2008年07月17日(木)  最近食べたお菓子

会社に勤めていた頃、朝出社するとオフィスのあるビルの地下の喫茶店でモーニングを食べ、ランチの後にお茶をし、午後はカフェでアイデア出しをし、知り合いが訪ねてくればまたカフェへ行った。お茶するために会社に行っているようなものだった。会社を辞めてフリーになって、その機会がめっきり減った。喫茶店で顔合わせや打ち合わせをすることはときどきあるけれど、打ち合わせ相手に「お茶しない?」と声をかけるのは毎日顔を合わせる同僚たちに比べてハードルが高い。そういうわけで、このごろはもっぱら家でお茶している。

最近食べておいしかったもの。先日バレエを隣の席で鑑賞したカヨちゃんがおみやげにくれた神楽坂のPetit Bave(プティ・バーブ)というお店のクッキーいろいろ。「baveってフランス語でよだれって意味なんだって。フランス人とのハーフの友だちが、お店の前を通る前に笑うの」とのこと。お隣には「Bistro de bave」(よだれビストロ)があるそう。たぶん「よだれが出るおいしさ」という意味を込めたのだろうと想像。その意図を汲み取れる、ちょっぴりよだれが出る味。

日光の『明治の館』はティールームの雰囲気が大好きで、何度か行ったことがある。ニルバーナというチーズケーキが絶品で、上品な甘さのヨーグルトも絶妙なおいしさ。乳製品系が強いのは、近くの牧場から新鮮な牛乳が運ばれてくるからだろうか。いただきものの焼き菓子の圧倒的な幸福力も、優秀なバターの賜物かも。

焼き菓子といえば、銀座プランタン地下に入っているmielのドーナツをようやく体験。ドーナツを揚げるのではなく焼くという新発想が売りで、未知との遭遇を期待したのだけど、食感も味も固めのカステラのような感じ。「焼きドーナツ」といえば新しいけれど、「穴のあいたカステラ」とも言える。開店して間もない頃は一時間待ちの行列が伸びていたけれど、今日は待ち時間ゼロ。皆さん、一度食べて納得してしまわれたか。

うまいと評判のドーナツをあちこち食べ比べているけれど、近所の豆腐屋・太田屋の「おからドーナツ」の右に出るものがなかなか現れない。おいしい豆腐は揚げてもおいしい。揚げ菓子独特の油感を味わえるのに、5個入りパックを一気に平らげても胃がもたれない軽やかさ。5個350円というお値段もブラボー!

そして、7月前半に食べたいちばんおいしかったお菓子は、知人宅でごちそうになったケーニヒスクローネのシュークリーム。ここのお菓子はことごとくわたし好みだけど、シュークリームは初めて。栗入りシューの、その名はミュンヘン。チョコ味よりオーソドックスな皮が好み。シュークリームランキングの2位に浮上する勢い(一位のウエストは不動)。

2007年07月17日(火)  マタニティオレンジ147 働くお母さんの綱渡り
2005年07月17日(日)  阿波踊りデビュー
2004年07月17日(土)  東京ディズニーシー『ブラヴィッシーモ!』
2000年07月17日(月)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2008年07月16日(水)  JASRAC著作権料9円!

著作権とはありがたいもので、これまでに脚本を手がけて映画やドラマになった作品の二次使用料が、再放送されたり海外で放映されたりDVDが売れたり借りられたりするたびに入ってくる。月に一度、こういう名目でいくら入りましたという報告書が、わたしの著作権料の管理を信託しているシナリオ作家協会から届くのだけど、報告書に並んだ作品の名前を見ながら、あちこちに旅立った親孝行なわが子たちがせっせと仕送りされているような、くすぐったい気持ちになる。シナリオ作家協会の会費(ひと月3000円)を数か月分天引きされたらチャラという月もあれば、会社員時代の給料ひと月が何にもしないで転がり込むこともある。

たべものソングの作詞も手がけるようになって、こちらはJASRACからの報告書が音楽制作会社経由で3か月に一度送られてくる。先日届いたばかりの最新版を見て、目が点になった。この3か月で発生した著作権使用料は、なんと9円。こんな微妙な数字、稼ごうとしてもなかなか難しい。DVDがどーんと売れたときよりも、1桁の衝撃は大きかった。

2005年07月16日(土)  『リトルダンサー』と『アマデウス』と『マノン』
2004年07月16日(金)  島袋千栄展 ゴキゲンヨウ!


