雲間の朝日に想うこと


< 上下関係は要るのでしょうか >


長幼の序や、
先輩と、
後輩の関係は。

個々人に、
上下の関係と言う枠を、
当て嵌める物で。




個人の破壊を、
一部許容する事と。

知識や、
経験則を、
伝え受け取る事とを。


天秤に掛ける物だけれど。






此の定義は。



愛しき対象との関係にも、
果たして、
必要なのだろうか。


或いは、
全く必要の無い物なのだろうか。













想いで紡がれ、
想いで結われる其の形が。

形に拘らぬ、
可塑性に富んだ物だから。




時に上に、
時に下に、
其の刻々と変化する形を、
見失わない様に。

真っ直ぐに、
相手を見つめ続ける事が、
肝要なのだと。



互いに、
想い逢いながら。







芸能人の暴行を取り上げた、
報道番組に。

二人で、
視線を向ける。

















如何して、
其処で瞳が輝く?




















 「私と小坊主。」
 「どっちが上で、どっちが下かな?」


其の姫の、
悪戯っぽい瞳の輝きに重ねた、
問いは。







間違いなく。

今朝の、
想いの交わりを指すんだろうな。





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References
 Jul.24 2004, 「今朝も一人で悦んだのでしょうか」


2004年10月31日(日)


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History
2003年10月31日(金) 言葉の基本形は何れだったでしょうか



< 恩返しは嫌いじゃ無いのですか >


相手に、
真の想いを注ぐ時には。


其の想いが、
吸収され、
熟成され、
自身の糧として還って来るか、
或いは否か。

其の結果を推測して、
注ぐ訳では無いけれど。




もしかしたら。



相手に注ごうと想う、
其の意識の源は。

相手から注がれた想いの、
深さに、
他ならないのかも知れない。










必死に支えた三週間は。

今迄、
二年以上に渡って支えを受けた、
其の長さや深さには。


到底及ばないのに。





 「小坊主、必死に支えてくれたから。」
 「少しでも恩返ししたいんだ。」


同僚の入院で生じた、
多忙な数週間への後方支援に。

姫は、
恩義を感じたと言う。

















其の言葉を、
姫の口から聞いた時。

俺の勝ちだと、
そう想った。









俺の言葉を、
姫は、
嫌がる人だから。






 「姫に支えられてるよな。」
 「ちゃんと返して行かないとな。」


俺の言葉に。


 「返して貰おうと思ってやってないよ!」
 「好きだから、やりたいから、やってんの!」


何時も、
本気で怒るのにね。











気付かない振りをしてあげたけれど。





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References
 Oct.18 2004, 「其の感謝は頂き物では無いでしょうか」


2004年10月30日(土)


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History
2003年10月30日(木) 重ねる唇に潜んで居るのですか



< 寒さは不安を上回るでしょうか >


手を伸ばした、
其の理由は。

確かに、
暖を提供する為の行為で。


直接的には、
決して、
想いでは無いかも知れないけれど。




冷えた手を、
握った手を。

包む様に、
暖める事が。


想いでは無いと、
言い切れるのだろうか。











色づき始めた木々と、
白い息。

季節が始めた、
大慌ての冬支度に、
耐え切れず。


 「何で握ってくれないの?」
 「私と手を繋いで歩くの、嫌なんでしょう!」


歩道の真ん中で、
姫は叫んだ。








先に、
其の手を振り解いたのは。

俺では無いのに。





俺から、
態態、
振り解いた手を。

胸の前に半端に掲げ、
不満を口にする。














お互いが、
少しでも触れて居ないと。

此処迄、
不安に成るなんて。


もしかして、
何処かで道を誤ったのだろうか。













 「私が何の為に。」
 「小坊主と付き合ってると思ってるのよ!」

 「・・・。」
 「暖かいから?」

 「そうでしょ!」



暖かさを理由に。

姫は、
不安を、
必死に掻き消して居る。


2004年10月29日(金)


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History
2003年10月29日(水) 求める物は何れの物ですか



