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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
チャタムの床板

今週はマイナーなニュースしかございませんが、

Discover me timbers:experts identigy remains of 18th century warship
www.guardian.co.uk/culture/2012/aug/16/experts-identify-18th-century-warship?n
ewsfeed=true

英国チャタムの海軍工廠の古い床板を調べたところ、船匠の印から床板は18世紀の戦列艦HMS Namur のものであることが判明。
Namurは英国の作家ジェーン・オースティンの弟Sir Charles John Austenが1811-14年に艦長をつとめた90門艦であるとのこと。

D-lifeで始まったドラマ2本は謎が謎を呼ぶ、なかなか面白いドラマ展開になってますね。
とくに「ミッシング」は、ロバート・ラドラムの「暗殺者」(角川文庫)をほうふつとさせる、緊迫感あふれる展開がなかなかです。
あれ、敢えて夫にそれなりの年配の俳優をキャスティングして10年前の回想を撮ってるところが、夫はじつは生きてるんじゃないか?って密かに疑ってる私ですが(パリで発見された写真、実は夫が撮っていたとか)。

ヨアンは、アメリカのパワーエリートけっこうはまるので「おぉっ!」と思いました。
時代物俳優というイメージがついてしまっても何だから、こういう役も面白いのではないでしょうか?
これはジェイミー・バンバーに言えることなんだけれども、30台になって完全にあどけさなさが抜けると精悍になりますよね。
ヨアンはさらに鋭さが増していて、この線でいくと、ポール・ベタニーがやってたようなアクのある役もできるのでは?と思ったりもします。


2012年08月26日(日)
訃報 トニー・スコット監督

PCのトップ画面はYAHOOにしているのですが、今日の午後、そこに「トップガンの監督死去」のニュースが。
え?監督ってトニー・スコットのこと?びっくりしました。

イギリスの主要新聞三紙(The Times, The Independent, The Guardian)はトップでした。
ロサンゼルスのハイウェイの橋の上から身を投げたそうです。
橋の路肩に置き去りにされた車の中に連絡先リストが残されていて、自宅から遺書が見つかりました。
自殺の原因はまだわかりませんが、目撃者の話では、車を降りると欄干を乗り越え、迷うそぶりもなく飛び込んだとのこと。
沿岸警備隊が4時間後に発見し、死亡が確認されました。

Tony Scott, Top Gun director and brother of Ridley, dies in Los Angeles
http://www.guardian.co.uk/film/2012/aug/20/tony-scott-director-dies

'Top Gun' director Tony Scott jumps to his death from L.A. bridge
http://www.latimes.com/news/local/la-me-tony-scott-20120820,0,398891.story

下のロサンゼルスタイムズの記事の方が詳しいですが、事故記事扱いなので上のザ・ガーディアンの記事の方が敬意を表されていると思います。

<トニー・スコット主要監督作品リスト>
ハンガー The Hunger (1983)
トップガン Top Gun (1986)
ビバリーヒルズ・コップ2 Beverly Hills Cop II (1987)
リベンジ Revenge (1990)
デイズ・オブ・サンダー Days of Thunder (1990)
ラスト・ボーイスカウト The Last Boy Scout (1991)
トゥルー・ロマンス True Romance (1993)
クリムゾン・タイド Crimson Tide (1995)
ザ・ファン The Fan (1996)
エネミー・オブ・アメリカ Enemy of the State (1998)
スパイ・ゲーム Spy Game (2001)
マイ・ボディガード Man on Fire (2004)
ドミノ Domino (2005)
デジャヴ Deja Vu (2006)
サブウェイ123 激突 The Taking of Pelham 1 2 3 (2009)
アンストッパブル Unstoppable (2010)

詳細はこちら
Tony Scott(IMDB)
http://www.imdb.com/name/nm0001716/

私が見てるのは3本。トップガン、デイズ・オブ・サンダー、それからクリムゾン・タイド。
トップガンもデイズ・オブ・サンダーも、良い意味であけっぴろげなアメリカを描いていて、この監督がイギリス人でリドリー・スコット監督の弟だと知った時にはずいぶんと驚いたものでした。
でも閉鎖的なイギリス社会から来たからこそ、アメリカの良いところを描けたのかもしれません。
クリムゾン・タイドはちょっと作風が違いますけれどね。

IMDBを見ると、現在進行中のプログラムを幾つも抱えていたことがわかりますが、いったいどうしてこんなことになってしまったのか、
上記記事にあるロン・ハワード監督のコメントが事実として胸に刺さります。
”No more Tony Scott movies. Tragic day.”


