2002年11月01日(金)  異種格闘技

■会社では制作本部第2クリエイティブという部署にいる。クリエイティブ・ディレクターをのぞくと、ほぼ同世代の集まりで、学校のような雰囲気。といっても、わたしがいる9人の島(デスクのかたまりをこう呼ぶ)で女性はわたしだけなので、男子校の雰囲気である。「経理にかわいい子が入った」とか「営業のあの子が髪を切った」という話題で無邪気に盛り上がるのを見ながら、心は学ラン時代のまま大人になってしまったのねと微笑ましく思うわたしは、購買部のオバサン目線になっている。今日も男どもは「自分たちの仕事を担当している営業の女の子自慢」を繰り広げていた。声が好き、酔うとかわいい、最近キレイになった、ちゃんと仕切れる、昔のアイドルの雰囲気がある……女の子のどういう点を評価しているのか聞くのは興味深い。フムフムとひとしきり聞いて、「で、いちばん近くにいるあたしはどうなのよ?」と水を向けたら、男どもはいきなり静まり返った。まるで、そこにオンナがいたことを忘れていたかのようなリアクション。一瞬の間のあとに「今井ちゃんは、別次元だよね」「っていうか別ジャンル?」「他の女の子と一緒には語れないよ」「うん、君は君で十分魅力的なんだけどさ」と口々にたたみかけてきた。愛すべき同僚たちにとって、わたしは「女の子」とは別世界の住人であるらしい。うちのダンナはこれを「異種格闘技」と呼ぶ。

2000年11月01日(水)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)

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