< 耳障りな雄が要らなかっただけですか >


防衛本能だろうか。


自身の与り知らぬ状況を、
回避しようと。

情報収集に、
集中して居たからだろうか。




漏れ聞こえる言葉。


決して、
其の一言一句を逃そうと、
意気込んで居る訳では無いのに。

聴覚が、
研ぎ澄まされ。




職場で呼ばれる名字は、
未だ、
旧姓の儘の事。

親の圧力を跳ね退け、
俺が一度訪れた其の場所に、
住めて居る事。

其の家の在処を、
周囲に隠す必要が無い事。

俺の直ぐ傍らで、
全て話せる事。



次々に、
勝手に耳へ飛び込む音声で。

次々に、
心の底では望んで居た情報が、
容易く手に入った。














包み隠さず、
自身の詳細を話す彼女の姿に。

一時期の、
惑いも、
澱みも、
怯えも、
見当たらなかったから。


 「少しは役に立ったのか・・・な。」
 「良かった。」


ふと、
独り言を洩らし掛けて。







彼女の、
視線の先に気付き。


其の言葉を飲み込んだ。

















 「恋愛はしばらく良いや。」
 「先ず、きちんとしないといけないよね。」



其の朝、
絞り出す様に言い、
俺を退けた筈の彼女は。

其の晩も、
頻りに電話を掛けて来た彼に、
結局、
縋ったのだろうか。


其の日、
俺を利用した様に。















立ち上がる切っ掛けなんて、
案外、
転がって居るのに。





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References
 Aug.10 2004, 「其の奥と脇が良いのでしょうか」
 Jul.27 2004, 「他に伝えたい事が在りましたか」


2004年10月28日(木)


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History
2002年10月28日(月) 瘡蓋を剥がして良いですか
2001年10月28日(日) 損な恋愛って存在しますか



< 不意の感動だけでしょうか >


事が、
不意で在れば在る程。

事の影響力は、
大きく成るけれど。


其の事が、
渇望し続けた事で在れば。


其の影響力は、
殊更、
大きく育つに違いない。







確かに、
素直とは言えぬ人だけれど。





今、
此の瞬間を。

待ち望んで居たと、
仮定すれば。



欠片は紡がれ、
一つの大きな流れに変わるから。



強引に、
拒否を曲解して。

突き進んでも良いのだろうか。














嘗て何度も、
其の機会を窺ったけれど。


 「満月、見に行かない?」

 「嫌だ。」


姫は、
一度たりとも、
肯く事は無かったのに。









偶然空を見上げ、
其処に、
丸い月灯りが在る事を。

隣の姫に告げた時。


 「小坊主と一緒に観る事なんて。」
 「無かったら。」


殊更寂しそうに、
けれども、
殊更嬉しそうに。


姫は笑い、
そう答えた。















本当は、
ずっと見たかったの?











本当は、
一緒に飛びたいの?





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References
 Oct.24 2004, 「飛べぬ理由は何処ですか」
 Sep.24 2004, 「恋人関係に戻れますか」


2004年10月27日(水)


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History
2003年10月27日(月) 早く掛け直してくれませんか



< 型枠の中には居ない人ですか >


其の言葉は、
極めて自然な順序で。

同時に、
型枠の堅さを、
強く意識させる。


 「彼女のこともあるんでしょう?」




其の言葉は、
生理学的に至極尤もで。

同時に、
内堀の高さを、
強烈に意識させる。


 「やっぱり早いほうが良いでしょう?」







他人と身内の出来事は、
飽く迄別物で。



嫁や、
子と言う概念は。

外面と、
本音の、
二重の規準で定義されて居るのか。













 「年を取ったら。」
 「やっぱり怖いでしょう。」



姫とは、
相容れないかも知れぬ事が。


俺の、
母親の頭では。

先頭に位置している。














 「期待してるんだから。」


電話越しの利己的圧力を、
決して、
緩める事の無い母親に。

期待とは何だと、
声を荒げそうに成り。









其れが、
自分の弱さで。

姫の、
最も忌み嫌う部分だと、
気付いて。





唇を、
紅い塩味で濡らす。





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References
 Dec.28 2003, 「説得出来るでしょうか」


