの?」
たま「うん。テラントかつどう」
わたし「テラントじゃなくて、タレントだよ」
たま「タラントかつどう」

何かが足らんと? でも、自己肯定感は足りているようだ。夕食のときに「野菜食べなきゃ、かわいくなれないよ」と言うと、「たまちゃん もうかわいくなってるもん」とうぬぼれていたけれど、「ママもかわいい」とのことだから、ハードルは低い。

わたし「じゃあ、パパは?」
たま「かっこいい」
わたし「じいじは?」
たま「しろい」
わたし「ばあばは?」
たま「むらさき」

こんな会話にも和まされ(風邪を引いたアイスクリームちゃんにガーゼのお布団をかけて寝かしつける姿にも和まされる)、お笑いタラントの素質は十分かしらなどとニヤニヤしながら、やっぱり親子の姓はおそろいがいいなと思った。

【お知らせ】あと10日で「冷凍マイナス18号」の日

冷凍(10)食品はマイナス18度以下で保存すれば、保存料を使わなくても長持ち可能。だから、10月18日は冷凍食品の日。ということを知らせるため、日本冷凍食品協会を担当していたコピーライター時代にデザイナーの古川ジュンさんと「冷凍マイナス18号」というキャラクターを提案。キャラクターデザインを久保誠二郎さんにお願いしてファミリー展開し、調子に乗ってPRソングを作り、CDつき飛び出す絵本が当たるプレゼントも実施した。いまいまさこ作詞、でこぼこフレンズの福井洋介さん作曲の「冷凍マイナス18号ソング」はyoutubeで観られ、うちのたまのお気に入り。冷凍食品の日10日前の本日、1000アクセス達成。そのうち100はたまが観てます。

2008年10月08日(水)  願えば never ever


2009年10月07日(水)  鈴木蘭々主演『サッちゃんの明日』(大人計画)

今朝のこと、ワイドショーに鈴木亜美が出ているのを観ての連想か、「鈴木蘭々って最近どうしてるんだろ」とダンナが聞いてきた。「お芝居なんかに出てるよ」と答えて、「そうそう。今日観に行く舞台の主役、鈴木蘭々なんだよ」と思い出した。

というわけで、大人計画『サッちゃんの明日』。毎度のことながら、満席の客席は「かかってこい」のお祭り歓迎体制で、のっけからよく笑い、下ネタにも反応しすぎなほど。わたしの後ろの席の男性は、早押しクイズのような素早さで食いつくように笑いの波に一番乗りしていて、その余波でわたしのまわりはとくに笑い感度が高くなっていた。

(ネタバレご注意)犬に噛まれて足が不自由になった蕎麦屋の娘サチコ(鈴木蘭々)はアル中の父(松尾スズキ)と未亡人の祖母(小松和重)との三人暮らし。母(家納ジュンコ)と祖父は近親相姦の上、駆け落ちして死んだ(が後になって母が帰ってくる)。脳性マヒの男友達で営業マンの沼田(小松和重の二役。お見事!)が連れてきた後輩のゴロウ(星野源)は、サチコを噛んだ犬の飼い主の養子。蕎麦屋に面接に来た男(皆川猿時)は刑務所上がり。シングルマザーで7か月の息子がいる友人つぐみ(猫背椿)はダンサーとしてひと華咲かせる夢を諦めきれず、ニューヨークで成功し、一時帰国中の先輩を訪ねるが、そこには覚醒剤の売人(宮藤官九郎)がいて、高額のオーディション料をふんだくられる。売人の探し物は蕎麦屋にあり、それが見つからないと命が危ない。果ては北朝鮮ミサイルが撃ち込まれたというニュースが……。

これだけのヘビーな題材を次々と繰り出しつつ、常に客席が笑いで沸いているというのがすごい。「私にはエロサイトがあるー」と高らかに歌っても清潔感がある鈴木蘭々というのもすごい。下ネタが捨て身ではなく、自然。一方、家納ジュンコと猫背椿は堂々たる捨て身っぷりが芸になっている。皆川猿時と小松和重の体を張った芝居も、役者ってすごい生き物だなあと思わせる。