2008年07月15日(火)  6本めの長編映画『ぼくとママの黄色い自転車』撮影中

『パコダテ人』『風の絨毯』『ジェニファ 涙石の恋』『子ぎつねヘレン』『天使の卵』と来て、6本目に脚本を手がけるの長編映画のタイトルは『ぼくとママの黄色い自転車』。2005年秋に撮影された『天使の卵』以来、約3年ぶりの映画で、7日にクランクインし、現在小豆島で撮影中。お天気に恵まれ、とてもきれいな絵(映像)が撮れているとのこと。

監督は『子ぎつねヘレン』の河野圭太さん。声をかけてくださったのは、ヘレンのプロデューサーだった共同テレビジョンの井口喜一さん。アニマルトレーナー(母に会いに行く少年・大志とともに旅をする子犬が登場)の宮忠臣さんもヘレンつながり。さらに、ヘレンで警官役だった阿部サダヲさんが父親・一志役で出演。母親・琴美役は鈴木京香さん。大志少年は『いま、会いにいきます』の武井証くんが演じる。主題歌はさだまさしさんの書き下ろしというのも楽しみ。

原作は新堂冬樹さんの『僕の行く道』。母を想う少年の一途な想いに心を打たれるこの物語に、出産後にめぐりあえたのも何かの縁かもしれない。母親の気持ちが少しはわかるようになってきた今だから、「自分だったら」という目で原作に向き合い、脚本を書けたように思う。「母親とは」「家族とは」……議論を重ね、脚本を作りながら、考えさせられた。映画を観る人にとっても、親子の絆を問いかける作品になりますように。

2007年07月15日(日)  MCR LABO #4 愛憎@shinjukumura LIVE
2004年07月15日(木)  見守る映画『少女ヘジャル』
2002年07月15日(月)  パコダテ語
2000年07月15日(土)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2008年07月14日(月)  英国ロイヤル・バレエ団 日本公演2008『眠れる森の美女』

仕事で行けなくなった友人T嬢の代わりに、上野の東京文化会館で英国ロイヤル・バレエ団『眠れる森の美女』を観る。舞台正面4階席の1列目。オケピも見渡せて、隊形(というのだろうか)の変化もよくわかる。T嬢との共通の友人であり、バレエ公演で何度か顔を合わせているカヨちゃんとお姉さん(いまいまさこカフェ日記の愛読者)と並びの席で、バレエに詳しい二人に解説してもらいながら観る。「ロイヤルバレエ団は世界三大バレエ団のひとつって言われてて、クマテツがいたとこ」とカヨちゃん。「今日はクマテツは出ない?」「今はいないからね」

バレエを観るたび、動く絵画のようだと思う。幕が開き、静止していた人物たちが動き出す瞬間、絵に生命が吹き込まれたようで胸が高鳴る。ロイヤル・バレエ団の衣装は草木染めのような渋い色合いで、和菓子を思わせる。プロローグが終わった休憩のときにカヨちゃんにその話をして、「でも、洋物だからマカロンかな」と言うと、「マカロンはパリオペだね」と言われて納得。たしか『パキータ』を観たのがパリ・オペラ座公演だった気がするが、おいしそうな色があふれて、砂糖菓子のようだと思った。

予備知識のありなしで理解度は大違い。「いちばん拍手もらってた紫の人がオーロラ姫?」とカヨちゃんに聞いたら、「今のは、オーロラ姫が生まれたお祝いに妖精たちがかけつけてた場面。紫の人は、妖精頭みたいなもの」とのこと。眠れる森の美女ってどんな話だったか……糸車が出てくる話だったっけ。プロローグの最後で魔女のような人が出てきて王を激怒させたのは、「この子が16歳になったら呪いがかかる」と不吉なお告げをされたから……ということは、入口でもらった別な『眠れる〜』公演のチラシで知った。

