つれづれ日記。
つれづれ日記。

2010年07月28日(水) 病院より

パソコン使っても良いとのことだったので。

術前検査も終わり、さっきまで連れさんや両親がきてくれました。
連れさんがいて本当によかったなあ(しみじみ)。


明日は朝から二時間の手術。ぼちぼちやってきます。






過去日記
2004年07月28日(水) 書き溜め中。その2
2003年07月28日(月) やや復帰

2010年07月26日(月) 遅くなりましたがレスです

>しゃーこさん
いつもありがとうございます。
はい。あせらずゆっくり体を治していきます。元気になったらまた連れさんも含めてみんなで遊びましょう!

> いつも楽しく拝見させ...さん
読んでいただいてありがとうございます。
実家が脳卒中ひいては婦人科(子宮、卵巣腫瘍)の家系なので用心はしていたのですが。それでもそっちの病気にかかるとは思わなかったので驚きました。
本当におちこんでても仕方ないので手術して一日も早くなおるようがんばります。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

明日は入院です。
荷物や書類も詰め終わり、あとは出かけるのみ。本当はご飯もしっかり作りたかったけど途中でダウンしちゃいました。まだまだ本調子じゃないのかなあ。

何はともあれ明日からぼちぼちがんばってきます。






過去日記
2006年07月26日(水) 母について
2004年07月26日(月) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,15UP

2010年07月23日(金) 日程が決まりました

27日に入院して29日の午前中に手術。経過がよければ8月はじめに退院です。
腫瘍は前回から変化がないので温存で大丈夫そう。ただし用心のために放射線治療をするだとか。

一番気にしていた子どものことは……


不可能ではないのでしょう。たぶん。
ただちょっと。疲れてしまいました。









現実は、優しくないです。











それでもいつか。前向きになれるようにがんばります。






過去日記
2004年07月23日(金) 「EVER GREEN」6−9UP
2003年07月23日(水) ひさびさー

2010年07月12日(月) 委員長のゆううつ。その2−42

 自分の声で目が覚めることってあるものなのね。
 妙なところで自分自身に感心する。時間は早朝六時。いつもの習慣で洗面と歯磨きをする。歯ブラシはあらかじめ持ってきておいた。
「少しは元気でたかい?」
「おかげさまで」
 一緒にいてくれたマリーナさんに頭を下げる。
「礼ならそいつにも言ってやりな」
「言葉通じるんですか?」
 霧海(ムカイ)ふうに言うなら海獣って呼ばれる獣。見た目は狼だけど仕草はなんとなく犬っぽくて。問いかけの視線を向けると言わないよりは言ったがいいだろとのこと。確かにこの子にはお世話になったんだ。それぐらいはやらなきゃ。
「ありがとう」
 腰を下ろして。獣の体にぎゅっとしがみつく。怖くないかと聞かれれば嘘になるけど、狼の体からはお日様の匂いがした。本当に犬だったらキスでもしてあげたいところだけど今のあたしはこれが精一杯だ。
「それで。あたしはこれからどうしたらいいんでしょう」
 狼から人魚さんに視線を変えるとマリーナさんは笑みを浮かべた。
「本当に回復したみたいだね」
「いつまでも落ち込んでられませんから」
 落ち込むときは落ち込んで、後は浮上する。引きずってるのは時間の無駄。とっとと反省してちゃっちゃと次に進む。それがあたし、委員長のやり方だ。






過去日記
2004年07月12日(月) 掃除
2003年07月12日(土) やっちゃった。

2010年07月11日(日) 委員長のゆううつ。その2−41

 しほちゃんはえらいね。お母さんの言うことちゃんと守れるもんね。
 ――うん。一人でなんでもできるもん。
 いつも淋しい思いさせてごめんね。
 ――ううん。仕方ないよ。お母さん一人であたしを養ってるんだもん。
 ……ずいぶんませた言い方するのね。
 ――だって本当のことでしょう? お父さんがいないからお母さんが苦労してるんだもん。だから、一杯勉強して、あたしがお母さんを楽させてあげる。
 『お父さん』なんて呼ばなくていいの。クソ親父で充分よ。ありがとう。期待しないで待ってるわね。
 ――いい学校にいくには『ないしんしょ』が必要なんだよね。だったら偉くならないと駄目なのかなあ。
 そうね。みんなをまとめられるくらいのリーダーにならないとね。
 ――りーだーー?
 クラス委員とか学級委員とか。生徒会役員とかね。
 ――セイトカイはだめだよ。
 どうして?
 ――だってものすごく忙しそうだもん。そこそこ楽して好きなことができる役職がいいよ。
 ……どこでそんな器用な手抜きを覚えたのかしら。この子。
 ――安心して。すぐにお母さんを楽してあげる。あと、見つけたらぶんなぐってあげる。
 ありがとう。そこは期待してるわ。私達がこうなったのもあいつのせいなんだから。
 ――うん。そうだよね。だから