2012年08月20日(月)
グリニッチの信号旗

先週ご紹介した、ロンドン・オリンピックのグリニッチ海軍大学を会場とした馬術障害飛越競技のフェンス信号旗の話題。
くわしい記事をみつけました。

Naval flags signalled in Olympic equestrian events
http://www.nautilusint.org/News-and-Events/Pages/article.aspx?newsid=389

これによると、7a、7b、7cのフェンスに信号旗の意匠に信号旗が組み込まれ、それぞれの意味は、
「LONDON, 2012」「1908」「1948」。
1908と1948はこの前にロンドンでオリンピックが開催された年を表します。

このフェンスの意匠を担当したのは、Bob Ellis氏。彼は信号旗を選んだ理由について、「障害競技の会場がグリニッチの海軍大学構内だったので、海の伝統につながるものを取り入れたいと思った」と語っています。

海の伝統を意匠としたフェンスはこれだけではありません。フェンス2は19世紀の帆走軍艦(戦列艦)を意匠としており、フェンス5はカティ・サーク号を模しています。フェンス6は灯台、フェンス11はそのむかし今の大型トラックの替わりに国内の河川や沿岸の輸送力として活躍したテムズ・バージを模したものです。

「England expects that every horse will do his DUTY.」っていうのは、やはりオブライアン・フォーラムのジョークだったんですね。でも日本では馬術競技って、中継がなくてライブストリーミングでしか見られないんですもの。

でも今なら下記から、障害飛越優勝者のパフォーマンスをネット上で見ることが出来ます。

NHKロンドン2012オリンピック 競技一覧
http://www1.nhk.or.jp/olympic/games.html
より、「馬術」をクリックしてください。

またこの競技一覧からはウェイマスで開催された「セイリング」のページに行く動画を見ることもできます。

結局私、ライブストリーミングは見られなかったので、セイリングはここでハイライトを。
これが、感嘆ものというか、よくあの鋭角で転回できるなぁと、さすが世界最高峰のオリンピック、ボルボオーシャンレースなどとはまた異なった小型艇ならではの妙技をじっくり見ることができます。


2012年08月19日(日)
D-lifeのドラマ新番組

BSの無料ドラマ・チャンネルで明日8月19日(日)から始まるドラマで、ひさびさにホーンブロワーことヨアン・グリフィスの活躍を見ることができます。
女性主人公の、現代アメリカのサスペンス・ドラマですが、ヨアンは主人公の夫役。

リンガー〜2つの顔〜
BS258(D-life) 毎週日曜 10:00〜11:00(吹替版)、毎週土曜25:00〜26:00(字幕版;8/25より)
http://www.dlife.jp/lineup/drama/ringer_s1/

8月から始まるD-lifeの新番組は3本ありますが、もう一つのサスペンス・ドラマ「ミッシング」、これも女性主人公なのだけれども、こちらの主人公の夫役は「シャープ」のショーン・ビーン。こちらは8月25日(土)からで、「リベンジ」(真田広之出演で話題になっていた)の後番組です。

ミッシング
BS258 毎週土曜21:00〜22:00(吹替版)、毎週金曜23:00〜24:00(字幕版;8/31より)
http://www.dlife.jp/lineup/drama/missing/

D-lifeについて、視聴方法など
http://www.dlife.jp/

そうそう、D-lifeでは8月25日13:00〜映画「イングリッシュ・ペイシェント」の放映があります。
これをまだご覧になったことが無い方がいらしたら、是非おすすめ。
第二次大戦下の北アフリカを舞台にした…英独のスパイ戦と、男女の三角関係と愛の物語…と言ってしまうと通俗に聞こえるかもしれないのですが、戦争という嵐の中で、国の枠を越えて真摯に生きようとした人々…と書くとちょっと誤解されるか?、…善悪は絶対ではなく、その状況で何が最善か?という物語、と書くべきかしら?
う〜ん、駄目だわ、価値観が複雑で、とても説明できない。でもそこがこの映画の神髄だと思うので。とにかく見てください、としか。
私には忘れられない大好きな映画のひとつ。

イングリッシュ・ペイシェント 8月25日(土)13:00〜16:00
http://www.dlife.jp/lineup/movie/theenglishpatient/


話は戻りますが、今回のドラマは2本ともアメリカの現代ものだから、英語はアメリカン・イングリッシュなんでしょうね。
ヨアンのアメリカ英語は以前に聴いたことがあるけど、ショーン・ビーンのアメリカ英語は、もししゃべったら私はお初ですけど(「パトリオット・ゲーム」はアイルランド人テロリストの役だったし)。いや〜、どんな感じになるのかちょっと楽しみだったり?凄い違和感ありそうだけど(非道いことを)。