「空席が目立つのはコジョカルが出ないからかな」とカヨちゃんとお姉さん。オーロラ姫役を予定していたアリーナ・コジョカルが首の故障のため来日を断念。バレエに疎いわたしでさえ名前に覚えがあるので、彼女目当てでチケットを買ったファンは多かったはず。休憩が開けて第一幕、今日の代役に抜擢されたロベルタ・マルケスのオーロラ姫が登場。後ろの席の女性二人が文句をヒソヒソ。わたしが見ても、ヒロインの華がなく、「小さい」という印象。舞台の大きさに飲み込まれそうだ。16才という設定だからいいのか、いや、きっとよくない。第一幕の後の休憩はこの話で持ちきりで、「手足が伸びてない」「リフトの位置が悪い」「安心して観てられない」と通な観客たちの手厳しい意見がロビーを飛び交った。「オペラグラスで見たらね、オーロラ、すごい汗かいてたの。すっごく緊張して、強ばっちゃってるんだよ」とカヨちゃん。

そして第2幕、フロリムント王子と夢で戯れるオーロラ姫からは固さがずいぶん抜け、眠りから覚めた第3幕では、これがあのオーロラ姫?と見違えるほど手足がよく伸び、大きく見えた。彼方の4階席からでも表情がやわらかくなったのが感じられるほど。オーロラ姫の成長を見届けて安堵した観客からは心からのあたたかな拍手と「ブラボー!」の賞賛が贈られた。今日が公演最終日ということで、カーテンコールには「SAYONARA」の幕とともに色とりどりのリボンが下がり、有終の美が飾られた。

「オーロラ、どんどんかわいくなったね」とカヨちゃん。「呪いが解けて恋をした変化と考えれば、役作り成功?」「よく眠れて、緊張がほどけたのかもね」などと話す。今後「ロベルタ・マルケス」の名を見つけたら、今日のことを思い出して親近感を抱いてしまいそう。彼女が代役を務めたのは今日が初めてだったのかどうかわからないけれど、昨日は違うオーロラ姫と王子の組み合わせだったらしい。王子は頭髪が薄かったので、上階から見下ろす観客たちは感情移入し辛かったとのこと。以前イギリスで観た『美女と野獣』の野獣の魔法が解けた王子が現れた瞬間、「野獣のままのほうがよかった!」とがっかりしたのを思い出す。イギリス人は日本人ほど頭髪を気にしないのかもしれない。

カヨちゃんとお姉さん、お二人のバレエ教室仲間という初対面のナイトウさんと上野バンブーガーデン二階にある『音音』というお店で、夕食。「今井ちゃんがギエムにサインもらったのってこの店だよね?」などと話していると、隣のテーブルに青い鳥(ジョゼ・マルティン)とフロリナ女王(ラウラ・モレーラ)と思われる二人がやってきた。青い鳥も出演予定だったスティーブン・マックレーがアキレス腱を損傷したため代役だったけれど、堂々たる存在感だったので、「よかったですよー」と日本語で声をかけると、席を立ってお辞儀をしてくれた。

家に帰って調べると、シルヴィ・ギエムに会ったときに観た2005年の『マノン』もロイヤル・バレエ団の公演だった(>>>2005年7月16日の日記 )。バレエ団の名前を失念するぐらいバレエのことはちんぷんかんぷんなのだけど、ロンドンに行かないと観られないすごいものがはるばる上野まで来てくれて、主役交替のハプニングも含めて二度と観られないものを今夜つかまえた、という興奮の余韻はしばらく続きそう。

2007年07月14日(土)  マタニティオレンジ146 コンロの火を消した犯人
2002年07月14日(日)  戯曲にしたい「こころ」の話
2000年07月14日(金)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2008年07月13日(日)  マタニティオレンジ311 東京ディズニーシーでパークデビュー 

一年前、娘のたまの一歳の誕生日祝いに東京ディズニーランド/東京ディズニーシーのパスポートが4枚届いた。送り主のS氏は、わたしが広告会社のコピーライターとして東京ディズニーランド/東京ディズニーシーの広告を手がけていた頃の得意先で、『パコダテ人』以来、脚本家今井雅子を応援してくださっている。

東京ディズニーランド/東京ディズニーシーのことを「パーク」、パークへ行くことを「インパーク」と呼ぶという用語を知ったのも担当時代だった。パスポートを手にしたときから、いつインパークしようか、どちらのパークでデビューを飾ろうか、と考える楽しみがはじまった。わたしはランドよりは断然シー派。開園前から見守り、取材してきた思い入れもあるし、アトラクションに並ばなくても、七つの海の風景を眺め、あちこちから流れてくる音楽に耳を傾けながら歩いているだけで異国情緒を味わえて楽しい。……といったこともコピーでも書いていたけれど、実際そう思う。身長80センチ足らず2才未満のたまが乗れるアトラクションはどのみち限られているし、一家三人でシーへ行ってみることにした。