大人計画の舞台を見慣れてくると、ウンコが背中に張りつくネタにも笑えるようになるが、覚醒剤ネタはタイムリーすぎて笑い飛ばすには重さを感じる。明らかに幸福○○党をパロディにしたと思われる幸福追求党も最近の話題ではあるけれど、覚醒剤のほうは脚本を書き上げてから現実が追いついてしまったのかもしれない。

生の鈴木蘭々を見ながら、カラオケで「なんで なんで ナンデ?」という彼女の歌をよく歌っていたことや、デーブ・スペクターや高田純二とともに出ていた「GHOST SOUP(ゴーストスープ)」という岩井俊二演出のドラマがすごく良く出来たクリスマスの奇跡物語だったことなんかも懐かしく思い出した。顔立ちも声も醸し出す雰囲気も好きなので、いつか作品をご一緒できたらと思う。鈴木蘭々をさん付けすると「ん」が3つ刻まれて「ヴァンサンカン」や「チリコンカン」みたいな響きになるので敬称略にした結果、今日の日記の人物名は皆さん敬称略になってしまった。

作・演出は松尾スズキ。宮藤官九郎作・演出を何本か観たのと比べてみると、クドカンカラーだと思っていたのは大人計画カラーでもあったのかもと思う。わたしには書けないし、真似できない。だからこそ毎回異種格闘技を眺めるように圧倒される、ヘアメイクは今回も大和田一美さん。コピーライターだった頃、お仕事で出会って一時期髪を切ってもらっていたので、役者さんたちの顔まわりに注目しながら、お元気かなと思いを馳せた。

大人計画『サッちゃんの明日』

2009年9月18日(金)〜10月11日(日) 
シアタートラム

【作・演出】 松尾スズキ
【出演】 鈴木蘭々 宮藤官九郎 猫背椿 皆川猿時 星野源 家納ジュンコ 小松和重 松尾スズキ

2008年10月07日(火)  朝からベランダで野良仕事
2006年10月07日(土)  マタニティオレンジ16 おっぱい出張所
2005年10月07日(金)  国民行事アンケート「国勢調査」の行方


2009年10月06日(火)  台風接近!打ち合わせの話題は「藤原効果」

「台風が近づいていますねえ」「なんか、すごい勢力らしいですね」「上陸しちゃうんでしょうか」そんな雑談から打ち合わせが始まり、「藤原効果」という言葉が出て来た。二つの台風が1000キロ以内に接近すると、渦巻く両者が作用し合って動きが変化する現象だそうで、今回、それが日本のはるか南で起こり、ひとつはフィリピンへ向かい、もうひとつが本州を目指しているのだとか。後で調べると、藤原さんという気象台の方が発見したので、この名称がついたらしい。

「藤原効果、よくご存知ですねえ」とひとりが食いつき、「実は気象予報士の資格を持っているんです」と告白したことから、今度は彼が質問攻めに遭った。「あれ難しいんでしょ」「一発合格ですか?」「どんな問題出るんですか?」「なんで受けようって思ったんですか?」……。「計算問題が出るんで、数1から勉強し直しましたよ」などという答えに、オオッとなる。「やっぱり理系なんですかー」「僕は文系なので、けっこう大変でした。今だったら解けないですね」。天気の話題は場を持たせると言うけれど、見事に場が盛り上がったのが面白かった。

それで思い出したのは、カンヌ国際広告祭で見た天気予報チャンネルのCM。スポーツバーをパロディにしたWeather Bar(お天気バー)に寒冷前線ファンと温暖前線ファンがそれぞれ青と赤のフェイスペイントをして集まり、贔屓のチームを応援するように天気予報を観ながら「行け!」「その調子!」と熱狂するシリーズCMで、上映会場も大いに沸いた。気まぐれで甚大な被害ももたらしかねない空模様には、たしかに目が離せない要素がある。

