2006年12月08日(金)  マタニティオレンジ40 東大へ行く

生まれたばかりなのに、もうお受験の話、ではなく、文字通り赤門を抜けて東大へ行ってきた。東大はわが家から歩いて40分ほどの散歩コースだけど、今日は研究室からお呼びがかかったのだった。声をかけられたのは、わたしではなく、生後3か月半のたまである。

差出人「東京大学 大学院教育学研究科・教育学部 身体教育学 多賀厳太郎」の封書が届いたのが先月末。「生後3ヶ月齢の赤ちゃんがものを見たり、音を聞いたりしているときの運動や、脳の活動を調べる研究」に協力する「赤ちゃん研究員」を募る内容だった。住所と名前は区役所で住民基本台帳を閲覧して調べられたとのこと。ちょうど10月22日に放送されたNHKスペシャル『赤ちゃん成長の不思議な道のり』を大変興味深く観て、ベビーヨガのクラスでも話題になっていたのだが、番組の中で紹介されていた研究室からの思いがけないお便りに、「すごい!」「面白そう!」と夫婦で興奮した。

今日の主役はたまであり、わたしは「たまちゃんの付き添いのお母さん」。これから行う研究の内容を丁寧に説明され、母親が納得、同意した上で開始。一つ目の研究は、太陽光線よりも微量の光を発する光トポグラフィというミニクリスマスツリー電飾状のものを帽子のように頭にかぶせ、二種類の映像を見た反応を測定。光の反射でブドウ糖の消費量がわかるのだが、ブドウ糖が消費されている部分の脳が活性化しているということらしい。「カラフルなメリーを下から見た映像」と「意味のなさそうな格子模様の映像」が「黒み代わりの花火の映像」を間に挟んで繰り返される。研究員さんに抱かれたたまは興味があるのかないのか、ずっと指をしゃぶっていた。

二つ目の研究は、寝転がした赤ちゃんの両手両足に小さなボールのようなものを着け、手足の動きをコンピュータで分析。左手と頭上のメリー風おもちゃをひもでつなげ、「左手を動かすとおもちゃが動く」ことに気づいたときの反応とその後の手足の動きを追う。たまはまだ自分で物をつかんで遊んだりしないのだが、「今、関係に気づいた」とわかる瞬間があり、その後はしきりと左手を動かすのが確認できた。今度は、左手につけていたひもを今度は左足につけかえ、「左手ではなく、左足を動かせば、おもちゃが動く」ことをいつ発見し、手足の動きがどう変化するかを測定。前の記憶が残っているのか、たまはしばらく左手をしきりに動かしていたが、「左手を動かしてもおもちゃが動かない」ことに苛立ってぐずりだし、退屈して指をしゃぶり始めた。両手両足のボールは止まってしまい、新発見には至らなかった。

謝礼代わりに今日の研究の様子を納めたDVDと「赤ちゃん研究員」の認定証をいただく。たまは1057人目の研究員だった。母娘で記念撮影もしてもらえた。「どこで撮りましょう?」と聞かれ、「研究室らしいところで」とリクエストすると、「毎日ここにいるので、どこが研究室らしいんだか……」と研究員さん。二つ目の研究をしたメリー風おもちゃ(よく見ると、タコ足にリボンと鈴を取り付けた手作り)の前で撮っていただく。多賀研究室では0〜3ヶ月の赤ちゃんを対象とした複数の研究を行っており、赤ちゃん研究員を随時募集中とのこと。

2004年12月08日(水)  『frame』 by Takeshi Sasaki


2006年12月07日(木)  マタニティオレンジ39 税金の元を取る

生後0〜3か月の赤ちゃんとそのお母さんが集う「おしゃべりルーム」という会に出席。区の保健センターの一室、大きなおなかを抱えて母親学級を受けた同じ部屋に、今度は子どもを抱えて集まる。20組ぐらいの母子が順番に自己紹介し、あとは車座で二時間ほどおしゃべり。話題は子どものこと中心というか、子どものことばかりなのだけど、「うちの子、手の甲に蒙古斑があるんです」「指しゃぶりがひどくて」「母乳100%?」「お風呂どうしてる?」「保育園どうしよう」「ベビーカー買った?」などなど話してたら、自分のことを話す時間は残ってなかった。わたしは母親学級では誰とも連絡先を交換するような仲にならなかったのだけど、今日はけっこう話が盛り上がった。ベビーヨガのクラスで習った赤ちゃんが泣き止む「木の上の虎のポーズ」や赤ちゃんが喜ぶ「蝶のポーズ」を披露したり、TOHOシネマズにママズクラブシアターってのがあるよと教えたりして、日頃あちこち出歩いているおかげで話題提供できた。