結果は大正解。たまは「うみ!」「ふね!」と歓声を上げ、シーの街並みを一目見て気に入った様子。おまけに、たまの大好きな「みじゅ!」が至るところにある。水飲み場で手足を濡らし、喉を潤し、水瓶のスプリンクラーの前でびしょ濡れになり、噴水に手を浸し、大はしゃぎ。チップとデールが船からホースで水をまく、というイベントは時間が合わなかったけれど、これに出くわしていたら大興奮だっただろう。

大人には何でもないことを喜ぶ、という発見では、S.S.コロンビア号3階ダイニングルーム脇の誰もいない木の廊下をいたく気に入り、なかなか立ち去ろうとしなかった。日陰でいい風が通り抜け、大人がひと休みするにもちょうどいい穴場。コロンビア号はわたしのお気に入りの場所でもあり、昼食は2階のテディ・ルーズヴェルト・ラウンジで。うまい具合にたまは昼寝してくれ、大人はサンドイッチとお酒を楽しんだ。

シーへ行くと必ず足を向けるのが、本場さながらの歌やダンスのライブエンターテイメントを楽しめるブロードウェイ・ミュージックシアター。これだけはどうしても観たい、とベビーカーで寝息を立てているたまを連れて移動すると、ベビーカーは中へ入れないので、お子さんは抱っこしてください、と言われる。抱き上げた途端、たまは目を覚ましたが、幸いごきげん。ショーがはじまるまでの待ち時間もぐずらず、始まってからは口にくわえていた指を拍手に切りかえた。おしゃれキャットマリーが登場して「ニャーン」とダンスし、『ねこふんじゃった』の一節がピアノで演奏される場面に小躍りし、ドラムを叩くミッキーにノリノリになり、最後まで身を乗り出して見入っていた。場内が明るくなって立ち上がったとき、「ニャーンは?」と舞台に目をこらすたまの表情を見て、急に涙が出てきた。幕が降りた後、ゆっくりと夢から醒めていくときの名残惜しさをこの子も今味わっている、そんな風に思えて、愛しさがこみあげた。親の趣味に無理矢理つきあわせちゃったかなという気持ちもあったので、親が思う以上にちゃんと伝わっていたんだ、と感激した。

アラビアンコーストを歩いていたら突然はじまったストリートライブにも、たまは釘づけ。演奏するメンバーがあまりにも楽しそうで、ずっと聴いていたいほど引き込まれた。飛び入り参加の男性のエアギターがいっそう盛り上げ、たまも一緒になってジャンプ!

もうひとつ欲張って、ロストリバーデルタにあるハンガーステージで「ミスティックリズム」を鑑賞。すごい、という評判を聞きつつ、見るのは初めて。花火や火や水を使った仕掛けに巻き込まれるなら前のほうの席がおすすめとも聞いていたので、一時間前から並んで最前列の真ん中を陣取る。ジャングルに住む動物たちと精霊のダンスは躍動感にあふれ、生命の鼓動が伝わってきて心を揺さぶられる。目の前で太鼓が打ち鳴らされ、頭上を空中バレエが行き交い、数メートル先で火や水が吹き、水しぶきがまき散らされ、たまは目も口も開きっぱなし。大音量を怖がるどころか喜んでいる様子で、最後に客席に向かって噴射された霧にも大人のほうが驚いた。

大人好みなショーをおとなしく見てくれた反面、マーメイドラグーン(人魚姫アリエルと海の仲間たちが住む世界)には腰が引け、「ワールプール」(海草のコーヒーカップ)でぐるぐる回ったのが怖かったのか、さっさと出たがった。「海底2万マイル」の小型潜水艦の中でも表情は固く、アラビアンコーストの「キャラバンカルーセル」(メリーゴーランド)も、乗る前は張り切っていたくせに、動き出すと「おりる」「やめて」とべそをかいた。強がりなくせして、怖がり。「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」(シー版「イッツ・ア・スモール・ワールド」)は安心して楽しめたようで、降りるなり「もう一回」と言った。「エレクトリックレールウェイ」や「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」(蒸気船)に乗せたときの反応はいまひとつだったのに、降りて乗り物の形が見えると、「あれ のる!」とせがむのがおかしかった。