「ふざけんなくそ親父――!!!」
 森の中で。あたしの怒声が響きわたった。






過去日記
2005年07月11日(月) 「EVER GREEN」7−12UP
2004年07月11日(日) 異世界召喚もの
2003年07月11日(金) 「EVER GREEN」2−13UP

2010年07月10日(土) 委員長のゆううつ。その2−40

「なんであたし、ここでこんなことしてるんだろ」
 広い湿地帯に一人と一匹。あたしは目の前の獣と対峙しながらひとりつぶやいていた。
「大体、あたしに落ち度はないはずよね。もともと来たくて来たわけじゃないんだし」
 肉球がやわらかい。ぷにぷに。
 狼って明らかに肉食系動物だから、もっと獰猛というか荒々しいイメージがあった。少なくともこんなに肉球が柔らかいとは知らなかった。この世界だけでなのかしら。
「一介の女子高生が見ず知らずの場所で見ず知らずの怪物と戦って生きのこれって一体どこの冒険活劇よ」
 ぷにぷに。
「泣き言の一つや二つ言っても罰はたたらないだろう。
 ぷにぷにぷに。
「怒らないのね」
 猫だったらしびれをきらして猫パンチが飛んできそうなのに。目の前の動物はただただおとなしくあたしのされるがままになっている。まあ猫じゃなくて犬でもなく、狼だけど。
「あたしが悪かったのかな」
 先輩に指摘されたことを反芻する。見た目にだまされちゃいけないってことは悔しいくらいよくわかった。優しくないこともしっかりわかったけど。
『優しくしてほしかったの?』
 本音は優しくしてほしかった。物語の王子様みたいに手をさしのべてほしかったわけじゃない。でも『大丈夫?』の一言くらいは欲しかった。
 あたしが悪かったかどうかはわからない。というよりも、悪いなんて思いたくない。だからといって、このまま落ち込んでるだけじゃ嫌だ。
 狼から手を離して両手で自分の頬を軽くたたく。
「行こう」
 修学旅行はまだ、終わらない。






過去日記
2004年07月10日(土) 今日はものすごく暗いのでご注意ください
2003年07月10日(木) SHFH7−1

2010年07月09日(金) 委員長のゆううつ。その2−39

 今回の目的は父親を捜し出すこと。でも生まれてこのかた十六年も会ったことないし、これで見つかればもうけものとばかりで着いてきた。何よりも無理矢理だったし。
 だけど、自分の不満を周りにぶちまけたところで何も変わらないのもわかっている。むしろ空しさが増強するだけだってことも。
「あたし、何やってるんだろう」
 誰にともなくつぶやく。ついでに膝もかかえてみる。
 知らない場所で、知らないもの、見たことも聞いたこともないものを発見して。ついでにお土産なんかを買ったりして。普通の修学旅行ならそれでいいんだろう。でも今いる場所は異世界で。見ず知らずの動物――海獣に襲われかけてあやうく死んでしまうところだった。
 でも、マリーナさんの言うようにしょげて落ち込んで終わりというのもシャクすぎる。じゃあ、あたしは今からどうすればいいんだろう。
 膝の間に顔をうずめて考えていると、ふいに足先に暖かさを感じた。人でもなくましてや妖精でもない。現時点で考えられるものといえば。
「なぐさめてくれるの?」
 あたしの言ったことがわかったかのように。狼はくぅんと小さくないた。ついでに前足があたしの足元を触っていた。目の前に狼。普通は悲鳴でもあげて逃げ出しそうなところだけど、今のあたしにはそんな気力はない。だからといって頭を撫でてあげられるような度胸もなくて。つかず離れずの場所で一人と一匹たわいもない話をした。






