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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
マチュリン向け21世紀の仕事

東京近郊にお住まいの方>注目!
有楽町マリオンの正面にネルソン提督の大ポスター(垂れ幕?)が。
山手線の車内からでも、よ〜く見えます。とっても巨大。

1月24日の日記でご紹介した宝塚歌劇の「トラファルガー」、5月末から大劇場では公演が始まっていますが、7月の東京公演に向けて大々的な宣伝が開始されたようです。
金モールの礼装の提督とエマ・ハミルトンですが、あんなに大きいと嬉しいやらはずかしいやら。


さて、これで情報終わり…というのも何ですので、今週の米国のオブライアンフォーラム(掲示板)から書き込みを一つご紹介。

The perfect 21st Century job for Stephen - Navy Sea(l)ions
(スティーブン・マチュリンにぴったりの、21世紀の仕事)
http://www.wwnorton.com/cgi-bin/ceilidh.exe/pob/forum/?C31898ab6fRML-7448-1255-90.htm

米海軍は、アシカやイルカを使った水中異物探査のプログラムを進めており、このたびサンフランシスコで行われた総合テロリスト対策訓練には、多数のアシカが参加した。

軍用犬のように、機雷などの水中の異物を発見し、ダイバーに知らせるように訓練されているのだそうです。
海軍に所属するイルカやアシカ…、スティーブンには想像の外だったかもしれません。


2010年05月30日(日)
ジェシカの世界一周

昨年、11月15日の日記でご紹介した、最年少単独無寄港世界一周に挑戦していたのジェシカ・ワトソン、先週末に210日間の航海を終え、シドニー港に帰港しました。

豪16才少女、ヨット世界一周を達成
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2726514/5757227

米パトリック・オブライアン・フォーラム(掲示板)でも「ジェシカがホーン岬を通過」とか「タスマニアまで帰ってきた」とか、彼女のブログを定点観測しているメンバーが折に触れ速報を入れてくれていました。
ジェシカの航路は下記の通り(これ英語ページなんですけど、日本から接続しているせいか、地図が日本語になりますね)

ジェシカの航路
http://www.jessicawatson.com.au/the-voyage

このページは彼女のHPの中にあります。

ジェシカ・ワトソンHP
http://www.jessicawatson.com.au/

この記事、日本ではほとんど話題になりませんでしたが(エベレスト登頂13才は今朝の新聞に出てましたけど)、哀しいかなこの国はもともと海や冒険には疎いところがあるので、新聞社もとりたてて重要性を見出さなかったのかもしれません。
それはそれでちょっとさびしいかもしれません。


2010年05月23日(日)
アラトリステ、海へ

米国のオブライアン・フォーラムの先週話題になっていましたが、
アメリカでは、スペイン人の歴史小説作家アルトゥーロ・ペレス=レベルテの「アラトリステ」の6巻の英訳出版が決まったそうです。
6巻はスペイン語の原題を「Corsarios de Levante」、英語タイトルは「Pirates of the Levant」

Amazon.jpにはまだ出ていないので、amazon.comにリンク張っておきます
「Pirates of the Levant」

アラトリステとイニゴは海に出る…ようですね。このあたりオブライアン・フォーラムの皆さんも期待されているようです。

日本語訳は5巻までイン・ロック社から出版されていますが、6巻も翻訳されるのでしょうか?
このシリーズ、歴史小説としてよく出来ているので、是非つづきを読みたいところです。
当時のスペイン社会の風潮、日本の武士道に似たところもあるスペイン剣士独特の価値観などがよく描かれていて、
これまでは英国の歴史小説の脇役としてしか知る機会のなかった当時のスペイン人について、スペイン側から書かれると「あぁなるほど」と納得することも多い。
日本語訳が出版されると良いのですけれども。


カンヌ映画祭が始まっています。
今年のオープニング・フィルムはラッセル・クロウ主演リドリー・スコット監督の「ロビン・フッド」
今週末から全米公開ですが、日本公開は秋になってしまうとか、
スコット監督の歴史映画ですからきっと骨太作品になるのだろうと思いますが、最近娯楽作の多いハリウッド、たまには楽しいだけではなく見応えのある作品が恋しくなります。


