2008年11月09日(日)  はじめてヤフオクで買い物

娘のたまを連れて披露宴に出ることになり、ドレス探し。ベビードレスのレンタルを調べてみると、一泊で7000円からといういいお値段。買うとその倍ぐらいはするのだろうか。でも、すぐに小さくなってしまうし。だったら古着が出回ってないだろうかとヤフオクをのぞいてみると、あきれるほどたくさんの新品ドレスがよりどりみどりで並んでいる。下は1円からで、数千円というものもずらり。片っ端から見ていると日が暮れてしまう。

気になったドレスをいくつかチェック。入札などの動きがあると、メールで知らせてくれる。アメリカ製のドレスに入札すると、あっさり落札。届いたドレスはとてもかわいくて感激したのだけど、ドレス代と送料と代引き手数料を合わせると、出品者のR's babyさんのオンラインショップで直接買ったほうがお得だったことがわかり、試合に勝って勝負に負けた気分。ドレスの陳列もこちらのほうが美しくて選びやすい。ヤフオクで買い物するときは、出品者のサイトもチェックすべしの教訓を得た。

2007年11月09日(金)  島袋千栄展『メリーさんの好きなもの』
2006年11月09日(木)  マタニティオレンジ26 六本木ヒルズはベビー天国
2005年11月09日(水)  『ブレーン・ストーミング・ティーン』がテレビドラマに
2003年11月09日(日)  小選挙区制いかがなものか
2002年11月09日(土)  大阪弁


2008年11月08日(土)  7か月ぶりにご近所さんの会

転職で大阪暮らしとなったご近所仲間のミキちゃんの上京に合わせて、ミキちゃんと彼氏のT氏と、K家の親子三人がわが家に集まった。ロンドンに住むY家がそろうとご近所仲間全員集合なのだけど、日本にいるメンバーが一堂に会するのもY家の一時帰国に合わせて集まった3月30日以来7か月ぶりのこと。

突然の開催にあたふたと大掃除をし、用意した食事は、「アスパラの生ハム巻き」と新聞でちょうど見つけた「ごまマヨネーズの根菜サラダ」と栗原はるみさんの『ごちそうさまをききたくて』で唯一作っている「豚肉の梅肉蒸し」。あとは銚子で買った干物の金目鯛を焼き、みょうがごはんと味噌汁。K氏がおつまみをたくさん買ってきてくれたおかげで、にぎやかな食卓となった。お酒は以前T氏が置いていってくれた真澄。まろやかで食事との相性も良く、くいくい飲んで空けてしまった。

食後は、清月堂の生菓子。食後酒に「小石川植物園で拾った梅で漬けた梅酒があった」と思い出す。5月に漬けたから、そろそろ飲み頃。どんな味に仕上がっているのか、そもそも飲める味なのか、その毒味をするのに気のおけないご近所仲間は打ってつけ。悲惨な出来になっていても、笑い話として味わってくれる。ラム酒、ホワイトリカー、日本酒、家にあるお酒で手当たり次第つけたので、フレーバーいろいろ。ラム酒が合いそうという意見で、ラム梅酒を漬けたジャム瓶を開ける。ロックで飲むと、おお,意外や意外、うまいではありませんか。5月にたまと梅を拾ったときのことを思い出しながら、あの梅がこんなにおいしいお酒になるとは、といい気分で酔った。

それぞれの仕事のことや家族のことや株価のことやロンドンにいるY家のこと、昔みんなで行ったSLの旅や踊り子号の旅のこと。話題が尽きなくて、何の話をしていても楽しくて勉強になるご近所仲間と、このまま年を重ねて、子どもたちも仲良くなって2代3代と続いたら面白いだろうなあと思う。

年を重ねるといえば、実在の合唱団を追ったドキュメンタリー映画『ヤング@ハート』は、お手本にしたい人生の大先輩がたくさん登場。何歳になってもロックする、その心意気に拍手。本日公開。

