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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
ブリューゲル展に帆船版画

Vさんから頂戴した情報です。
全く知らずにおりました。ありがとうございます!

7月17日から8月29日まで、東京渋谷のBunkamuraミュージアムで開催されている「ブリューゲル 版画の世界」展に、素晴らしい海洋画(帆船画)が数多く来日しているとのこと。

ネットで調べてみましたら、
「ブリューゲル 版画の世界」見どころと展覧会構成
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/10_brueghel/composition.html

>第3章 武装帆船やガレー船の驚くべき表現力
>16世紀中期のアントワープはヨーロッパでも有数の国際商業都市として繁栄した。
>(ブリューゲル版画の)船舶シリーズは、貿易商人、仲買人、探検家だけでなく、
>多種多様な外国船に興味を抱く国際的な購買層を対象とした。
>ブリューゲルは武装帆船を細部にわたり、船舶技術者のような目で描写した。

とあります。
これは期待しても良いかもしれません。

会期、会場、時間など詳細は下記をごらんください。
「ブリューゲル 版画の世界」展覧会概要
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/shosai_10_brueghel.html

この展覧会は、東京の後、新潟(9月4日〜10月17日)、京都(10月22日〜11月23日)でも開催されるとのことです。


2010年07月25日(日)
サグレス礼砲交換

ポルトガルの練習帆船サグレスの来航は、いよいよ明日となりました。
海上自衛隊のHPにも詳細が載っています。

ポルトガル海軍艦艇の訪日にともなうホストシップの派遣について
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/info/news/201007/072002.pdf

海軍艦艇の公式訪問時には、観音崎の砲台で礼砲交換があるのですが、これは平日の早朝が多く、なかなか見に行くことができません。
ところが今回は来航が土曜日です。
とは言っても、やはり朝が早い。
東京湾海上交通センターのホームページによると、礼砲交換は観音崎で午前7時半から8時とのことです。

じつはちょこっと調べてみたのですが、この時間だと観音崎公園の駐車場はまだあいていません。
車で行くと駐車できない可能性があります。
京浜急行の浦賀、馬堀海岸、JR横須賀線の横須賀駅からは6時台の路線バスにのっていくしかありませんが、
その場合、横浜駅を午前6時頃には通過しなければならない計算になって、
これはお近くの方しか難しいかもしれません。

京急バス観音崎行き
浦賀発 06:45、横須賀発 06:48、馬堀海岸発 06:59
詳細は京急バス時刻表案内でご確認ください。


2010年07月23日(金)
ツバメ号とアマゾン号

岩波少年文庫の7月の新刊として、アーサー・ランサムの「ツバメ号とアマゾン号」文庫版が復刊されました。
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/jidou/

カバーコピーが「夏の光の中、帆船は進む」
夏休みの始まりの、海の日にふさわしい「ひとこと」なのではと思います。

このシリーズは、イギリスの児童文学で、子供たちの夏休みの冒険を描いたもの。
リンドグレーンの「やかまし村」や「カッレくん」のシリーズ、などと同じく、子供たちを主人公とした冒険小説ですが、
なぜこのホームページでご紹介するかと言うと、このシリーズ、子供たちがヨットを駆使して冒険をくりひろげる「海洋冒険小説」だからです。
1巻目と2巻目で主人公たちが帆走するのは大きな湖ですが、3巻目からは船もスクーナーになって、海に出ますよ。

このシリーズは今の私の趣味の原点になっています。
12才(小学6年生)でこの本を読んでいなかったら、たぶん私は大人になってから海洋小説を読むこともなかっただろうし、このホームページを開くようなこともなかったんじゃないかな?と。

この少年文庫版、少しずつ再読していますが、いま読み直して驚くのは、「昔は本当にわかってなかったなぁ」ということです。
あの頃は、ヨットのことも、イギリスの海の故事も、なんにも知らなくて、
ハリヤードってなに? ドレイク船長って誰? ジョン・シルバーって?渡り板って何のこと?
同い年の筈なのに、もうヨットに乗れて、子供だけでキャンプができて、海や歴史のいろいろな話を知っている物語の主人公たちを憧れの目で追いながら、こういう風に自分たちだけでキャンプができて船が走らせられたらぃぃなぁと思っていた。