過去日記
2005年07月09日(土) やってみました
2004年07月09日(金) 「EVER GREEN」6−7UP
2003年07月09日(水) 某チャットにて

2010年07月08日(木) 委員長のゆううつ。その2−38

 落ち込んでいても仕方ない。膝を抱えていても時間は過ぎてく一方だし、なによりもまた怪物に襲われないとも限らない。
「この子、大人しいんですね」
 後ろをついてくる狼をふり返りながらマリーナさんにつぶやく。犬は嫌いじゃない。飼ってる友達と一緒に散歩だってしたことあるし別にアレルギー持ちというわけでもない。それでも狼と即座に友達になれる人間っているだろうか。
 そういうわけで、狼にはあたし達の後ろをついてきてもらうことになった。マリーナさんが声をかけると二つ返事でこうなった。大人しいはもちろんだけど、賢いのかもしれない。
「マリーナさんはずっとこの世界にいるんですか?」
 歩きながら人魚の女性に問いかけた。
「あんたは今まで別世界に言ったことがあるのかい?」
 質問返しされた。あるわけがない。生まれてこの方十六年、ずっと地球生まれの地球育ちだったんだから。
「まあね。いきなり見ず知らずの場所に来て見ず知らずの化け物と戦えっていうのも無理があるさね」
「でしょう?」
 あたしはあくまで修学旅行という名の父親捜しにきているんだ。しかもリズさんからの半強制の依頼じゃなかったらこんなところ来るはずもなく。あたしはあくまで被害者なんだ。どうしてこんな目に遭わなきゃいけないんだ。
「でも、何もしないまま逃げっぱなしっていうのもシャクじゃないかい?」
 ぐうの音もでなかった。






過去日記
2006年07月08日(土) ネタがなくて申し訳ない
2005年07月08日(金) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,63UP
2004年07月08日(木) ヴィルガスト
2003年07月08日(火) ポッキーとプリッツ

2010年07月07日(水) 委員長のゆううつ。その2−37

 狼。
 英語だとウルフでイヌ科イヌ属に属する哺乳動物。日本ではニホンオオカミが有名だけど、すでに絶滅してしまった。童話だったら赤ずきんとかが有名。哺乳動物とか言われてはいるけれど、
 一メートル以上ある体躯に体重は50キロ前後。あと、広い意味だと犬も狼の一種に含まれるらしいけど真相はさだかではない。
 一言で言えば犬に似た凶暴な肉食獣。そんな動物が今、あたしの目の前にいる。
「な、な、な」
 別にかんだわけでも『な』のついたものを言いたいわけでもない。だって見るからに獰猛そうな獣がマリーナさんの背後に隠れていたんだ。驚かないわけがない。
「あたし、昨日追いかけられたばっかりですけど」
 息を整えてそう告げるのがやっとで。すぐに知ってるよと返されたけど。
「荒療治だと思いなよ。こいつは比較的大人しいやつだからさ」
 比較的っていう言葉がどれくらいを意味指すのかが非常に気になる。
「大きな犬と思って世話してみたら?」
 大きな犬って。大きいにもほどがあるじゃないか。
「お手」
 半ばやけくそで呼びかけてみると。目の前の狼はあたしの手のひらにぽんと足をのせてきた。
「できました」
「言ったろ? 大きな犬と思えって」
 異世界って、本当に不思議なことだらけだ。 






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2007年07月07日(土) なりきりバトンです
2006年07月07日(金) 「EVER GREEN」9−8UP
2005年07月07日(木) 七夕でしたね
2004年07月07日(水) ページ変更
2003年07月07日(月) 休みだー!