2005年11月08日(火)  『スキージャンプ・ペア〜Road to TRINO2006〜』
2003年11月08日(土)  竜二〜お父さんの遺した映画〜


2008年11月07日(金)  お風呂で牛乳屋さんごっこ

保育園に娘のたまを迎えに行くと、同じクラスのたっ君が「きょう じいじ おやすみ?」と聞いて来た。帰りが遅い日にわたしの代わりに迎えに行ってくれるダンナ父の出番が増え、「たまちゃんのじいじ」は子どもたちにおなじみの顔となっているらしい。たまはじいじばあばの家ではぐずらず機嫌良く夜は一度も目を覚まさず、「こんなにラクなら、いくらでも預かれるわ」とダンナ母は言ってくれるが、2歳児なりに遠慮や我慢をして、いい子にしているのだと思う。そのいじらしさを受け止め、一緒に過ごせる時間はしっかり向き合おうと心がけている。

最近おふろの中では、「牛乳屋さんごっこ」がお気に入りの遊びで、湯船に浮かべた紙コップに牛乳を注いではすすめてくる。

わたし「これ、何の牛乳?」
た ま「れいぞうこの ぎゅうにゅう」
わたし「普通の牛乳?」
た ま「コーヒーぎゅうにゅう」
わたし「じゃあ、まぜまぜして」
た ま「まぜまぜ。はいどうぞ」
わたし「おいしいよ、このコーヒー牛乳」
た ま「(もう一つのコップを差し出し)はいどうぞ」
わたし「え、もう一杯?こんどは何の牛乳?」
た ま「たまちゃんの おしりの にゅうにゅう」
わたし「それはちょっと、イヤだなあ。ほかの牛乳下さいな」
た ま「はいどうぞ」
わたし「これは何の牛乳?」
た ま「ワニの ぎゅうにゅう」
わたし「そっかー。ワニさんにもおっぱいあるんだね?」
た ま「うん。くろいの」

会話にボケ突っ込みらしきものが生まれてきて、お風呂の中でけらけら笑い合っている。子どもを相手にすると否応なくお母さんモードに切り替えなくてはならないけれど、それがいい気分転換になり、生活にメリハリがついている気がする。

2006年11月07日(火)  シナトレ6『原作もの』の脚本レシピ


2008年11月06日(木)  「遊園地のドレス」「音が降る傘」

新聞の切り抜きを整理していたら、インド人デザイナーマニッシュ・アローラがデザインしたというドレスの写真が出て来た。スカート部分がメリーゴーランドになっていて、歩くと移動遊園地(記事によると「サーカス」がテーマとのこと)。面白いこと考えるなあ。愛・地球博のインド館でわたしを釘づけにしたワンピースを手がけたのと同じデザイナーではないかと勝手に推測。オレンジの地にアメコミが大胆にデザインされていて、そのポップさに度肝を抜かれたのだけど、服で遊ぶ感覚に通じるものがある。マニッシュ・アローラの服は日本未上陸かと思いきや、原宿のビームスで扱っているとのこと。お値段も派手なのか、今度見てみたい。

もうひとつ、大学生が携帯の振動子を使って「音が降る傘」を開発したという新聞記事にも惹かれた。振動を受け止めた傘がスピーカーになる仕組みだとか。いろんな傘で試した結果、和傘との相性が良かったという。試作品の評判が良ければ一万円を切る価格で量産を検討とのこと。降り注ぐ音楽に包まれるのはどんな心地だろう。相合い傘か、親子仲良し傘か、一家団欒傘か、音を聞くために広げる傘は、大きめだとうれしい。

