雲間の朝日に想うこと


< 想いの行き先は正しいでしょうか >


其れは、
根を治める為では無くて。


飽く迄。

軟着陸を果たす為に、
望ましい、
選択肢なのだろうけれど。




少しでも永く、
其の歩みを遅延させて。

穏やかに在らんとする、
術では無くて。


恐らくは。

唐突に途絶えて終う、
其の可能性を、
軽減する為の術なのだ。













其れでも。






一つ、
一つ、
其の選択肢が。

総て、
勝ち戦に成る様にと。



 「早く帰って来てね。」

 「うん。」



斯うして祈る事が。

唯一、
求められて居る事なのだろうか。








あの子は。


 「手術する事になった。」
 「卵巣を一つ取る事になった。」


然程、
利益は望めぬ選択肢に。

一つ、
肯いた。



























傾きが、
緩やかに成る事で。

結果的に稼げる、
其の猶予に。


淡い期待を、
添えて了うけれど。





本当は。




互いの、
其の行く末の選択肢を。

一つ、
狭め奪う事なのにね。






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References
 Jun.02 2014, 「賭事の様な治療でしょうか」
 Jan.01 2014, 「路筋の見付かる旅路でしょうか」
 Jan.11 2013, 「もう一度振り向ける新年でしょうか」







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2014年06月30日(月)


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History
2013年06月30日(日) 独り占めの様な物でしょうか
2005年06月30日(木) 今格下では勝負に成りませんか
2004年06月30日(水) 其処迄信頼出来ぬ存在ですか
2003年06月30日(月) 爽健美茶に負けるのですか



< 気概は想いより重いでしょうか >


意地と、
無茶の、
其の境目の在処を。

見極められる程の、
術は。


未だ。

持ち合わせては、
居ないけれど。




少なくとも。

悲惨と感じて居た、
其の当時を、
思い起こさせた事こそが。


既に。

意地で押し通す段階では、
無い事の、
証拠に他ならない。






其れでも。


其れでも尚。

意地を通すのでは無いかと、
怖れ。





祈る様に。

返信を、
待ち続ける。


























自身の気概と、
互いの想いの深度とを。

天秤に乗せ。


 「一番嫌な事だけれど。」
 「こんな頼り方して御免。」

 「良かった。」
 「意地張られたらどうしようかと想ってた。」

 「口座番号はね。」

 「了解。」


あの子は。

想いを選んでくれた。





















総てを奪われて。

不器用に、
逃げ出すしか無かった、
其の刻。


 「手出しの療養費払ったら現金無くなった。」
 「何か離婚前後の数日間を思い出す。」


其処へ、
自ら進んで戻る事は。



自身の歩みも、
此の想いも。

自ら全否定して終う事と、
同義の気がするんだ。






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References
 Sep.21 2011, 「照らせる深さでしょうか」
 Dec.08 2001, 「気になり始めているのですか」







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2014年06月29日(日)


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History
2009年06月29日(月) 対象者だから分かるのでしょうか
2005年06月29日(水) 意思より周囲が先でしょうか
2004年06月29日(火) 井の中の蛙は安心でしょうか
2003年06月29日(日) 喧嘩の種を贈るのですか



< 期限を踏まえた贈り物でしょうか >


誠。

嘘。

探り。

誘い。

比喩。

狂言。

そして本心。



言の葉は。

様々な想いを宿す事が、
出来るから。









此れ迄と、
同一の刃なのか。

其れとも、
異なる意図を籠めたのか。



幾つかの欠片を、
縒り逢わせ。

必死に、
潜り込むのだけれど。
















其の遑を許さずに。

あの子は、
言の葉に蓋をした。























 「誕生日プレゼント頂戴。」
 「やっぱいいや。」














期限の迫って居る事を、
互いに、
認識して居ると。

認識した上で。


言の葉を、
敢えて放ち。

そして、
直後に仕舞い込む。





此れ迄の、
あの子の言の葉の、
使い方と。

少し違う、
そんな気がするんだよね。





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References
 May.30 2013, 「何年費やした答でしょうか」
 Aug.02 2004, 「挑発の応えに成り得る質でしたか」
 Aug.15 2002, 「安堵しても良いのですか」
 Dec.18 2001, 「どこまでが本音ですか」
 Dec.08 2001, 「気になり始めているのですか」







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2014年06月26日(木)


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History
2006年06月26日(月) 例外を認めた上での道でしょうか
2005年06月26日(日) やむを得ず応じたと映るのですか
2004年06月26日(土) 壊れて終えと言う事でしょうか



< 変わらぬ祝いの深夜便でしょうか >


飽く迄。

人は、
変化を検出するから。


質量よりも、
定常状態から逸脱した、
其の差分こそが。

多幸感の、
主因なのかも知れないけれど。




変化の軸に据えられる、
其の要素は。

何を基準に、
選択されるのだろうか。










此れ迄の、
毎年と比べれば。

多分、
想像以上に孤独な一日だけれど。



此処数日の、
毎日で並べれば。

殊更愉快で楽しい刹那に、
違いない。
























 「御誕生日御目出度う。」
 「今日位は贈っても良いかと想って。」

 「うん。」
 「今日位は深夜でも欲しかったの。」




幾年も変わらぬ、
普段通りの電信も。



決め事を破って為す、
振る舞い故に。

其れが、
一層魅惑的に想えて了う。


















本来は許されぬ。

真夜中の、
病室との行き交いも。






今日位は。

今年位は。


きっと、
大目に見てくれるよね。





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References
 Jun.21 2013, 「二人に戻れる瞬間でしょうか」
 Jun.21 2011, 「変わらぬ価値が在るのでしょうか」