わたしが住んでいる文京区は東京都で下から五番目の出生率らしく、少子化を食い止めるために頑張っている。区役所のある庁舎内には授乳室やキッズルームがあり、1才を超えると3時間2500円で一時預かりもしてくれる(3時間じゃ何もできない、という声もあり)。今年は「子育てアシストお買い物券」なるものが支給され、わが家も5000円分の買い物券を家計の足しにさせてもらった。乳幼児の医療費が無料になる医療証が交付され、主だった予防注射も無料で受けられ(これは全国共通か?)、BCG接種つきの四ヶ月検診も2日に分けてしっかりやってくれる。子どもが生まれると、「税金の元を取ってる!」と実感できる。

ただ、不思議というか不満というか腑に落ちないのが、役所から届く子育て関連の文書のあて先。「○○○○(子どもの名前)さんの保護者様」という表記でなければ、ダンナの名前。わたしの名前で届いたものは一通もない。「男女協働子育て支援部」からの案内さえダンナの名前だけで、「男女協同ちゃうやん!」と封筒相手に突っ込みを入れた。お役所文書的には世帯主の名前にするのが自然なのかもしれないが、母親のテンションは下がる。予防接種の案内に至っては、ダンナと娘の連名。あて名ラベルに仲良く並んだダンナと娘の名前を見て、「母親はのけものか」といじけたくなった。予防接種に連れて行くのは9割方母親だと思うのだが、保険証の関係なのだろうか。母親の名前だけでは不都合があるのなら、両親の名前をのっけてはどうだろう。脚本家のクレジットと同じく、たかが一行、されど一行。子育ての主役は母親とか言いながら名前を外すのはいかがなものか。そんな矛盾も子どもを産まなければ気づけなかったし、役所の文書ひとつ取っても子育ては発券に満ちている。

2005年12月07日(水)  『陽気なギャングが地球を回す』試写
2004年12月07日(火)  俳優座劇場『十二人の怒れる男たち』
2003年12月07日(日)  どうにも止まらぬ『剣客商売』


2006年12月06日(水)  マタニティオレンジ38 悪いおっぱい

先日、赤ちゃんとお母さんが集まる会に出席したときのこと、指導に当たられた助産師の先生は、「おっぱい先生」だった。赤ちゃんのどんな症状も母乳と結びつけるのである。
ママ1「うちの子、肌が荒れているんですけど」
先生「それはおっぱいが悪いからです」
ママ2「おむつかぶれがひどくて」
先生「それもおっぱいが悪いです」
といった具合。「うちのダンナ、育児を手伝わないんですけど」と言ってもおっぱいのせいにされるのではと心配になるほどだった。乳製品や卵を取ると湿疹やアトピー性皮膚炎になりやすいし、赤ちゃんの不調と母乳は密接な関係にあるのは確かだろう。だけど、気候やおむつ内の湿度だって関係あるはずで、母乳だけが悪者にされては、出してるほうも立場がない。

「赤ちゃんが寝てくれない」のも、「おっぱいが悪い」から。「母乳が甘いと、赤ちゃんは眠りが浅くなります。甘いものをやめればぐっすりです」と言う。勉強になったが、「洋菓子はもってのほかだけど和菓子もダメ。赤ちゃんは小豆が嫌いです」「砂糖は一切ダメ。味付けはみりんで」と徹底され、「栗やさつまいもも甘みが出るから控えめに」とまで言われると、わたしなんかは、自分が不眠になってしまいそうになる。母乳が不安定だった生後一か月頃、一日に大福を四個食べていたら出が良くなった。先生的には間違った和菓子療法だが、「餅はいい」「小豆はいい」と思い込んでいたことによるプラシーボ効果が出たのだから、それでいい。

「おっぱいが悪い」を連呼していた先生だが、「うちの子、8時間ぐらい寝るんです」というママの声に、「それはおっぱいに悪いです」と初めて同情を見せた。それだけ長い時間溜めておくと乳腺炎になるという。眠らないのはおっぱいが悪いからで、眠りすぎはおっぱいに悪い。おっぱいの世界は奥が深い。