日が暮れてきて、最後に入ったのがアラビアンコーストの「マジックランプシアター」。3Dメガネをかけて飛び出す映像を楽しむ魔法のランプの精ジーニーのショーで、帰り道、「何がいちばん面白かった?」と聞くと、たまは目を指差して「め!」(メガネ)。わたしがディズニーランドのキャプテンEOの3D映像に衝撃を受けたのは高校生のときだった。2才前の初体験は、どえらい衝撃だったかも。夜のショーの前に引き上げ、舞浜駅まで戻ってきたディズニーリゾートライン(今日乗ったすべての乗り物で、これがいちばん気に入った)のミッキー型の窓に向かって、たまは「ミッキー!」としきりに手を振っていた。「また来る?」と聞くと、「くる!」。親子でこれから何回インパークできるかな。

2002年07月13日(土)  『寝ても覚めても』『命』
2000年07月13日(木)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2008年07月12日(土)  ログ解析〜みなさんどこから飛んで来るの?

先日、万葉ラブストーリー募集で審査をご一緒した万葉学者の上野誠先生が「特定の日に、僕のブログのアクセス数がどっと増える現象があるんですよ。どこかのシナリオ学校の先生が、応募するならここを参考にしなさいって教えると、それを聞いた人たちが押し寄せるんですかねえ」と話されていた。残念ながら当「いまいまさこカフェ日記」にはあまり参考になる情報がないので、同じ現象は起きなかったけれど、日によって訪問者の数が跳ね上がることはある。そんなとき、日記についているログ解析機能で訪問者がどのサイトから飛んで来られたか足跡をたどると、にぎわいの原因を突き止められて興味深い。知人や友人が自分のサイトでわたしのことを話題にしている場合もあるし、見知らぬ人のブログで紹介されていることもある。最近では、全日本ろうあ連盟創立60周年記念映画『ゆずり葉』を制作される早瀬憲太郎監督と妻の久美さんのブログから一週間で100を超える訪問者が飛んできた。「成功させる会」に出席した模様を綴った5月31日のいまいまさこカフェ日記へ、7月3日のブログから直行してくる。『ゆずり葉』は公式サイトが開設され、クランクインに向けて準備中。 

いまいまさこカフェ日記が引っかかる検索ワードにもトレンドがあり、新作が制作発表された直後など年に何度か「検索ワード 今井雅子」がにぎわう週間がある。とくにニュースはないはずなのだけど……という場合は、お探しの今井雅子はこちらで良かったでしょうか、と心配になる。同姓同名のヨット選手、料理研究家、画家、医師などがいらっしゃるので、今井雅子違いもありうる。

最近多いのが「Yesterday is history. Tomorrow is mistery. Today is present」のセンテンスを含むサイトを検索して、いまいまさこカフェ日記にたどり着くケース。公開されたばかりの映画『カンフーパンダ』に登場する台詞らしい。6年前にアメリカからチェーンメールで送られてきた長文の最後の一節。全文は2002年6月7日から16日にかけて7回にわけて日本語訳をとともに紹介したのだけど、あらためてこちらにまとめて紹介。『時間という名の銀行』という邦題もつけてみた。わたしに回ってきたメールではタイトルがついていなかったので、6年前に「BANK」という英題をつけたのだけど、もっと気の利いたタイトルがあるのかもしれない。あらためて読み返すと、コピーライターが書いたような明快で説得力のある名文で、映画の決め台詞に採用されるのも納得。『犬と私の10の約束』の原案となった「犬の10戒(The ten commandments of dog ownership)」のようにアメリカでは広く知られたものなのだろうか。

『時間という名の銀行』  訳:今井雅子

Imagine. . . .
There is a bank that credits your account
each morning with $86,400.
It carries over no balance from day to day.
Every evening deletes whatever part of the balance
you failed to use during the day.
What would you do? Draw out ALL OF IT, of course!!!!
想像してみてください
毎朝あなたの預金口座に86,400ドル入れ
次の日には残高を繰り越さない銀行
毎晩 あなたが使いきれなかった残高は 跡形もなく消えてしまう……
あなたなら どうする? 全部引き出すに決まってますよね!