2004年10月25日(月)


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History
2003年10月25日(土) 幸せな二人に見えましたか



< 飛べぬ理由は何処ですか >


お互いには、
別々に営む世界が在って。

一方で、
二人で築く世界も
其処には在る。




其れ故に。


例え、
其の世界の内の局所で、
生じようと。


地殻変動の様な、
急激な変化は。

何れの世界にも、
新たな風と、
新たな歪みを、
運んで来るから。







互いの絆を、
太く、
太く、
育て上げて。


世界が歪まぬ様に。

お互いを、
想い逢うのだろうか。











自身の去就を、
二人の会話に持ち出す、
其の度に。

必ず、
別れ話が付随する事が。



進歩の無い二年間を、
象徴する様で。

反吐が出る。












 「小坊主、もう家に帰って。」
 「二週間あげるから、荷物まとめて。」








俺の選択肢も、
俺の配慮も。

何れも此れも、
姫の、
気に入らないのだろうか。




盛んに別れを切り出す、
其の振る舞いは。

本心から出て居るのだろうか。




其れとも。


只、
俺を想うが故に。

離れた方が良いと、
勝手に、
判断を下して居るのだろうか。















きっと、

伝え切れて居ない、
肝心な何かが。




未だ、
互いの胸の内に、
秘められて居るのかも知れない。





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References
 Oct.09 2004, 「距離は恐怖の対象ですか」


2004年10月24日(日)


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History
2003年10月24日(金) この画は切り取れませんか



< 欲望預金が満期に成りましたか >


其の、
物理的な独占は。

飽く迄、
本能的な欲望から生じるけれど。


其の、
精神的な独占感が。

互いの心を、
繋ぎ続けるのだろうか。




或いは、
単に。

他所で、
其の行為が為されて居ないと言う、
保証書なのだろうか。










久々に、
愛を確かめ逢う、
其の時に。



蓄積された想いを、
目一杯、
受け取りたいと。


そう願うのは、
自然な事だけれど。




其処に在るのは。

利息では無く、
飽く迄、
不良債権なのだ。

















俺に触れながら放つ、
姫の言葉で。

精神と、
物質が、
瞬時に入れ替わる。







 「今夜・・・定期崩す?」

 「これ・・・預金なの?」

 「うん・・・」












其の発想は。

俺には、
決して想い浮かばないであろう、
素敵な発想だけれど。




久々の、
愛の語らいを。


そんな言葉で開始して、
良いの?


2004年10月23日(土)


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History
2002年10月23日(水) 脅威を感じているのか
2001年10月23日(火) 終わりの予感がありましたか



< 取り敢えずしておきますか >


言葉には、
複数の意味が在る故に。

言葉には、
複数の意図が籠められる。



其の言葉の周囲に、
想いが挿入されて初めて。

自身の、
正確な意図が、
相手に伝達されるのだ。




一方で。



言葉の、
隙間隙間に挿入される、
想いは。

言葉では補えぬ物を、
補って、
余り在るかも知れないけれど。


其の補間作業は、
飽く迄、
受ける相手に委ねられる行為だから。




相手の選択した、
其の想いに、
自身の言葉が左右されるのも。

必然的な事。







意図を端折って、
言葉を用いたのなら。


補間を要求した言葉が、
何処に転ぼうと。


其れは飽く迄、
自身の言葉が創り上げた物だと、
甘受すべきなのだ。













姫と、
飼い猫の競演へ、
優先事項を付けるなら。

先んずるのは、
姫だから。



飼い猫が、
何れ程姫より俺の近くで演じようと、
飽く迄、
後回しなのだと。


其の言葉を、
使った心算だけれど。









 「取り敢えず・・・」

 「今とりあえずって言った!」
 「とりあえず私と付き合ってるんだ!!」


姫には、
決して伝播しない。













拍子に出る言葉は、
或いは、
無意識に出る言葉は。

確かに、
何の曇りも無い本心に近いと、
想うけれど。





取り敢えずには、
複数の意味が在ると。


理解して貰えないのだろうか。





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References
 Oct.21 2004, 「本能は動物に近いと言う事ですか」