「他に質問は?」と見回した先生と目が合ったので、「うちの子、手足が冷えるんですが」と日頃気になっていることを聞いたら、「そういう質問を待ってました」と先生。「それは、おっぱいが冷えているんです。お母さんの食べているものが悪いんです」。タウンミーティングのやらせ発言のようなやりとりになってしまった。「ちなみにお昼は何を食べましたか」と聞かれ、「カレー」と答えたところ、先生はさらに勢いづき、「カレーはおっぱいの質を悪くします。赤ちゃんがいやがります」。四歳のときから隣人のインド人の本格カレーを食べてきた遺伝子を受け継ぎ、妊娠中も毎日のようにカレー味(!?)の羊水で育った娘のたまは、カレー直後の母乳もごくごく飲む。でも、確かにスパイスの刺激は赤ちゃんには強すぎるかも、とここは反省。前日の夕食も聞かれたので、そこは胸を張って「玄米と納豆」と答えたのだが、「玄米は胃に負担をかけるので胚芽米にしましょう」「大豆は三大アレルギー源のひとつなので控えましょう」。消化のいいファンケルの発芽玄米なんですが、と反論するのは遠慮した。

おっぱい先生の指導通りの食生活を送れば、母乳はすばらしい品質向上を遂げるのだろう。でも、その前に、干からびてしまう気がする。

2005年12月06日(火)  戸田恵子さんの『歌わせたい男たち』
2003年12月06日(土)  万歩計日和


2006年12月05日(火)  石井兄弟社の忘年会

金融コンサルティングと幼児教育を手がける石井兄弟社の忘年会に参加。社長の石井至氏は釧路出身。「北海道に縁のある作品が多いから」という理由で、2年前、六本木ヒルズクラブのディナーをごちそうしてくださった奇特な方。会社の忘年会といっても社員はごく一部で、石井人脈の交流会の様相。例年案内メールを一斉送信していたのだが、今年はア行から順に一通ずつ個人宛のメッセージを添えて送ったところ、異様にレスポンスが良く、カ行あたりで定員に達してしまった。というわけで、席次表を見ると、ア行とカ行の人がほとんど。「マスよりも一対一のマーケティングが有効であるとあらためて確認できました」と石井氏。

「シェ松尾のフルコースディナーとワイン飲み放題」に惹かれた人も多かったようで、わたしもその一人。フレンチなんてひさしぶり、というより、出産以来、ワイングラスを傾けることもナイフとフォークをカチャカチャすることもなかなかないし、シャンデリアやふかふかの絨毯も遠い存在。たまに華やいだ場所に繰り出すと、浮世離れした気持ちになる。

友人で石井氏の元部下のナカジ嬢以外は知らない人ばかりだが、左隣エリアの金融関係者さん達も右隣の週刊朝日の記者さんもその向かいの石井さんの部下の幼児教室の先生も楽しい方々で食事がおいしく進む。ななめ前方の長髪の方が一種独特の空気を醸していて「ミュージシャンか画家か」と気になっていたら、ショータイムになると目の周りをラメで縁取って舞台に登場。掟ポルシェという芸人さんだった。もとはミュージシャンらしいが、テレビ東京の深夜番組の「東海道五十三次の川をフンドシで泳いで渡り、男気を見せる」という企画(番組は終了し、DVD化が決定)で知る人ぞ知る存在に。石井氏が大ファンということで、今夜の出演と相成った。「川幅180メートルでも、流されると1キロ」などと番組裏話で会場を湧かせた後、「今からこのハンガーを力いっぱいくぐりぬけます!」と宣言。他には「さんま丸呑み」芸があるらしく、「男気」がこの人の芸風のよう。写真は肩でつかえたハンガーを石井氏に引っ張ってもらっているの図。無事くぐり抜けたかどうかはさておき、過去には「改札を全裸で走り抜ける」企画をやったとか。