2007年11月06日(火)  整骨院のウキちゃん1 伝説の女編
2003年11月06日(木)  よかったよ、ガキンチョ★ROCK


2008年11月04日(火)  気功教室初級編修了

全10回コースの気功教室初級編が今日修了。10回中8回出席し、基本を会得した人は次のクラスに進めるのだけど、「10年間初級をおさらいし続けている人もいます」と先生が言ったとき、目が合った気がした。最後まで「なんか違う」という先生の視線が痛かった。毎回先生が張りついたように隣に立ってお手本を見せてくれるのは、「いい『気』が出ていて見込まれているせいでは」と思ったりもしたけれど、単に飲み込みが悪かったようだ。最後の2回は、気を集めて自分の体に入れていくようなことを教わった。わたしの習熟度では、気は集められもせず入りもしていないのかもしれないけれど、なんとなく手があったかくなって、気のようなものが出ているように感じられた。病は気から、ならぬ、気は気から?暗示にかかりやすい性格なので、素質はあるのではと思うのだけど。当初の目的である腰痛対策の成果はよくわからないけれど、いつもよりは痛みが和らいだ気がしないでもない。背骨を大きく動かすのが特長の気功なので、運動不足が解消されて血行が促進されたのかも。

2005年11月04日(金)  名久井直子さんの本
2002年11月04日(月)  ヤニーズ4回目『コシバイ3つ』


2008年11月03日(月)  秋刀魚と電車目当てに銚子へ 2日目

一家でやってきた銚子の2日目。娘のたまが6時前に目を覚まし、早朝の漁港を散歩。倉庫の屋根に止まったカモメたちを「ことり ならんでるね」と指差し、「ことりはとってもうたがすき」と歌い出し、散歩中の犬を見て「おしり ふってるね」、壁の落書きを見て「じじ かいてるね」。たまの口から言葉があふれ、いつの間にそんなにしゃべれるようになったのと驚く。一緒に暮らしている家族でも、旅に出ると発見がある。

朝食は焼いた秋刀魚。脂の乗った身のほとんどはたまの胃袋へ。朝からごはんが進み、おひつは空っぽ。昨日の夜も今朝も、うちの一家がいちばんよく食べたのではないだろうか。

宿のご主人の運転で犬吠埼の灯台まで送ってもらい、99段の狭い階段を登って見晴らし台に出る。以前よりも高所恐怖症がひどくなったようで、足がすくんで膝が痺れるように痛む。キンキンズキズキ、膝が頭痛になったような感覚。


灯台から10分ほど歩くと、銚子電鉄の犬吠駅。バブル時代の名残のリゾートペンション風駅舎の前に古い車両を改装したレストランがある。たまは運転席に陣取って運転士気分。ドリンクが300円、手作りプリンとのセットが400円。迷うことなくプリンつきに。小ぶりながら卵度が高く、素朴な甘みがおいしい。激しく「す」が立っているところも手作り感たっぷり。つみれ入り魚麺(300円)は、半分食べてもこのボリューム。

犬吠駅ではおばちゃんがその場で醤油を塗って焼いているできたての「ぬれせん」を買って食べられる。醤油の焼ける香ばしいにおいに誘われて、一枚。さらに、電車に乗って観音駅まで行き、名物たい焼きを一匹。
観音を見て(どう見ても大仏に見えたのだけど、あの方が観音だったのだろうか。たまも「だいぶつ」と指差していたけれど、どこで大仏なんか覚えたのだろう)、魚市場のほうへ歩き、市場前にあるお店の魚の活きの良さと値段の安さに驚く。秋刀魚は6〜8匹で千円。中には「18匹千円」のものも。八百屋では「里芋一袋50円」。車だったら買い込んで帰るのになあと嘆いたのだけど、結局買い物ができた。知人に紹介された地元の人に連絡を取ると、その方が車でおすすめの店に案内してくれたのだった。マリンパークでふえすぎたペンギンを譲り受けたペンギンを見られるという京成ホテルの駐車場にも連れて行っていただく。上野動物園よりも近い目の前でペンギンを見られて、たまは大喜び。水に飛び込もうとしているペンギンたちに「がんばれ〜」の声援を送ったところで力つきて眠り、帰りの高速バスが東京駅に着くまで眠り続けた。