Each of us has such a bank. Its name is TIME.
Every morning, it credits you with 86,400 seconds.
Every night it writes off, as lost,whatever of this
you have failed to invest to good purpose.
It carries over no balance. It allows no overdraft.
わたしたち一人ひとりは そんな銀行を持っています
その銀行の名は 時間
毎朝 86,400秒が与えられ
毎晩 上手に使えなかった分は帳消しにされる
繰り越しはできず 貸し越しもできない

Each day it opens a new account for you.
Each night it burns the remains of the day.
If you fail to use the day's deposits, the
loss is yours.
時間は毎日あなたの新しい口座を開き
毎晩その日の残高を燃やしてしまう
その日の入金を使いきれなかった場合
損失はあなたに跳ね返ってくる

There is no going back. There is no
drawing against the "tomorrow."
You must live in the present on today's
deposits. Invest it so as to get from it the
utmost in health, happiness, and success!
The clock is running. Make the most of today.
後戻りはききません
前借りもできません
今日の預金で今を生きなくてはなりません
時間を投資して できる限りの
健康と幸福と成功を手にしましょう
時計の針は進みつづけています
今日を最大限に活かしましょう

To realize the value of ONE YEAR,
ask a student who failed a grade.
To realize the value of ONE MONTH,
ask a mother who gave birth to a premature baby.
To realize the value of ONE WEEK,
ask the editor of a weekly newspaper.
To realize the ! value of ONE HOUR,
ask the lovers who! are waiting to meet.
To realize the value of ONE MINUTE,
ask a person who missed the train.
To realize the value of ONE-SECOND,
ask a person who just avoided an accident.
To realize the value of ONE MILLISECOND,
ask the person who won a silver medal in the Olympics.
1年のありがたみを知るには 留年した学生に聞きなさい
1か月のありがたみは 未熟児を出産した母親に
1週間のありがたみは 週刊紙の編集者に
1時間のありがたみは 待ち合わせの恋人たちに
1分のありがたみは 電車を逃した人に
1秒のありがたみは 間一髪で事故を免れた人に
1/1000秒のありがたみは 銀メダルに終わったオリンピック選手に聞きなさい

Treasure every moment that you have!

And treasure it more 
because you shared it
with someone special, 
special enough to spend your time.

あなたの一瞬一瞬を大切にしなさい
特別な誰か 一緒に過ごすに値する
誰かと
分かち合った時間は
とくに大切にしなさい

And remember that time waits for no one.
Yesterday is history.
Tomorrow is a mystery.Today is a gift.
That's why it's called the present!!!
そして 忘れないでください
時間は誰も待ってくれないことを
昨日は歴史
明日は神秘
今日は贈りもの
だから「現在」は「プレゼント」なのです

2005年07月12日(火)  『子ぎつねヘレン』打ち上げで ipodをゲット
2003年07月12日(土)  15年目の同窓会
2002年07月12日(金)  『真夜中のアンデルセン』小原孝さんのピアノ収録
2000年07月12日(水)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2008年07月11日(金)  マタニティオレンジ310 「きー」ときどき「あれ?」

娘のたまが通っている保育園の改修工事にともない、来週から仮園舎に移るので、このひと月ほど引っ越しの準備が着々と進められてきた。壁を埋め尽くしていた掲示物は取り払われてのっぺらぼうになり、ブックスタンドは空になり、カーテンは外され、一日経つごとに園舎がすっきりしていく。そんな空気を察してか、保育士さんたちの「もうすぐ引っ越しね」の言葉を理解したからか、昨日、たまはなかなか園から立ち去ろうとしなかった。空っぽのプールの階段を上り下りしたり、庭に停めたおもちゃの車を引っ張ってきたり、鉄棒にぶら下がったり、まるでもうすぐここで遊べなくなるのをわかっていて、別れを惜しむように、いつまでも遊んでいるのだった。

「好き」という言葉を教えたら、「きー」と覚え、心臓に小さな両手を当てる仕草とともに「きー」と言うようになった。「きー」の相手が人や人形のときは、ぎゅっと抱きしめる。今日のたまは、保育園の庭を駆け回りながら、全身で「きー」を表現していた。

