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JIROの独断的日記
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2010年12月25日(土) 「リタリン報道のその後について」毎日新聞社会部「精神医療取材班」への五度目のメール全文/【追加】過去、毎日新聞へ送ったメール。

◆毎日新聞社サイト「お問い合わせ」フォーム経由で送った五度目のメッセージ全文

東京に住む会社員、JIRO(注:実際は実名を記載)と申します。

この件について五回目のメールになります(四回目は、2008年5月5日(又は4日)の筈です)。

申し上げたいことは前回までと変わりません、四回メールを差し上げて、

2年7ヶ月経っても返事が頂けないので、今一度、筆を執りました。


御社・社会部・精神医療取材班(←まだ、存在するのですか?)は

2000年代に入ってから、数年に亘り、盛んに「反・リタリン(注;中枢神経賦活薬)キャンペーン」をおこなっていました。


その甲斐があって(?)2007年、10月26日を以て、リタリンの適応はナルコレプシーだけになりました。



御社は大得意でしょうが、それまで、リタリンを正しく服用していた遷延性・難治性うつ病患者は大変に困りました。

3年経った今でも、率直に述べるならば、リタリンが処方されていた頃よりも、不便な生活です。

どんな薬でも三年以上も服用しなければ、完全に身体から抜け、例え依存だった人

(私は1日1錠でしたから、依存ではありませんが)ですら、完全に依存から脱しているでしょう。



しかしながら、「だから、もう良い。」という問題ではない。 

ある薬物を処方される者の一部がこれを濫用したからといって、

正しく服用している者に対してまで、処方を禁じるのは、間違っています。

たとえ、或る向精神薬の処方を止める、と決まった場合でも、

それまで長期間に亘って服用した薬は「漸減する」のが原則ですが、

この薬は2007年10月26日を以て、ナルコレプシーの患者にしか処方されなくなり、

うつ病や、大人のADD、ADHD患者には処方されなくなりました。無茶です。



この決定を下したのは、最終的には当然厚労省です。

しかし、そうなるきっかけは、販売元のノバルティス・ファーマが、

「リタリン乱用」による「社のイメージダウン」を怖れ、自ら、「リタリンの効能から、難治性・遷延性うつ病を外したい」

と申し出て、薬事審議会がこれを了承したからです。



そして、彼らをそのように行動させたかなりの部分は、毎日新聞の報道に原因がある、と、私は考えます。

何故なら、リタリンを正しく使っている場合の効果は全く取りあげず、

一部極端な濫用者のケースを誇大に取りあげたのは、毎日新聞社会部、精神医療取材班だけだったからです。



はっきり申し上げますが、御社の報道は偏向しています。

うつ病専門医の中には、「難治性・遷延性うつ病に対して、リタリンは有効だった」と主張する人もいますが、

毎日新聞は、リタリン反対論者の意見しか載せなかった、と言うだけでも公平性に欠けていました。



2007年10月29日の毎日新聞紙面に掲載された「開かれた新聞:委員会から 10月度」には、

「開かれた新聞委員会」各委員の批判的コメントが載っています。

◇効果と副作用のバランスを−−柳田委員

一部の精神科医が十分な診断をしないで向精神薬を処方している実態を、報道によって告発することは重要だ。しかしその場合も、精神科の診療、特に薬物療法の全体的な状況や、効果の出ている患者の実態などについて、十分に目配りの利いた記事を構成すべきであろう。そうしないと、効果の出ている患者を混乱させることになりかねない。薬は効果と副作用のバランスをどうとるかが重要。特に精神疾患やがんなど、薬の使い方が難しい分野ではそのバランスの問題をおさえて議論していることがわかるような記事にしてほしい。


◇ずさんな診療実態、浮き彫り−−田島委員

リタリンをめぐる一連の毎日新聞の報道は、この問題の現状と背景を多面的に伝えていて有益である。特に、依存症の遺族や凶悪事件への発展のケースなども含む乱用実態や、ずさんな処方を繰り返す医師や医院の診療実態が丁寧な取材によって浮き彫りになったと思う。遺族取材などにより、うつ病への適用を容認してきた国の対応の遅さも指摘しているが、今回の流通制限などの改善にとどめず、製薬会社や薬事行政の構造的な問題など掘り下げた解明も望みたい。他方でリタリンの効用、服用患者への配慮にも続報が欲しい。


