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びっくりするほどあっという間に読了。 「妖異幻怪 陰陽師・安倍晴明トリビュート」 作者は夢枕獏、蝉谷めぐ実、谷津矢車、上田早夕里、武川佑の5人。 夢枕は本家筋だからいいとしてあと知っているのは上田早夕里氏だけ。 名前を知っているだけで読んだことはないけど一応チェックには入っている。 トリビュートか〜どんな感じかな〜と薄目で斜めに見ていたのに即行電書で購入したのはレビューが良かったからだ。 特に蝉谷めぐ実の「耳穴の虫」は晴明と博雅の二人の関係性が好きなら読むしかない。 正直二次小説というかファンフィクみたいなものだけどただただ萌えると言っておこう。 感想でもなんでもない。 特に“あの方”が亡くなった時の世界が胸に来る。 この一篇だけでも買う価値あり。 他も良かった。 むろん夢枕独特の幽玄な美しさと醜さは不足しているけどそれでも陰陽師の世界に寄り添おうとしているところは良きである。 博雅好きとしてはこちらも捨てがたい。 「博雅、鳥辺野で葉二を奏でること」(谷津矢車) 怪異としては夢枕に最も近い作品で雰囲気もある。 もう少し葉二(はふたつ)の音色を美しく詳しく描写してくれたらもっと良かったのに。 晴明も博雅も出ないが蘆屋道満の子孫の話である「井戸と、一つ火」(上田早夕里)も面白かった。 「遠輪廻」(武川佑)は更に時代が下り織田信長の時代。 歌に取りつかれた人々が連歌に興じる様はなかなか楽しかった。 在昌と藤孝のコンビはシリーズ化してもいい感じ。 ただ晴明とも博雅とも関係なくなるけども。 まあ賀茂家の話だから全く縁ないわけではないか。 そういうわけでどれも良かったんだけど結局最初と最後に収められている夢枕の話に惹かれてしまうのは仕方ないことだ。 「ゆこう」 「ゆこう」 そういうことになった、は絶対欲しいしね。 いい機会だから積んである本家の陰陽師を読もうか。 博雅の笛の音が聞きたくなったよ。
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