それから30年以上の年月がたって、今あらためてこの本を手にとると、
ハリヤードは帆を揚げるロープ(海洋小説で揚帆索と書いてハリヤードとルビふってあるアレね)だってわかるし、ドレイクはエリザベス一世時代の船乗りで海賊(バッカニア)だし、ジョン・シルバーは滅茶苦茶かっこいい素敵な一本足の海賊(パイレーツ)だとテレビアニメの「宝島」を見て知った。
渡り板は…これホンモノを見たいのはつい最近、ジョニー・デップの「パイレーツ・オブ・カリビアン」ですよ。最初にランサムの本を読んでから、ゆうに30年はたってしまってましたね。

主人公のこどもたちが歌っていた「スパニッシュ・レィディ」の歌、今は私も歌えるし(「ホラムは本当に良い声をしている@オーブリー艦長」)
彼らが言ってたリベンジ号の話も、アレクサンダー・フラートンの海洋小説で読んだわ。

大学で山のサークルに入ってたから、自分たちだけでテントかついで山で泊まるってのも経験してるし、
海星の1日体験航海で、いちおう、帆船に乗るってのも経験させていただいた。

別に、12才の時の憧れを実現しよう!と意識してやってきたわけじゃないんです。
それを仕事にしたわけでもない。
でも大人になって自然と海洋冒険小説にはまったのは、やっぱり海洋冒険が好きだったから、大人向けのはちょっと殺伐としていても面白かった(これ、女性にしたら珍しい感性かもしれないですけど)。

ただ、面白そうだなぁ、やってみたいなぁ、好きだなぁということを、本業の合間合間にちょこちょこやってきたら、30年もたつうちに、むかし憧れていた知識が知らないうちに手に入っていたり、彼らの体験の一部を共有できる自分になっていた…ってことに、今回の再読で気がついて、なんだかびっくりしてしまいました。

そしてやっと、物語のほぼ全てが(知識の上では)理解できる自分にもなっていました。
はじめてこの物語を読んだ小学校6年生の時、私こどもたちの話に出てくる「エリザベス女王」を今のエリザベス二世だと間違えていたことに気づきました。
だってドレイク船長が誰だかわからないし、世界史も「ベルサイユのばら」くらいしか知らないのだから(そう、まだ「7つの黄金卿」も「サラディナーサ」も無かったし(笑)…注:これらはエリザベス一世朝を舞台にした歴史少女漫画)無理ないことだけれども。

物語の舞台となる湖も、山中湖あたりをベースに想像していて、イギリスはもっと北で植生も違うのだから、日本だったら屈斜路湖あたりを考えなければいけなかったんですね。
ノーフォーク湖沼地方は、北部湖沼地方と同じようなところだと思っていたけれど、ノーフォークの湖沼はbroadsで、北部はlakesなので、ノーフォークってむしろ、ラミジが育ったケント州の沼地帯(broads)みたいなところなんですね。
今の自分の知識と経験を重ねあわせながら再読すると、「あ、これこうだったのか!」って納得したり、誤解に気づいたりすることしきり。

やっぱりこの物語って私の原点なんだなぁと、つくづく思いました。
なんだか長い長い旅をして、故郷に帰ってきたら昔と変わってました…に近いような気分です。
とても個人的な感想で恐縮ですけれども。


2010年07月19日(月)
横浜「世界の帆船模型展」は明後日20日から

毎年5月に横浜有隣堂で開催されていた船模横浜帆型同好会の「世界の帆船模型展」、今年は連休明け20日(火)から、横浜みなとみらい地区のクイーンズスクエアにて開催されます。

「第32回 世界の帆船模型展」
期間:平成22年7月20日(火)〜7月25日(日)
時間:11:00〜19:00 (最終日は17:00まで)   
場所:みなとみらいギャラリー
    クィーンズスクエア横浜クィーンモール2F
    みなとみらい線 みなとみらい駅 徒歩5分
   JR・地下鉄 桜木町駅 徒歩15分

下記ページに詳しい御案内と会場(みなとみらいギャラリー)への地図があります。
http://www5.famille.ne.jp/~ysmc/

今週はサグレス号の横浜入港(24日予定)もありますし、横浜まで足を延ばしてみられるのはいかがでしょう?


