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街中が金木犀の香りに包まれ始めた。 そっちこっちから匂ってきて、ああこの家にもあるんだ、ここも咲いたねとか思いながら通り過ぎるのはすこぶる楽しい。 いい季節だ。 ちょっと暑いけど。 「死亡通知書 暗黒者(周浩暉)」読了。 自分でもびっくりするほど一気に読み終わった一冊。 粗が見えても動機が薄すぎても感情の機微に繊細さがなくても行動が緻密なようでなんでこれを放置する?と疑問を覚えるのが多々あっても。 それら全ての瑕をひっくるめて引っ掴んだまま駆け抜けていくエネルギーがある。 詰め込み過ぎでパンパンなストーリーに胃もたれしながらも読まずにいられない。 あー面白かった。 この強引な力業は日本の作家にはあまりない資質だなあ。 良くも悪くも日本の推理小説はタガが外れたようなところはないもの。 正直文章は(翻訳のせいもあるのか?)単調で上手くはないが時々面白いフレーズがある。 ストーリー的には慎吾がやったドラマのアノニマスを彷彿させた。 法で裁けない悪を勝手に裁くエウメニデスと羅飛や省都の警察との戦いは警察側の後手後手でちっともカタルシスはないけれど 警察側もこんなに秘密を抱えている人ばかりじゃなかなか先手は取れないよねえとか思ったり。 18年前の爆殺事件は多分そうだろうなと思った通りだったけどちょっとそれはあんまりでは? 動機が薄いのに選択した行動はそれで正義なの? そもそもなぜ彼らを巻き込んだんだ.....。 18年の長きに渡って苦しみ続けた羅飛が可愛そうだとは思わないかおい。 そして冒頭の手紙はネタバレしていると思うよ。うん。 2008年発表だから今ならインターネット大国の中国もまだWi-Fiが出回り始めたばかり? Wi-Fiにパスワードをかけていなくて回線にタダ乗りされたことで怒られるネット管理者とか出てきて時代を感じた。 が、これで第一部。 おーい、続きはいつ出ますかー。 エウメニデスを継いだヤツは誰? 彼ではないの? 早く翻訳して下さいハヤカワさん。 あと奇しくも似たような選択をした主人公の小説を2冊続けて読んでしまったので苦笑い。2冊、いや3冊か? 羅飛が2つに一つの選択をした時、コインは裏返った。 しかし、コインは裏と表があるのだ。 その時に裏が出たからといって表がないわけではない。 ただ、「悪と、その上をいく悪の二つしか選べなかったからだ」 そういうの嫌いじゃないんだよね。
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