NM Syndrome

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2019年06月30日(日) 感想の備忘録

うーむ、一晩明けてもまだまとまらない。
でもずっと考えている。
考えて人様の感想を読んでまた考えて。
ああこういうのが好きなんだな。
自分で考えられる映画が好きなんだなと。
一から十まで説明される映画ほどつまらないものはないからね。


ちょっとつらつらと。

震災後の石巻が舞台だけど震災のことはそれほど声高ではない。
しかしずっと震災は人々の傍らに、町の隅々に記憶がある。
美波の同級生翔太が、翔太はこれからどうするのと美波に問われ「俺はここから出れねえんだ」(セリフは正確ではない)という言葉があるけど
なんだかそれが石巻や被災地の閉塞感を如実に表している気がした。

郁男だけでなく亜弓も美波も勝美も小野寺も竜次もみんなみんな同じ比重で存在していたと思うが、
あれだけ集中して物語の中に入り込めたのはやはり郁男の行く末が気になったからだ。
そして誤解を恐れずに言うならばそれは慎吾が演じていたからだと私は思う。
どうしようもない堕落した情けない男だけど、どこか優しく気弱で根がまっすぐなんだろうなと思わせてくれるのはどこかに慎吾が透けて見えるから。
それは同時に不思議な優しさをもたらしていてどこか現実離れした甘さを生んでいた気がする。
郁男は慎吾でなければならなかった。
観客が最後まで郁男を見捨てられなかったのはそれが慎吾だったからじゃないかなとちょっと思ったり。

あと勝美の方言にホッとしたところもあった。
耳馴染みのある訛りが郁男の心に響いていくのを泣きながら見守ったよ。

まあでも郁男は本当にダメだよね。
勝美が船を売って作ったお金に手を出した時は本気で殴り飛ばしたかった。
おまえいい加減にしろよっ!って。
でもそんな情けないクズ人間の自分を郁男はわかってる。
わかっててやっぱり駄目な方に堕ちていく。
自分で自分のことをろくでなしです、と言えるのはまだ救えるところがあるんだよ郁男。


なんか止めどなく書きそうなのでこの辺でやめる。
邦画苦手だったけど慎吾のお陰で本当にいい映画を見逃さずにすんだ。
ありがとね、慎吾。



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伊波