すごい勢力を持った藤原効果の片割れは8日には本州に上陸するかもしれないとのこと。通勤のある人は「電車が動くか?」「行きは行けても、帰りは帰れるか?」が心配の種で、わたしは「保育園へ連れて行けるのか? 行けても帰りは連れて帰れるのか?」が気がかり。話ほどは盛り上がらず、しぼんでくれるといいのだけど。

2008年10月06日(月)  『食いタン妻』と『百均探偵』
2007年10月06日(土)  マタニティオレンジ188 フミキリン
2006年10月06日(金)  マタニティオレンジ15 がんばれ母乳部
2005年10月06日(木)  行動する芸術家・林世宝さん
2004年10月06日(水)  ローマの一番よい三流のホテル
2002年10月06日(日)  餃子スタジアム


2009年10月05日(月)  小説を書くのもまた楽し

小説を書きたいと思っているところに、短編で4、5本書いて欲しいという依頼が舞い込んだ。脚本を書くのとは文体が違うし、小説家としてバリバリ書いている人のほうがいいのではと答えると、依頼者は、まだあまり色がついていない人がいいのですと口説いてくれ、まずは一本書いてみることにした。その調子でと乗せられ、書いているうちにアイデアがいろいろ浮かんできて、4本になり、6本になり、この数日でさらに4本ふえて、10本になった。

作品はある場所を舞台にしており、今月中にそこを訪ねて取材し(脚本でいうところのシナリオハンティング、小説の場合は何と呼ぶのだろう)、細かい描写を書き込む予定。スケジュール通りに行けば、この秋、そのとある場所のサイトで公開されることになっている。

脚本は作品を仕上げるためのベースになるものだけど、小説はそのものが読み物として成立するものだから、いいところも悪いところも全面的に書き手の製造責任となる。そこが怖くもあり楽しみでもあり……。

ネットで読める小説と言えば、講談社のコミック誌「モーニング」のサイトで公開中の「おやすみなさい。良い夢を。」は独特の空気感を持った物語。著者、三山佳依の名前にピンと来る方はかなりのいまいまさこカフェ通。

小説にかまけているせいで、このところ子守話はさぼりがちで、娘のたまに聞かせるのは、もっぱら「ニュースたま」。たまもだいぶ言葉が豊かになって、お返しに「ニュースママ」を聞かせてくれるのだけど、「きょう ママは おしごとを いっぱいしました」と仕事の話が多くて、淋しい思いをさせているのかなと後ろめたくなる。「今日はたまの前でパソコンしなかったでしょ?」と反論したところ、「きょう ママは おしごとを ちょっぴりしました」と修正された。

ちょっぴり更新ペースを上げて、3日ぶりの子守話は、前々から作ろうと思っていた黄色い自転車の話。たまは小豆島のことを「ぼくとママの黄色い自転車の島」と記憶していて、小豆島で滞在したゲストハウスのことは「ぼくとママのおうち」と呼ぶ。

子守話95「たまちゃんと きいろい じてんしゃ」

たまちゃんが みつけた きいろい じてんしゃは ふしぎな じてんしゃ。

きいろい じてんしゃが はしった あとには きいろい おはなが さきます。
きいろい ちょうちょたちが あつまってきて
まってまってと きいろい じてんしゃを おいかけます。

ふわりと そらに まいあがると ことりたちが こっちこっちと さそいます。
ぐんぐん そらたかく ペダルを こいで なないろの にじに ちゃくち。 
にじの はしっこから さんぼんめ きいろい みちの うえを 
きいろい じてんしゃは すいすいと はしります。

にじの さかを くだりきると うみの うえ。
きいろい じてんしゃは ふねよりも はやく はしります。
きいろい さかなたちが すごいすごいと とびはねます。

うみの そばを はしる きいろい でんしゃと おいかけっこ。
きいろい じてんしゃも はやいけれど でんしゃは もっと はやい はやい。
えきで とまっている あいだに きいろい じてんしゃが おいこします。

きいろい じてんしゃで おうちに かえると
おやつは たまごいっぱいの きいろい プリン。
きいろい じてんしゃは ふしぎな じてんしゃ。
たまちゃんが プリンを たべている あいだに どこかへ きえてしまいました。