2010年05月16日(日)
海王丸inサンフランシスコ

日本の新聞でも一部紹介されていますが、
日米修交150年(正確に言うとその2年後の咸臨丸による批准書交換)を記念して、海王丸が現在サンフランシスコに行っています。

地元の新聞でも紹介されています。記事は日本の新聞には及びませんが、写真など
San Francisco Examiner(英語)
http://www.sfexaminer.com/local/Uniting-of-cultures-honored-92840004.html

サンフランシスコの総領事館も、ニュースレリースで海王丸の詳細を紹介しています。
サンフランシスコ港の入港予定にもしっかり記されていますね。

在サンフランシスコ日本国総領事館(日本語)
http://www.sf.us.emb-japan.go.jp/jp/m16_01.htm

在サンフランシスコ日本国総領事館(英語で海王丸の紹介など)
http://www.sf.us.emb-japan.go.jp/archives/PR_e/2010/pr_10_0402.htm

Port of San Francisco Vessel Schedule
http://www.sfgov.org/site/port_page.asp?id=31746

私達いつもは、帆船来航があると晴海や横浜の入港予定とか、駐日各大使館のホームページとか見ているので、逆というのは妙に新鮮で、

現地サンフランシスコの日系人会では、今年さまざまな150周年イベントがあるようです。

日米修好150周年イベント(英語)
http://www.kanrin-maru150.com/modules/eguide/

どの国も変わりませんね。


2010年05月09日(日)
英国のフェリー航路

先週は3日に更新する筈が、風邪を引き込んで翌日になってしまい申し訳ありませんでした。

先週末はアイルランドと英国限定でまた空港閉鎖があったようですね。
ダブリンにいる知人が、バーミンガムに行くのに苦労しているようでした。
日本ではあまり話題になっていなかったので、知人のブログを読むまで気づかなかったのですが、

まぁ、でもアイルランドと英国の間はフェリーが多々あるから。
英国と大陸の間も、海峡トンネルが出来るまではフェリー多かったけれど。
…詳しいでしょう?私、旅行でしか行ったことないのに。
今回思ったのですが、英国の海洋小説とか翻訳小説とかよく読んでいると、こういうときに有利かもしれません。

先々週の混乱時、ヨーロッパに渡る人はドーバーに殺到したそうですけど、アーサー・ランサム読んでいたら、ハリッジからオランダに渡るルートも考えつきますよね?(今でもフェリーが就航しています)。
ジャック・ヒギンズのスパイ小説では、KGBの目をあざむいて亡命者を逃がすのに、フランスもカレーではなくサン・マロからチャネル諸島経由で英国に渡るルートを使っていました。

私、上海とイギリスは、初めて行く時は船で行きたい!って夢があったんです。
でもヨーロッパに行けたのはお勤めしてからのことでしたから、長い休みがとれず、そんな悠長なことも言えず、泣く泣くヒコーキでした。
上海はまだ行ったことがないので、いつかこの夢が叶うといいなぁと思ってますけど、

まぁねぇ、海洋小説ファンだったらやっぱり、
ポーツマスやプリマスから出航してみたいって思うでしょう?(サザンプトンから出航って言わないところが…終わってますね:これって、横浜じゃなくて横須賀から出航したいって言ってるようなものですからね)

私、以前にちょっと調べてみたことがあるんです。
でも土曜発翌週日曜帰りの休暇が最大で、実質5日しかヨーロッパにいられない勤め人には、のんびり船旅は無理なのが現実で、でも今回のような時にはこの知識、けっこう役に立つかもしれません。

こんなページ↓があるんですよ。
英国のフェリー情報(日本語)
http://www.interq.or.jp/white/ishiyama/column36.htm
豪華客船ではなく普通のフェリーなので、わりとお手頃に航海体験できそうです。

4月中旬の空港閉鎖の時、ギリシアのアテネとトルコのイスタンブールは無事でした。
これらの都市へは、ウィーンから国際列車でバルカン半島を下ってくればたどり着けます。
昔のオリエント急行はもう無いので、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアと国際列車乗り継ぎになるのでしょけれども、