2010年07月06日(火) 委員長のゆううつ。その2−36

 修学旅行と銘うった異世界旅行も五日目。
「リズ達は先に行っちまったよ」
 そこに叔母さんや先輩達の姿はなく、代わりにいたのはマリーナさんだった。
「マリーナさんは行かなかったんですか」
「土地勘のない人間を一人にしておくわけにもいかないだろ」
 昨日のあたしとまったく同じことを言った。確かにこんなところに一人取り残されたら最悪命を落としかねない。
「何かあったんだろ?」
 腫れるといけないと思って昨日はぬれタオルで顔を冷やしておいたのに。そう言ったら顔に出てるって言われた。
「異世界デビューに失敗しました」
 膝をついてぽつりと昨日の一部始終を語る。巨大うさぎに遭遇したこと。逃げるばっかりで何もできなかったこと。先輩と喧嘩した――というよりも、一方的に落ち込んでしまったこと。
「あの子なりに気を遣ってくれたんじゃないのかね」
 話し終わった後にマリーナさんが言ってくれた。初心者が異世界で何もできないのは当たり前。いちいち落ち込んでたら話が先に進まないとのこと。じゃあ先輩も初めてこっちに来たときは何もできなかったんでsかと尋ねたら、はじめから一通りのことはできていたそうだ。世の中、何か不公平な気がする。
 でも。
「マリーナさんがいてよかったです」
 目の前の女の人に頭を下げる。一人だったら心細かったしかといって先輩だったら気まずかった。カリンくんでもよかったかもしれないけど、今は同性にそばにいてもらったほうがほっとする。
「あたしだけじゃないよ。こいつもいる」
 そう言って視線をあたしから、後ろの方におくる。そこにいたのは一匹の巨大な犬――いや、狼だった。






過去日記
2006年07月06日(木) 少年陰陽師
2005年07月06日(水) め。
2004年07月06日(火) SHFH12−7
2003年07月06日(日) たなばた。

2010年07月05日(月) 委員長のゆううつ。その2−35

 一言でいえば甘かった。
 異なる世界と書いて異世界。生まれ育った世界とは違う以上、ここでは常識は通用しないんだ。
 周りには先輩以外誰もいない。
「自分の身は自分で守る。これが世の中の常識」
 それとも誰かに守ってもらいたいタイプ? と表情で聞かれ頬に赤みがさす。
「……っ」
 手のひらで顔の涙をぬぐう。声をあげるのはやめた。自分が負けたような気がして嫌だったから。
「あたしは先輩と違いますから」
 先輩と違って異世界にも慣れてないし化け物と遭っても逃げるしか能がないしがない女子高生ですから。
「リズっち達は先に行ったよ。どうする?」
 ここで一人になりたいって言ったら一人にさせてもらえるんだろうか。でも見ず知らずの場所で置いてけぼりにされるほど怖いものがないってことも知ってる。
「行きます」
 涙をぬぐって顔を上げて。
 修学旅行は始まったばかりだ。
 






過去日記
2007年07月05日(木) バトンです
2006年07月05日(水) ブレイブ・ストーリー
2004年07月05日(月) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,14UP
2003年07月05日(土) SHFH6−8

2010年07月04日(日) 委員長のゆううつ。その2−34

 目を開けるとそこにあったのは横に倒れた巨大うさぎ。体にはナイフが深々と刺さっている。大きさからいって包丁と同じくらいか短剣と呼んでもいいだろう。
 近くには子うさぎがいる。体をすりよせて、まるで親が目覚めるのを待っているかのように。
「見た目にだまされちゃいけないよ」
 手には獣にささったものと同じナイフ。彼が投げたということは一目瞭然だった。
 かわいそうじゃないですか。とは言えない。先輩が助けてくれなかったらあたしはたぶん、かみ殺されていただろうから。
 だけど。
「初歩の初歩。あと逃げるなら逃げるでちゃんと視野をいれておかないと」
「……あたしが悪いんですか」
「違うよっていってほしい?」
 あたしがいなかったら目の前の獣は死ぬことはなかった。食物連鎖の知識くらいあたしにはある。 
 だけど。
「先輩は、優しくありませんね」
「優しくしてほしかったの?」
 即答で返された。しかも笑顔で。
 本当に優しくない。






過去日記
2005年07月04日(月) 「EVER GREEN」7−11UP
2004年07月04日(日) 人は二週間でどれだけ成長することができるのか?
2003年07月04日(金) EVER GREEN2−12UP