◇「救われた人」への配慮必要−−玉木委員

毎日新聞の一連の記事は、覚せい剤の代用品として使われることを知りながら、安易にリタリンを処方する病院に警告を発し、併せて依存症の怖さを知らしめるものだ。重要だが、それだけだと、リタリンが覚せい剤同様の恐ろしい薬品という印象になる。実際にリタリンを服用している患者には、ショックも大きいだろう。もちろん、リタリンの適正な処方で救われた人も多いはずだ。そういう観点からのフォロー記事がないのは、やはり配慮に欠けているように思える。「偏っている」という読者の批判を重く受け止めるべきだ。


◇重要な報道、全体像の整理を−−吉永委員

向精神薬リタリンの一連の記事は、さまざまな問題点を明らかにしたが、提起される事柄が多岐にわたっていて多少混乱したことは否めない。薬そのものの依存性の問題、処方の安易さの問題、安易に処方する医師の問題、乱用する者の問題、医師法や医師の処方権の問題、うつ病に使用される日本の問題などが次々に提示され、部分的に読んだ場合、全体像がつかみにくい。そのため正しく処方された場合の効能に誤解を生んだ。重要な報道内容でもあり、きちんと整理してまとめた形の特集でも組んでほしい。

いずれの委員も、リタリンを正しく服用していた患者に対する配慮が欠けているという趣旨の意見を述べています。

これに対して、毎日新聞は
◇有効な防止対策を追求

リタリンの乱用による副作用被害は極めて深刻です。その背景には、患者を多く集めるために安易に処方する一部の医療機関の存在があります。リタリンをはじめ、向精神薬の乱用に歯止めをかけるにはどうしたらいいのか、医療機関や製薬会社、行政に有効な対策を求めていくことが報道の狙いです。80年代以降、リタリンが、うつ病に効くという臨床試験の結果はなく、うつ病への適応削除を決めた厚生労働省の審議会でも異論は出ていません。とはいえ、「リタリンによって何とか日常生活を送っている」という患者が少なくないのも現実です。乱用防止はもちろんですが、こうした人たちの苦しみに応えるためにも精神医療、薬物治療はどうあるべきかをさらに掘り下げていこうと考えています。【東京本社社会部長・斉藤善也】

と、社会部長がコメントを書いています。

しかし、私が知る限り、これ以降、毎日新聞が「リタリンを正しく服用していたのに、突如処方を打ち切られて困っている患者」

の特集を組んだことはない、と思います(間違っていたら申し訳有りません。特集を組んだならば、日付とページを教えて下さい)。


この件について何千通、何万通もの投書があったとは到底推察出来ず、

私に対しても2年7ヶ月経っても忙しくて返事が出来ない合理的な理由は、想像できません。


無視し続ける理由をお教え下さい。

なお、本件とは全く関係ありませんが、私の祖父は遙か昔、御社の主筆でした。

社史があれば、○○○○(注:←毎日新聞宛投書には、祖父の実名を記しました)という名前を調べて下さい。

祖父が現在の御社の偏向した報道を読んだら、さぞや嘆くだろうと思い、誠に残念です。


それでは、失礼を致します。


◆【追加】過去、毎日新聞社会部へ送ったメール。

五回目と書きましたが、過去のメールは以下の通りです。

メールは過去四回送りましたが、一回目だけは、日記の記事にしていません。特に理由はありません。

二回目。2007年12月06日(木) 毎日新聞宛質問状「リタリン報道について。患者が仮処分申し立てを行ったことを何故報道しないのか?」ココログ

三回目。2008年02月11日(月) 2月11日(月)21時02分付 毎日新聞精神医療取材班へのメール--リタリン報道に関して(注:3回目)ココログ

四回目。2008年05月05日(月) 毎日新聞社会部「精神医療取材班」への四度目のメール全文 ココログ

本文で書いた通り、前回から2年7ヶ月後に五回目を送ったのですが、

毎日新聞はいまだにこの問題を覚えている読者がいるとは想像だにしていなかったでしょう。

そもそも、自分達の「リタリン報道」すら、忘れていたかも知れません。

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