で、もし自分だったらどうするか…と実は考えていたのですが、
私はバルカン半島の国際列車に乗ったことがないので、以前に一度旅行してある程度勝手のわかっているモロッコに出るルートを選びます。
国際列車でスペイン南部のアルヘシラスへ出て、バスで英領ジプラルタルへ、ここから海峡を高速フェリーで渡る(所要45分だそうな)と、モロッコのタンジェ。
タンジェから列車でカサブランカに行って(5〜6時間)、カサブランカからエミュレーツ航空でドバイ経由で日本に帰る。
ジプラルタルをちらっと見れて、海峡も船で渡れて、海洋小説ファンとしては、望外のおまけつきです。

タンジェとジプラルタルは行ったことがありませんが、カサブランカからフェズまで乗った限りでは、モロッコの列車旅行に特に問題はなく、主要駅では英語が通じます。列車がカサブランカ国際空港まで乗り入れてくれるので、アクセスも便利。
このルートで帰ってこられた方、いらっしゃるんでしょうか?
カサブランカ空港のHPを見ていたら、ニューヨーク行きが増便されているようだったので、アメリカ人の脱出ルートにはなっていたようです。

追記:今朝(9日)の新聞を見たら、空港閉鎖がイベリア半島とフランス南部にまで広がっていました。
また混乱が拡大しないと良いですけれど、


2010年05月08日(土)
海賊映画にバウンティ号?

宝島の御縁でもうひとつ海賊の話題を。
先週末(4月24-25日)、アメリカ・ニューヨーク州ニューバーグ市でバウンティ号のレプリカ・シップを招聘し、「パイレーツ・ウィークエンド」が開催されました。

ニューバーグ市というのは、ニューヨーク市(マンハッタン島)の西側を流れるハドソン川の上流ですが、
ハドソン川って結構上流まで、船がさかのぼれるのねぇと驚きましたが、
問題はそこではなく、

「パイレーツ・ウィークエンド」でなぜバウンティ号???
…というところに、マニアはチェックを入れてしまうものです(困ったものだわ)。
何故って、バウンティは通常、H.M.S.Bounty、正確にはArmed Vesselだろうというツッコミは今は置いて、重要なのは、つまりこれ英国海軍の船ですので、海賊船ではないでしょう?と木造帆船マニアは思うわけです。

今回、ニューバーグ市を訪問したレプリカ船のバウンティ号は一般にはBounty II※と呼ばれている船で、1962年のマーロン・ブランド主演映画「バウンティ号の反乱」のためにMGMが建造した船ですが、
じつは今回初めて知ったのですが、この船、他にもいろいろ「出演」している役者船なんですね。

そして最も最近の出演作がジャック・スパロウの…じゃなかった、ジョニー・デップの「パイレーツ・オブ・カリビアン」
1作目ではなく(1作めの船はレディ・ワシントン号です)、2作目と3作目に出てくるそうです。
そんなこんなでニューバーグ市では、バウンティ号を呼んでパイレーツ・ウィークエンドとなった次第だそうです。

このBounty II号、じつはもう一作、海賊映画に出演しているそうです。
それが1990年のTVシリーズの「Treasure Island」つまり宝島。
これ、IMDBのキャスト一覧を見て踊ってしまったのですが、

ジョン・シルバーがチャールトン・ヘストン!
主人公のジム少年が、子役時代のクリスチャン・ベールだそうです!
あぁぁ、これ見たい!見たいわ!と思ったのですが、
20年前のものなので、もうVTRは完売のようですし、DVDにはなっていないようでして、見る手段は無いようです。
あぁもう少し早く知っていたら、NHKに放映を頼むなり、VTRを買うなりしていたのに。


Pirate Weekend sils into Newburgh waterfront(地元紙の記事:英語)
http://www.recordonline.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20100423/NEWS/4230385

Treasure Island(TV Series 1990)英語
http://www.imdb.com/title/tt0100813/

※注)この他にもう一隻Bouty IIIと呼ばれるレプリカ船があります。これはメル・ギブスン&アンソニー・ホプキンスの「バウンティ・愛と反乱の航海」のために建造された船で現在は香港にあるそうです。

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連休なのを良いことに、更新遅れ申し訳ありません。


2010年05月02日(日)