2005年03月18日(金)  あなたのペンが「愛・地球博」にそびえます。

こないだ『パッチギ!』を観に行って、サトちゃんユキちゃん夫妻のことを思い出した。井筒監督の前作『ゲロッパ!』公開のときに「誰か一緒に行く人いないかなあ」と言ったら「うちのサトちゃんが行きたがってる」と関西人の旦那さんを快く貸し出してくれたのがユキちゃん。話題豊富でいつ会っても楽しい二人だが、サトちゃんの転勤で現在はNYに住んでいる。でも、魅力的な人たちはどこに行っても魅力的な人間関係を築くようで、夫妻がNYで知り合ったという台湾人画家Lin Shih-Pao (林世宝 リン・シィパオ)さんは、話を聞いただけでも「わ、会ってみたい」な人。

1997年にペニー(1セント硬貨)100万枚を集めて、重さ3トンの平和の像を製作。ニューヨークにある国連本部がロビーに展示したいと申し出たものの、作者リンさんの国籍が台湾だったため、常任理事国の中国の反対に遭い、広島大学に創立50周年記念として寄贈された。この像のことは新聞で記事を読んだ記憶があるが、「浮浪者からペニーを寄付してもらったり、寄付してくれる人に郵送代を使わせるのが申し訳ないからって地下鉄で出向いて(当時は1ドル50セントくらい?)取りに行ったりして、時には寄付金より交通費のほうが高かったなんてこともあったみたい。でも、リンさんいわく、そうやって芸術家の”僕”と寄付してくれる”人”が直接交わること自体が、すでにアートの一部なんだって」とユキちゃんが紹介してくれたエピソードに人柄を感じる。

今度の愛知万博「愛・地球博」では、ペンで形造った平和の門を展示することが決定。「ペンは剣より強し」ということらしい。材料となる使用済みペンは一般の人からの寄付を募っているが、「6月までに20万本」の目標にまだまだ満たない(17日現在9万本)。というわけで、サトちゃんユキちゃんファンの一人として、友人リンさんの活動を日本から応援させてもらうことに。勝手につけたキャッチコピーは「あなたのペンが『愛・地球博』にそびえます」。門はリンさんが4月下旬に来日して5月から8月にかけて製作、9月1日〜25日にわたって瀬戸会場内の海上広場にて展示される予定。家に眠っている筆記用具を門の一員に参加させてみようという方、リンさんの活動をもっと知りたい方、www.linshihpao.comへどうぞ。サトちゃんが友情で作ったバイリンガルサイト、よくできていて一見の価値あり。メディアの取材も歓迎しますとのこと。リンさんご本人は、とても純朴で愛せるキャラの人だそう。

2004年03月18日(木)  アドフェスト1日目
2002年03月18日(月)  『風の絨毯』高山ロケ3日目 高山観光


2005年03月16日(水)  春はお茶が飲みたくなる季節

お茶することが何より好きなので一年を問わずお茶が飲みたい季節ではあるのだが、新茶の案内が出回る春は、新しいお茶を試してみたい気持ちに駆られる。レピシエが展開する日本・台湾・中国茶専門店緑碧茶園のお店に行ってみると、春をテーマにした桜や梅のお茶が登場。ネーミングに一目惚れして『春ぽろぽろ』を買ってみる。「グリーンルイボスと日本の緑茶をベースに、フレッシュなラズベリーで香りづけし、紅巧梅の花弁をブレンド」という味は、飲み口すっきり。花粉症対策にレモングラス入り甜茶も。

新茶といえば友人のイラストレーター・ミヤケマイから「セブンイレブンで新茶を予約したら私の湯呑みもらえるよー」と案内が来た。ついに全国キャンペーンのノベルティを手がけることになったか、と嬉しくなって早速予約。頭に湯飲みをのっけたダルマや漢字であしらった「七」と「十一」など、ミヤケマイらしい遊び心が楽しめる『開運湯呑み』は商品と一緒に引渡し。キャンペーンは4/13まで。ミヤケマイの勢いはまだまだ止まりそうにないので、この湯呑みは手に入れておくべし。

お茶の話題をもうひとつ。先月、元同僚(大先輩)で現在はフリーの漫画家、イラストレーター、CMプランナーをされているあしはらたいじさんと飲む機会があり、出身地の熊本日日新聞に連載中という四コマ漫画+コラム『お茶にしましょ』を見せていただいた。落ちがあるようなないような、ほのぼの、まったり系。お茶をするというのは力を抜くということ。