2006年10月05日(木)  『シュガー&スパイス』のグランマ
2000年10月05日(木)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/12/08)


2009年10月04日(日)  おもちゃから夜景まで欲張り横浜デー

小豆島でお世話になった柳生さんと峰子さんご夫妻と横浜で再会。柳生さんと親しくされている北原照久さんのおもちゃ博物館へ。館長の北原さんにはお会いできなかったけれど、スタッフの方々にあたたかく迎えていただく。ジョン・ラセターが来館したときのエピソードを聞かせていただいたり(ここでピクサー映画『トイ・ストーリー』の着想を得たそう)、ぜんまい仕掛けのブリキのおもちゃを動かしてもらったり。

たまは「ブリキのおもちゃができるまで」に興味津々。


うちにはブリキのおもちゃはないけれど、Barnieのビデオの誕生会編でおもちゃ工場へ行く場面があり、ブリキっぽいロボットが出てくる。それに似たロボットを見つけて、「ウィアレロ(we are little)ロボットだ」。


広い庭にはアンティークのメリーゴーランド。動きを止めたその辺りの空気も、時が止まったかのよう。妖精が飛び回っていそうなこの庭で、お気に入りの本を開いて、ぼけっと半日過ごしてみたい。

別棟にはクリスマスショップ。こちらはBarnieのクリスマス編のサンタクロースの家がそのまま現実になったようで、たまもクリスマス好きのわたしも大興奮。

サンタが運転するワゴンには、サンタさんがいっぱい。

店内にはクリスマスグッズが所狭しと並び、飾られ、季節に関係なくここは年中クリスマス。わたしが品定めしている間に、たまはお店の看板犬、ゴールデンレトリーバーの「TJ」とじゃれあう。犬大好きのたまは、太いしっぽをつかんでぶんぶん振り、キャッキャと大喜び。柳生さんは気がつくと「Tジェイ」を「Tジョイ」と呼びかけていた。Tジョイは、『ぼくとママの黄色い自転車』の配給会社。

北原館長夫人の旬子さんとご挨拶させていただき、北原さんがププロデュースする横浜人形の家で今バービー展をやっていることを知らされ、徒歩で向かう。世界の人形や日本の人形の移り変わりを展示した常設展を見終えると、50周年を迎えたバービーとその衣装がずらりのバービー展。マネキンサイズのバーニーに駆け寄り、たまは「おちゅめ、きれいねえ」とピンクのマニキュアを塗った指にうっとり。

お洋服を見るのが大好きなわたしにとっては、目移りしそうな楽しさ。


鏡で仕切られたケースは万華鏡のよう。

お昼は中華街で食べましょうとなり、人形の家から五分ほど歩いて、元町中華街駅近くのすぐ目についた「廣翔記(koushouki)」新館に入る。フカヒレ三昧コースを注文すると、全9品と次々に運ばれる。餃子、炒飯、杏仁豆腐に至るまで、これでもかのフカヒレ尽くし! 味はなかなか上品で満足。大人もたまもよく食べた。テーブルにお料理びっしりの写真を撮り忘れたのは、夢中で食べた証拠。

さて、今日の横浜訪問の目的は、柳生夫妻の愛娘、照美嬢が出演しているtpt(=Theater Project Tokyo)第72回公演『血の婚礼』を観ること。中華街からほど近い馬車道にあるBankARTという会場は、倉庫を改造したような天井の高いスペース。

わたしが柳生夫妻と観ている間、ダンナがたまの子守をする予定だったのだが、「僕は昨日観ましたから、僕がたまちゃんを見ます」と柳生さんが勇気ある申し出をしてくれた。ブリキのおもちゃ博物館で柳生さんが買ってくださったぜんまい仕掛けのペンギンで、柳生さんとたまが遊んでいる隙を見て、峰子さんとともに客席へ。上演数分前に、たまが入口に駆け寄ってきて、目が合ってしまい、焦ったが、たまは満面の笑顔で「みねこさーん!」。パパでもママでもなく峰子さんと呼びかけるとは、たくましい。

