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JIROの独断的日記
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2006年10月30日(月) 悪いニュースと良いニュース。共に大きく取り上げられていないものから。

◆記事1:温暖化の損失、大恐慌に相当と 英報告書が警告 (CNN Japan)

http://www.cnn.co.jp/business/CNN200610300027.html

ロンドン――英政府は30日、地球温暖化に関する報告書を発表し、温暖化を放置すれば、

経済的損失は1930年代の大恐慌や2度の世界大戦に相当する規模になると警告した。

報告書は英政府の委託で、ニコラス・スターン元世界銀行上級副総裁らが執筆。

現在のペースで温暖化が進んだ場合、世界各国の国内総生産(GDP)の最大20%に上る損失が予測されるとしている。

一方、温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を抑えるために必要なコストは、世界のGDP総計の1%前後にとどまると述べ、

「経済成長と環境保護を両立させることは可能だ」と強調している。

これについて、ブレア首相は「現政権が出す中で、将来に関わる最も重要な報告書」とコメント。

「温暖化が起きているという科学的証拠はすでに動かし難い。今すぐ行動を起こさなければ、遠い将来でなく、

われわれが生きている間に大惨事が起きる」と述べた。

またブラウン財務相は報告を受け、温暖化防止へ向けた「国際的な取り組み」の重要性を指摘。

欧州連合(EU)が全体として、温室効果ガスの排出量を2020年までに30%、

2050年までに60%削減するとの目標設定を提案している。 (2006.10.30Web posted at: 21:13 JST- CNN)


◆コメント:あまりコメントは要らないと思いますが・・。

つい先日、「地球温暖化悪循環に シベリア湖底のメタン大量放出」という記事を書きました。

そこから更に国連環境計画という組織がとっくの昔に発表したレポート、「地球環境概況2000」へのリンクが貼ってあります。

同レポートには「地球温暖化を防ぐのは恐らく既に手遅れ」と述べられていることなども説明してあります。ご参照下さい。


◆記事2:10月に様々な国際音楽コンクール上位入賞を果たした日本人(注:順不同。JIRO編)

◆ビエニアフスキ国際バイオリンコン:桐朋女子高・鈴木愛理さんが2位

【ベルリン共同】ポーランド西部ポズナニで28日まで行われた第13回ビエニアフスキ国際バイオリンコンクールで、

桐朋女子高校音楽科2年の鈴木愛理さん(17)、東京都出身=が2位に入賞した。賞金は2万ドル(約235万円)。

優勝は地元ポーランドのアガタ・シムチェフスカさんで、3位も同国のアンナマリア・スタシキエウィチさんだった。

32人が14日からの予選で演奏し、8人が最終審査に勝ち残った。

「バイオリンのショパン」と呼ばれたポーランドのバイオリニスト兼作曲家の名前を冠した同コンクールは5年に一度開かれ、

若手バイオリニストの登竜門として知られている。(毎日新聞 2006年10月30日)



◆国際ハープコンテスト:千田さんが3位入賞

【エルサレム前田英司】弦楽器のハープ演奏の分野で最も権威があるとされる「第16回国際ハープコンテスト」の最終審査が23日エルサレムで開かれ、

東京都世田谷区の千田(ちだ)悦子さん(28)が3位に入賞した。

同コンテストは35歳以下の若手演奏者を対象に3年に一度開かれており、

今年は世界各地から書類選考を通った15カ国23人が出場した。

最終選考に残った千田さんはこの日、オーケストラとの協奏に加えて、独奏曲を披露した。
千田さんは小学3年生からハープ演奏を始め、海外留学経験がない「純国産」のハープ奏者という。

3位入賞に千田さんは「ここまで来れると思わなかったので満足している」と笑顔で話した。(毎日新聞 2006年10月24日)



◆バイオリン:17歳の正戸里佳 中2から注目され、パガニーニ・コンクールで3位

◇やっと賞歴できました

◇勉強になった審査員の講評、2000人の大拍手受け幸せ

「やっと賞歴ができました」と笑みがこぼれる。イタリア・ジェノバで行われた第51回パガニーニ国際バイオリン・コンクールで3位に入った正戸里佳。

桐朋女子高3年、17歳という若さで「やっと」と言うのも妙だが、これまで中学3年で受けたヴィエニャフスキ・ジュニア・コンクールをはじめ、

ロン・ティボー、今年の5月のモーツァルト国際コンクールまで、立て続けに最終予選のセミ・ファイナルどまりだったからだ。

広島県の中学2年のとき全日本学生音楽コンクール大阪大会1位を得て以来注目を浴び、国際コンクールの入賞を期待されていただけに、

今回もプレッシャーが強かったのではないだろうか。

「舞台に出ると落ち着くタイプで、プレッシャーはないのですが、今回は風邪をひいていて渡航する前から熱が下がらず、

本選も熱冷ましをしても37度あった。演奏中にセキがでないか、それが心配で。でも予選、本選とも弾き始めたらセキが止まってくれました」

この人は音が美しい。最近の日本人バイオリニストの間では弦に弓を強く吸い付かせて音を出す方法が全盛だが、

彼女は弦と弓の間にあつれきをおこさずに共振させて楽器全体を共鳴させる。やわらかく、温かい美音が生まれるゆえんだ。

それ故に、強さに欠ける面もあり、音楽性と技術を両立させているにもかかわらず、コンクール向きではないとも見られていた。

「セミ・ファイナルのたびに、スークさんをはじめ国際コンクールの審査員のいろいろなバイオリニストに講評していただいたのが、

とても勉強になりました。フレージングもすべて言葉から来ているということを徹底して学びました。

だから今回はきちんと弾ければ本選に残るはずだ、と信じていました」

本選の1日目のチャイコフスキーの協奏曲の1楽章を終えた曲間に、聴衆から大きな拍手がわき起こった。

「あとで係の人から、あなたの演奏を聴衆はいちばん喜んでいたね、と言われてうれしかった。

なぜあなたが1位でないのか、とも言われましたが、2000人の聴衆が聴いて大きな拍手をしてくれただけで本当に幸せです」

(【梅津時比古】毎日新聞 2006年10月17日)