2003年03月16日(日)  Q.生まれ変わったら何になりたい?
2002年03月16日(土)  『風の絨毯』高山ロケ1日目


2005年03月15日(火)  チラシ大好き

■お芝居を観に行って楽しみなのは、折込のチラシ。仕事柄自分がチラシを作る側でもあったりするのでデザインやコピーへの興味はもちろんあるけど、単純に読み物として面白い。裏表で完結するショートショートを読む感覚。わたしは全部目を通して、「あの役者さん、これにも出てる」と発見したり、知り合いの次回作を見つけたりして楽しんでいる。次に観に行くお芝居もチラシで選ぶ。金曜日に行った『絶対王様』の公演は、いつにも増してチラシが多く、厚みにして1センチ以上あった。中身を見てその理由を知る。「絶対王様 笹木彰人より皆様へ」の活字ではじまる手書きのペラによると、「小劇場は宣伝のツールとして『折りこみ』が大きなウェイトを占め」ているがゆえに、希望する劇団さんのチラシをできるだけ断らないようにしてきた結果なのだそう。趣味が合わないチラシはければ席に残してもらえれば絶対王様が処分するが、気に入ったチラシは持ち帰って劇場に足を運んでほしい、と扱い方まで丁寧に書いてあり、「東京には面白くない劇団は星の数ほどありますが、おもしろい劇団もたくさんあります。このたくさんのチラシから新しい出会いが生まれる事を切に希望致します」と結んである。このお断りチラシが今回の一番のヒットだった。■映画のチラシももちろん好きで、中学生の頃は洋画のチラシやパンフやポスターのポストカードを集めていた。ストーリーを一枚で表現するキービジュアルを眺めているのが好きだったし、そこに入っている気のきいたキャッチコピーにも惹かれた。わたしが絵を描いたり広告会社に入ったり脚本を書いたりするようになったはじまりは、チラシだったのかもしれない。

2002年03月15日(金)  月刊公募ガイド


2005年03月13日(日)  宮崎美保子さんの四角い指輪

■猫又短歌の会で知り合った憧れの女性、宮崎美保子さんはジュエリーデザイナーで、T's Collectionというご自身のブランドを展開されている。年に数回自宅で開いているという展示会の案内が届いたので、昨年末の猫又祭の会場にもなった素敵なおうちと美保子さん本人を紹介したくて、ダンナを連れてお邪魔した。ワインとお菓子をいただきながら、アンティークボタンで作った指輪やハートのピアスなどを見せていただく。真っ赤なハートのクッションを見て、「ハート好きなんですよ」と言うと、「あら、わたしもよ」とガラスケースに納めたご自身用のハートコレクションを見せてくれた。美保子さんの指輪は指まわりが「輪」ではなく「スクエア」なのが特長で、指輪ならぬ指角? でも、はめてみると、指にしっくり。一目惚れしたキラキラアメジストの指輪をホワイトデーにかこつけてダンナに買わせる。誕生石だし、ちょうどいい。婚約指輪も結婚指輪もないんですよ、と言うと、美保子さんは「まあ、じゃあ、これからますますいいことがありますように」。こんな風に年を重ねたいというお手本のような美保子さんの作品ということが、わたしにとっては何より価値あること。


2005年03月12日(土)  しみじみ映画『きみに読む物語』

■『きみに読む物語』を新宿ピカデリーでようやく観る。チラシに一目惚れして「絶対観る!」と決めていたのだが、混雑がちょっと治まるまで先延ばしにしていた。2月5日の公開からひと月以上経つが、予告が始まったときには満席。若い頃の二人がキラキラしていて、惹きつけられる。とくに彼女アリーの表情はずっと観ていたいぐらい魅力的。着ている服と靴(足首でリボンを結ぶハイヒール)を観ているのも楽しくて、着替えるたびに、素敵だなあとため息がこぼれた。景色も音楽も台詞も美しいわたし好みのラブストーリーだったけれど、なぜだろう、泣ける映画にならなかった。老いてからの二人にあまり感情移入できなかったせいだろうか。たった一人を愛し抜く素晴らしさよりも、どんなに理想的なカップルもいつかは老いを迎えるという哀しさを受け止めてしまったのかもしれない。小説で読んでいれば、自分に都合のいい美しい老夫婦を思い描くのだろうけれど、スクリーンではそうはいかない。「あなたの大切な人と観て下さい」のキャッチコピーに乗せられてダンナを連れて行ったが、観終わったダンナとはラブラブではなくしみじみとしてしまった。

2004年03月12日(金)  『ジェニファ』マスコミ試写開始
2002年03月12日(火)  FOODEX


2005年03月11日(金)  絶対王様公演『やわらかい脚立』

絶対王様』というインパクトのある名前が気になっていたが、結成して11年になるという劇団の公演をようやく観る機会に恵まれた。一緒に見に行った女優・鈴木薫いわく「役者仲間の間でも、見る価値あるって評判なんですよ」とのこと。広々とした新宿・紀伊國屋サザンシアターはほとんど埋まっていて、固定客のファンがついているのかも。

