NM Syndrome DiaryINDEX|past|will
読了。 個人的には今年1,2を争う好みの本だった。 途中もやっとしたので一旦休憩を挟んだのも良かったのかもしれない。 よくよく考えたらあの男がそんな間抜けなことをする? もっとずっと頭がキレる筈。 としたら.........と思ったらビンゴ。 そうでしょうそうでしょう。 そうでなくては、と胸のつかえが取れましたことよ。 なんのこっちゃ感アリアリなのでこの先はネタバレ大ありです。 思いの丈をつらつらと列挙。 まずはティリーに幸いあれ。 彼女の存在がどれだけ救いになったことか。 ティリーはきっとポーのストッパーになってくれる。 ダークサイドに半身を置くポーを引き上げるティリーは天使だ。 しかも片腕として超頼りになる天才だもの。 彼女を大事にしてねポー。 ポーは暴力的と称されているが切れ者だししかも神懸かり的に直観力に優れている。 時々それは上手くいきすぎでは?と思わないこともないが、反面それがカタルシスを与えてくれるのも確か。 おそらくそれがリーダビリティに繋がっているんじゃないかと思う。 まるでアメリカの警察もののような雰囲気が終始どこかに付きまとったのはなぜだろう?気のせい? でもそれが逆にイギリス特有の陰鬱さを薄めて読み易くしていたのかもしれない。 イモレーション・マンの正体はごく初期の段階で気づくと思う。 どう考えても警察の手の内を知り尽くしてその間隙を縫って犯行に及んでいるんだから内部の人間でしょうに。 ただそうするとそれはキリアンしかいなくて。 ポーの子供時代からの親友キリアン。 そう考えながら読むのは結構きつい。 覆せるものが見つかれば、と思いつつ、でも見つかるのは児童養護施設とか慈善パーティとかで、そこから連想されるのは児童虐待しかなかった。 だから、そういうことに.........。 キリアンの告白の場面はなぜかこちらのテンションがどんどん下がっていった。 いやいや、この展開は何かが違う。 もやもやもやもや。 ポーはキリアンを見捨てるような男じゃないよ? それを一番知ってるのはキリアンでしょ? なのに、あんなところに証拠を置く? ここで一旦休憩を入れたのが良かった。 自分でキリアン目線に立ってみる。 そう、そうだよね。 全てを見通したらやっぱりバックアップを取ってるに決まってる。 そしてそれを直接ポーに届ける筈。 でもまさか、あんなところにあるとは思わなかった。 もうずっと前から証拠はここにあったんだ。 それだけキリアンはポーを信頼していたと思っていい? しかし、とんでもない切れ者だなキリアン。 最後のポーの推察は、むしろそう考える方が無理がない。 だから少年たちと一緒に埋葬はしないでくれ、なのかなと(それは自分じゃないから) もしそうならどこかでまた会うこともあるのだろうか。 追記。 先日NHKBSでやっていたストーンヘンジ七不思議でイギリス中に残るストーンサークルの中で面白いものを幾つか上げていたんだけど、 その中に作中に出てくる鉄道が真ん中を突っ切っているストーンサークルがあった。 そうか、ここが事件現場になったんだ。 というのを思い出した。 地図が添付されてたら場所の確認ができて良かったな。
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