前菜は「オマール海老の冷製ロワイヤル デュバリー婦人風 フレッシュキャビア添え」、メインの魚料理は「本日入荷鮮魚のポワレ フランス産野生の茸添え サフランソース」。肉料理の「仔羊背肉のロースト 季節の野菜添え 仔羊の旨みのジュ バジリコ風味」は、体重130キロだった石井氏が「ワカメと羊肉で50キロの減量に成功」したことに由来。50キロといえば、わたしとたまを合わせた重さに匹敵。とんでもない重さだ。羊肉はあまり好きではないけれど、今夜のは「羊」と言われなければわからないほど臭みがなく、それでいて牛のように脂っこくなく、これはうまい。デザートの「フロマージュブランのムースとグレープフルーツのコンフィ 苺のクーリーソース」は苺をふんだんに使い、贅沢ながら軽やかな後味。メニューの絵は松尾氏の手によるもので「K.MATSUI 1983」のサイン入り。「シャガール風ですねえ」と噂する。

久々のフレンチを堪能したというのに、体がすっかり和食党になったのと、母乳育児による万年空腹のせいで、コーヒーを飲み終えると「ご飯が食べたい」モードに。帰ってからご飯を二杯食べる。

2004年8月10日 六本木ヒルズクラブ


2006年12月04日(月)  マタニティオレンジ37 LEGOと想像力 

保育園児を演じた『パコダテ人』の撮影から5年、小学5年生になった前原星良ちゃんと星良ママが遊びに来る。友人代表で届けてくれた出産祝いはLEGO。「わあ懐かしい。昔よく遊んだわ」と言って、カンヌ広告祭で観たCMを思い出した。男の子がギフトボックスを持って大人たちに見せて回る。中をのぞきこんだ大人たちは、「おおっ」と驚かれたり、「へえー」と感心されたり。一体何が入っているのか、観客の興味がいや増した頃に、"Imagination inside."のキャッチコピーと"LEGO"のブランドロゴが現れ、会場からは「おおっ」「へえー」の声とともに拍手が起こった。わたしも思わず拍手しながら、「この人たちもLEGOで大人たちを驚かせたり感心させたりしたんだろうな」と各国から集まったクリエイターたちを見回し、「LEGOでイマジネーションを育んだから表現の道に進んだのかもしれない」と思ったりした。

テレビゲームよりもレゴに夢中な子になってくれるといいなと思う。「レゴは立体で考えられるようになるからいいんだって」と星良ママ。星良ちゃんの類まれなる想像力は、レゴ効果なのかも。やわらかいのはバレエ仕込みの体だけじゃない、柔軟な発想にはいつも驚かされるが、今日はニューヨークのユキちゃんから贈られた指人形を見つけて指にはめるなり、「では会議をはじめまーす。ラクダのこぶは必要でしょうか」と即興の人形劇をはじめた。「こぶの中の油は栄養になるので、あったほうがいいんじゃないでしょうか」「ボクのまわりには干し草がたくさんあるので、こぶは必要ないです」「こぶがあると座りやすいので、長い旅にも役に立つと思います」……。それぞれの台詞がちゃんとキャラクターの言葉になっている。指の動きに合わせたコミカルな語り口に引き込まれて、生後104日目のたまも星良ちゃんにじーっと注目。わたしだったら、「らくだですよ〜。天使ですよ〜。こんにちは〜」とあやしてしまうところ。人形同士で会議をさせるなんて発想が出てこないのは、イマジネーションの欠落。

追伸。日記を読んだダンナが「レゴって何?」と聞くので、「レゴを知らない人がいるの?」と驚いたら、「知らない人がいると想定しないは想像力の欠落だ」となじられたので、いただいたレゴの写真を掲載。口に入れてしまう危険があるので、対象年齢は4才から。

2004年12月04日(土)  『父と暮せば』@岩波ホール
2002年12月04日(水)  カブレラ


2006年12月03日(日)  マタニティオレンジ36 撮影大会 

写真に写るのはあまり好きではないし、撮るのはもっぱら食べもばかり、携帯電話のカメラ機能だって使ったことはなかった。だが、子どもが生まれて状況は一変。携帯で撮るわ撮るわ、あっという間に四百枚。撮った先から友人知人に送りつけ、パケット料金は出産前の二十倍に。請求額を見てのけぞり、慌ててパケット割を申し込んだ。