幕が開く前にまずテーマ曲講座。「クラシック音楽の普及に前向きに真面目に取り組んでいる」のだそうで、今回の『やわらかい脚立〜あなた、存在する意味がありませんよ〜』のメインテーマはチャイコフスキー作曲の『ロミオとジュリエット』。続いて、アンケートに答えた人の中から抽選で当たる賞品の紹介。時計やピアスやアロハシャツなど、なかなか豪華。もちろん説明の口上でも笑いを取る。幕が開くと、ひと芝居あった後で、スクリーンにビジュアル入りクレジットロールが映画のごとく流れる。「寝るとわけわかりませんよ」という字幕の脅しもおちゃめ。実際には次々といろんなことが起こるので、眠くなるヒマもスキもなし。台詞はテンポよくノリよくボケと突っ込みも小気味よく、わたしはけっこう笑えた。

出演は絶対王様のメンバー7人(作・演出の笹木彰人さん、有川マコトさん、菜葉菜さん、入山宏一さん、加治木均さん、郡司明剛さん、小橋川健治さん)の他に5人がゲスト出演。こないだの『Brains』での怪演が記憶に新しいbird's-eye viewの杉浦理史さん、*pnish*(チラシいわく人気イケメンユニット)のリーダー佐野大樹さん、Chintao Records所属の山中崇さん、東京スウィカ主宰の吉田羊さん、そして、ひきこもり青年役が印象的だった中泉英雄さんは映画でも活躍されているそう。

チラシには「人は誰からも必要とされないと存在する意味がないのか?をテーマにした絶望喜劇演劇」とあるが、タイトルの『やわらかい脚立』が「必要とされないもの」の象徴として最初と最後に出てくる。しっかりしてなきゃ使い物にならない脚立だが、ラストではちょっぴり役に立つ使い道が見つかって、その終わり方に救われた。モノもヒトも誰かに必要とされてこそ存在する意味があるわけで、見方を変えれば、何かや誰かを必要とすることは優しさでもある。

2004年03月11日(木)  岩村匠さんと再会
2002年03月11日(月)  漫画『軍鶏』


2005年03月10日(木)  おうちでDVDレンタル『TSUTAYA DISCAS』

■最近仕事をしているプロデューサーに「今井さんは本当に映画を観ていませんね」と呆れられている。あまりに作品を知らないので、「あの作品のあのシーン」と言われても「はあ?」となり、話が通じない、噛みあわない。「先ほどの『フェリーニの道』ってのは、どこにあるんですか」「どこって……TSUTAYAとかに行けばありますよ」。フェリーニは外国の地名ではなく、イタリアが生んだ20世紀最大の映画監督と言われるフェデリコ・フェリーニのこと。■勉強不足を痛感している矢先に届いたのが、TSUTAYA DISCASのDM。予約リストに登録したレンタルDVDを宅配してくれるサービスで、返却は同梱された返信用封筒に入れてポストに投函。わたしが入ったのは月額基本料1344円で、1回2枚を月に2回、計4枚借りられるコース。貸し出し期間は決められていないので延滞料金はないかわり、返さないと次のものが送られてこない仕組み。一本あたりで割ると少々割高だが、店へ足を運び、目当ての作品を探す時間を省けるのがありがたい。もちろん棚を見ながら選ぶのも楽しいのだけれど、本やDVDをamazonで買うようになったのに続いて、DVDレンタルもオンラインに走ってしまった。入会したからには大阪人の元取り根性で毎月4枚しっかり借りるぞ、となるはずなので、一年後には48本観ているはず。

2002年03月10日(日)  循環


2005年03月06日(日)  傑作韓国映画『大統領の理髪師』

■東京では渋谷bunkamuraル・シネマでの単館上映ながら、「いい!」という評判をやたらと耳にする『大統領の理髪師』を観る。観ている間も、観終わっても、「傑作!」と何度も言いたくなる作品。これまで映画で描かれることがタブーとされていた韓国の圧制時代を、フィクションと言いつつ史実を踏まえ、なおかつ理髪師の家族の物語として描いたことで、歴史映画でありながらヒューマンドラマという絶妙なバランスが成立。ユーモアのまぶし方、中だるみのない展開、台詞回しも実にお見事。子どもの拷問シーンの描き方もギリギリのうまい表現だった。理髪師役のソン・ガンホは『JSA』でも『シュリ』でも存在感が際立っていたけど、表情で台詞を語れてしまうすごい役者さん。何たる引力。