2010年07月18日(日)
ナルニア国物語第3章(朝びらき丸)2011年2月公開

このホームページの本筋からはちょっとはずれますが、
いちおうこれも、ファンタジーですが、海洋冒険小説ということで、

映画ナルニア国物語の3作目が、米国ではこの12月、日本では来年2011年2月25日からようやく公開となります。
金融危機のあおりを受けて、製作が一時ストップ、第1作と第2作を製作していたディスニーが手を引く…という話を聞いて、ずいぶんと心配していたのですが、なんと20世紀FOXがこれを拾ってくれて、前2作同様、特殊効果撮影はM&Cやロードオブザリング同様、ニュージランドのWETAで、旗艦上映館が有楽町マリオンの日劇です。

「ナルニア国物語」の第三章の原作の題名は「朝びらき丸、東の海へ」。
ペペンシーの兄妹(エドマンドとルーシィ)がいとこのユースチスとともに朝びらき丸(Dawn Trader)という船で冒険公開に出るという物語。

ただし、今回、日本での第3作目のサブタイトルは「アスラン王と魔法の島」で朝びらき丸ではありません。
Dawn Treaderを「朝びらき」と訳された瀬田貞二先生は素晴らしいと思うのですが、やはり21世紀に「丸」は苦しかったのか?
船の名前も映画ではドーン・トレーダー号となるようです。
そのむかし「朝びらき丸」で原作を読んだ身としては、ちょっとさみしい。

それに、ドーン・トレーダーって書きにくくて、ついつい「ドーン・トレッダー」と入力してしまいそうに、
私にとってドーン・トレッダーは、相模湾などで時々見かける、エメラルドの縁取りの帆の美しい縦帆船のことで、朝びらき丸とは結びつかないんですが、

海外のサイトを「Narnia 3」で検索すると、この映画のスチール写真などが見られます。
原作さし絵の朝びらき丸は、ペーロン競技のドラゴンボートが船首はゴンドラ、船尾はガレオンになったような船ですが、今回の映画のドーン・トレーダー号は、もう少し船体が長くて乗り心地がよさそうです。

そうそう、今回海外サイトを読んでいて驚いたのは、WETAの責任者のリチャード・テイラー氏が、私の知らない間にサー・リチャード・テイラーになっていたことでした。
叙勲されていたんですね。
でもそうなると、彼はサー・リチャードと呼ばれるのですね(ボライソー・ファンには複雑)。

ともあれ、一時は幻かと思われた第3作が、実際のものとなって現れてくれて本当になによりです。
ディズニーの投げた企画をサルベージしてくれた20世紀FOXには本当に感謝です。


2010年07月11日(日)
サグレス来日日程

ポルトガル大使館の方から、サグレス来航HP解説の御連絡を頂戴してしまいました。
来日日程が明らかになったそうです。
お知らせ本当にありがとうございました。

詳細は下記ホームページ
http://www7b.biglobe.ne.jp/~sagres/index.htm
最初のページは中央のサグレスの帆の部分をクリックすると、先に進めます。

日本での寄港先は、7/24-29 横浜、8/2 西之表(種子島)、8/3-8 長崎の三つの港。

横浜、長崎での一般航海予定は、今のところ下記の通りですが、「日程は予告なく変更されることがあります」とのことですので、確実を期す方は、直前に確認された方が良いかもしれません。

<横浜一般公開>
7月24日(土)14:00 - 18:00
7月25日(日)10:00 - 12:00  14:00 - 18:00
7月26日(月)一般公開なし
7月27日(火)10:00 - 12:00  14:00 - 18:00
7月28日(水)10:00 - 12:00 14:00 - 18:00


<長崎一般公開>
8月5日(木)10:00 - 12:00 14:00 - 18:00
8月6日(金)10:00 - 12:00 14:00 - 18:00
8月7日(土)10:00 - 12:00 14:00 - 18:00

上記ホームページの「写真」のところをクリックすると、素晴らしい写真の数々を見ることができます。
バウスプリットから波をけたてる船首(船体がすでにかなり傾斜している)を振り返った写真が白眉です。

リンクをたどって本国のホームページ(英語あり)に行くと、さらに多くの写真があって、こちらも素敵です。


2010年07月04日(日)