2006年11月03日(金)  マタニティオレンジ25 国産車か外車か
2005年11月03日(木)  柴田さん、旅立つ。


2008年11月02日(日)  秋刀魚と電車目当てに銚子へ 1日目

旬の秋刀魚を魚屋さんで買ってきたのを娘のたまが夢中で食べた。とれたてはさらにおいしかろう、と銚子の港が食卓の話題にのぼり、「そういえば、子どもの頃に家族で行ったことがある」とわたしが言うと、だったら行こうかとダンナが言い出した。秋刀魚と犬吠埼の灯台と朝ドラ『澪つくし』のロケ地の他に何があるのか調べてみると、銚子電鉄というローカル線が走っている。ご近所仲間で鉄道に詳しいT氏に問い合わせると、「銚子電鉄は『ぬれせん』で走っています」。電車の修理代を稼ぐために開発されたという名物ぬれ煎餅の他、たい焼きが人気や古い車両のレストランがある駅もあるとは、自称「食べ鉄」のわたしには耳寄りな話。「銚子行って電車乗って魚食べる?」と娘に聞くと、「行く!」と乗った。

一日3本の特急しおさいなら東京駅から銚子駅まで1時間50分。特急料金を浮かすためローカル線で行くと、2時間半。退屈して動き回る2歳児を押さえつけながらの電車の旅は、なかなか辛い。さらに銚子駅から銚子電鉄に揺られて終点の外川駅へ。『澪つくし』に登場したそのままのたたずまいの駅舎から徒歩5分の民宿『元治』に到着。家を出てから4時間近い長旅となった。


海沿いの定食屋『見晴』でお昼を食べ、海に落ちる夕日を求めて海沿いを歩く。釣り人が集まる先の広い空を見つめているうちに雲が出て来てしまい、赤く燃える太陽を拝むことはできなかったけれど、マジックアワーな色合いに染まった空もまた良かった。

夕食は魚三昧。アップグレードした刺身は6種類。魚好きのたまは、秋刀魚の刺身を気に入り、ほとんど一人で食べてしまった。かさごの煮付けもモリモリ食べ、この食べっぷりを見るだけでも来た甲斐あったと思う。民宿だから子連れでも大丈夫だろうとは思ったけれど、たまより小さな子どもがいる家族があと二組いて、畳をハイハイして交流していた。田舎の親戚の家に泊まりに来たみたいだなあと思う。

2006年11月02日(木)  ハートの鍛え方
2005年11月02日(水)  ウーマンリブVol.9『七人の恋人』
2003年11月02日(日)  ロンドン映画祭にも風じゅーの風!
2002年11月02日(土)  幼なじみ同窓会


2008年11月01日(土)  「恋愛地理学」の朴教授

昨日、『ぼくとママの黄色い自転車』の初号試写の反応に気を良くして、新宿で電車を降りて一人でワインを飲み、『P.S.アイラブユー』を観た後、偶然新宿で飲んでいたダンナと合流した。京都時代の共通の知人でチベットやネパールのことを研究しているツキハラさんが上京したので囲もうという飲み会で、セピー君や同級生だったウヅカ君がいた。もう一人、初めて会う男性を「ほら、この間話した韓国の」とダンナが紹介してくれ、思い出した。

以前、『韓国人を愛せますか?』という本を出した面白い人と会ったよ、と言って、インタビュー記事のコピーを見せてくれたことがあった。「えっと、『韓国人が好きですか』を書いた人でしたっけ?」とわたしが言い、ダンナが訂正しかけると、「『韓国人は好きですか? 』という本も出してます」。「それ、タイトル似すぎてて紛らわしくないですか?」「そうなのよ。それで、もう持ってると思って二冊目買ってくれない人が多くて。タイトル失敗しちゃったかなあ」。