2004年10月22日(金)


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History
2003年10月22日(水) 何を残して消えたのですか



< 本能は動物に近いと言う事ですか >


例えば其れが、
共演で在ったなら。

或いは其れが、
協演で在ったなら。


何れ程の相乗効果を持って、
日々を、
彩ってくれるのだろうか。




幾ら、
そう願っても。

決して其れは、
競演以外の何者でも無いのだ。








飽く迄、
争いの一場面で。

其処には、
疲弊しか残らぬと言うのに。














視線を離した隙に。

背中を床へ擦り付け、
盛んに構えと、
猫撫で声を出し。



振る舞いに応じ、
背中へ愛撫を繰り返せば。

嫉妬に狂う重りが、
猫撫で声と共に突進して来る。







 「にゃぁ〜。」

 「はいはい。」
 「撫でろってか?」





 「ゴロゴロゴロ・・・」

 「五月蠅ぇ!」
 「何奴も此奴も・・・。」












俺は、
猫を何匹飼って居るのだ。




出掛けの喧噪時に生じる、
其の競演に。

想わず、
溜息を洩らす。












確か此の猫は、
姫の飼い猫で。

姫は、
猫では無かった筈なのに。







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References
 Apr.10 2004, 「対抗すべき脅威の対象でしょうか」


2004年10月21日(木)


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History
2003年10月21日(火) 足りない条件は何ですか
2002年10月21日(月) 報いですか



< 記憶は捨てる物だったでしょうか >


自身に刻み付けた筈の、
記憶は。

徐々に消去され、
或いは封印され、
色褪せて行くけれど。


形として、
既に出力された記録は。

大抵は、
色褪せる事無く生き続ける。






其れ故に。


色褪せる筈は無い、
記録を残して。


忘れがちな想いを、
丁寧に、
なぞり続けるのかも知れないけれど。



逆に其れは。

忘却と言う機能を奪い盗る、
危険な薬剤なのだろうか。








映像が詰まった磁気の帯を、
整理する為に。

中身を映し、
確認して居ただけなのに。


其の記録は、
封印した筈の記憶を簡単に呼び出して。

其の強化迄、
丁寧に施して行った。














愛を語らう為の部屋。

バスローブに包まる二人。

背後に流れる午後の地方番組。



デジカメの小窓に、
不可抗力で映されて終った、
旦那の姿。

半べそで謝り続ける、
貴女の姿。



飽く事無く、
唇を重ね逢わせる二人。



電源の切り忘れに気付き、
焦る貴女。

録画した画を観ようと、
面白がる俺。












此の画を俺に贈る為、
貴女が封筒へ必死に振り注いだ、
貴女の香水の匂い迄。

既に跡形も無く揮発して、
消えた筈の香迄。



鮮明に紡ぎ出されて蘇る。













早く、
捨てれば良いのに。





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References
 Mar.14 2002, 「挑んでも良いですか」


2004年10月19日(火)


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History
2003年10月19日(日) 過去って何者なのですか
2002年10月19日(土) 柔らかかったですか