入口のドアが閉められ、泣いても笑ってもたまは柳生さんに託されることになった。そして、一時間半後、再びドアが開くと、満面の笑みのたまが「みねこさーん!」。さすがにぐずっているだろうと思ったこちらは拍子抜けして、大笑いとなった。柳生さんの他、スタッフの方にも遊んでもらい、たまは終始ご機嫌だったという。

tpt公演は第44回『スズメバチ』と第52回『道成寺一幕』を今はなき森下のベニサンピットで観たのだが、その印象とも共通して、演劇らしい演劇を堪能する。舞台のしつらえもそうだし、見に来ている人の雰囲気もそう。台詞で話を転がしていくタイプではなく、体全体を使っての表現のひとつに言葉がある、そんな感じ。舞台には土が敷き詰められ、裸足の役者がその上を歩き、転がり、舞うと土埃が舞い上がる。舞台下には水を張ったたらいが点在し、そこでは水しぶきがあがる。歌とダンスが全体を彩り、生演奏の奏者は舞台の一部のように会場に溶け込んで佇んでいる。観るというより浸るように鑑賞した。

若い娘役を演じた照美嬢は、パリで演劇を勉強して帰国後、初めての舞台だそうだが、「オリーブ」という言葉が劇中に何度も登場し、記念の舞台へのはなむけのように聞こえた。

tpt第72回公演『血の婚礼』

2009/10/3(sat)→18(sun) BankART Studio NYK / NYKホール

作◎ガルシア・ロルカ 台本◎広田敦郎 演出◎門井 均
美術◎朝倉 摂 照明◎笠原俊幸 衣裳◎萩野 緑
振付◎グスタヴォ・ザジャク

母親◎大沼百合子 花婿◎山田ジルソン
姑◎植野葉子 妻◎伯鞘麗名 レオナルド◎小谷真一
花嫁◎呂美 女中◎武田優子 父親◎廣畑達也
月◎濱碓 死◎加藤亜依 少女◎佐伯静香
村の女◎石榑順子 若い娘◎柳生照美 松平英子
木こり◎清水隆伍 熊本昭博 遠藤典史
若い男◎古賀信義 演奏◎かりん・綿田健一

ステージの隣にはカフェとショップのスペースがあり、そこでお茶をしてから、馬車駅の手前で柳生夫妻と別れ、たまが朝から「あれのる!」と所望していた大観覧車へ。高所恐怖症なので膝が震えたけれど、空はよく晴れて、宝石をちりばめたような眺めだった。

2009年10月03日(土)  たまちゃん、4のヨーグルトがほしいのよ!

朝起きた娘のたまが「なんかばべる」空腹を訴えたので、「ヨーグルト食べる?」と聞くと、「4のヨーグルト」と言う。冷蔵庫に入っている低脂肪ヨーグルトを指差すと、「それじゃない。4のヨーグルトがほしいのよ!」と言い張るのだが、「これしかないからしょうがないでしょ」と言うと、「それじゃなくて、4のヨーグルト!」とわたしが手にしたのとは別なカップを指差す。

よーく見ると、蓋のアルミの端っこに番号が入っているではありませんか。3個パックのそれぞれに「3」「4」「5」と振ってあった。個装ヨーグルトを何百個と消費してきたけれど、気づかなかったなあ。

ヨーグルトを食べ終えると、「ウェルかめ、みるう」。石黒賢さん演じる父親が「元気! やる気! ムッキムキ!」と身ぶりを交えてやるのをたまはいたく気に入り、昨夜は何十回と「むっきむっきい」の力こぶを作っていた。「さあ今日もやるかなー」と期待をあおって画面に注目したが、ムッキムキは出なかった。「あら残念、やらなかったねえ」と言うと、たまは、「おおきくなったからじゃない?」とクールな態度。昨日の最後にヒロインの波美は小学生から大人になったのだが、それとムッキムキの封印を結びつけるとは。実は中身は大人なんじゃないかとドキッとすることが、ときどきある。