◆ハノーバー国際バイオリン・コンクール:杉村香奈さんが3位

◇ハノーバー国際バイオリン・コンクール(ドイツ) ▽3位=杉村香奈

(毎日新聞 2006年10月18日)



◆ジュネーブ国際音楽コンクール:ピアノ部門 菊地裕介さんが3位

◇ジュネーブ国際音楽コンクール・ピアノ部門(スイス) ▽3位=菊地裕介

(毎日新聞 2006年10月18日)


◆コメント:この他、日本では毎コンが行われていました。

毎コンについては、過去に何度も書いております。

音コン本選たけなわ「ここ一番」で実力を発揮する、ということの厳しさ。、等です。

他にもあります。検索はエンピツの目次ページに検索欄があります。これが、一番使い易いと思います。

「毎コン」で検索してみてください。

中には、毎コンとはあまり関係のない記事も混じってしまいますけど、悪しからず。



今では「日本音楽コンクール」と言っていますが、もともと、戦前に(戦前ですよ!)毎日新聞社主催で始まったものなので、

ずっと「毎日音楽コンクール」、通称「毎コン」でした。

いまだにクラシック関連の人々は「毎コン」と呼んでいるようです。

日本で一番権威があるコンクールです。今年が75回目でした。



今年の各部門の入賞者がここに載っています

コンクールで優勝したからと言って、必ずしもその後大成するとは限りませんが、

日本で音楽家をを目指す若者にとっては、「毎コンに出る」というだけで、大変な決心なのです。

そして、演奏部門(他に作曲部門があります)に限って見ても、今年は声楽、ピアノ、バイオリン(この3つは毎年必ずあります)、

クラリネット、トランペットの各部門があり、それぞれ第一次予選では、百数十人が受けるのです。

そして第二次予選へ進めるのは20人前後。

本選に残れるのは、各部門4人ぐらいなわけです。本選に残るだけでも大変。

第一次予選で落とされた大部分の人々も、受けるからには本選まで残る覚悟で課題曲を練習しているのです。

でも、本当に残るのは、何十分の一な訳です。

「コンクールなんて・・・」と言うのは簡単ですが、「じゃ、貴方、受けてご覧なさい」ってなものです。


◆安藤美姫選手も立派ですが、全然世間に知られずに頑張っている、「音楽家をめざす若者」がいます。

フィギュアスケートでは、トリノオリンピックでの雪辱を果たした安藤美姫選手の健闘が話題になっています。

あれは、本当に立派だと思います。それについては私も全く異存はないです。



しかし、クラシック音楽など、誰も見向きもしてくれない。

くれないけど、世界の檜舞台で上位に入賞している音楽家の卵がこれほどいるのですよ、ということを伝えたくて、延々と記事を引用しました。

各国際コンクールの「格」は全部は、私は良く分かりません。

ヴィエニャフスキというバイオリンのコンクール、ジュネーブ国際コンクールってのは、有名です。

それでも、要するにコンクールというのは、毎コンと同じで、一曲だけ練習するなんてそんな甘いコンクールは無いのですから(NHKのど自慢じゃないのです)、

優勝しなくても上位に残るまでの苦労は、想像を絶すると思います。

音楽(クラシック)に関しては、毎コンを始めただけあって、毎日新聞が一番詳しく、速く伝えます。



少し、話が逸れます。

上の記事の中に、署名記事で「梅津時比古」という名前がありますが、この方は日本で一番優秀な音楽評論記者だと思います。

本も出ていて、ものすごくロマンティックな文章を書く人です。

今は論説みたいな立場なのでしょう。月に2回くらい、音のかなたへというコラムを書いています。

これが、何冊も本になっています。「日差しの中のバッハ」などお薦めですが、高いね。結構。

但し、ときどき演奏会評で、滅茶苦茶に酷評することがあり、「何もそこまで書かなくても」と思うことはあります。

こればかりは主観の相違なので、どちらが正しい、という話ではありませんが。



良いニュースと言っても音楽の話ばかりになってしまいましたが、前述したとおり、あまりにも世間に知られない、

つまり報道されない世界なので、集中的に私が取り上げた、という次第です。

それでは、今日はこの辺で。


2005年10月30日(日) 「年内の牛肉輸入再開に期待 町村外相」←町村さん、精神鑑定を受けた方が・・・・。
2004年10月30日(土) 「新潟中越地震、半壊、半焼住宅に災害救助法適用 」←1世帯最高51万9千円。全世帯でも3億円。サマワ宿営地建設費用377億円
2003年10月30日(木) 公明党を含む連立与党は違憲である、という当たり前の話。
2002年10月30日(水) 北朝鮮の脅威は核よりも化学兵器である。どうして議題に採り上げないのだ?

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