2002年03月06日(水)  家族


2005年03月05日(土)  Uzさんの新ユニット『croon』

■同僚Okさんの大学時代からの友人という作曲家のUzさんを紹介されたのは、去年の今ごろ。以来、ときどき三人で集まっては昼を食べながら音楽のことや広告のことやそれぞれが興味を持っていることを話す「パワーランチ」と開いている。たまにカレーが食べたくなるような感じで、しばらく間が開くと、「そろそろパワーランチやりますか」と誰かが声をかけ、集まる。昨日のランチは、Uzさんの新ユニット『croon』の1st content『pain』をおさめたコンピレーションアルバム『NEO GENERATION Vol.2』が先月26日に発売されたことにかこつけて開催。ユニット話に始まり、htmi講座(講師はわたし)、UKロックについての解説(解説者はOkさん)、Uzさんが俳句について語り、わたしが猫又短歌の話をし、Okさんが最近やった結婚パーティーでの出し物の報告をし、いつものことながら話題が尽きない。CDは早速会社のPCで流しながら仕事。友人の本を買うことはよくあるけど、考えてみたらCDって初めてで、なんだかうれしい。

2004年10月26日 ジュアールティー1年分
2004年5月3日 渋谷川ルネッサンス

2002年03月05日(火)  情熱


2005年03月04日(金)  押忍、ひさしぶりの総会っす。

■今週は「押忍」な一週間となった。月曜日の朝、「押忍、本日より東京渉外に来ておりまして、先輩と交流する時間を持ちたいのですが、今日のお昼はいかがでしょう」と電話が入り、学ラン姿の若い現役学生たちと食事。彼らはわたしより10ン年も下の応援団の後輩君たちだが、先輩のわたしのことは予習してあり、飽きさせないように話題をふってくる。最近の若者は言葉遣いがなってないとか礼儀ができてないという声もあるが、応援団員に限っては、しっかり叩き込まれている。わたしの場合、大学で学んだことで社会人になって重宝しているのは、応援団で体を張って学んだことばかり。初対面のおじさんといかに話を長続きさせるか、酒の席をいかに盛り上げるか、面倒くさい作業の中にいかに楽しみを見出すか。不可能を可能にするのは気合とチームワークだということも、団の活動から学んだ。ちなみに「渉外」というのは企業に飛び込み営業をかけて、団の機関誌である「団誌」に広告を掲載してもらうという「広告取り」のこと。わたしは現役時代、大阪渉外を3回やったが、門前払いを食らったり、お説教されたり、愚痴られたりとけっこう大変な思いをした。でも、その後広告会社に就職することになり、この経験が大いに役に立った。広告とメディアの仕組み、営業の厳しさを社会に出る前に身をもってお勉強していたのである。■今日は東京渉外に来ている現役部員の歓迎を兼ねて、年に一度の東京総会。わたしはずいぶん長い間ごぶさたしていたが、ひさしぶりに顔を出してみると、刺激的で面白かった。記念講演は無限責任(無責任ではない)中間法人『アクティブ ケア アンド サポート(略称ACS)』を立ち上げた小池一歩(はじめ)先輩。団関係の集まりがあると明るく声をかけてくださる大好きな人。ACSの事業内容は、福祉施設を客観的に評価し、職員の意識高揚や提供サービスの内容と質の向上につなげる「第三者評価」、同評価のシステム構築支援のほか、福祉サービス施設の運営コンサルタント、福祉サービス従事者の教育・訓練、ISO品質・環境・安全マネジメントシステムの構築支援に及ぶ。真摯に取り組んでおられる姿は話しぶりから伝わるが、まだまだPR不足とのこと。小池先輩のようなあたたかい心の持ち主が日本の福祉を少しでも良くしていってくれたらと願う。■乾杯の後は食事と歓談。出席者は現役5人とOB23名。女性はわたしの他に昭和50年卒団のチアリーダー部の大先輩(当時はバトン部といった)が2人。「上の子が今月結婚する」「孫が生まれた」という両先輩は、とても若々しくてチャーミング。わたしもこんな風に年を重ねて大後輩に「若いですねえ」と言わせたい。宴もたけなわ、現役部員のミニ演舞で締めくくり。気合の入った動きは、いつ見ても気持ちいい。わたしの結婚式のときの演舞は今でも「あれはすごかった」と会社で語り草になっている。その話をして、「自分が結婚するときに演舞できるように、応援団を続けてね」と現役君に言ったら、「先輩も踊られたんですか。それは面白そうですね」。いえいえ、笑い取るために踊ったんじゃなくて……今のわたしからは、マジに踊る姿は想像できないのだろうか。

2002年03月04日(月)  感想

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