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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
英ポーツマスに新博物館2011年公開予定?

管理人年度末多忙のためご紹介が遅れておりましたが、1月末の米オブライアン・フォーラム(掲示板)から、イギリスの16世紀の復元艦のニュースを。

英国ポーツマス市の、歴史的艦船を集めたドックヤードに、ネルソン提督のビクトリー号や、英国初の鋼鉄艦ウォリアー号に加えて、2011年から、ヘンリー八世の旗艦だった16世紀半ばの木造艦メアリーローズ号の新展示館が加わる見込みが立ちました。
メアリーローズ号の復元作業は1982年から少しずつ進められてきていましたが、途中で修復資金が尽き、先の見通しがたたない状態にありました。
が、このたび2100万ポンドの助成金が獲得できたたことから、3年後一般公開に目処がたったとのこと。

メアリーローズ号は1545年7月19日にここポーツマス号で沈没事故を起こし(新たな積載砲が重量超過となり、積載バランスを崩し沈没)以来550年間、ポーツマス港とワイト島の間に横たわるソレント海峡の海底深く眠り続けていました。
20世紀の技術を活かした発掘作業が始まったのは1982年から。以来の引揚作業により、19,000を越える部材や備品がほぼ完全に近い形で発見されています。
この中には当時の軍服や食器、乗組員の退屈をまぎらわせてくれたバックギャモンのセットや、軍医の仕事道具(スティーブンの時代ほど洗練されてないので、鋸とか)などが含まれます。

2011年に公開予定のメアリーローズ号博物館は、海底から引き揚げた当時の木材による復元部分と、資料を基に再現された現代の復元船から成り、当時の備品などは現代の復元船部分に展示、また当時の資材を用いた復元部分も、甲板を歩いて見学できるように整備するとのこと。

マゼランのビクトリア号や、米国への初移民船ハーフ・ムーン号など、当時の船を現代の資材で復元した船は幾つか存在しますが、海底から引き揚げた当時の資材を組み立て直し、実際に甲板の上を歩ける復元船は世界でも初めてでしょう。
3年後の公開が楽しみです。

参考記事:英ザ・ガーディアン紙
http://www.guardian.co.uk/uk/2008/jan/25/artnews.art


2008年03月02日(日)