NM Syndrome DiaryINDEX|past|will
うおお困った。 今頃またシュタイナ病に罹ってしまったではないか。 再読すると必ずぶり返すんだから困ったものだ。 シュタイナ好き過ぎる。 ひと頃シュタイナとキャット・シャノンが双璧だったっけ。 ちなみにシャノンはフレデリック・フォーサイスの「戦争の犬たち」の主人公で傭兵のリーダー。 片やクルト・シュタイナはドイツ空軍降下猟兵中佐。 「非常に頭が良くて、勇気があって、冷静で、卓越した軍人……そして、ロマンテックな愚か者だ」 作中でヒムラーがシュタイナを評した言葉だけれど簡潔にして過不足なくシュタイナを表している。 柏葉付騎士鉄十字章を受章するような戦功を立てるほどの軍人でありながら見ず知らずのユダヤ人の少女を助けて懲罰任務に送られてしまう。 この時のやり取りがまた良い。 「彼らはなぜか私には理解の出来ない理由である種の忠誠心を私に抱いているのです。あなたが私だけで満足して彼らがしたことを見逃してくれる可能性は無いだろうか?」 「全くない」ユルゲンシュトループは言った 「だろうと思った」「私は常々一目見ただけで犬畜生のような人間の見分けが付くことを自慢にしてるのだ」 翻訳が硬くて古いと言われる菊池光氏だけれど(ちなみに先程はロマンティックをロマンテックと訳している)シュタイナのような男にはぴったりの訳だと思う。 余談ながら菊池光氏は大好きなディック・フランシスやギャビン・ライアルも訳しているから私は菊池光氏が好きなのかもしれない(多分違う) シュタイナの部下達も大好きだ。 みんな「ロマンティックな愚か者」だよ。 鷲は舞い降りたは完全版が出たけど個人的には最初の稿の方がすっきりしていて好きだ。 なんで蛇足をつけちゃったかな。 蛇足と言えばこの後「鷲は飛び立った」という続編が出たがこちらはもうただの蛇足というか別物と考えたいというか。 いやシュタイナにまた会えるのは嬉しかったけどさ。 でもあのままの方が良かったと思うのよ。 パラレルワールドと思えばそれもいいのかもだけども。 もう一人の主役であるリーアム・デブリンはヒギンズの他の作品にも出てくるからヒギンズのお気に入りなのだろう。 ショーン・ディロンシリーズにもちょくちょく出ていたような。 いやしかし、やっぱりシュタイナだ。 しばらくは何度も読み返しそうだ。
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