素直に「きー」と伝える姿はとても愛らしいのだけど、はぐらかすことも覚え、「ママ好き?」と聞くと、「ママ あれ?」と首をかしげたりする。「じゃあ パパは?」と質問を変えると、「パパ あれ?」。「じいじばあばは?」「じいじ あれ? ばあば あれ?」「じゃあ たまは誰が好き?」と聞くと。「あま!」。自分がいちばん好きなのね、とあきれていると、つけ足すように「ママ きー」と抱きついてきたりして、いい大人がすっかり翻弄されている。

ところで、5月にベビーカーのピンが外れたことを日記に書いた(>>>2008年5月12日 アップリカに教えられたMOTTAINAI)が、昨日だったか、アップリカのベビーカーのリコールの記事が新聞に載った。ハンドルを留めるピンが外れやすくなっていて、苦情が相次ぎ、バランスを崩して子どもがケガをする事故もあったのだとか。中国の工場でネジを締めたのがゆるかったのが原因とのこと。問題となっている車種を見ると、うちが使っているものだった。外れやすくなっていたとはいえ購入してから一年以上持ったわけだから、定期的にネジのゆるみを点検しておけば、外れずに済んだのかもしれない。取り扱い説明書にも「定期的に点検を」と明記されている。だから、不備を公表しなかったアップリカ社を一方的に責めるつもりはないけれど、「ネジがゆるみやすくなっていますので、ご注意ください」と注意を促していれば、防げた事故もあっただろうと思う。うちは幸いピンが外れていることに気づいたのは平らな道だったけれど、下り坂でピンが飛んでいたら……と想像するとヒヤヒヤする。保証期限が過ぎても快く部品を送ってくれ、点検に駆けつけてくれたも来てくれたアップリカの迅速で丁寧な対応に「きー」となっていたけれど、背景を知って、「あれ?」となった。

2007年07月11日(水)  マタニティオレンジ145 皆様のおかげの空の旅
2004年07月11日(日)  ヤニィーズ第7回公演『ニホンノミチ』
2002年07月11日(木)  映画『桃源郷の人々』
2000年07月11日(火)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/28)


2008年07月10日(木)  脚本家デビュー9周年

今日で脚本家デビュー9周年だと知らせてくれる書き込みが「いまいまさこカフェ」にあった。なんとなく今年10周年という勘違いをしていて、シナリオ講座で講義したときも、「デビューして10年ほどになります」などと口走ってしまった気がする。正しくは来年で10周年。記念オフ会をやりましょうという提案もある。そのときに合わせて作品が公開されていて、話題にできると美しいのだけど。

NHK札幌放送局で制作したラジオドラマ『タカラジマ』がNHK-FMのFMシアターで放送されたのが、9年前の今日。FMシアター放送日だから土曜日だったことになる。札幌放送局主催のオーディオドラマ脚本コンクールで『雪だるまの詩』が入選した縁で一本書かせてもらえることになり、デビューのきっかけをつかんだ『雪だるまの詩』のドラマ化作品より先に『タカラジマ』が放送された。ちょうど父イマセンの誕生日と重なり、母に放送日を伝えたら「誕生日プレゼントやね」と言われた。

7月10日は「四万六千日」とも呼ばれ、今日お参りすると、46000日分(365で割ると126年分)のご利益があるのだとか。この日にデビューするのも縁起がいいのだろうか。他に「納豆(ナットー)の日」「植物油の日(710をさかさまにするとOILになるからだそう)」でもある。わたしの好きな甘いものの記念日と重なっていたらより覚えやすいのだけど、納豆や油のように粘っこく(?)書いていこうと思う。

2007年07月10日(火)  マタニティオレンジ144 離乳食も食いだおれ
2005年07月10日(日)  12歳、花の応援団に入部。
2003年07月10日(木)  三宅麻衣「猫に表具」展
2002年07月10日(水)  『朝2時起きで、なんでもできる!』(枝廣淳子)
2000年07月10日(月)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/28)


2008年07月09日(水)   ダニに噛まれたり 毛虫にかぶれたり

「娘にいつか悪い虫がついたら許さん!」とダンナは今から息巻いているが、娘のたまが年頃になる前に悪い虫に悩まされている。朝起きると、首筋や肘や太ももやおなかにダニに噛まれた跡が点々……。大人も被害に遭っているのだけど、子どものほうが肌がやわらかいからか、肌が新しくておいしいからか、集中的に食い物にされている。たしか、去年の梅雨時から夏にかけても悩まされ、3枚で6000円もするダニ取りシートなどを買ったりしたのだが、効き目を実感できないままに涼しくなってダニも引っ込み、忘れていたらまたダニの季節が到来したのだった。