< 其の感謝は頂き物では無いでしょうか >


目には目を、
歯には歯を。

事と次第と、
其の使い方に因っては、
不幸の呼び水かも知れないけれど。



自身が感じる儘を、
相手に、
素直に返せる手段として。


本当は、
優れた方法に他ならないのだ。






同じ行為を返した所で。



相手の発した想いと、
自身の受けた想いと、
自身の返した想いと、
相手に届く想いが。

何れも同じ想いである事など、
端から、
期待しちゃ居ないけれど。





少なくとも、
近似値には違いないのだ。



鏡に映した其の行為は。

相手に届けたいと願った想いの、
複製なのだから。














目覚めの珈琲を、
何時から、
俺が淹れる様に成ったのか。

其れは、
良く覚えて居ないけれど。



きっと、
姫が俺に淹れたいと想った其の理由と、
違わない。







 「彼氏がコーヒー入れてくれる人のこと。」
 「私は羨ましいと思う。」


姫の其の言葉に応じて、
姫に好かれたいと、
そう願った訳では無いのだ。















 「小坊主が淹れてくれるコーヒー。」
 「美味しいね。」


感謝を隠し味に産まれる、
其の感想は。

今迄、
俺が同じ様に、
姫に贈り続けて居た物だと。




返した想いの、
真の在処は。

実は、
姫の中から産まれた物だと。












未だ、
気が付かないのかな。


2004年10月18日(月)


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History



< 想いは自由研究に足り得るでしょうか >


只、
単純に、
愛しき存在を見つめ続け。

其の振る舞いを、
飽く迄、
並べただけで。


其処に在るのは。

決して、
高度に学術的な物では無いけれど。





きっと、
其の的確な羅列は。

見た目以上に、
力を秘めた物に違いない。














其の観察眼が。

決して、
学舎で得た物に劣らぬのならば。






想いと言う物の、
其の中には。

未だ、
誰も気付かぬ能力が、
隠され、
潜んで居るのかも知れないと。




そう想うのだ。













 「寝るときには。」
 「すごく元気だったんだよ。」

 「触ってたの?」




 「小坊主がいびきかき始めたら。」
 「大人しくなったんだよ。」

 「研究してんのかよ・・・」



姫は、
昨夜も俺に触れ続け。

そして、
起き抜けに俺へ報告する。













極めて日常的で、
平凡な、
寝起きの会話で。


何故か。

一心不乱に虫を見続けた、
夏休みの宿題を、
想い出した。









拘りや、
事情や、
如何なる存在も、
其処に挟む事無く。


姫は、
一心不乱に、
俺を観て居るのかな。


2004年10月16日(土)


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History
2001年10月16日(火) 混沌が始まりますか



< 元気の素は嫌いの原因でしょうか >


其の一息は、
確かに、
周囲へ嫌悪感を撒き散らすから。


例え其れが、
自身を奮い立たせる為の、
行為でも。


吐いてはならぬ一息かも知れないけれど。



其の一言も、
其の苛々感も。

十二分に、
周囲へ嫌悪感を撒いて居ると。


果たして、
理解して居るだろうか。









方や、
寝起きの溜息。

方や、
寝起きの苛々。


振る舞いは、
確かに異なる物だけれど。




お互い、
少し疲れ気味で居る事を。

同様に、
魅せて居るだけなのだ。















其れ故に。


其れが原因で、
嫌いに成る事など。

有り得ない。









 「今朝はごめんね。」
 「嫌味ばかり言ってたら、嫌われちゃうね。」


姫の、
苛々から来る、
毒や嫌味は。



言い換えれば。

俺の、
思わず吐いて仕舞う溜息と。
何ら変わりない物で。






自身の、
溜息を否定する事は。

自身を奮い立たせる行為を、
否定するも同然だから。













時折。
ほんの時折。


 「威張り腐ってた旦那と。」
 「別れた意味無いじゃん!」


潜む比較の端が、
深く刺さる事は在るけれど。





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References
 Aug.19 2004, 「啀み合って別れたからでしょうか」
 Jun.07 2004, 「隣に映るのは嫌いな雄ですか」


2004年10月15日(金)


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History
2002年10月15日(火) 次は早くキスしてくれませんか