2010年07月03日(土) 委員長のゆううつ。その2−33

「来るなーっ!」
 心優しい少女なら、怖くないからおいでとか言って手をさしのべるかもしれない。勇ましい少女なら自分から攻撃したりするのかもしれない。
 あたし高木詩帆はくどいけど普通の女子高生、委員長なのだ。したがってクラスをまとめる力はあっても動物と戦うような技量も度量もない。
 もし仮にも神様の娘さんだとかいう設定が通用するのなら窮地になにかの力に目覚めるだとかいった、それこそとんでも設定とかがあってもよさそうなのに。現実はただただ走って逃げることしかできない。
 加えていえば、あたし、高木詩帆の運動神経はいたって普通。スポーツ選手並みに早くも運動音痴ほどのろくもなく、本当に普通。普通の人間が普通じゃない、かつ足の速い化け物に追いかけられたらどうなるか。答えはすぐにでた。
 草にひっかかってしまい豪快に転んでしまう。立ち上がろうとしても鈍い痛みが邪魔して動けない。どうやらくじいてしまったみたいだ。
 ――死んでしまう。
 率直な恐怖に身をこわばらせる。父親を捜す前にわけのわからない動物にかみ殺されてしまうだなんて。
 もう駄目だ。反射的に目をつぶったその時。
「伏せて!」
 背後からの声にとっさにはいつくばる。同時に響いたのはしゅっという風を切る音。
 それから先は、無言。






過去日記
2005年07月03日(日) おかげさまでと言いますか
2004年07月03日(土) 無謀なこと
2003年07月03日(木) 今さら間違いに気づく奴。

2010年07月02日(金) 委員長のゆううつ。その2−32

 うさぎというものは、目が赤くて長い耳が二つあって。体全体が柔らかい毛で覆われててぴょんぴょん飛んで。冬場になると雪うさぎなんてものも作られたりする。草をはむはむしたり動く様がなんとも愛らしくて。
 そう。草食系。草を食べる比較的大人しい動物のはずなのだ。
 今、あたしの目の前にいる動物はというと、耳は長い。ただし、あたしの腕と同じくらいの長さだ。
 体は柔らかい毛に覆われている。ただし、大きいというよりも単純にでかい。具体的には小さな子どもくらいの大きさ。
 こんな動物が目の前に現れたら人はどう思うだろうか。少なくともあたしはこう思う。怖い、と。
「じゃま、だったかな」 
 異世界の動物だから言葉が通じるとは限らない。そもそも地球でも日本語はまず通じない。危害だって加えられてないし二匹いるだけなら可愛い親子と思えなくもない。
 それでも怖いものは怖くて。おじゃましましたとばかりに後ろ向きに歩く。
 一歩、二歩。
 三歩目後ずさろうとしたその時。その動物は音もなく近づいてきた。
「……っ!?」
 単に一緒に遊びたいだけかもしれない。前向きにそう考えてみる。でも大きな口の中には同じく大きな歯があって。しかも鋭いというよりも硬そうで。赤い目が血走っていることだけは異世界初心者のあたしでもわかる。
 こんな時にあたしができることといえばただ一つ。
 逃げて、逃げて。とにかく逃げる。
 でも見た目と裏腹にものすごく早い。
 悲しいことに、ここだけは地球上のうさぎとまったく同じだった。






過去日記
2007年07月02日(月) とりあえずはひと段落?
2006年07月02日(日) 結婚式
2004年07月02日(金) 「EVER GREEN」6−6UP
2003年07月02日(水) 休日の過ごしかた。その2。

2010年07月01日(木) 委員長のゆううつ。その2−31

 ガサッ。
 たぶん物音だと思う。
「誰かいるの?」
 右を見ても左を見ても誰もいない。
 ふいに今までの会話が脳裏をよぎる。手元にあるのは水の入った桶と水筒。
「カリンくん?」
 霧の中から現れたものは。
「……うさぎ?」
 茶色がかった毛並みに長い耳。猫よりも少し大きいくらいの体躯のそれはうさぎ以外の何者でもなかった。
 うさぎだったら地球でも普通に存在している。小学校の時は友達と一緒に小屋の掃除だってやったし。確か水あげすぎるとよくないのよね。
「怖くないよ。こっちおいで」
 異世界で日本語が通じるかはわからないけれど、物は試しで呼びかけてみる。
 口笛を吹いて、手招きすること数分、うさぎはとことこと近づいてくる。
 異世界でも可愛い動物はいるのね。変なところで感心していると、今度は茂みから物音がした。子うさぎは音のした方角を振り向いている。もしかして仲間か親なんだろうか。
 三度目の物音と同時に現れたもの。
「うそ」
 こんなうさぎ、地球には存在しない。たぶん。 






過去日記
2005年07月01日(金) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,62UP
2004年07月01日(木) SHFH12−6
2003年07月01日(火) 休日の過ごしかた。その1
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香澄かざな 

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