薬を撒いたり焚いたりと化学的なことはあまりしたくないし、どうしたものかとネットで調べてみると、「掃除機をかけるのが何よりの退治法」とあった。ダニ本体や死骸や糞を始末しつつ、餌になる食べこぼしや埃を取り除いておくことで増殖をおさえられる。毎日じっくり時間をかけて掃除機をかける、それだけで激減しますとのこと。たしかに、昼間は遊び部屋にしているところに布団を敷いているので、食べこぼしもけっこう落ちているというのに、掃除機は週一回かければいいほうで、これではダニを養殖しているようなもの。早速こまめに掃除機をかけるようにし、シーツも毎日取り替えるようにしたら、目に見えて噛み跡の点々は減ってきた。必要に迫られない限り家事を手抜きしてしまうわたしに警告を与えるために、ダニ軍団は姿を見せたのかもしれない。

虫といえば、先月なかばの日中に保育園から電話があり、「先ほどたまちゃんがえびせんべいを食べた後に園庭で遊んでいたら、突然痒がり出して全身に発疹が出たのですが……」と報告された。えびアレルギーではないので、原因が考えられるとしたら、庭で何かにかぶれたのでしょうか、と答えて、早めに迎えに行くと、見るだけでこちらが痒くなりそうなブツブツ。お医者さんに診せると、「毛虫かもしれませんね」という診断だった。毛虫そのものにさわらなくても、毛が一本飛んできて当たっただけでもかぶれることがあるという。そのせいで毛虫のすみかである桜の木を切ろう、という過剰な反応もあるらしい。毛虫に住み着かれて食いものにされた上に切り倒されたのでは、桜の木にとっては踏んだり蹴ったりで、なんだか気の毒。

2007年07月09日(月)  マタニティオレンジ143 はじめてのお泊まりに大興奮
2003年07月09日(水)  LARAAJI LARAAJI(ララージララージ)
2002年07月09日(火)  マジェスティック


2008年07月08日(火)  同級生さっちゃんと19年ぶりの再会

高校時代の体操部の同期だったさっちゃんから春にメールが来て、表参道で働いているから、こっち方面に来るときは連絡してね、とあった。2年前に上京するとき、別な同級生からわたしが東京にいることを教えられ、サイトを検索して見つけていたものの、連絡しそびれていたのだという。

ちょうど今日、一年ぶりに表参道で打ち合わせが入ったので、さっちゃんに電話したところ、お昼を一緒に食べよう、となった。打ち合わせを終えて、さっちゃんの会社の方へ歩いていく途中でわたし好みのかばんと目が合った所に、さっちゃんから「今どこ?」と電話。「246にぶつかる手前のカバン屋さん」「じゃあそっち向かうわ」と電話が切れて、ほどなく現れた長身の女の人と目が合った。高校を卒業して以来19年ぶりなのに、お互い一瞬で「あ!」とわかった。9450円から大幅割引の3000円という値段にも恋をして思わず買い求めた大輪の花柄のカバンは「モロッコ生まれ、ロンドン育ち」のSOAKWEARというブランドのもの。さっちゃんに会うために普段歩かない道を歩いていたおかげで、掘り出し物が見つかった。

かまどで炊いたご飯を食べられる大かまど飯 寅福で大皿のお惣菜をつつきながら、近況報告。さっちゃんは大阪にある広告制作会社の東京支社でコピーライターをしていて、大阪では北村想さんの教室で習って戯曲を書いていたのだとか。体操部にいた頃はお互いそんな話をしたことなんかなかったのに、大人になって、ずいぶん近いところにいたことにびっくり。「また書こうかな」と言うさっちゃんに「コンクールに出してみたら?」とすすめたり、どんな芝居が好き、という話をしたり。19年分の積もりに積もった話をするにはお昼一回では到底足りず、また会おうねと約束した。

2007年07月08日(日)  マタニティオレンジ142 布の絵本とエリック・カール絵本のCD
2005年07月08日(金)  いまいまぁ子とすてちな仲間たち
2000年07月08日(土)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)

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