今日は朝から年賀状用の写真の撮影大会。都合よく笑ったり笑顔をキープするサービス精神は赤ちゃんにはないので、撮る側が粘り強くシャッターチャンスを狙うしかない。動物相手の撮影と同じ。「写真(2D)だと実物(3D)のかわいさを表現し尽くせないのね〜」と親バカ全開しながら、「たま〜、こっち向いて〜」「たま〜、もういっぺん笑って〜」と必死であやしてはバシャバシャ。フィルムだったら何本あっても足りないけど、枚数を気にせず撮れるデジカメはありがたい。

撮った写真で写真つき切手も注文の予定。3週間程度かかるというから、ぎりぎり年内に仕上がるかどうか。どうせ年賀状を書くのは暮れも押し迫ってからになりそうだし。今年9月に登場したフレーム切手のほうが切手感はあるのだが、なぜか80円切手のみ。年賀状用の50円切手需要は高いと思うんだけど。

2005年12月03日(土)  第12回函館港イルミナシオン映画祭 参加2日目


2006年12月02日(土)  マタニティオレンジ35 飲茶再発見

7月に二人目の女の子が生まれた友人のY一家とわが家の親子三人で、新宿・東京大飯店にてランチ。出産前に同じ店で食事したとき、「ここなら赤ちゃん連れで来れそうね」と話していた。トイレにはおむつ替え台があり、お店の人もベビーカーに慣れている様子。湯気の立つ蒸籠を満載したワゴンが行き交う中、赤ちゃん二人はベビーカーですやすや。子どもが生まれてビュッフェ外食が増えたという友人が多いが、適度なガヤガヤワサワサ感があるほうが赤ちゃんは安心して眠れるようだ。ぐずっても、これまたざわめきに紛れて目立たない。

赤ちゃん同士を並べると、信号でも発信しあっているかのように、寝起きや空腹を訴えるタイミングがシンクロする。両家の赤ちゃんがほぼ同時に目を覚ましたので、わたしとY夫人は、おそろいの授乳ケープをかぶって席で授乳。だっこで片手がふさがっていても、飲茶ならパクパクつまめる。モチモチした食感の団子や海の幸たっぷりの餃子も母乳に良さそう。小学一年生のY家の長女ちゃんは、「東京大飯店」の判を押した特大あんまんを注文。「今日はね、赤ちゃんが二人いておめでたいから、これを頼んでみたの」とかわいいことを言う。

食事の後、セレブな品揃えのベビー用品売場と設備の充実したキッズルームと芝生の屋上が評判の伊勢丹新宿店へ。デパートを選ぶ基準も出産を境にがらりと変わってしまっているのが面白い。

2005年12月02日(金)  第12回函館港イルミナシオン映画祭 参加1日目
2001年12月02日(日)  函館映画祭3 キーワード:Enjoy


2006年11月30日(木)  マタニティオレンジ34 六本木ヒルズで『プラダを着た悪魔』

3週間前に『7月24日通りのクリスマス』を観て以来、六本木ヒルズでの2度目のママズクラブシアターは『プラダを着た悪魔』。上映5分前に劇場に着いた途端、目に飛び込んだのは、ベビーカーの列と赤ちゃん連れのママ軍団。ベビーパレードでも開催できそうな賑わいに呆気に取られていると、赤ちゃんを抱っこした方が近づいてきて、「ママ仲間9人で来る約束してたら一人来れなくなってチケットが余っちゃったんですけど」とチケットを譲ってくださる。一人減っても赤ちゃんを入れると16人の大集団。こりゃ遠足だ。

ファッションを題材にした作品に客席を埋め尽くすママが押し寄せたのは意外な気もしたけど、子育てでそれどころじゃなくなっているからこそ、映画で夢を見たい気持ちは強いのかしれない。ママ仲間と話していると、「産後の引き締め下着を買ったはいいけど着るヒマないわ」「最後に買った自分の服はマタニティ服」「鏡を見なくなった」「美容院もなかなか行けなくて」という話になる。自分のことは後回し、なりふりかまっちゃいられない。けれど、忙しさにオシャレを忘れても、オシャレ心を忘れたわけじゃない。わたしもひさしぶりに眉毛を描いて、ベイビージェーンキャシャレルのコートを羽織って出かけた。

今日で生後100日目のたまの首はすっかり据わったので、膝に座らせて観る。横抱きのときより、ずっとラク。このところテレビにも興味を示すようになったが、最後の15分に泣き出すまでは食い入るように目を見開いていた。圧倒的な赤ちゃんの数に対し、泣き声はほとんど聞こえない。カラフルでテンポが速い作品は、赤ちゃんも飽きないのかも。そういえば、『パコダテ人』をキンダーフィルムフェスティバルで上映したときも、赤ちゃんたちは大人しく観ていた。

