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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
「TIME」今週号アメリカ版

アメリカ版とアジア版が異なる今週の「TIME」ですが、「M&C」に関するアメリカ版の特集記事は、ネットで読むことができます。(Kさん>お知らせありがとうございます)。

「TIME」の特集記事は、以下の3本から構成されているようです。

The Bold Man and the Sea
俳優ラッセル・クロウ自身にスポットを当てたインタビュー中心記事

At the Heart of the Ocean
原作者パトリック・オブライアンについて

Why Russell Ranks High
映画評。こちらもラッセル中心

この「TIME」アメリカ版ですが、日本国内では紀伊国屋WEBから入手することができるようです。
紀伊国屋書店 洋雑誌WEB
↑こちらのページから、「TIME」で検索をかけると、アジア版、アメリカ版とも出てきますので、
こちらのアメリカ版を選択してください。

この紀伊国屋WEBを見ていると、やはり日本でのロード・オブ・ザ・リング(LOTR)とマトリックスの人気には凄いものがあると思います。
前回、映画が「TIME」の表紙に登場するのは「LOTR二つの塔」以来と書いてしまいましたが、「マトリックス」も表紙になっていました。こちらで映画関連の「TIME」表紙一覧を見ることができます。
果たして「M&C」が、この表紙の他のラインナップに匹敵するほどのヒットになりますか否か。

余談ながら。今回「TIME」アジア版の差し替え特集となった「アジアの心の危機」は、アジアで自殺や鬱病が多いのは、儒教国だからだ…という分析で、なかなか面白く読みました。「東京ではホームで電車を待っている人が自殺しないように、駅には鏡がついてる」として中央線の駅の写真が紹介されていました。やはりアジアには、サープライズ号の冒険よりこちらの方が重要ですね。


★追加修正のお知らせ
(1)オーブリー関連書籍
只野四十郎さんのHP「Sailing Navy 王国海軍 木造帆船軍艦の時代」に、「オーブリー関連書籍」のページが登場しました。「トップページ→参考資料→参考文献(洋書)中の「オーブリー関連本」とお進みください。10月29日の日記にこの項を追加しました。

(2)ポール・ベタニー フィルモグラフィー
11月4日の「試写会用プレス資料(2)」に、ブライスさんの「ポール・ベタニー フィルモグラフィー」を追加いたしました。

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先日、Commander in Chiefの話を書きましたところ、噂をすれば何とやら…なのか、翌日ページを開いた9巻「Treason's Harbour」第4章にCommander in Chief (on the Mediterranean Station)がご登場…。ところが、

ジャックとスティーブンは、9巻では地中海のマルタ島に滞在しています。マルタ島は当時、地中海における英国海軍の基地となっており、サープライズ号は9巻4章現在マルタ島の工廠で修理中です。
さてある日の昼さがり、Commander in Chiefからスティ−ブンに呼び出しがかかりますが、海軍本部からの使いがホテルの部屋のドアを叩いても返事がありません。
部屋係のメイドは「このお部屋の紳士は、ベットの中で冷たくなっているのでは?」と真っ青に。

おろおろするメイドから鍵をひったくったジャックは部屋に入りますが、部屋の主は耳栓を入れてぐっすりお寝み中。乱暴に揺すられてようやく目を開いた寝起きのスティーブンは、「(Stephen) gave his friend a look of pure hatred」…憎悪に満ちた目…だそうです。これは本当に怖そう。ジャックでなかったら震え上がってしまうでしょう(笑)。スティーブンは楽しい夢を見ていたところだったのです。

メイドの大騒ぎを聞いて、「いったい何事で? 艦長?」と飛び込んできたボンデンとキリックに、ジャックは命じます。
「7分間でドクターを磨き上げ、一番良い軍服を着せ身なりを整えなければならない」
自分がいなくてもメモは提出したし会議は始まる…とスティーブンは抗議しますが、ボンデンとキリックに慈悲など期待できません。
スティーブンは、常日頃よりきちんとした身なりで、ひげも剃り、かつらも全く曲がっておらず、Commander in Chief(この場合は地中海艦隊司令長官)の到着に殆ど遅れることなく会議室に入ることができましたが、目だけは腫れぼったく、まだ人間としての頭の働きが出来るようにはなっていませんでした。
…さすがスティーブン、と言うべきか。さすがボンデン&キリックと言うべきか。


2003年11月08日(土)