HOME ≪ 前日へ 航海日誌一覧 最新の日誌 翌日へ ≫

Ship


Sail ho!
Tohko HAYAMA
ご連絡は下記へ
郵便船

  



Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
オブライアンフォーラムのTTSS論議

パトリック・オブライアン・フォーラムは米ノートン社(オブライアン作品の米国内での版元)のフォーラムですが、各国のオブライアン・ファンが多岐にわたる話題を繰り広げています。
ジョン・ル・カレの米国内での版元がノートンかどうかはわからないのですが(日本での版元はオブライアンと同じ早川書房)、ル・カレの「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」(略してTTSS)の映画をめぐる各国人のやりとりが面白かった。

英国人� 嶌鯑�、TTSSを見た。すばらしい映画、ビカ一だ。だが英国人以外にわかるだろうか」

英国人�◆峽羣遒隼廚Δ�、地獄のように退屈な作品だと思うかどうちらかだろう。一般大衆は退屈だと思うだろう。なぜなら、ル・カレがアメリカ人をあまり考慮に入れていないことは、よく知られているから」

フランス人「ル・カレはアメリカの政策に反対なのであって、アメリカ人に反対しているわけではないと思うが、」

アメリカ人� 崑真瑤痢惷鬚�なアメリカ人たち』がIMDB(映画データベースHP)にコメントを書き込んでいるのは知っているが、それはソ連のために働いた男がアメリカ人を嫌悪していたからだ(アメリカの政策ではなく)。彼は1930年代からこの嫌悪をいだいていた。何故アメリカの政策が原因になるのか」

国籍不明「私はアメリカ人でも英国人でもないが、いわゆる『アンチ・アメリカニズム』を説明するとすれば、その理由は、大英帝国が1930年までには落日を迎えていたこと。第一次大戦後にアメリカは戦勝国となり豊かになったが、英国人もフランス人も、アメリカがそれに値する血を流したとは思っていなかったこと…少なくとも1941年12月(真珠湾攻撃)までは。ル・カレはアメリカの政策にも厳しいが、自身の国(英国)の政策にも厳しい」

アメリカ人�◆屬修譴蓮慇�格(Character)』の問題だ。驚くべき数のアメリカ人が個人的には自国の外交政策に批判的である。民主主義国家では外交政策代表者を選挙で選ばねばならず、その結果が良かれ悪しかれ、我々はそれに責任を持たねばならないが、ここ10年間私は自国の外交・国内政策のおかげで苦悶を味わった。外国の友人や同僚から、アメリカの政策について「あなた(you)の」と言われるのは不愉快だ」

もとが話し言葉なのでかなり冗長なため、発言内容は要約しています。
そのうえ、映画のねたばれをしないように固有名詞を伏せていますので、ちょっとわかりにくいかも。
もとの英文(http://www.wwnorton.com/pob/forum/ceilidh.htm Sep 16)をお読みいただくと、ねたばれですが、もう少し具体的な説明がされています。
国籍不明の人(たぶんカナダ人かオーストラリア人かニュージランド人)が映画中のセリフを幾つか引用して説明してくれているのですが、それを読むと「あ、見てみたいなこの映画」と思います。印象的なセリフなので。

うーん、しかし。
大多数のアメリカ人に超退屈(boring as hell)だと思われてしまうと、アメリカの興収を見て決める日本公開は遠のいてしまうかなぁ。

それはともかく、アメリカ人�△龍鮹圓蓮△修ΔいΔ發里�…と思いました。
アメリカの政策はあまりにオレ様なものだから、私たちついつい言いたい放題批判してしまいますけど、同じアメリカ人でも「敵への怒り」に乗れない人は、確かにつらい十年だったかもしれませんね。


2011年10月01日(土)