午後はご近所仲間のK子ちゃんちに遊びに行く。たまよりひとつ年上のマユタンのボーイフレンド君兄妹とお母さんが遊びに来ているところに、加わらせてもらった。たまはマユタンを前に自慢の創作ダンスを披露したが、「それってダンスじゃないよ。なんかー、ようちえんっぽくないよね。マユのダンスは、もっとようちえんっぽいから」とギャル口調でダメ出しされてしまった。わが家では「たまはダンスの才能があるね」「天才だね}と持ち上げられているが、子どもの世界はもっと厳しい。

2008年10月03日(金)  シナトレ11 台詞の前後を考える
2006年10月03日(火)  マタニティオレンジ14 ヘンなのは自分だけじゃない
2005年10月03日(月)  Paulina Plizgaの着るアート
2000年10月03日(火)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/12/02)


2009年10月02日(金)  朝ジョラ「たまちゃん」

あっさり「ちゅばさ」ファンから「ウェルかめ」ファンに鞍替えした娘のたまが、「ちゅばさは どうなったの?」と心配してくれたので、朝ドラというのは交替していくものなのよと教えた。「瞳」の後が「だんだん」で、その後に「つばさ」だったでしょ? 「ウェルかめ」の後は、また別な朝ドラが始まるのよと。「じゃあ たまちゃんの あさジョラも ある?」と聞かれた。連続テレビ小説「たまちゃん」。金魚屋の娘という設定か? 

朝ジョラのヒロインは難しくても、子守話の主役なら。この頃、たまは「ぞうさんの おふろの ゆめ みたいから ぞうさんの おむつ はいて ねる」と言う。直島で行った「直島銭湯I♥湯」でお風呂場に象の像がいたことがとても印象に残っているらしい。そういうわけで、9月4日以来約一か月ぶりの子守話は、「ぞうさんとおふろ」の話。

子守話94 「ぞうさんとおふろ」

なおしまという しまの おふろやさんに いた
ぞうさんの ことが たまちゃんは わすれられません。
ぞうさんは おとこの ひとの おふろと おんなの ひとの おふろの
しきりの へいの うえに たって おふろばを みはっていました。

あの ぞうさんに もういちど あいたいな。
たまちゃんは ぞうさんの もようの おむつを はいて
ぞうさんの ことを おもいながら ねました。

ゆめの なかで たまちゃんは なおしまの おふろやさんに いました。
まよなかで だあれも いません。
そうっと おふろばの ドアを あけて なかに はいると
あれれ へいの うえに ぞうさんが いません。

とそのとき ぽちゃんと みずが はねる おとが しました。
みると なんと ゆぶねに あの ぞうさんが つかっていました。
「ああ びっくりした」と たまちゃんが いうと
「ああ いい おゆだ」と ぞうさんは うっとりと めを とじて
「いちにちじゅう たっているもので あしが つかれるんですよ」
と いいました。

どうぶつえんに いる ぞうさんよりは ちいさいけれど
たまちゃんよりは ずっと おおきいので
ぞうさんが はいると ゆぶねは いっぱいでした。
「たまちゃんも おふろに はいりたいよう」
「だったら わたしの せなかに のりなさい」
たまちゃんが ぞうさんの せなかに のると
ぞうさんは おふろの おゆを はなで すいあげて
シャワーを かけて くれました。
すると ぞうさんの せなかは みずが ながれる すべりだいに なりました。

たまちゃんと ぞうさんが あそんでいるうちに たいようが のぼってきました。
「たいへん たいへん。みんなが おきてくるまえに もどらきゃ」
ぞうさんは せなかに たまちゃんを のせたまま
ゆぶねから ざっばーんと とびだしました。
あ! あぶない!
たまちゃんは ぞうさんの せなかから おっこちて タイルに ごっつんこ。
そのひょうしに めが さめました。

ぞうさんが へいの うえに もどるところを みたかったな。
たまちゃんは それが ちょっぴり ざんねんでした。

2008年10月02日(木)  マッキャンAgain展パーティ 
2006年10月02日(月)  マタニティオレンジ13 おかげの花
2004年10月02日(土)  「平均年齢66-1才」若返りの会
2000年10月02日(月)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/12/02)