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2014年06月21日(土)


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History
2013年06月21日(金) 二人に戻れる瞬間でしょうか
2011年06月21日(火) 変わらぬ価値が在るのでしょうか
2010年06月21日(月) 真偽に未だ意味が在るでしょうか
2009年06月21日(日) 一種の約束でしょうか
2008年06月21日(土) 求心力の一つでしょうか
2007年06月21日(木) 縒り逢う様に在るのでしょうか
2005年06月21日(火) 本心は望まぬ出来事なのですか
2004年06月21日(月) 脱げる相手なのですか
2003年06月21日(土) 幸せ太りに変えられるでしょうか



< 何時か一緒に歩けるでしょうか >


見回しても、
他人ばかりの空間に。

幾日も、
幾日も、
閉じ籠もる事は。


時に。

想いを、
想いで無くして終うから。




互いの日々の一瞬を。

擬似的に、
重ね逢わせて。


其の想いを、
再認する作業だろうか。







其れとも。






見回しても、
壁ばかりの空間に。

幾日も、
幾日も、
閉じ籠もる事が。


時に。

人を、
人で無くして終うから。




自身の手には出来ぬ、
其の風景を。

擬似的に、
此の眼に入れては。


人で在る事を、
想い出して居るのだろうか。




















 「小坊主が散歩して。」
 「散歩画像を贈ってくれれば良いんだよ。」


あの子は。

一つ、
希望を口にした。





















 「散歩に行きたい。」


嘗て。

俺が零した言の葉と同じ、
あの子の想いに。



 「何時か一緒に行こうね。」


嘗て、
あの子が返した画と、
同じ様に。


一つ、
一つ。

眼前の画を贈り返す。









あの子が。

何度も散歩に出ては、
方々の画を、
贈ってくれた事を。



想い出しながら。





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References
 Apr.10 2011, 「逆向けの春風でしょうか」







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2014年06月18日(水)


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History
2006年06月18日(日) 四年目の初心は如何でしょうか
2005年06月18日(土) 二人で治す事は不可能ですか
2003年06月18日(水) 必要な秘密でしょうか
2001年06月18日(月) 逃げているだけじゃないですか



< 何を見て居たのでしょうか >


雑多に保管された、
其の、
幾多の欠片が。


一定の要素で、
結び付けられる事で。

益の在る情報へと、
姿を、
変えるから。




自身には、
無価値で在った記憶が。

時に、
其の重みを増す事が、
在っても。


何ら。

不思議な事では無いのだけれど。










殆ど意識せずに、
埋もれて了った破片は。



大抵。

必要な時期には、
此の手に、
戻って来ないのだ。















今頃。

今更。


欠片が、
結び付けられた事の、
意味を。

自身に問い掛ける。

















今は見慣れた、
其の文字に。

もう何度も呼んだ、
其の名前。



 「凄いの出て来ちゃった。」

 「小坊主に焼酎贈った時の?」

 「此れって実家の住所だよね。」

 「離婚寸前の頃だよ。」
 「今は交流も感傷も無い実家だけれどさ。」



十数年以上も前の、
控え伝票が。


開かずの箱の奥底から。

記憶と供に、
引き摺り出された。



















其の頃から。


幾つものあの子を。

俺は、
知って居た筈なのにね。





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References
 Dec.08 2001, 「気になり始めているのですか」
 Jul.04 2011, 「どの辺りがらしい形でしょうか」







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2014年06月08日(日)


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History
2005年06月08日(水) 無意識に脱ぐのでしょうか
2004年06月08日(火) 今から来られるじゃ駄目でしょうか
2003年06月08日(日) 鬼になれますか



< 賭事の様な治療でしょうか >


時を巻き戻すには。

既に、
時間を費やしすぎたから。



其れが。

期待通りに振る舞う可能性は、
然程、
大きく無い。







其れでも。



自身の、
体力や気力や状況や資金を、
鑑みて。

此処が時機と、
見定めたのだろうか。













少しでも前を向いた、
想いで。


其れが、
形創られて居る事を、
希う。
























 「行って来るね。」
 「上手く行かなかったら此の儘音信不通だね。」
 「ほぼ末期での化学療法は賭だから。」
 「知ってると思うけれど。」


あの子は、
そう言い残して。

覚悟の旅路へと、
向かう。
















最後の誕生日を。

無事に、
祝ったから。





何方に転んでも良いと。

あの子は、
踏ん切りを付けた心算なんだろうな。





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References
 May.13 2014, 「身体に予感を訊いて居ますか」







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2014年06月02日(月)


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History
2011年06月02日(木) 過去の真が垣間見えますか
2004年06月02日(水) 寄り添う事は想いでは無いのですか
2003年06月02日(月) 少し塩辛いでしょうか





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