< 価値観の違いの一つでしょうか >


舞い上がって、
事の本質を見誤った故に。

其の戒めとして、
二人の間に、
擦れ違いの種が播かれたのだろうか。



其処に在るのは、
互いへの想いに他ならないのに。










責務を果たさぬ故に、
招く問題で。

抑も俺が、
其の責務を果たせば良い事。


対価の多寡や、
経済的な収支は。

決して、
根本的な問題では無いのだ。





其れ故に。



好意を受け取るか、
否か、
其の選択以前に。

問題の解決が、
先決なのかも知れぬと。



其処に、
迷いを挟んだのだ。












けれども。






 「二食分なら大丈夫だもの。」
 「要らないわよ。」


姫は、
頑なな其の意志を。

決して、
変える事は無く。





 「三食用意するのはきついから。」
 「だから一食分を貰おうと思ったの。」

 「何で迷うの?」
 「高いから払うの嫌なんでしょ!」


経済的な物差しを、
基準に据え。


人の想い迄、
天秤に掛けるのか。











姫と、
姫の息子の為の、
箱に詰められた昼食を見つめ。

涎を垂らす俺の為に。




 「一日五百円で。」
 「作ってあげても良いよ♪」


時間と、
手間を、
割いても良いと。

今迄、
拒否して来た其の行為を、
初めて許容した事は。



値段で、
推し量る物では無かったのに。











何故に喧嘩になるの?





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References
 Jul.27 2003, 「対等の土俵に登れますか」


2004年10月14日(木)


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History
2003年10月14日(火) 瞳の解釈には答えが複数在るのでしょうか
2001年10月14日(日) 身動きが取れないですか



< 鎧の中を預けてみませんか >


荒れた時期を持つ人だと。

端から、
そう想って居たから。


別段、
其の事実に拘る気など、
無いけれど。




きっと今が、
過去を埋めても余り在る時だと。

自信を持って、
そう想って居るから。



其れを破壊し兼ねぬ、
擾乱を。

殊更、
嫌がるのだろうか。








けれども。



其の種の過去は。
自身に巣喰う弱みは。

一度、
必ず、
吐いて置かねば。




相手へ、
安心感など持てないから。

絆に、
信頼など備わりはしないから。







其れ故に。





一つ一つ、
丁寧に機会を捕捉して。


甲羅で護る、
頑なな拘りを。

一つ一つ、
解して行きたいと想うのだ。














 「小坊主はどうだった?」
 「気持ち良さに違いがあったの?」


攻撃は最大の防御だと。

姫は、
何時もの様に、
攻めに回るけれど。





 「姫はどうなの?」
 「其の時よりは気持ち良いでしょ?」

 「うん・・・」


態と、
自分を棚に上げ。

姫に、
答えを強要した。











想いの、
内包した交わりの方が。

格段に気持ち良い。




過去の経験が、
今を創り上げて居るのだから。


其れで良いでしょ?





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References
 Jul.10 2004, 「抉じ開けずに包んで居れば良いですか」


2004年10月12日(火)


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History



< そろそろ禁区でしょうか >


僅かに、
確実に、
掛け続けられる其の圧力は。


二人の間の緊張感を、
維持する為に。

必要不可欠な物かも知れないけれど。





視線を俺に向け続けた、
其の意図は。


何処に在ったのだろう。









其処に、
本音など微塵も無い事は。

お互いに、
理解して居るけれど。


其処に、
一抹の不安が存在する事も。


お互いに、
認識して居るに違いない。












彼の時口にした、
姫の戻りたいと言う言葉は。

未だに、
膨らみ続けて居るのだろうか。



姫が初めて口にした、
遊びでしか付き合えないと言う言葉は。

今も時々、
想いに表出して居るのだろうか。



姫の口から、
離別の言葉が産まれる刻を。

俺が虎視眈々と狙って居る様に、
見えるのだろうか。













只の、
歌合戦の内の一曲。

此れ見よがしに、
此方へ視線を向ける姫へ。



 「良いから歌詞見ろよ!」



俺は笑いながら、
淡い抗議をしたけれど。












 「できない相談ね。」


姫は笑いながら。


何故か、
少し翳った顔をする。






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Background
 中森明菜 " 禁区 "






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References
 May.13 2004, 「本音は何処に在るのでしょうか」
 Mar.31 2004, 「信に値しないのは何れでしょうか」
 Jan.26 2004, 「窺って居た好機なのでしょうか」


2004年10月10日(日)


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History
2003年10月10日(金) 何故冬が浮かぶのでしょうか