2009年10月01日(木)  ツジモトはチュバサを見ましたかの会

テヘラン勤務が決まった大学時代の友人ウヅカ君の送別会を先月やったが、まだビザが下りないというので、今日もごはんを食べに来る?と誘う。ウヅカ君のペルシャ語の先生であるセピー君と、前々からセピー君に引き合わせたかったご近所仲間のT氏も加わった。

メニューは根菜のごまドレッシングサラダや豚肉のしょうが焼き、生揚げといったいつもの晩ご飯。一昨年、近所の公園で拾った梅をうちにあるいろんなお酒で漬けたものをおっかなびっくり飲んでみたら、これが好評で、とくにラム酒漬けは、いい店で飲むような味わい。コピーライター時代にラベルのコピーを書いたBACARDI GOLDで漬けたもので、それに比べると、生協のホワイトリカーで漬けたものはアルコールが主張しすぎている。梅は野生でもおいしく漬かるが、お酒はいいものを選ぶべしと教訓を得る。

今日はいない共通の友人ツジモトさんが話題では主役となった。先日の送別会の後、セピー君が作ったペルシャ語テキストの中に「チュバサ」と発音する単語を見つけたウヅカ君は辞書を引いたが、それらしい単語が見当たらない。日本語の「つばさ」を固有名詞なのでそのままペルシャ語表記したものだと後でわかった。「ツジモトはチュバサを見ましたか」という疑問形、「ツジモトはチュバサを見なくてはならない」という強制形(というのだっけ?)、「もしツジモトがチュバサを見たら、何と言うだろうか」という仮定形などを学べたという。「で、観たんでしょうかね、辻本さん? こないだはぜひ観ますって言ってましたけど」とわたしが言うと、「観てないでしょうね」とセピー君は断言。

予想通りセピー君とT氏は意気投合し、二度目のT氏とウヅカ君はイランの鉄道事情について話していた。

2008年10月01日(水)  行列のできる脚本家
2006年10月01日(日)  マタニティオレンジ12 お宮参りイベント
2004年10月01日(金)  「Licensing Asia2004」にCook81(クック81)登場
2002年10月01日(火)  Mr.少林サッカーからのプレゼント
2000年10月01日(日)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/12/02)


2009年09月30日(水)  「ウェルかめ」がはじまり、ひかりTVを終える。

「つばさ」が終わり、次の朝ドラ「ウェルかめ」がはじまった。いつも朝ドラが入れ替わってしばらくは、食べ慣れた朝食のメニューが変わったような違和感があり、慣れるまでに時間がかかる。今回は味つけも盛りつけも極端な違いがあるし、「つばさ」の消費量が半端ではなかったので、いつも以上に適応期間が必要になりそう。

「だんだん」が終わって「つばさ」が始まったとき、「だんだんは?」と戸惑っていた娘のたまは、昨日、一昨日と「ちゅばさは?」と淋しがったが、今日は「わっかめ みるうー」とノリノリ。「わっかめじゃないよ。ウェルかめだよ」と訂正しつつ、似てるかもと思ったりする。「そっかあ。わかめは こんぶかあ}とたま。亀もわかめも海のものだと気づく。

ひかりTVの無料お試し期間2か月が今日で終わるので、解約の電話をする。熱烈な電話勧誘を受けて申し込んだもののなかなか接続できずにいて、結局ほとんど観る機会はなかったけれど、ちょうど仕事の資料で観なきゃいけない映画がかかっていたときは便利だった。それでも月々の契約料の元を取れるほどは観ないし、間取りの都合でモデムから伸びるケーブルが部屋を縦断してしまうのも煩わしく、利用を継続しなかった。いちばん多く再生したのは「ハム太郎」のアニメビデオで、たまの食いつきはすごかった。大人はひとつの回を観ると次の回を観ようとするが、3歳児はひとつの回を観ると、もう一度頭から同じ回を観ようとするので、延々と第一話を観続けた。

2008年09月30日(火)  脊髄を洗って乾燥してキレイになる
2006年09月30日(土)  本と遊ぶ「おそろい展 ミヤケマイ」
2003年09月30日(火)  BG SHOPでお買い物

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