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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
海に出る少女たち

9月5日の日記でご紹介した、ヨットで単独世界一周をめざし社会福祉事務所に留め置かれたオランダの14才の少女ローラ・デッカーのニュース
10月末にユトレヒトの地方裁判所の裁決が出ましたが、やはり航海は許されず、来年7月までは当局(この場合は社会福祉事務所)の監督下に置かれることになったそうです。

ローラの弁護士によれば、彼女はこの裁決にがっかりしているそうですが、単独航海をあきらめたわけではなく、来年8月の出航を希望しているとのこと、8月の出航でも十分、世界最年少の単独航海記録は達成できます。
ローラは、来年の5月まで陸できちんと学校に通うこと、応急手当のセミナーを受講すること、睡眠をコントロールする技術を学ぶことを裁判所に誓ったとのことです。
来年7月まで彼女の航海はオランダの内陸河川と、イギリスまでの北海横断に限定されるとのこと。
最後の決定について、彼女の弁護人は「ローラには経験が足りないと言う理由で航海を禁止しながら、航海の経験を積む手段まで禁じられるというのは納得がいかない」と裁判所の決定を批判しています。

さて一方、オーストラリアでは、16才の少女ジェシカ・ワトソンが、10月16日、ヨットでの単独世界一周をめざし出航しました。
こちらはスポンサー企業の応援つきで、彼女はホームページを通して、日々航海の様子を伝えています。

ジェシカの航海日誌
http://www.jessicawatson.com.au/
オブライアン・フォーラムではこのページを日々読みに行かれる方も多いようで、「彼女は今ドルドラムにいるよ」など話題になっています。

14才と16才という年齢の差もありますが、これは国の習慣の違いも多少はあるかと、
オーストラリアは、その昔、イギリスからはるばる海を渡った航海者たちが作った国ですし、
イギリス本国でもタイムズ紙に掲載されたローラの記事には、彼女の航海を肯定するイギリス人たちのコメントが数多く寄せられていました。

個人的意見としては…そうですね、ローラの航海範囲が内陸河川と北海のみというのは大きな間違いだと思います。
確かにこれでは経験が積めませんもの。
経験を積むためにはやはり、EU域内は航海可能範囲としないと…南はカナリア諸島までね。

最初から世界一周と言わず、まず大西洋を横断して、問題なかったら太平洋〜インド洋とまわって、少しずつルートを延ばしていって、気がついたら世界一周していました…というのはダメなのでしょうか?


2009年11月15日(日)