ノリのいいこの韓国人男性は、朴(パク)チョンヒョンさんといい、日本に留学して、そのまま地理学の大学教授になってしまった。年を聞けば同い年。わたしが会った教授では最年少で、「ほんとに教授? あだ名とか自称じゃなくて?」、そんな冗談を初対面で言えるほど、話しやすく距離を感じさせない人。「好きですか」「愛せますか」と問いかける本の著者が愛せないキャラクターでなくて良かった。

「この人はね、恋愛地理学の権威なんですよ」とツキハラさん。パクさんとツキハラさんは研究者仲間なのだという。落ち着いた大人のツキハラさんとハイテンションのパクさん、対照的な二人だけど、ウマは合うらしい。「恋愛地理学って言葉、キャッチーですねー。それを本のタイトルにすればいいのに」とわたし。「じゃあ今度出す2冊のうちどっちかをそうしようかな」とパクさん。

すごい勢いで飲み、しゃべる人なのだけど、その勢いでガンガン書いて売り込んでいるらしい。ちなみに恋愛地理学とは、恋愛を地理学的に分析するようなものらしく、「東男に京女」のようなものかと勝手に理解した。学術的データの裏付けの上に「群馬の彼を射止めるなら富士山デートが吉」のような法則を打ち出せたら、血液型占いより流行る気がする。

「恋愛地理学、これは当たる!」と一同が盛り上がったのは、パクさん行きつけのMARUGO(マルゴ)IIというワインバー。ワインのおいしさと値段のギャップに驚き、パクさんとはすっかり顔なじみのやり手ママが手がける系列のヴィオレットというバーへ。洋梨や柿やブドウといった秋の味覚を使ったカクテルがおいしかったけど、時計は2時を回り、わたしは半分寝てた。パクさん、タフだなあ。

Share

2005年11月01日(火)  シナトレ4 言葉遊びで頭の体操
2002年11月01日(金)  異種格闘技
2000年11月01日(水)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2008年10月31日(金)  『ぼくとママの黄色い自転車』初号試写

この夏に撮った『ぼくとママの黄色い自転車』の関係者初号試写が今日あった。「初号」とは完成版の第一号。初号より前の版は「0号」と呼ばれる。となると、初号に改訂が加わったものは「2号」「3号」と数字が増えていくのだろうか。脚本の「2稿」「3稿」みたいに。今度プロデューサーに聞いてみよう。撮影が終わってからの編集作業には数か月かかるので、「あの作品どうなったかなあ」と気になった頃に初号試写の連絡が入る。

初号試写は、シーンがつながって音と絵が組み合わさって一本の作品となった初めてのお披露目。制作スタッフや出資者はもちろん、作品を観て小屋を開けるかどうか決める劇場主や、ノベライズやコミック化などを検討中の出版関係者が品定めにやって来る。わが子はかわいいけれど、皆様のご期待に応えられているだろうか。「思っていたのと違う」という落胆の声や「なんでここはこうなったんだ?」という疑問の声が飛んでこないだろうか。作り手は「まな板の上の鯉」になって審判を仰ぐ。

脚本家は微妙な立場で、出資者をはじめ作品の実現に尽力してくださった方々の反応はもちろん気になるけれど、それ以上に「自分の書いた脚本がどう料理されたか」が気になる。この台詞はこんなニュアンスで言ったのか、このシーンはこういう場所をロケ地にしたのか、ここの芝居はこういうテンションでやったのか……。予想通りのこともあれば予想外のこともあり、答え合わせのような見方になってしまうから、初号を観るときは作品を味わうところまで行けない。自分では冷静な評価ができないから、観ている最中や観終わった後の客席の反応をうかがうことになる。

さてさて、本日の試写はいかに。1回目の上映が終わって30分ほど後に2回目が組まれていたので、1回目を観終えた人が2回目を見に来た知り合いに感想を伝えるところに居合わせることができた。「よかったよ」「安心したよ」といった好意的な声を聞けて、まずは安心する。控え室の前を通りがかると、金髪に日に焼けた肌の恰幅のいい男性がプロデューサーと話していて、その方が原作者の新堂冬樹さんだった。原作『僕の行く道』の繊細さと対極にあるような迫力オーラがあった。