< 距離は恐怖の対象ですか >


何故に。

何の脈絡も無く、
否定的な問いばかりが、
先行するのだろうか。









お互いに。

距離を隔てた繋がりを、
何度か、
経験した事が在る筈なのに。


二人の間に。

距離を隔てる繋がりを、
初めて、
要求されるかも知れないからか。






単に、
相手の想いは自身へ届いて居ないと言う、
其の一点を。

何の推敲も無しに、
強調して、
出力して居るだけなのか。















 「遠くに行ったら。」
 「小坊主は、新しい人探す?」


姫は、
何時でも。

最初の問いに、
必ず、
其の言葉を据えるけれど。










もしかしたら。



其の不安を、
先に除去する事が。

其の先の、
心地好い夢物語に繋がる事を。



本能的に、
理解して居るのかも知れない。

















 「町田って何ある?」
 「でも、都の区に住みたいんだよねぇ。」

 「お台場が良いな。」
 「毎日ゆりかもめ乗れるよ?」



其の後に続く、
非現実的で
非機能的な希望は。








実現が、
本意では無く。


只、
喜びと意思表示を表現してると、
解釈して。



間違い無いんだよね?


2004年10月09日(土)


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History
2001年10月09日(火) どんな気持ちの好きですか



< 互いに様子見して居るのでしょうか >


突然、
目の前から消えようと。

何の前触れも無しに、
携帯が、
音声や文を受け取らなくなっても。


其れは、
何らかの意思表示か、
何らかの事情であって。





直接的に、
或いは間接的に、
自身へ関わる事であろうと。

全くの、
無関係であろうと。


自身の、
深く踏み込む所では無いけれど。







如何して?







其の理由や、
其の事情を、
想わぬ筈は無いから。


何時か、
其れを伝え残して欲しいと。

常に、
希って居るのだ。















飽く迄、
正常範囲の返事なのに。

妙な行儀の良さが、
何故か、
刺々しく認識される。


 「そうですか?」






現実で目の当たりにした、
一時の再接近と。

同時に起きた、
行為や想いの擦れ違いが。


互いの、
何でも無い遣り取りに。

執拗に、
妙な違和感を挟み込む。









俺が、
過剰に意識して居るだけ。

何れだけ言い聞かせれば、
想いは、
休まってくれるのだろうか。

















久しぶりに繋いだ、
其の先には。

赤色の人型の列に、
独り、
彼女の、
水色の人型が在るのに。




開いた窓へは、
一文字すら書けやしない。





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References
 Aug.10 2004, 「其の奥と脇が良いのでしょうか」


2004年10月07日(木)


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History
2003年10月07日(火) 徐々に溜まって行くのですか
2002年10月07日(月) 暗い道を照らしてくれませんか



< 日捲りを始めて居るのでしょうか >


既に一度、
其の言葉を伝えられた事など。

書類の山の一番下に、
放り投げて居た。




言葉に、
確かな意思が在るのだと。

感知は出来なかったから。




そして何より。


制約は、
未だ産まれた直後で。

解除される迄、
未だ道は遠かったから。









更に一度、
其の言葉を伝えられた事すら。

書類の山の一番下に、
放り投げて居た。




言葉には、
何の力も無いのだと。

喉元に、
刃を突き付けられ続けて来たから。



そして何より。


刃に刃向かう、
其の能力を。

此の身に、
未だ備えて居ないから。













其れでも、
一瞬で、
手元に其れを取り出せたのは。

埋もれた奥の一枚へ、
少しは、
自身の想いが共鳴して居たからだろうか。



視界から遠ざけようとして。

強く意識しながら、
隠しただけだったからか。







眠り爆弾が、
突然目を覚ますかの様に。

姫の、
一月前の言葉が蘇る。

















 「小坊主。」
 「あと二ヶ月で結婚できるよ♪」


















何らかの、
進歩を得る前に。

其の期限迄、
あと一月を切った。



其の事に、
姫は気付いただろうか?





