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今日も一日中氷雨で寒い。 それなのに小学校の桜はぽつぽつと花が開いていた。 こんなに寒いのに! そういう季節なんだなあ。 これは少しでも気温が上がったら一気に開花しそうだ。 「サーチライトと誘蛾灯(櫻田 智也)」をしみじみと読了。 魞沢泉(えりさわせん)を主人公にした五編を収録した短編集で私にしては珍しく先を急ぐことなくゆっくり読んだ。 解説を読むと泡坂妻夫の亜愛一郎シリーズに影響を受けているらしい。 大昔に読んだ覚えはあるけれどその後読んだ覚えはないからおそらくその当時の自分にはハマらなかったんだろう。 でも年を経た今の自分には案外ハマるのかもしれないなあとサーチライト〜を読みながら思った。 トリッキーでもなく奇を衒った設定があるわけじゃない。 探偵役の魞沢は昆虫好きの割と空気を読めない(計算の上かもしれないが)飄々としたごく普通の男だし、 事件は新聞の三面記事の隅っこに載るようなありふれた(とはいっても人が死んでるけど)事件だし。 ただ、事件の裏にある悲しみや憎しみ、後悔、贖罪などが丁寧な描写で強く心に残る。 特に人の噂と差別と貧困にもがきながら夢を追っていた青年の哀しい選択だった「火事と標本」 信仰と憎しみに心を引き裂かれた牧師とその息子の拗れた関係が祈りへと帰結する「アドベントの繭」が印象的。 軽い語り口なのに心にずしんと来る重さを残していく。 日常の謎に分類されるのか? よくある喫茶店とか小料理屋とかが舞台になる日常の謎は読む気にならないけどこういうのならいいな。 2冊目の「蝉かえる」も購入しているので落ち着いて読みたい時まで取っておこう。 良作だった。
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