座席に着くと、「さっきの試写で、あの○○さんが泣いたらしいよ」「俺も泣いちゃうかな」などとスーツ姿のおじさまたちが実にうれしそうに盛り上がっていた。男の人にとって、泣くということはイベントなんだなあ。上映が始まると、本当にあちこちから涙の気配。答え合わせに忙しいわたしは感情移入に出遅れたけれど、河野圭太監督が本作りのときからこだわっていたラストの一瞬に、不覚にも涙を誘われた。監督が「こうしたい」と力説していた場面が見事に表現されていて、すべてはこの一瞬のためのホンだったんだと腑に落ちつつ、一観客として感動できた。「泣ける」ことが作品の出来を保証するとは思わないけれど、終映と同時に湧き起こった拍手はこれまでに立ち会ったどの初号試写よりも大きなもので、関係者のお愛想以上の熱がこもっていた。

帰りの電車が途中駅で急行の通過待ちをしていたとき、「今見てきた映画、すばらしかったよ」と興奮した声がホームから聞こえて来た。思わず目をやると、携帯に向かってまくしたてているのは、試写室でわたしの前の席に座っていた男性。「社長に伝えといて」と電話を切ったその人は、すぐさまもう一件かけ、「観てきたよ、よかったよ」と繰り返した。出資者関係の方だろうか。いち早く伝えずにはいられないほど気に入っていただけたんだとうれしくなり、新宿ピカデリーで『P.S.アイラブユー』(偶然だけど、この作品も「愛が届けさせた手紙のトリック」が物語の鍵を握っている)を観る前に入った無印良品カフェでワインを注文してしまう。外で一人でお酒を飲むなんて、初めてだったかもしれない。

2006年10月31日(火)  マタニティオレンジ24 体重貯金
2005年10月31日(月)  もしも、もう一度子育てができるなら。
2004年10月31日(日)  ご近所の会@タンタローバ
2002年10月31日(木)  青年実業家


2008年10月30日(木)  「FM COCOLO」のいとう真弓さんと再会

『パコダテ人』公開のとき、ラジオに出演して作品を語る機会があった(>>>2002年6月30日 FM COCOLOで『パコダテ人』宣伝)。パーソバリティのいとう真弓さんは、大学時代の応援団で同期だったトンちゃんの妹マーちゃんの高校時代のテニス部同期。「わたしの友だちに映画紹介の番組持ってる子がいるで」とマーちゃんが紹介してくれた。

それから、あっという間に6年あまり。朝ドラ『つばさ』に脚本協力として関わるようになり、コミュニティ放送のことを読んだり調べたりして、FM COCOLOやいとうさんのことを思い出していたら、いとうさんから「東京に引っ越して来ました」と連絡があった。この6年まったく音沙汰なかったのにこのタイミングで連絡が来るのも何かの縁。ドキドキしながら渋谷のイタリアン・クッチーナでランチ再会となった。

いとうさんは今はパーソナリティを辞められて、東京に来て新しい仕事を始めたのだけど、そちらの仕事もわたしの脚本業と接点があり、また何かでご一緒できるかもと話す。あとは、お互いの仕事の話、共通の友人であるマーちゃんの噂、東京のおいしいお店紹介などをしていると、あっという間に1時間半。いとうさんは沖縄料理が好きで、一人でお酒を飲める人だとわかった。考えてみれば、いとうさんとは番組出演のときにお話ししただけで、お互いのことをあまりに何も知らないのだった。

友だちの友だちは友だち。人の縁って面白い。

2005年10月30日(日)  同窓会は最高のセンセイ
2004年10月30日(土)  グリー(gree.jp)1か月
2002年10月30日(水)  2002年10月に書いたもの

<<<前の日記  次の日記>>>