ヨアンは今年39才になります。ホレイショ・ホーンブロワーがリディア号の艦長をつとめていた年齢です。
あぁ今のヨアンで「パナマの死闘(The Happy Return)」が見たい!とつくづく思います。…未練だってわかってはいるけど。


2012年08月18日(土)
「ペリーの顔」展

友人に誘われて、神奈川県立歴史博物館の特別展「ペリーの顔・貌・カオ―黒船使者の虚像と実像」に行ってきました。

神奈川県立歴史博物館特別展
http://ch.kanagawa-museum.jp/tenji/toku/toku.html

1953年のペリー提督黒船来航を描いた肉筆画、瓦版などを展示しています。
「たった四杯で夜も眠れず」と言われたほどの国家的大事件、でも写真の無かった時代なので、その様子は多くの絵画で記録され、瓦版で印刷され、庶民にも広く知れ渡りました。

お近くの方、お時間のある方、ちょっと覗きに行かれると面白いと思います。
当時の日本人にはおそらく初めての(サン・ファン・バウティスタ号の時代を覚えている人はいないでしょうから)大型帆走汽船ですが、じつに克明に描かれていて面白い。西洋式の画法が伝わっていないので、パースはおかしいんですが、細部がよく記録されていて感心します。

西洋式の兵隊(ペリー艦隊の海兵隊のことですが)も初めてなので、解説が面白い。
銃をかついだ一般兵が「足軽」、士官が「号令長」とか説明されています。
でも軍服の細部とかもとても詳しい。ただし肩章のおそらくは鷲…がフクロウみたいですが。

幕府が見学を禁止したにもかかわらず、浦賀へ黒船見物に行く庶民や、見物客相手に黒船グッズ(?)をいち早く作って売り出す商売人もたいしたものです。なんだか最近の東京スカイツリー・ブームを思い出さないでもない。
江戸っ子って昔からそういうところがあったんでしょうか?
あちらこちらで思わず「くすり」と笑わせてもらえる展示会です。


2012年08月12日(日)
ネルソン提督、五輪仕様

女子マラソンをご覧のみなさま、海軍門を抜けてトラファルガー広場に出てきた先頭集団を捉える上空のカメラ映像を見ていて気づかれました? ネルソン提督の三角帽がオリンピック仕様になっています。
ユニオン・ジャックはわかりましたが、あの棒のようなものはなに?と思ったら、下記に紹介されていました。
あれは聖火を模したものだったんですね。

Nelson's Column gets a makeover: Admiral wears new hat
http://www.youtube.com/watch?v=TVrF7dYgKjg&feature=youtu.be

ところで、2010年11月28日の日記でもご紹介した、「ロンドン五輪、ホースガーズでビーチバレー」
やはりうけるところではうけています(苦笑)。

パトリック・オブライアン・フォーラム
Soldiers at Horse Guards?
http://www.wwnorton.com/cgi-bin/ceilidh.exe/pob/forum/?C3b860525fUWK-8247-1086+07.htm

上記書き込みからリンクされている記事

A Trip To Horse Guards Beach
http://olympics-2012.si.com/2012/07/29/a-trip-to-horse-guards-beach/

いちばん下の写真、ナイターゲームになるとやはり綺麗ですねライトアップされたホースガーズ。

う〜ん、しかし。記事の英文を読むと苦笑。
半裸の女性がホースガーズに!…とか。いやまぁその、あれはユニフォームですから。それを仰るなら女子マラソンも最近はおへそ出てますので似たようなものかと。
ホースガーズはダウニング街10番地のおとなりなので、「キャメロン首相も歓声で昼寝が出来ないだろう」などとも。

さらに、オブライアン・フォーラムによると、
日本では中継がありませんが、馬術障害の競技会場がグリニッチで、中継を見るとカティサーク号に信号旗が揚がっているが、あれは"England expects that every horse will do his duty"?などという書き込みもあって、え?本当?

中継のない馬術やセイリングなども、NHKのライブストリーミング・ページに行けば見ることができるのですが、
うーん、私はこの猛暑の中、通勤して仕事するだけで精一杯なので、ちょっと見ている余裕がない。
ご覧になれる方は是非。

NHKライブストリーミング・ロンドン五輪
http://www1.nhk.or.jp/olympic/live/


2012年08月05日(日)