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References
 Jul.26 2004, 「知らないふりは許されますか」
 May.08 2004, 「気になる制約ですか」


2004年10月06日(水)


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History
2002年10月06日(日) 俺の魅力は何処にありますか



< 他人では埋められぬ疵でしょうか >


其の言葉が、
何処を指し示して居るのか。

瞬時に、
理解出来たのは。


相手を今も縛り付ける、
其の出来事を。

自身の意識下にも、
強烈に、
焼き付けて在るからに違いない。






そして。

転嫁したと主張する、
責任の在処は。


決して、
転嫁された物では無く。

間違いなく、
自らに在ると、
そう想うからに他ならない。








けれども。



自身が創った、
相手の心の疵痕は。

自身が何れ程努力しても、
埋まらぬ物で。



相手が望んで、
自ら埋めねば。


決して埋まらぬ物なのだ。

















例え、
其の解答は誤りだと、
想って居ても。

決して、
行為に行為を返す事など、
負の想いしか産まなくても。



 「だからさ。」
 「目には目を、歯には歯を。」
 「倍返しだよね!」

 「うん、そうね・・・。」



其の迫力に、
想わず肯いて終う。











或る、
歌い手の催しから帰宅した、
其の直後から。


 「あのね。」

 「ん?」

 「トラウマだって言うことは。」
 「人のせいにしてるって事なんだよ。」


姫が、
事ある毎に口にする、
其の言葉は。





苦悩や、
不安の混沌から。

今も抜け出せぬ、
姫の想いを。


余りに正確に、
そして綺麗に、
描き出して居るから。






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References
 Aug.16 2004, 「幸福が幸福を奪うのですか」
 Aug.11 2004, 「其の盾を刺せる矛は無いのですか」


2004年10月05日(火)


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History
2003年10月05日(日) 最初から相応しい相手ですか



< 中毒の様な物なのでしょうか >


傍に寄り添えば、
寄り添う程。

想いは習慣化し、
想いへの依存が増強される。





想いの常用は。

徐々に、
徐々に、
想いの受容体を麻痺させ。


続いて、
想いの効力を鈍化するのだ。








其れ故に。



溢れる想いは、
幸福感を呼ぶ特効薬で。

同時に。


想いを、
常に在る物と勘違いさせ。

想いへの感謝を奪い行く、
毒薬かも知れない。















お互い。

感謝を忘れた事など、
一度たりとも無いけれど。






想いなど、
届かねば良いと。

時として想う。


















 「こんなに冷たい人だったっけ・・・」
 「去年も、おととしも。」


俺にしがみ付きながら。

姫が零した、
一言は。






俺の想いが、
確実に届いて居る。

其の証明に、
違いないのにね。


2004年10月03日(日)


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History
2003年10月03日(金) 依存し過ぎて居ませんか



< 裏返せば辿り着けますか >


永く寄り添い、
同じ刻を共有する事で。


相手の想いを。

正確に推し量り、
把握出来る様に成るのだろうか。





老夫婦は。


相手の要求を満たす振る舞いを、
的確に把握して。

何の言葉も無しに、
先んじて自身を動かす事が、
出来るけれど。




もしかしたら。


お互いの波長が、
殆ど、
同一化するから。


相手の想いと、
自身の想いを、
限りなく近似可能なのかも知れない。












其の域に、
何時辿り着けるかなど。

想像すら出来ぬけれど。


寄り添えば。

ある程度、
波長を逢わせる事が、
出来る筈だ。



だからこそ。


 「普通の人と付き合えば?」


其の言葉を、
正確に裏返せば。


きっと、
真に程近い場所へ辿り着く。

















何処だ?

姫の、
不安や不信や負担を増やして居る、
俺の振る舞いは。


何れだ?

普通じゃ無いと想わせる、
俺の振る舞いは。













自分の境遇を天秤に掛け。


 「小坊主。」
 「普通の人と付き合えば?」


姫は、
自分を否定する様に、
言うけれど。




其れは即ち。

姫は今、
俺が普通で無いと、
そう考えて居るに違いない。


2004年10月01日(金)


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History
2003年10月01日(水) 日常から丹念に拾い出せますか





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