『プラダを着た悪魔』は日本公開用につけた意訳タイトルかと思いきや、原題は『The Devil Wears Prada』。王道の成長ストーリーで、驚くような展開はないのだけれど、台詞の面白さと編集のテンポの良さで気持ちよく引き込まれる。ファッション業界のウンチクもふんだんにちりばめられ、舞台裏ものとしても楽しめた。カリスマ編集長を演じるメリル・ストリープの存在感に妙なリアリティがあり、「こういう人、いるいる」と思ってしまう。VOGUEの編集長がモデルという原作も読んでみたい。

昨年末に出産した元同僚のミユキちゃんがお母さんと、マタニティビクス仲間のトモミさんがマタニティクッキング友だちのユキさんと来ていた。トモミさんユキさんに合流させてもらい、ウェストウォーク5階のレストランフロアで遅めのランチ。おしゃべりしながら授乳して、ジョエル・ロブション(Joel Robuchon)でパンを買う。ベビーカーはレンタルして行き帰りは抱っこひも。お店の人たちもベビーカーに慣れているので、赤ちゃん連れでも気兼ねしなくていいのが快適。

2005年11月30日(水)  保湿ティッシュは甘かった
2003年11月30日(日)  小津安二郎生誕百年
2002年11月30日(土)  大阪のおっちゃんはようしゃべる
2001年11月30日(金)  函館映画祭1 キーワード:ふたたび


2006年11月29日(水)  日本アカデミー賞PR番組「日本映画のミカタ」

日本アカデミー賞協会」と印刷された封書が到着。来年2月16日に行われる来年2月16日に行われる第30回日本アカデミー賞授賞式を前に放送される《日本アカデミー賞PR番組「日本映画のミカタ」》(仮題)で「貴殿が脚本されました作品を一部使用させて戴くことになりました」というレターが『子ぎつねヘレン』と『天使の卵』で一通ずつ。「映画会社/日本シナリオ作家協会の了承も得ています」とご丁寧な報告。自分が関わった作品がテレビで流れることを事前にお知らせいただいたのは初めてのこと(著作権使用料が振り込まれてから知ることも)。作品を大切に扱っていただいているようで、さすがアカデミー賞と感心。

番組は12月9日(土)10:30〜11:25に日本テレビ(関東ローカル)にて放送予定。今年度公開された作品を網羅する内容のよう。ヘレンとてんたまの出番は一瞬かもしれないけれど、とても元気だった2005年の日本映画を振り返る番組として楽しめそう。

2001年11月29日(木)  2001年11月のおきらくレシピ
2000年11月29日(水)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2006年11月26日(日)  マタニティオレンジ33 百年前の赤ちゃん

ダンナの父方のおばあちゃんは明治39年(西暦1906年)生まれで先月百歳になった。5月に会いに行ったときはおなかの中にいた娘のたまが外に出てきたので、百歳のお祝いを兼ねて会いに行く。耳が遠い以外は元気いっぱいのおばあちゃん、片足立ちでズボンを履けるし、歩くのも問題なし。趣味は草むしり。うれしそうにたまを抱っこしては「3か月なのに、こんなにしっかりして」と目を細めていた。2006年生まれのたまとの年の差は、百歳。百年前は赤ちゃんだったと考えると不思議。たまが生まれてから、「この人にも赤ちゃんの時代があったんだなあ」と想像することが増えた。

一緒に暮らしているおばあちゃんの娘のおばちゃんは75歳。機織り機で織った紫のロングスカートを着こなし、溌剌として若々しい。手作りのクレープに庭で採れたキウイと自分で育てているヨーグルトを添えて歓待していただく。本が好きで、これから『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(米原万里)と『千住家にストラディヴァリウスが来た日』(千住文子)を読むという。「なかなか(天国から)お迎えが来ませんねえ」とおどける100歳の母親に、「あっちも混み合ってるのよ」と切り返す75歳の娘。そんな元気でお茶目な長生き遺伝子を授かっているたまも、22世紀までゴキゲンに生きてくれるだろうか。

2002年11月26日(火)  健康法

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